楽苦画飢18-所持品検査

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物々しい警戒の元での所持品検査であり所内の半地下家屋では寝台の板まで外し徹底的な検査を して刃物類を探し出していた。 それが終わると初めて整列した我々の所持品を拡げ検査が始まる。
(楽苦我記)
シャフタマの収容所に1年半収容されていた間に所持品検査と称するものが、春頃と冬前の天気 のよい日に2回あったと思う、全作業中止にして実施され全員収容所正門前の空き地に並ばされ、 所持品を土の上に拡げて検査を受けるのであるが、所内では、寝台の板まで剥し隅々まで丁寧に 調べ、刃物は云うに及ばず折れた金鋸刃に至るまで金属と名の付く小片まで総て没収している、 (後略)
(解説)
所持品検査が刃物などだけでなく、時計や万年筆等が主だったとも聞く。その場に居合わせた訳 でもないのに、私が解説を入れて来たが、私の得た情報で補足、加筆した。 ここではその徹底的な検査を掻い潜って父の戦友山澤松二様は父が託した「長峯」の印鑑と私の 写真一葉(母には申し訳ない事だったが)の2点を持ち帰って頂き、我々にお届け頂いた事実を ここに報告したい。