2階目隠しフェンス製作とは

●2階目隠しフェンスを作る顛末

ぴぱの構想及び設計段階において、1階の目隠しフェンス作りは想定されていた。しかし、2階の目隠しフェンスは全く想定外であった。
 必要性を感じたのは、完成し、入居者募集を初めてからの事であった。それは、とある見学者がぴぱの内部を内観し、感想を述べた事が発端である。
 ほとんどの施設やその作りにがとても良いと褒めながら、彼は、言った。
「2階のベランダが近すぎて……」
 その言葉を聞いた後、2階のベランダに立ち、隣のベランダを見て、あれ?なに?これ。
 設計段階であらゆる場所を想像して、構想を練ったはずであった。しかし、この2階のベランダ周りの景色を想像していなかったのだ。
 こんなに近いのか?
 ………。
 ぴぱの設計に関して、そちこちのメゾネットを見学した。しかし、2階のベランダに目隠しは存在していなかったのだ。
 むむむむ。
 これでは、のんびりベランダで外を眺めていられない。なにせ、隣の住人が顔を出したら、すぐそこに顔が……。
 しかし、後付けは難しかった。ベランダ間に設置する既製品の目隠しは無い。何かを取り付けるにしても、相当の工事になってしまう。この地域は風が極めて強い。壁に板を取り付けても、もぎ取れてしまう。
 少々考えたが、簡易的な良い方法が浮かばす、まあ、仕方ないと諦めたのだ。
 だが、ぴぱの入居が増えて行く中、再び入居者から声が聞こえた。
「2階のベランダに、個人的に目隠しを付けてよいか?」
 それに、スタッフのひとりが、答えた。
「スタッフAに聞いてみますね」と。
 スタッフAは、問題性を感じていたが、放置していた痛い所を再び突かれたのだ。
 やはりきたか。
 どうしたもんかなーと考える中、ふと見る風景には……
 2階のベランダに様々な洗濯物が並ぶ。
 隣のベランダから見放題。手を延ばせば届きそうなのだ。
 それに、ベランダでのんびり外を見ながら、ぼんやりできる、そんなベランダにしたいものだ。せっかく、ベランダがあるのだから。
 Aは考えた。風圧に耐え、強度があり、恣意性があり、建物などを傷つけない施工可能な目隠しフェンス。
 約2カ月程、様々な形態なものをデッサンして、眺め回した。
 そして、いくつかのデザインの中からひとつに絞った。
 設計まで進んだが、問題は、その設計どうりに製作可能なのかという事だ。
 一番大事な部分は、ベランダに固定する脚部部分だ。強度を上げる為、その部分を金属とするため、その製作精度を0.2ミリ以下で製作しなくてはならない。そんな技術も、道具も、経験も持ち合わせていないスタッフAは、素人なりになんとか方法を考えた。
 まず見本を作り、現場のベランダに持ち込み固定できるかどうかを何度か試した。
 見本ができると、次の問題は、全く同じ形態の物を84ヶ製作しなくてはならない。ひとつひとつ鋼材を切断し、溶接して作り続けるなんて事はとてもやる気にならない。
 そこで、同じ断面の長い構造物を溶接して作り、それを後々カットする事により、精度の高い部品を製作したのだ。まあ金太郎飴みたいな感じである。
 正直大変な作業で、町工場の職人になった気分であった。
 

森の作業場の作業机の上は、こんな感じである。くる日もくる日も、磨いたり、削ったり、ノギスで精度を測りながら、溶接したりと、まあ、良くやる。
 目隠し部分は、どんな部材にするか迷った。風通しや、見栄えなどから、アルミのメッシュが良いと考えた。そのアルミ材を支える骨格を作り、脚部と組み合わせ、見本を作り上げると、ぴぱに持ち込み、取り付けてみた。
 

ベランダにしっかり固定できるか。見た目はどうか?。隣のベランダがどの程度
隠れるのか等を検討。
 見本取り付けで、なんとかなりそうと判断し、枠枠を21ヶ製作。そして強度や耐候性、軽さと見栄えの良さなどから、アルポリックというメッシュの板材を素材を選び出し、注文し、枠に取り付けていったのだ。
 ここまでで、5カ月程が過ぎていた。
 実際は、この事だけをやっていたわけではない。正直、相当のんびり作っていた。
 そして、ついに構想から半年後。出来たのだ。
 で、ついにぴぱの各部屋に取り付けたのだ。
 この取り付けも、正直辛かった。
 なにせ、位置が高いので、ハシゴで、不慣れな作業。
 それでも、一日3個ぐらいづつ取り付けていった。
 これだ。
 はは。
 
 
ぴぱオリジナル、ベランダ用フェンス2Fno3 とでも呼ぼうか。
ちなみに、住人の反応は聞いていない。
 まあ、スタッフAとして、あの、2階のベランダからとなりのベランダを見て、え?手が届きそう。人跨ぎでとなりベランダ行けそう。さらに、とても、ベランダでのんびり景色なんか眺められないという驚くべき事実を知りつつ、見ず、言わず、聞かずのサル状態から脱し、それを設計した張本人として、なんとかその解決方法を提示出来たという事で、幕かな。
 これで、気軽にパンツが干せる環境作りだせたと、勝手にスタッフAは、ほくそえむのであった。
 ん〜。これでパンツ姿で、ベランダから景色を眺められるかもね。
 

お待たせしました。
 ぴぱスタッフより。