9月7日

 パバロッティの訃報をニュースで知る。
 私が彼の歌を聴いたのは、上京し、授業の一環としてだ。パバロッティとカレーラス。同一の曲を聴き比べるものだった。
 一発でまいってしまった。
 子供の頃、ワイセンベルクを聴いたとき以来だ。ワイセンベルクに感動し、録音テープを持ってピアノ教室へ行った。先生に聴かせたくてたまらなかった。ピアノ教室の先生は当時としてはめずらしくバイエルを重視せず先生独自の練習法をとっており、すばらしいピアニストをみつけたと云った私の言葉に、テープを再生してくれた。「月光」「悲壮」「熱情」の三曲をふたりで聴き、先生は聴き終えるなり、上手いとひと言云ってくれた時の事を今でも鮮明に覚えている。
 上京し、学生時代の寮生活のなか、目覚め、気分があがらない時は、ドミンゴの「UNO]を聴いていた。
 なにより、パバロッティの「衣装をつけろ」が好きだ。
 きつくて、それでも自分を保たねばならない時、それでも人前に立たなければならない時、リピートし自分を形づくる。
 ことに、おととし、ほぼ毎日のように聴き続けた。いくども、いくども、くりかえし、いくども。内側から崩壊するのをふせぐ為に。自身をつくり、対峙する為に。パバロッティの「衣装をつけろ」に、どれだけたすけられたことか…。
 あの時どのようなかたちにせよ自身を保てなければ、私は現在生きていなかったかもしれないと思う。
 そして今も、時折パバロッティの「衣装をつけろ」を聴きたくなる。これからも一生の曲のひとつとして聴き続けていくだろう。
 心からの感謝を。
 そして心からのご冥福を祈ります。

9月9日

 夕刻、書店内で体調崩し動けなくなる。あ、まずい…と、外にでようと思ったがまにあわなかった。店員さん方にお世話になり、バックヤードで休ませてもらう。感謝。
 発作を起こすと、外出が怖くなる。自身を追いこまないように注意必要。

9月13日

 不安定な目覚め。不快な夢をみた。目覚めると、左上唇が軽くケイレンしている。一日おさまらず。

9月21日

 狂言「狐塚」
 能「阿漕」
  シテ 片山慶次郎
  大鼓 松田弘之
 阿漕の執念がびりびりと伝わってくる舞台だった。
 大鼓、聴いてきたなかで一番惹かれた。小鼓も良く、囃子、良かった。

8月からの事

 食事の後、必ず腹痛に襲われるようになる。数時間うんうん唸るはめになり、必然的に食事量が減った。パブロフの犬? そう、まるでそんな感じだ。痛くなりたくないから食事量を加減する。とまらなくて食べると腹痛。これが摂食障害の改善につながればとは思うものの、どうよとも思う。複雑。