2月1日

 TEL負担。でも必要。がんばる。TELできた。O氏と会う約束。気持ち、少し力抜ける。たすかった。そんな心地。
 反省。1月末にだしたメール、たぶんむちゃくちゃ。みる勇気無し。

 ─再び”来る”。この感覚。
 ─ああ、この感覚。
 背後からは”僕”の視線。
 絶えず”僕”の気配がつきまとう。
 ひきだしから出た”僕”がじっと私をみつめている。
 あの時とらえられなかった言葉、すり抜けて言った言葉。はじまりの言葉。形さえつかめない。けれどぼんやりとしている。モヤにさえなっていない。
 つかめるか。何日かかっても。”僕”がいる限りは。感じていられる限りは可能性がある。
 さあ、耳にはあの序曲を。心には”僕”を。
 ”僕”の運命の扉をあけろ。歯車をまわせ。
 ”僕”の恐怖と苦痛と絶望を。

2月4日

能「弱法師」 シテ:浅井文義
       ワキ:宝生 閑
狂言「鈍太郎」 シテ:善竹十郎
        アド(下京の女):善竹富太郎
        アド(上京の女):善竹忠亮
 疲れているなか観に行ったかいのある舞台だった。感想書くだけの気力ないのが残念。
 最後、去ろうとする俊徳丸をひきとめる通俊がとても印象に残った。心とらえられた。

2月11日

 11月からおかしな状態続く。どんな事柄か、その内容はここにさえ書くことできず。おそろしく、恥ずかしく、あさましく、なさけなく、どうかしているとしか云いようがない。ほんとうに、どうかしている。これは私ではない。いつもの私からは考えられない。人が変わったとしか思えない。
 いやちがう。わかっている。これでバランスをとっているのだ。
 食欲、おかげでわりとおさえがきいている。
 だが、いいかげん手を切らなければならない、脱出しなければならない時だ。これ以上はあぶない。許していていいはずがない。坂道を転げ落ちたくはない。
 夜、某ニュース番組で、レイプ被害にあった女性の特集をしていた。告白した彼女らに、周囲は”忘れなさい”と云うとのこと。
 ああ、彼女らは、身近な人に告白することができたのだ、と思う。
 身に起きた事柄は別として。
 私は誰にも語ることはできなかった。そして、起きた事柄を、私は忘れていたのだ。”あること”をきっかけに、失っていた記憶がよみがえり、その記憶は”あること”と共に私を苦しめるものとなった。
 人とは便利なものだ。時として、生きるために記憶をなくす。自身の歴史からなかったことにしてしまう。だがそれは完全に抹消されたわけではない。
 人の記憶とはおそろしいものだ。思い出したときの衝撃、労力、あがき、苦しみ。
 ああ、何を書こうとしているのか。
 ダメだ。思い出したことは覚えてはいるが、いま思い出してはいけないことだとブレーキがかかる。考えてはいけない。触れてはいけない。何度も、何度も、何度も、何度も、なんども、なんども、なんども、自身に暗示をかけていた自分を思い出す。箱に入れた。鍵をかけた。それをまた箱に入れた。鍵をかけた。それをまた箱に入れた。鍵をかけた。なんどもくりかえした。マトリョーシカのように。入れていった。廊下で入れていった。それは触れてはいけないことだ。それこそ、忘れなければならないことだ。だめだ、考えてはいけない。思い出してはいけない。
 ああ、何を書いているんだろう。
 時として、わからないけれど、涙が流れる。
 本日、とある物をみていたら、だらだらと流れていた。きっといまの私には必要なものなのだろう。購入を決める。お守り代わりに。注文品の為手元にくるのは時間がいるが、これが届いたとき、この私にはありえない現象から抜けだせることを切に願う。

 今日、ひさしぶりに御飯を口にする。食べながら食べられたことにほっとする。眠る時間になって、食べられたことに少々恐怖する。また食べることが止まらなくなるのではないか。太るのではないか。

2月17日

 踏み切りで、雰囲気、姿が似た女に出くわす。吐き気。
 夕食、とまりにくくなる。

2月20〜22日

 両親来る。
 また痩せたのではないか、疲れていると指摘される。
 両親帰った後、暴食。