3月11日

 第12回能楽研鑽会

3月13日

 3月に入ってから、なんとなくもういちど書けるような気がした。書くためのエネルギーがたまり”書こう”という気持ちが満ち時がくる気がした。待とう。そう思いながら3月を過ごす。
 そうして12日、目が覚めた時、今日書こうと思った。書けるような気がした。午後用紙を広げ、BGMをかける。1月にストップしたままの二話目を書き始める。完成には至らない、いびつなままではあるだろうけれど、それでも、とにかく、初稿最後の一文まで書ききれる気がした。
 時々休息を入れても思考が止まらない。夕食をとり、続ける。疲労で頭が重く、やがてしくが鈍り始める。文字の乱れがひどくなり、書きだした頃よりぐっと級数が大きくなってくる。それでも止まらない。
 13日の朝になり、9時を少しまわって作業を終える。書ききる。分解書きからはじめたものが、いびつで拙くはあるけれど、ようやくひとつの形になった。ほっとする。
 一話目を書けたのは、まぐれではなかったらしい。ほんとうに、ようやく一歩を歩みだせたらしい。
 ゆっくりいこう。あせらずに。大切に。
 徹夜なんてひさしぶりだ。明日からの反動が怖い。さて、どのくらいで回復するか。

3月16日

 「復讐するは我にあり」の再放送を観る。

 三話目の冒頭を書こうとする。
 この話を書こうと思ったときから漠然と描いていたシーンが流れていき、主人公の思いに自身が捕らわれ押しつぶされてしまう。涙が止まらず、口を覆い声を殺して泣く。
 はっきり云って、疲れている。二話目を書いた疲労が抜けない。けれど書きたい気持ちがおさまらない。疲れているのに、気が…神経が休まらない。気持ちVS体・思考(脳)の攻防状態。完全にエネルギーゲージが落ちてしまう前に、一行でもいいから書きたい。
 これが、このストーリーの最終話だ。これでひとつの物語が終わる。最後までたどりつく。がんばれ、私。

3月19日

 「身毒丸 復活」
 藤原竜也、白石加代子、両氏すばらしかった。
 ことに、白石加代子氏、すばらしかった。
 藤原竜也氏、彼はやはり舞台俳優なのだなと改めて実感。
 ふたりの俳優の心の機微、情がとても良く表現され伝わってきた。
 時々、とても伝わりながらも演技と演出から伝わるもの感じるものこのふたつのあいだに微妙なしっくりこなさを感じる。これはどちらがどうというものではなく、私の問題だと思う。この演出、ストレートに受け感じるには、観る側にそれを受け感じるだけの感性、キャパが要求される気がする…必要な気がするのだ。そして残念なことに、私にはやや不足していると思われる。──と、上記のようなことを考えながら観劇。すばらしいと思いながらも、冷静に観た舞台だった。

3月21日

 終了。疲れた。
 一昨日、あと二日で書けなくなると感じた。電池切れの予感。体力が尽きるか気力が尽きるか…限界が先にくるか、書き終えられるか。あとはもう時間との戦い。そしてなんとか間に合った。
 夕食後からはもう意識半分落ちたような状態で過ごす。半分眠りながら?的。

3月25日

 書き終えてからずっと、嫌な夢を見続けている。精神的な疲労が自分が思う以上に大きいのだとわかる。
 書いているあいだ、食事不安定になっていたが、終了後からはプラス甘いものが欲しくてならない。
 昨日はコントロールがききにくかった。甘いものが欲しくて欲しくてたまらない。3時に我慢できずココアを飲む。夕食、甘いものプラス食欲の歯止めがきかない状態。ひさしぶりに腹痛。薬を飲んでもおさまらない。食後4時間たってもおさまらず。朝起きてもまったく消化されていない感じ。

3月29日

 今日、大切な人の葬儀告別式でした。
 4月になったらご自宅におじゃまさせていただこう、お会いしたいとここのところずっと思っていた矢先の訃報でした。
 式終了後、奥様とお話でき、ずっと心配していたと云われ、会えずに終わったことを後悔しました。
 仕事復帰には遠い道のりではあるけれど、拙いながら数年ぶりに書けたこと、報告したかった。
 ほんとうはこの方には、もういちど誌面に掲載した作品をみせたかった。
 とても残念でなりません。
 今日斎場で会った人々とも、本当は復帰し、笑顔で会いたかった。こんなかたちでひさしぶりに顔をあわせることになるとは…。
 訃報のお知らせをいただけて良かったです。とてもお世話になりました。心からご冥福を祈ります。
 奥様とは、今後も交流を続けていきたいと思っています。しばらくしたら、会いにいきます。

3月30日

 今日は、やっと起きたと思ったら、ずっとうたた寝状態。疲れている。
 このあいだ自分が書いたものへの、自己批判、自己否定に悩まされる。自己崩壊へむかう自分、それを押しとどめようとする自分、自己崩壊へむかおうとする自分にむかって追い討ちをかけようとする自分。あんなものしか書けない自分がたまらなく嫌だ。
 大丈夫。大丈夫。大丈夫。
 生きてる価値がない、死んでしまえ。
 大丈夫。大丈夫。大丈夫。
 こんなものしか書けないおまえは、クズだ。死んでしまえ。死ね。死ね。壊れろ。
 大丈夫。大丈夫だから。大丈夫。
 壊れてしまえ。
 怖いよ。怖い。怖いよ。
 大丈夫だと、誰かに抱きしめられたい。大丈夫だからと、自分ではない誰かに云われたい。
 あまえなのだとわかってはいても。
 自分はもう駄目なのだと思いたくない。思ってしまったら、その先の自分はどうなるのだろう。怖い。生みだせない自分、怖い。からっぽの自分。もしほんとうにそうなったら?いや、ほんとうはもともと自分はからっぽで、皆のように”ヒト”であるのだと自分にいいきかせ必死で立っているだけなのだとしたら?
 からっぽなのに気付きたくはない。まだ”ヒト”でいたい。書かなければ。失ったらどうすればいい。