6.原子の中の電子
(1)J・J・トムソン→電子の発見(1897年)
“ぶどうパン型”原子モデルの提唱(ぶどう=電子,パン=プラス電荷)
(2)長岡半太郎→“土星型”原子モデル(1903年)の提唱(リング=電子,土星=原子核)
(3)ラザーフォード→α粒子を原子にぶつける散乱実験(1911年)
長岡モデルを実証
(4)ラザーフォード・長岡モデルの矛盾
電子の回転運動→電場の変動→磁場の発生・変動→電磁場の発生→エネルギーの放出
→電子が原子核に衝突⇒自然界と矛盾
(5)ボーアの仮説(1913年)
1)軌道上の電子の運動では電磁波は発生しない。
2)電子の軌道は「ある条件式」(ボーアの量子条件)を満たすとき安定。決まったエネルギーを持つ。
3)電子がエネルギーの低い別の軌道に遷移するとき、そのエネルギー差分を電磁波として放射。
しかし、古典力学的な明確な電子軌道を想定(前期量子論)
(6)ド・ブロイの解釈(1924年)
電子は波の性質を持つ。
∴ボーアの量子条件→軌道1周の長さが電子の波長の整数倍のとき安定。
(7)量子力学へ
1)ハイゼルベルグ(コペンハーゲン学派)→行列力学
2)シュレディンガー→シュレディンガー方程式(波動力学)
・1)と2)は数学的に同等。
・|波動関数|2=(電子の存在確率)…ボルンによる解釈
・電子軌道→電子雲のイメージへ。