白内障の手術




 加齢と共に視力が徐々に低下する白内障については、どの時点で手術を受けるべきかの判断には大いに迷うところですが、私の経験からすると、信頼できる白内障の眼内レンズ手術が可能な病院を受診できる環境さえ整えば、高齢者の場合は補正視力が0.9を切って不便を感じた段階で手術に踏み切られる事をお勧めします。
 ただし、最新の検査設備の整った信頼できる眼科病院での、視力低下の原因が白内障以外に緑内障や黄斑変性症・網膜剥離などの合併症による疑いが皆無との診断が必要です。
 
 手術3日前から術後3か月の長期間、多い時は1日3種類4回の点眼が1か月も必要などの煩わしさを考えても高齢者に取っては不向きな手術であることに間違いありません。病床に就いた高齢者には対応が大変なので、心身共に健全な内に手術を受けて、回復した視力・視野で前向きな気持を余生に十分に活用できる期間が最長となる様に考えるべきだと思います。

 日本国内での白内障の手術に関しては、最も実績と信頼の高いので有名な三井記念病院の赤星 隆幸 眼科部長(http://www.hakunaisyo-soudan.com/docinfo/doc00002.php)の執刀が直接に受けられる秋葉原アイクリニック(http://www.akihabara-eye.com/)を受診する事も可能です。
 最近は白内障手術が一般の眼科病院にも普及して来ましたが、やはり期待に添わない結果となる事例も聞きますので医療機関の選択には細心の検討が必要と思います。 教育機関でもある大学の付属病院では経験豊富で最も優秀な執刀医の選択を患者側には許されない等の不安が残ります。

 幸い私の場合は、たまたま国立医科歯科大学を卒業した時点から白内障手術などを専門に12年間研鑚された経験豊富な新進気鋭の院内講師であった医師(http://abiko-ogawa-ganka.com/doctor/)が、独立されて市内に新たに医院を開業(2014/10)されたと言うチャンスに巡り会いました。
 初診は、此れまで掛り付けの高齢の眼科医が緑内障対症として高めの眼圧低下の為に2種類の点眼を3年間継続して来た診療に対するセカンドオピニオンとしての受診(2015/7)でしたが、OCT検査など最新の設備による診断の結果、緑内障の疑いは全くなく2種の点眼は不要との明快な診断を戴き、即刻 病院を変わることに致しました。

 白内障は ぼやけ、眩しさ、夜間自動車のヘッドライトの散光、日中屋外での液晶画面の見ずらさなど症状には大きな個人差があるようですが、私の場合は、ゴルフや写真の趣味に大変不便を感じていたため、即刻 眼内レンズ手術の適用を受けることに決心し、1週間間隔で両眼の日帰り手術(2015/8)を受けました。

 解像度を重視して単焦点の眼内レンズを選択し、ピントを無限遠に合わせた結果、新聞や読書の為に老眼鏡を必要とする以外は、両眼とも軽度の乱視(0.5)を補正すると1.2の視力を回復し、室内でも眼鏡を掛けずに通常の生活をする事が可能となりました。 最近、健康保険適用外の先進医療と称してピントが甘い遠近両用の「多焦点レンズ」を薦めて、片目32万円余りの手術を売り物にする病院もあるので注意が必要です。

 白内障の場合、加齢とともに見辛らくなる過程では本人が気付かないほど徐々に進行するために、術後の視力回復はまるで初期のぼやけた白黒テレビから突如鮮明な4Kハイビジョンに切り換わった様な驚きと感動でした。 気力・体力が衰える中で、唯一 若さと明るさが取り戻せる確かな方法です。(2015/12/12)