楽苦画飢5-シャフタマ第25収容所

 写真をクリックすると拡大できます。



シャフタマ第25収容所より NO.2シャフト(試掘抗)方向を望む、監視塔は初期には 3ヶ所に監視兵が立っていたが、その後一人だけとなった
(楽苦我記)
以前ドイツ捕虜がいたと言うシフタマ収容所はチタ州に属しチタから東へ300キロの所にある スレチェンスクより更に奥地(南方向)へ135キロほどの所にある、モリブデン鉱山を主体と する人口500ばかりの寒村である。 収容所より見て小さな谷超えの左上に横掘りのモリブデン鉱山が見え、それより目を右に移して 行くと第3シャフト(竪鉱)のエレベータ用塔が眺められ、その中間点位の位置に小屋が見える (第2シャフトの事務所で未だ開発されていなかった)、収容所より勾配の少ない斜面を降りて 行くと幅5メートル位のメイン道路につながり右に行くとスレチェンスクに通じ、左に曲がると シャフタマの中心に通じ各鉱山に行ける。収容所の出入り門右前には兵舎2棟が並立し、その裏 側に官舎が数棟建っている。東側は白樺林でありその奥は雑木林に北東側は遠く森林地帯に連な り山並みが望め、郭公の声が聞かれた。正面には大きな観音開きの門があり、その横に通用門が 設けられ衛兵所がある。所内には医務、将校、炊事棟が地上に建ち、半地下家屋が7棟程あり我々 の居住である。
(解説)
これは大変繊細に描かれた貴重な鳥瞰図であり、地図とも一致するし、私が見てきた場所が全部 描写されている。 ここにはモリブデンの鉱山が3つ有り、80メートル以上の竪抗で危険な厳しい作業をさせられた。 別の資料でこの収容所は3,200平方米で一人当りの占有面積は1.6平方米とあり、 総員1,500名が収容されていたと記してある。
スケッチ中(A)は私の要望により、埋葬地を記入頂いたもの。「引き上げる時トラックの荷台よ り収容所から本道に出る手前で(後ろを振り返ると)多くの墓標が稜線に向ってはっきりと良く見 えた」と車上から見た拡大したスケッチも外に4−5枚頂いた。