5月1日記す

 4月から、気がつけば飲料、水お白湯受けつけず。DAKARAと濃いほうじ茶。食事暴食になり始めた。過食傾向だけではすまなくなってきた。
 延々栄養補助食品クッキーのみ数袋、延々菓子袋数袋、延々金時豆、延々板チョコレート数枚、これらを黙々と頭が納得するまで食し続ける。これが普通の昼食例だ。
 チョコレートはカカオ80パーセント以上、板チョコは99パーセント。それ以外のチョコレートは受けつけない。少しも苦くない。むしろほんのり甘く、コクがありとてもおいしい。
 舌、むくみ、まわりはただれ、裏側ぶつぶつ。頬の内側には噛んだ覚えがないのに血豆。
 だるい。やらなきゃと思うのにどうしてもやる気になれない。ぼんやりして過ごす。
 午前仕事の時は、午後は眠る。
 ほとんど食べることを考えている。黙々と食べ、食べ終えると次の食事のこと。あれ食べたい、これ食べたい。夕食終えると、翌日の食事のこと。あれ食べたい、これ食べたい。
 食べる恐怖で、おもいきって吐いてしまおうかとも思う。けれど吐くことを覚えてしまったら最後だと思う気持ちがあり、これだけはできない。最後の砦のようなものだ。
 食べたい食べたい食べたい。なのに、世のなかは細いひとばかり。TVを観ても歩いていても細いひとばかりだ。自分だけがありあまる肉、脂肪。醜い体。どうすれば。やせられるのか。やせたい。細くなりたい。きれいになりたい。デブから脱出したい。気をつけても気をつけても太っていく
 チョコ食べたい。99パーセントカカオのチョコ。とってもおいしい。やまほど食べたい。金時豆食べたい。おなかいっぱい飽きるまで食べたい。延々クッキーが食べたい。補助食品のやつ。このあいだのとき、マーガリンの味がとても強烈に感じ、こんなに使用しているのかと思いながら食べ続けた。豆腐食べたい。ゆで卵食べたい。インスタントのわかめスープにわかめやまほど入れて干しえびたっぷり入れて食べたい。このスープ、昨夜と今日食べたけれど激ウマかった。ハチミツを買ってお皿ににゅるにゅるだしてスプーンで食べた。これも激ウマかった。
 大っ嫌いなカキフライ、友人に勧められて生まれて初めて食べた。食べた。信じられない。
 食品売り場をうろついて砂糖コーナーで止まる。これまでもあったが、黒糖を手にとっては棚に戻すをくりかえしていた。今日、”あ!これ食べたい!”と思う物にようやくであう。口にしたときのことを考えただけで脳がものすごく満足状態ひろがる。何が違うのかと裏面の原材料をみたら、100パーセントさとうきびだった。
 ハチミツ食べたい。ひと瓶食べたい。ココア、もっと濃くして飲みたい。よもぎのおまんじゅう、よもぎのアンパン食べたい。ぜんざい食べたい。抹茶のシュークリーム。
 いま甘い物ひとつ選べと云われたら、99パーセントカカオのチョコレート。ガンガン食べたい。もういいと思うまで食べたい。
 暴食の日々。3000kcal普通にとっている。
 29日、耐えられなくてY氏にTELした。
 Y氏いわく、現状の私は過食というより、栄養を吸収できなくて、体が食べてとるのには限界があるから、摂取する必要ありと判断された栄養素の順位にのっとって、その栄養素のとれる食品をしぼってとにかくとっている状態らしい。Y氏にカキフライを勧められたのも、この予想にのっとったものだ。もしこれでカキフライ食べられたならおそらく予想は当たっているだろうとのこと。その場合、栄養素を吸収できる体をつくろうとしているのだから、かなりあぶない状態。少しでも食べたいと思ったものは、とにかくカロリーを気にせず食べるよう等アドバイスされる。ちなみに栄養補助食品をガンガン食べまくった時の話をしたら、それは食品のなかにビタミン類アミノ酸ミネラル等がそろっているからなのではとのこと。これも緊急事態だったらしい。
 思いあたること少々。なんかこの頃フライパンが重い。食品が入ると、もちあげにくいのだ。頭洗うのしんどい。とにかく力が指先に入らない。洗うというよりなでている感じだ。とくに、頭のうしろを洗うのがしんどい。腕をあげていられない。二の腕が疲れやすく、すぐだるくなるので、頭を洗うのは重労働だ。
 洗髪。ひさしぶりにまともに指先が使えた。
 入浴は疲れる。親は入浴すれば疲れが取れると云うが、私は昔から違う。疲れる。エネルギーがいる。もうずっとシャワー。湯船につかるだけの気力はない。
 ひさしぶりにいっぱいメモした。メモできたといった方が正しい。字はぐちゃぐちゃだけど。文字、どんどん大きくなる。そろそろ限界か。パソコンまでは無理。またこんど。できる時を待つ。椅子に寄りかかって筆記中。
 ハチミツ食べたい。
 喉渇いた。ほうじ茶飲みたい。
 鉛筆まともに持てない。立てて筆記。
 今日はこれが限界。ハチミツ食べたい。

