建築レポート:震災支援

3月27日 応急危険度判定業務

 危険度判定2日目。朝8時に出発。少し輪島市街を回りながら門前に向かう。輪島市街は門前に比べればやはり被害は少ないが、それでも傾いた家や、倒れた建物が見受けられる。

黒島に到着後、まず昨日のおばあちゃんの家に顔を出すと、「あ〜あんたらのおかげで助かったわ〜」
見ると、梁を戻して、下に支えの柱を入れてあった。「私ら何にもしてないけど、とにかくおばあちゃん良かったね。」と声をかけ、まだ見て行ってというのを、順番だからもうちょっと待っててねと断り、先を急ぐ。

今日は高台の家が多いが、擁壁が割れていることが多く、余震や大雨が非常に心配である。普段は眺めがよく気持ちがいいだろうけど、今となっては恐ろしい限りだろう。ほんとに「大変やねぇ」としか言葉が出ない。


前日この蔵はつぶさないとダメだろうと言っていた蔵のおばあさんが、「蔵はしょうがないけど家はおじいさんがいい材料を使って建てた家やから絶対直して住むんや。」と言っている。確かに立派な家で傾きもほとんど無かったので、ちょっと手を入れれば大丈夫でしょうと言って帰ってきた。しかし後日その蔵を見に行くと、土壁を落として下見板を張って何事も無かったかのようにきれいになっていた。「あ〜、いらんこと言わんとけば良かった。」土壁の崩壊に目を奪われ、構造材がしっかりしていることを見落としていたのだ。猛烈に反省・・・。
この蔵が後できれいに修復されていました。

前日のおばあちゃんの家でも隅々まで見て、土蔵は土壁が落ちたけど、柱はしっかりしているから、全部壁を落として板を張って軽くするのも手やねと伝える。2階に上がる階段の前の戸が開かないというので、外れた戸を直して2階に行こうとすると階段が落ちている・・・。これも早く大工さんに見てもらって、と言って家を後にした。

この日は、崖の上で地盤が下がり、菱型に変形した家や、近所づきあいが悪くて、隣の愚痴をこぼされたり、家の中に入っていろいろ説明してくれたので、対処方法を話したら、「俺の家は隣なんや」と言われたり、ホントにいろんな家に行きました。

とりあえず、この日で黒島の北側が調査完了。明日から中心部に入る。
で、やっぱりこの日も市役所についたのは19:00頃で最終組である。
今晩は断水が解消したので、外でご飯を食べようと何人かで焼肉を食べに行ったのですが(ちょっと不謹慎ですみません。)、マスコミの批判っぽい話をしていたら、隣に陣取っていたのがどうやらマスコミ関係の人たちで、ちょっと気まずい雰囲気に・・・。ま、いいか。

宿に帰ってから朗報が一つ。この日から民宿で風呂が入れることになったのだ!(実は昨日から入れたらしい・・・)3日ぶりの風呂は格別である。しかし、自分は一応下着は着替えを持ってきたが、先遣隊は結局そのまま明日まで作業をすることになったから、着替えもなく、「かわいそう・・・。」
今晩はゆっくり眠れそうだ。

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