真に学問を愛する受験生の皆様に贈る言葉
〜必ず最後に愛は勝つ!〜
(2008/05/23)
2008年度大学入試センター試験も終わりました。受験生の皆様、お疲れ様でした。 今年も新聞に掲載された数T・A,数U・B,物理Tの問題を解いてみましたが、例年通り、 高校の日々の勉強を怠らなければ解けるような基本・標準レベルの問題ばかりで、 いやしくも最高学府たる大学で学問を修めようという者であれば この程度の試験で一定レベルの成績が要求されるのは当然でしょう。 しかし、いつも感じることですが、 この試験は例えば数学の場合、予め設定された解法に従って答を埋めていく形式なので どうも主体的に解いている気がしないのです。 自由な思考を奪われた状態で次々に突きつけられる問に答を出していくうちに、 解法の全貌がよく見えないまま最終解答に行き着いてしまうのです。 要するに、これは大学で学ぶ者に最低限度要求される学力が欠落していないかどうかを 診る程度のものにすぎず、本当の思考力の有無などとても判定できません。 一定レベルを超えたらそれ以上の得点争いは無意味なんです。 こんな試験で高得点を取る能力が“なんぼのもんじゃい!”ってことです。 センター試験は一つの例であって、同様のことは他の試験にも言えることです。 そもそも人間の能力を正しく判定できる試験、方法など存在しないのですから。 だから、高得点が取れた人は 決して心得違いをして思い上がることなく、その幸運に感謝し、 謙虚に希望の大学に進んで学問追究に精進すべきですし、 思わしくない結果に終わった人は、自らの秘めたる能力を見失うことなく、 最低限度の学力の欠落がなかったどうかを冷静に確認した上で、 心機一転、再び真の夢の追求、使命の遂行に向って精進すべきです。 世の中には不条理な選別が沢山あります。しかし、これをすべて拒否したら人生そのものが 成り立たなくなってしまいます。だから、かかる火の粉は払わなければなりません。 でも、いつまでもその結果を鼻に掛けたり、卑下したりするのは野暮というもの。 過ぎた後はさらりと忘れて何事もなかったかのように、 また自分の行く手を見据えて淡々と歩み続ける、そんな粋な生き方をしたいものです。 真に学問を愛する受験生の皆様を心より応援しております。 愚かなる世間の雑音に惑わされることなく、 学問を愛する純粋な心を持ち続け、自らの道を極めていただきたいと思います。 KANさんの1991年大ヒット曲の歌詞からこの言葉を贈ります。 ♪どんなに困難でくじけそうでも 信じることさ 必ず最後に愛は勝つ!♪ |