  ──5月4日、本日PC。メモの最後の文字、およそ2センチサイズだった。

5月2日

 本日は鉛筆をほうり投げたい。用紙の前から立ち去りたい。気持ちのなかでこの行動へのストレスゲージがぐわんぐわんあがっていくのがわかる。胸が重い。呼吸がなんだかしんどい。
 それでも書かなければならない。書きたいわけではない。書かなければならないのだ。そうしなければどこか自分が壊れそうなおかしくなりそうな気がしてならないからだ。
 毎日目が覚めると耳鳴り。今日は昨日に続き、頭痛の種付き。頭痛になりそうでならないようで、ボーダーのなかで若干痛い。足はつりそう。これも4月下旬に入ってからの症状。今日は加えて体が硬い。
 レイプの夢をみて以降、時折某の夢をみる。内容は覚えていないが良い夢ではないようだ。
 昨日の夕刻の買い物で、ひとにぶつかり、軽い恐怖状態に襲われる。まだこの症状から抜けだせないらしい。
 昨日はエネルギー補給ができたぶん、動けた。荷造り、残っていた分なんとかやりとげる。義母へ無沙汰のおわびのTELと、最後に会う日程の調整をする。
 夕食にはカキフライ。生臭いし苦いし不味いし大っ嫌いだ。口に入れることも飲み込むことも普段はできないが、食べてしまう。
 今日の昼も食べたくて、重い体をおして買いに行く。頭のなかはカキフライとエビ、カキフライとエビ。陽射しは強くてあびるのはしんどいし、食品街は食べ物のにおいが時折鼻につき吐き気に悩まされる。
 食べれば油の味?舌触り?とにかく油が舌につくのが嫌だがカキフライもエビ唐揚げも箸止まらず食べつくす。
 起床後計った体重、10ヶ月ぶりにみた数字。おそろしい。デブ。頭のなかに包丁浮かぶ。あれでそぎ落とせたらなあと思う。TVでやっていた体脂肪3%の女性思い出しうらやましくてならない。
 昨日の夕刻買出しに歩いたとき、体に肉がみっちりついてしまったのを感じた。歩いていてとにかく肉が気持ち悪い。まわりは皆細いひとばかり。どうして?皆どうしてそのスタイルでいられるのか。まれに肉のついたひとに出会うと、どうしてその体で街を歩けるのかと思い、自分もこんな醜い姿なのだと思い、それらを思っている自分にぞっとする。自分の思考がおかしいのはわかっているがとめられない。
 食べたい食品を買い、それを口にする自分を想像し頭のなかが至福にひたっている。
 反面、肉のついた体にどこか気がふれそうな自分がいて、泣き笑い状態だ。ベートーヴェンの歓喜の歌を口ずさみながら歩いていて、笑い泣きしている。それなのにどうして涙がでないのか。わからない。
 そんなふたりの自分を冷徹にみている自分がいる。
 どうしろと?
 最後に会った某が頭にこびりつてはなれない。将来を語り、細い体。私には何ひとつないものだ。
 昔私をデブだと云った某の言葉を思い出してしまう。件の女、細くて細くて細くて細かった。
 やせたい。細くなりたい。ガリガリになりたい。ウエスト50cm、太股30pどんなに素敵だろう。
 でも太ってしまった。醜い怪物だ。これが正常の体重のはずがない。
 食べたいよ。昨日買ったエビの油菓子徳用サイズ。むさぼりたい。チョコレート食べたい。すっごく濃いやつ。99パーセントカカオ。食べたい。シュークリームケーキ、ホールで食べたい。よもぎパン食べたい。とろとろの煮豚食べたい。飽きるまで食べたい。茶福豆食べたい。わかめと干しえびのスープ食べたい。プリン食べたい。かぼちゃ味、塩キャラメル味、チーズ味。ブロッコリーのタルタルソースサラダ食べたい。パセリのみじん切りやまほど入ったやつ。小女子の佃煮食べたい。サブレ食べたい。コージーコーナーの犬のやつ。ハトサブレ。ペコちゃんサブレ。満足するまで食べたい。キャベツのトマトスープ、パセリのやまほど入ったやつ食べたい。
 食べたくないもの。キウイ。パイナップル。グレープルルーツ。ぶどう。もも。いちご。みかん。いろいろ。デニッシュパン。雑穀御飯。でも古代黒米の入った御飯は一口だけ食べたいかも。お赤飯もひと口だけなら。食べたい果物はバナナ、ドライプルーン。
 お豆腐食べたいな。ぜったい木綿。
 おいしいもの食べたいな。何もうかばないけれど。

