2月6日

  狂言「末広がり」 シテ:茂山千五郎 アド:茂山宗彦
  能「屋島」 シテ:浅井文義 ツレ:浅見慈一
 狂言、良かった。特にシテ。シテ、アド、声好み。
 能、囃子、地謡、とても良かった。シテ、声好み、謡良かった。ツレも好み。
 千駄ヶ谷駅から能楽堂にむかう途中、おもいっきりころぶ。膝を打つ。とても痛い。私がもっと年配だったなら、おそらく骨折の可能性あり。

2月9日

  狂言「伊文字」  シテ:野村万蔵 小アド:野村萬
  能「藤戸」  笛:寺井明 小鼓:後藤孝一朗
         大鼓:國川純 太鼓:三島元太郎
 狂言、小アド、特に良かった。
 能、囃子、一声、これからの物語をとても思わせる趣のある演奏。囃子、地謡、とても良かった。

2月11日

 鮫島有美子のオペラ「夕鶴」
 鮫島さんの演技、すばらしかった。ただひとつ残念だったのは、声。もっと艶と張りのある声をイメージしていたので。オーケストラと出演者との音量バランス、もう一考。すわった座席の場所のせいとは思えない。このオペラはじめて観たのでどこをとらえたら正確なのかわからないが、与ひょう(人物設定?解釈になるのか?)、好みではない。

2月20日

 ひさしぶりに空をあおぐ。美しい月。鮮やかなそして冴えた輝き。胸に染み、恐ろしくさえ感じる。
 今日までのこと。
 食事に少々影響でる。暴食止まらない数日が続いた後、昼食にとれていたパン受けつけなくなる。3日前からまた食べることができるようになってきた。
 もう主食に御飯が食べられなくなり、せんべいが代用という状態になってどのくらいたつだろう。
 2月にはいっても書けない。それどころか、用紙さえ目の前にひろげられなくなる。どうかしている。書く気持ちになれない。怠け者。嫌だ。

2月22日

 ひさしぶりに書店に寄る。知人の書き下ろし文庫をみつけ、動揺する。心がまるいものだとしたなら、ぐにゃりと歪み押しつぶされたような心地がした。彼女はこれだけがんばっているのに、何故自分はできないのか、自分はいったい何をやっているのか、自分はただの怠け者、怠惰な人間、たまらない気持ちになる。購入したほうが良いのはわかっているのに、どうしてもできなかった。
 自分の心がつぎはぎだらけなのを思い出させられる。気付いてはいけない、思い出してはいけない。心にうすい布をそうっとかぶせ、みえないようにする、みなかったフリをする。闇のなか、うずくまり泣いている自分をみつける。けれど私には抱きしめてやることができない。あとずさり、踵を返し、みなかったフリをするのだ。それがいまできる精一杯だ。

2月25日

 おいしそうなパン、スーパーでぐうぜん発見。
 ”あすなろの障害者が創った災害備蓄用パン”
 5年保存。3缶購入。味見は当分先だ。

2月26日

 この二日間心身共に落ち着かず。どこか何かに追いたてられているようだ。二晩ろくに眠れず。へとへと。だが気が休まらず休息さえとれない。原因は、たぶん…だ。
 今日の公演、この状況なのでまともに観られるか案じていたが、杞憂に終わった。すばらしかった。二時間休憩なしの上演、あっというま。まったく集中力がとぎれることはなかった。能狂言のように、舞台の上で様々な空間をつくりだしていく。黒子や物体、ときにバレエ的、ときに立体的な影絵のよう。春琴の成長表現、おもしろい。声の表現良かった。
  演劇「春琴」 演出:サイモン・マクバーニー
         深津絵里 宮本裕子 麻生花帆 立石凉子
         チョウソンハ 瑞木健太郎 高田恵篤 ヨシ笈田
         本篠秀太郎(三味線)

2月27日

 一日中ほとんど眠りっぱなし。
 一日中スナック菓子が食べたくてしかたがない。夕食の買いだし先で、スナック菓子売り場で30分ほどうろつく。カロリーをみては棚に戻すをくりかえす。ようやくここまでおさまりはじめた食事、また以前に戻るのではないか不安、怖くて買えない。
 夕食止まらず。食事を終えたのは一時間半後。怖い。

 2月のこと

 本買えず、読めず。
 書けず。少しもその気持ちにさえなれない。
 このままでありたくない。来月、好転を望む。