三ツ峠山

2001年5月






 
三ツ峠山
 三ツ峠山

 車や列車、飛行機などの窓から、或いは都会のビルの谷間から富士山が見えた時はいくつになっても嬉しくて、子供の様にはしゃいでしまいます。富士山がその高さだけでなく、形・色・ロケーション、どれを取っても日本一(世界一!)の山だと言う事は、全ての日本人の認めるところでしょう。そして山梨県にある三ツ峠山は、そんな富士山を一番美しく見る事が出来る山として知られています。標高1786mの最高峰開運山の他、木無山御巣鷹山(日航機事故の山とは別です)の三つのピークから成るためにこの名が付いた三ツ峠山には幾つかのハイキングコースがあり、ハイキングをしながら所どころに有るビューポイントで富士山の雄姿を堪能する事ができます。まるで「富士山の大安売り」バーゲンセール状態で、次から次へと間近に富士山が現れます。という事で、先ずは河口湖畔へ向かいましょう。

 高尾駅で中央線快速から中央本線に乗り換え、大月駅で更に富士急行に乗り換えて、河口湖駅で下車します。駅から河口湖までは徒歩約15分。今日はひとまずこの辺りで宿をとり、明日朝早くにハイキングへ出発です。

 (富嶽六景 其の一





スタート地点
 ハイキングスタート地点

 河口湖畔にある天上山行きロープウェイ乗り場の少し手前、東京電力鹿留発電所の取水施設脇の狭い坂道を、今回のハイキングのスタート地点にしました。コンビニで昼食用のおにぎりと清涼飲料を仕入れて、朝8時ジャストに出発。

 国道137号線から山側へと、河口湖を背にして延びる舗装された坂道を少し登り、「天上山」への指導標に従って突き当りを右へ。そのまま300m余り歩いて行くと、左手に護国神社の鳥居が見えてきます。これを抜けたら指導標に従い、最初の経由地天上山公園へと向かいましょう。舗装路はここまでで、この先は山道を上って行きます。途中河口湖ゆかりの小説家、太宰治の石碑の前を通過し、緑の中に作られた遊歩道を登ること30分で天上山ロープウエイの終点駅富士見台(天上山公園)に到着です。

 (富嶽六景 其の二





富士見台駅
 富士見台駅

 昔話カチカチ山のモデルになった山と言われている天上山。ここまでロープウエイで一気に上って来て、目前の富士山や河口湖などの風景を設置された望遠鏡で楽しんで帰るだけでも大満足です。

 (富嶽六景 其の三





三ツ峠への山道
 三ツ峠への登山道

 富士見台をあとにして、いよいよ三ツ峠山頂を目指すハイキングコースへと突入です。

 山道に入るとすぐに、二股に道が分かれます。天上山山頂への道と三ツ峠への道ですが、ここはそのまま三ツ峠への道を選んで左へと進みましょう。天上山山頂を巻きながら進む山道は狭く左側は深い谷なので、足を滑らせないよう慎重に進んで行きます。更に新倉山(1234m)、霜山(1302m)を巻きながら徐々に標高を上げて行くと、やがて尾根に出て来ました。





ザレ場
 ザレ場

 ハイキングスタートから3時間弱、目前にザレ場(山肌が荒れて小さな岩が転がっている場所)が現れました。ここもケガの無い様、慎重に登って行きます。





開運山
 開運山

 開運山の岩肌が見えました。この山はロッククライミングのゲレンデとしても知られています。山頂まであと少し。





三ツ峠山頂
 三ツ峠山(開運山)山頂

 木無山山頂(1732m)を経て、河口湖畔より約3時間半で三ツ峠山の最高峰、1786mの開運山の山頂に到着です。取りあえず食事と休憩。山頂からは富士山はもちろん、丹沢、甲府盆地、八ヶ岳、南アルプスなど360度のパノラマが開けています。

 (富嶽六景 其の四

 四季楽園など3軒の山小屋も在って、大晦日の夜は元日のご来光目当てのハイカー達が押し寄せ、かなり盛り上がるそうです。





屏風岩
 屏風岩

 暫し休憩の後、山頂を出発。指導標に従い、富士急三ツ峠駅を目指して下山開始です。開運山の側面にある屏風岩には、何人かのクライマー達がぴったりと張り付いていました。ここから暫くは山道を急降下して行きます。登りよりも下りのコースは傾斜が急です。所どころに落石注意の看板有り。





八十八大師
 八十八大師

 暫く下ると、たくさんの石仏が見えて来ました。八十八大師と言い、三ツ峠の見どころのひとつです。江戸末期に作られたと言われるこれらの石仏は、山の斜面に全部で81体在って、全て違った顔をしています。





八十八大師
 八十八大師

 八十八大師から更に下ると、股のぞきと言われる富士山のビューポイントがあります。

 (富嶽六景 其の五





達磨石
 達磨石

 山頂から下ること二時間弱で、ちょうどダルマの様な形をした大きな石の前に出てきます。この達磨石の中心部には、梵語のアークと言う字が掘られています。これは大日如来を意味し、八十八大師などと同時期に作られた物と言われています。こうしてみると、三ツ峠山は信仰の山であった事が分かります。





神鈴の滝
 神鈴の滝

 達磨石を過ぎて、沢に架かった木の橋を渡ると山道はここまでで、その先は舗装路になります。右側に流れる沢はやがて一枚の岩盤の上を勢い良く流れ落ちる様になり、神鈴の滝と呼ばれています。道も徐々に歩き易くなって、ゴールの富士急三ツ峠駅まであともう少し。





三ツ峠駅
 三ツ峠駅

 午後3時キッカリ、ゴールの三ツ峠駅到着。山頂から2時間50分、休憩を含み全行程約7時間ほどのハイキングでした。

 (富嶽六景 其の六





周辺地図














富嶽六景





河口湖
 其の一

早朝の河口湖と富士。





天上山公園へ向かう途中の富士
 其の二

天上山公園へ向かう途中で富士を望む。手前は、河口湖ゆかりの小説家太宰治の碑。





天上山公園
 其の三

天上山ロープウエイの富士見台駅より富士を望む。





三ツ峠山山頂
 其の四

三ツ峠山山頂より富士を望む。





股のぞき
 其の五

股のぞきより富士を望む。





三ツ峠駅付近
 其の六

富士急三ツ峠駅付近より富士を望む。









★交通 富士急行河口湖線 河口湖駅下車
★歩行時間 約7時間



周辺地図
Google マップ







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