5月3日

 べっとりとついた肉が気持ち悪い。あごの下。二の腕。腹。背中。太股。全部つまんでハサミで切りとってしまいたい。
 目が覚めてから考えることはひとつ。豚肉食べたい。それも焼き豚か煮豚。カロリーを気にしゆで豚を想像してみるが、どうしても納得できない。買いに行き、お店で煮豚をブロック購入。黙々と食べる。
 買い物の最中、今日は油の臭いに敏感になっていて非常に困った。臭いが鼻につき、吐き気がする。耐えられない。惣菜売り場も、焼肉のデモストレーションもきつい。最悪だ。他人にぶつかっては恐怖感に体が硬直し、おぞましさに耐える。
 今日も微妙に頭痛っぽい。昨日もそうだったが、少々のぼせの症状でているか?
 醜く太っている自分が嫌でたまらない。今日はあたたかいのでまわりは薄着。自分にはできない。
 昨日までと違うこと。
 その1。
 顔を洗ったあと、まぶたの裏をみて驚く。赤い。
 見知っているのは、ずっと白と淡いピンクのグラデーションだった。はじめて自分が鉄分不足、貧血気味であったことに気付く。
 数日前Y氏とTELしたとき、貧血の症状がでていないかきかれたが、私はわからないと答えた。ほんとうにわからないのだ。今日認識する。
 そういえばと思う。今年に入ってからココアの濃度が以前と比べかなり濃くなっている。これで血液をつないでいたか?
 その2。
 歩いていて、花をきれいと思う。木々をあおぎ風の渡る音に気付く。花の香に良い香りだと感じる。花を花と、木々を木々と認識できる自分がいることに気付く。昨日までは花も木もすべて物体でしかなかった。いつからこんな状態だったのか。

 いましたいこと。
 冒頭のみでとまっているストーリーの”僕”になりたい。完全に僕になって数ヶ月過ごしたい。
 または生活を完全にストップして冬眠したい。冬眠しなくても何かできそうな気持ちが自分のなかに生まれるまで、冬眠しつくしたい。これは本当はとても必要なことなのだ。理解されないであろうし、現実的には不可能なのだが。
 ゴールデンウイークは、まったく休めない。いつも以上に”食”との戦いだ。
 7日、マクベス夫人のオペラチケット、無駄になるかもしれない。確率は高い。そこに費やせる余力がない。
 5月6月と生涯学習講座を申し込んでいたが、こちらも現状では欠席せざるを得ないだろう。今、とても厳しい。

