■Summary
ナプロGX(アメリカ名=G-2000)をチューンドGTRにレギュラーガソリン使用時に添加してノッキング消滅効果を得られたので報告する。
試供車両 BNR34改 |
登録年 1999年1月
パワークラフト 社有車 0833-43-6968 |
エンジン |
RB26DETT改 |
排気量/ ボア:ストローク |
2771cc/ 8.92:1 |
ピストン |
HKS鍛造 Niメッキ Mos2コーティング |
同リング |
Tin(チタンナイトライド)コーティング |
カム |
272−280度 リフト量 10.5-10.8mm |
タービン |
APEX AX53B-70 |
過給圧
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常用 152kpa(1.55kg/cm)
max 177kpa(1.8kg/cm) |
■ノック検出法
- ノック検出には、JECS製ビジュアルパワーのパワー表示が、0〜5Vのエアフローメーターの出力を計測し、且つピークホールドであることからECUのノックセンサー端子に接続し、パワー表示値を0〜5Vのノックセンサー出力電圧と換算し、測定した。パワー表示の較正はエアフローメーター出力値(0〜5V)を同時計測し0〜5Vに相当するパワー値を求めた。
■実施状況
- 新エンジンを搭載後約600kmの1次慣らしを終え、約60Lのレギュラーガソリンを補給した。2400〜3500rpmにスライトノック(軽量のスパークノック)を認めた。次にナプロGX70cc(約990:1)を添加し20分後にノッキングの消滅を確認した。2回目更に60Lのレギュラーガソリンを給油し、今度は40ccのGX(1500:1)を添加してノッキングを計測したが、全くノック発生を認めなかった。
■結論と考察
- ナプロGX(G−2000)のアンチノック効果は、従来オクタン価に換算し2〜3の向上(添加率 2000:1)が確認されていた。そして、アンチノック性を求める場合はGXレーシングを添加するのがセオリーであった。しかし、今回のパワークラフトのハイパワーチューニングカーにレギュラーガソリンを入れると言う壮大な実験?で、GXにもかなりのオクタン価向上効果(アンチノック性)が確認できた。
- GXのアンチノック製は推定であるが、その助燃効果が大きく寄与していると考察できる。
オットーサイクルエンジン(予混合火花着火)の限界でもあるノッキングは、スパークプラグによる正常な着火後、急激に熱、圧力が上昇し(定容入熱) まだ燃えていない混合気(エンドガス)が自己着火することにより発生する。
ここで混合気の燃焼速度が十分に速ければ、自己着火発生以前に正常な燃焼が終了しノッキングの発生はなくなる。
ナプロGXは、ガソリン(アルカン=鎖式脂肪族飽和炭化水素)に含まれる燃焼を阻害するワックス、ポリマー類の不燃成分を分子レベルまで分解し、燃焼速度を大幅に向上させる。
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