指導形式について

                                                                                       (2007/07/05)     

当道場では、まず学習者が主体的に問題に取り組んで答案を作成する答案練習会の形式をとっており、
基本的には講義形式をとっておりません。

その理由は以下のとおりです。

@講義形式は聴いているときはわかったような気になりますが、
それは人の話に対して他人事というレベルで表面的に納得した(うなずいた)にすぎず、
初めて見る問題を自力で解くだけの学力は身に付きません。
このことはこれまでの学校教育などの経験からも明らかだと思います。

指導者の話を聴いてその真意を理解するには、
学習者が予め問題に取り組んで、
問題意識をしっかり持った状態にしておくことが必要なのです。

ですから、基本的にはやはり演習形式・答案練習会形式の方が有効です。

但し、自宅学習や学校の授業で十分に理解できなかったところがあれば、
演習に先立ち
ミニ・レクチャーを行って理解の穴を補填するようにしています。

A演習によって、まず自分は何がわかっていないのかを見出してそれを抽出し、
次に答案上ないしは口頭による指導を通じてひとつひとつそれを解決し、
借り物でない自分なりの手法を確立していきます。

当たり前のことですが、学び取るのは学習者自身です。
指導者はあくまで裏方であって、
思考の舞台裏を分析してそれを伝え、適切な学習方法を提示することによって、
学習者の努力が確実に学力として結実するように補佐するだけです。


ここを間違えて主客が逆転してしまうと、
学習者は主体性を奪われた操り人形となり、本当の知性を完全に阻害してしまうことになります。


当道場が目指すのは、いかなる難題にも挫けることなく主体的に問題を解決していく逞しい知性を持った人材の育成です。

Bわかったと思っても、その内容をいざ書面に示してみるとそこに論理の綻びを見出すことはよくあることです。
ですから、一方的に講義を聴くだけの勉強、答の正誤を確認するだけの勉強をしていたのでは、
いつまでも真の思考力は身に付かず、いずれかの段階で突如学力が崩壊する結果となります。

そのままではわかりにくいことをわかりやすくするために図解等をすること、
自ら考えたことしっかり文字にすること、
人に
自分の考え明確に伝えること。

見せかけではない真の思考力を身に付けるのに必要不可欠の作業です。

■答案練習会参加の心得
 学習者の頭や心の中を覗くことはできませんので、
指導者が学習者の理解の状況を知る手掛かりは答案(思考過程のメモなどを含む。)および質疑応答の際の言葉と表情だけです。

ですから、学習者には、
@これらを通じて
自分の理解の程度、つまづきの内容等積極的に伝えるよう心掛けること
A演習では伝えられない
悩み、問題点を感じている場合はそのことを積極的に言葉で伝えるようにすること
をぜひお願い致します。

数学を勉強するコツ
@答案をしっかり書き上げること。答だけを出す勉強はしないこと。
論理の綻びは導出過程を書いてみないとなかなかわかりません。

A
単に覚える勉強はしないこと。知識は集約し、絞り込むこと。常に「なぜ?」を考えること。
参考書や学校の授業などでは
思考の舞台裏までは説明しませんが、
「なぜ、こんなこと思いつくの?」ということまで考えるのが本当の勉強だと思います。

勿論、そういう疑問に対して当道場は十分納得できるまで対応致します。

B
公式・定理は導出できるようにしておくこと。
演習のときに公式・定理を忘れていても公式集等は絶対に見ず、
頭に残っている知識で何とか凌ぐ努力をすること。
これによって、絶大なる応用力を築くことができます。

C
別解を考える勉強を心掛けること。
これを地道にやっておくと、やがて自分に解けない問題はないという自信、心境に至ります。


D
難問至上主義に陥らないこと。
パズル感覚で趣味として楽しむのは構いませんが、思考の土台作りをそっちのけにして背伸びばかりする勉強は危険です。
大切なのは基本。応用も基本の適切な組合せに過ぎません。

Eそして、学びに対して
純粋で高邁な夢を持ち続けること。
これがないと、高が途中経過の小さな挫折ごときで全てを投げ出すことになります。

 

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