5月5日

 ひさしぶりに頭のなかでBGMをきく。時々唐突に勝手に鳴るのだ。だがそれだけ。書くには遠い道のりだ。本当に遠い。

5月8日

 自分が感じている以上に、現在、ストレスがかかっているらしい。
 今日眼科に行く。4日の日に右目の毛細血管が切れたので、念のため行った。診断は、ストレスによるもの。病気でなかったことにほっとする。
 右目の毛細血管が切れたのは、今年三度目だ。目なだけに、心配はある。
 午前中は仕事だった。
 上司から通常とは別の内容が提示されていたが、あえて他のひとにまかせることにする。本日の自分ではまったくこなせない。大きなミスをする可能性が大きいと判断する。内容を読んで文字をとらえることはできるのだが、わかるようで理解できないのだ。頭が思うように働いてくれない。通常業務でも微妙にミス有り。綱渡りとまではいかないが近い状態でこなす。

5月9日

 夕刻、買出しがてらの散歩。歩いていて、唐突にするりと感情が流れこんでくる。
 ”彼は何故僕にこんなことをさせるのだろう”そして、”彼は僕に何を求めているのだろう”
 唐突に、”僕”の感情が流れこんでくる。そして私は”僕”になった。”彼”の手が”僕”の頭の上に置かれ、軽くポンとたたいたかと思うと髪をくしゃりと撫でた。見上げた”僕”の目に映る”彼”の表情はとてもやわらかく、瞳がそれでいいのだと云っているように思われた。”僕”は戸惑いのなか、とてもうれしい。頭上にある”彼”の手があたたかく感じる。”彼”の手が去ってもそこからじんわりと幸福感がしみこんできて体中にひろがっていく。ひとりになって長い間、たくさんのひとが”僕”に触れたけれど、こんなふうに”僕”に触れたひとはいなかった。
 わからないけど、あたたかくて、幸福で幸福で幸福で”僕”はいまじんわり幸福でほんとうに幸福なのだ。
 それはほんのわずかな時間のできごと。”僕”とシンクロできたのは。けれど、”僕”の幸福感、”彼”の手のあたたかみが頭に心にずっと残り、私はしばらく”僕”の幸福感にひたって幸福のまま。
 ひさしぶりに空をみた。闇色の空にまるい月。卵の黄身のようなオレンジ色で、生きている月だと感じた。
 10日、これを書きながら、ぼろぼろ涙がこぼれる。”僕”のあの幸福感を心も体も覚えている。書きながらじんわりとよみがえり、私に涙をこぼさせる。とまらない。この幸福感をどう表現しよう。言葉がない。

 エネルギーが気体となって指先からもれていく。なんだろうな、この感覚。
 暴食は落ち着きをみせ始めた。食欲コントロール難しいのはあいかわらずだが、チョコレートオンリーだの、そういう状態からは脱出できた模様。糖分はかなり欲求高し。カキフライも食べたし。味覚おかしい。食べられるクラッカーみつけたが、これが味ほとんどしない。以前は、マーガリンも塩もしっかり感じていたのだが…。同じクラッカーを食してこの味覚差。
 体は重くてだるいが、足元はどこかふわふわする。
 しなければならないことはあるのに、日常雑務のなかで、できることが限定される。何故こんなささいなことができないのか、そんなものがとても多い。難しい。ブレーキがかかる。行動する、しようとする、考える、それがとても負担。一日のなかでできること日々違う。限られる。
 夕刻、低血糖を疑う。チロルチョコとDAKARAを補給。

5月中旬〜下旬のこと

 6月8日記す。
 左目の毛細血管、二度切れる。
 12日、荷物発送。
 食事、落ち着きを取り戻すかにみえたが、ぼろぼろ。どんどんひどくなる。
 申し込んでいた生涯学習講座、オペラ等すべて欠席。どう無理をしてもそこまで自分を動かすことができなかった。
 申し込む予定だった公演のチケットもあきらめる。TELすることができない。気力がないのと、行動にすさまじいプレッシャー。
 オペラ、とっていたチケット、今年に入ってこれでふたつパアにした。トスカとマクベス夫人、残念。