( 4日目:9/17)マドリッド[やられた!強盗だ]
○プラド美術館の全室を見て回る。それも無料で
 昨年は、ツアーだったためプラド美術館見学時間が短かったけど、今回はたっぷりの時間がある。ゆっくりと全館を見て回ることとする。今日は日曜日で無料で見れる。有難い制度だ。
 やはりいい絵が多いなあ。スペインまで来て見る価値は十分ある。
 相変わらず「マハ」の前では、写真を撮りまくっている。今回は外人のおばさんがフラッシュをたいて、警備員から注意されていた。その後何かカメラに操作らしきものをしてもう一度撮ると、やっぱりフラッシュが光って慌てている。カメラの使い方がわからないようだ。もうどうしようもない。

(H)プラドとソフィアの二つの美術館に、アトーチャのホテルから歩いて行けるというのが、すごく嬉しい。
 何度見てもいい。いかにもスペインに住んでいて、散歩でもしているように、フラット見て回っているという感じがすごく気に入った私です。そんな暮らしをいつかしたいナー。
○自転車ツアーの最終日
 今日は、スペイン中を回ってきた自転車レースの最終日で、シベーレス広場でレースが通っていくのを見てみる。今までのタイム差に従ってスタートしてくるので、それぞれの選手の間に相当の時間が開いている。沿道では、おばさん達も熱い声援を送っている。やはり自転車レースはヨーロッパで人気があるのだな。 

(H)いろんなアングルで写真をとりまくった...と思うよ。
 歩きながら、アイスクリームを食べることが自然に出来る。不思議な気分。
○ベンタス闘牛場でチケットがとれました。
 念願の闘牛を見るためにベンタス闘牛場に行ってチケットを買うことが出来た。大きな闘牛場で、夕方から始まる闘牛が楽しみだ。闘牛場の前には土産物屋さんが段々店開きをしてきた。時間があるので、闘牛場近くのカフェで昼食を取って時間つぶしをする。

(H)闘牛場の広場に、人気の高いマタドールの像(人気最高の時、闘牛で命を失った人)があった。帰国後、この闘牛場をテレビで見た。有名で由緒あるところだそうだ。
○遂にやられた!にっくき強盗
 まだ時間があったので、地下鉄に乗って買い物に行くこととした。闘牛場前の地下鉄乗り場へ下りる階段を4〜5段降りたところで、後ろから首をしめられた。
 一瞬何が起こったか理解できない。前に一人の男(アフリカ系)が回ってきてナイフを出して何か言っている。「よく切れそうなナイフだな」というのがその時の感想。後ろからはHの「助けてー」という声が聞こえてくる。「日本語で言っても分からないだろう」なんて思っているうちに、気が遠くなってきた。

(H)私にはナイフが見えなくて、何か叫ばなくては...スペイン語では迫力ないし(?)、やはり母国語で「タスケテー」が一番心が伝わるかも...と一応そこまで考えた。
 ジタバタしたので、力を入れられて首をしめられ、後は覚えていない。残念!!!
○被害は少なかったけど...
 意識が戻ってみると、怪我は無いようだ。Hも無事だ。背中に担いでいたナップザックが無くなっている。ズボンのポケットに入れていたクレジットカード・現金・ホテルのキーカードは、全てそのまま残っているので一安心。
 盗られたのは、コンパクトカメラ・パスポートのコピー・ガイドブック・会話帳・西日辞典そして闘牛のチケット等である。
 パスポート等の貴重品はホテルのセーフティボックスに置いてきし、デジカメも部屋に残してきたので、助かった。
 でも、昨日・今日と撮った写真もカメラと一緒に盗られてしまった、残念。
 闘牛場前の露店のおじさんに警察を呼んでくれといっても、知らぬ振りをして相手にしてくれない。
 そこで先ほど昼食を取ったカフェに向かうと、外で休憩時間中らしいそのカフェのお兄さんがタバコを吸っていた。その人に警察を呼んでくれと頼むと、店の電話で警察に電話をかけるように言ってくれた。中に入って電話をかけようとするのだけど、なかなかうまくいかない。すると、先ほどのお兄さんが入ってきて、代わりに電話をかけてくれた。ありがたい。その上紅茶を出してくれた。心と体も暖まってくる。
 
(H)カフェは、ALBERDという。お兄さんはすごくハンサムだった。
○スペインのパトカーに初乗車
 それにしても警察がなかなかやってこない。パトカーは走っているのだけど、それは交通警察で強盗は管轄外のようだ。やっとパトカーがやってきて話が始まる。二人の警官のうち一人は英語が出来るので、その人と何とかやりとりをする。被害届を出すかと聞くので、もちろん出すと答えると、警察署まで連れて行かれた。
 パトカーの後部座席にHと一緒に乗る。座席はプラスティックだし、前の座席との間にも透明プラスティックの仕切りがある。もちろんドアは内側からは開かない。何だか連行されているみたいだ。

(H)時間が経つにつれて、身体がガクガクするような、力が抜けるような、足が震えるような、怖さが押し寄せてきた。 卒業旅行で今年の春に、スペインに行った息子からは、「やはり油断していたんだよー」と厳しい一言。
 
○なんと被害届の様式は、スペイン語・日本語併記
 警察署について、待合室で被害届を書く。出された様式には、しっかり日本語の表記もある。日本人の被害が多いのだなと、あらためて納得。
盗難届の一部

 しっかり日本語でも書かれていて、助かります?
 これに基づいて、帰国後早速保険会社に保険金の請求をしました。保険に入っていて良かったな。
○今日はもう外には出ません
 警察にタクシーを呼んでもらって、ホテルに帰ることとする。途中先ほどのカフェによって、お兄さんに御礼を言う。ベンタス闘牛場の前には多くの観客が集まっているけど、今日はとても見に行く気にはなりません。
 ホテルに帰って、ホテルのレストランで夕食を取ってゆっくり風呂に入ってもう寝てしまおう。
 夕食も二人分で3,000円でした。やっぱり安い。

(H)この日は、もう日本に帰りたいと思った。しかし、少しずつ考えて、あれこれ思い巡らして、このまま引き下がるのも悔しい。お金ももったいないし。これから気を引き締めて、主人と二人で乗り切っていこうと考える。
 ”バッグ・リュック・カバンなど手に持たない”との昨年のツアーコンダクターSさんの言葉を噛みしめた一日でした。
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