8月2日

 ごくまれに、自分がどういう人間なのかつきつけられるような本にでくわし、愕然とすることがある。心が冷えていくのがわかる。
 自分はとてもいびつな人間である。けれど、それを正す術を補う方法を私は知らない。どうすれば良いのか、まるでわからない。
 私はいつまでたっても稚拙な子供であり、人としてなにかが欠落していると感じる。
 私は自身を不幸だとか哀れだとは思わないが、このいびつさを突きつけられる瞬間は胸の奥がちりちりと痛み、、いつも少し哀しくさびしく思うのだ。人として、落伍者なのだと思い知らされるからだ。

 陽が沈んだ路を歩く。空をあおぐ。紺色の空を、猛スピードで雲が走り流れていく。私の好きな光景のひとつだ。少ししあわせ。
 書店にて、いつもの棚をながめる。帰ろうとなにげにふりむいたら、反対の棚のヒラズミの本の一冊と目が合った。手に取り、あとがきにざっと目を通し、ラスト数行を見、レジへ。ひさしぶりに、本当にひさしぶりに、別ジャンルの小説を購入。購入後も、信じられなかった。びっくりだ。

8月3日

 考え方を変えよう。現状、鑑賞と読書しかできないのではなく、鑑賞と読書ができていると思おう。
 たしかに年明けと比べればできるものが減った。けれど、あの頃はやらなければと追い立てられ、少しの余裕もなく張り詰めていたように思うのだ。いま、かなりトーンダウン。そのなか、できることふたつは残ったのだ。良しと思おう。時期がくれば、また少しずつできるようになるさ。

8月10日


 夏休み親子のための能楽公演
 狂言「蚊相撲」
 能「雷電」
 小鼓と太鼓の体験教室をしており、参加する。
 鑑賞、子供のほうが素直に受け止めるようだ。保護者同伴というのもあるのだろうが、中高生たちとの鑑賞よりかなり観やすかった。

8月17日

 狂言「八尾」
 能「夕顔」
 少々無理をして行ったのがよくなかったか…。居眠りをしてしまった。うわっ。

8月の事柄

 中旬から体調崩す。
 夏コミ。ぎりぎりまで迷ったが、自力で自宅と会場を往復する自信なく、知り合いの方々へのあいさつ回りを断念する。
 代わりにメールをだせればよかったのだが、現状の私にはそれすら高いハードル。できずに終わる。

 突然夜明け前に目が覚め不安に襲われること、数日有り。目が覚めたとたんに、これからどうして暮らしていけばよいのかとパニック気味になる。きしきしと軋み痛む胸、圧迫感に、襲われる。じっとしていられず、うろうろと室内をうろついた。
 そういう時は、過去の負の感情感覚までよみがえり、精神的に追いつめられる。まいってしまう。
 そんな日は、嫌な感覚が鋭敏になる。路や店内ですれちがっただけでも、ぞっとした感覚に襲われる。無意識に服を握ったり放したりしていたこともあった。
 外出を恐れるようにならないように。外出先でパニックに陥ることをどこか恐れている。大丈夫。これまでコントロールしてきたのだ。けれど疲れているのも事実。

 皆が日常普通にやっていることすらいまの私には高いハードル。
 いまの自分にとっていちばん良いことは?