大谷石の町を歩く

2006年5月






 
JR宇都宮駅前
 JR宇都宮駅前

 日光への玄関口、栃木県宇都宮が今日のスタート地。先ずはJR宇都宮駅西口バスターミナルの6番ホームへと向かい、関東バスの立岩行きに乗車しましょう。バス乗車前に宇都宮駅構内にある観光案内所で、大谷のガイドパンフレットをもらっておくと便利です。





大谷石のオブジェ
 大谷石のオブジェ

 宇都宮ターミナルからおよそ30分弱、大谷橋停留所で下車しましょう。停留所近くに大谷石のオブジェが設置されていることからも分かる様に、この地域から採掘される石が、その名の通り大谷石です。そしてここは町全体が、まるで大谷石の博物館のようです。





大谷石
 大谷石

 大谷石は軽く柔らかいため加工がし易く、且つ丈夫で耐火性にも優れている事から、今までにも多くの建築物に使用されてきました。





大谷石造りの家
 大谷石造りの家

 大谷橋停留所でバスを降りるとすぐ目に飛び込んでくるのは、通りを隔てた向かい側にある、まるで彫刻の様な白くて大きい大谷石造りの家です。





大谷街道
 大谷街道

 バス停目の前の道は大谷街道。この道を、乗ってきたバスが過ぎ去った方向へと歩いて行きます。交通量はそれほど多くはありませんが、歩道が狭いので注意。今日はこの大谷街道にほぼ沿って歩きます。





平和観音への道
 大谷石が敷き詰められた、平和観音への道。

 およそ600mほど歩いて左側に市営駐車場が見えてきたら、その反対側の街道から右へ分かれる、大谷石が敷き詰められた細い通りへ入って行きます。





天狗の投石
 天狗の投石

 通りを入ってすぐ右側にあるのが天狗の投石。切り立った岩肌の上に、今にも落ちて来そうに大きな岩が乗っています。この岩は、昔むかしに天狗が投げた岩だったという伝説から、この名が付きました。





天狗の投石 (拡大)
 天狗の投石 (拡大)

 天狗が投げたかどうかはともかく、冗談抜きでそのままでは岩が落ちて来そうなので、ワイヤーで固定されています。





平和観音
 平和観音

 天狗の投石を過ぎると、間もなく正面に見えてくる岩壁に造られた観音像が平和観音です。世界平和を祈念して昭和29年に完成。高さは27m、総手彫りです。取材時はご覧の様に補強工事中でしたが、左側岩壁で作業している作業員と比べると、その大きさが分かります。





銭洗観音
 銭洗観音

 来た道を引き返し、大谷街道へと戻りましょう。そして街道を少し歩いた右側に小さな観音像がありました。これは銭洗観音で、観音様の前にある池でお金を洗うと何倍にもなって帰ってくるそうなのですが、何故か池に水がないっ!





大谷観音へ
 突き当たりを右折、大谷観音へ。

 銭洗観音少し先の突き当たりを、大谷観音への道標に従って右折します。





大谷寺
 大谷寺

 すぐ左側に、大谷寺の朱色の山門が現れました。山門の後ろには風化した個性的な容貌の、大谷石の岩山が見えますが、この岩山の壁面に、国の重要文化財で平安時代初期の作となる、本尊の千手観音像が刻まれています。





大谷寺
 大谷寺本堂

 拝観料300円を支払い中へ。境内には、縄文人の縦穴住居跡に建てられた江戸時代造立の本堂があり、中に入ると本尊の千手観音像をはじめとして、平安時代初期から鎌倉時代に掛けて彫られた、計10体の仏像を見ることができます。しかしながら本堂の中は撮影禁止のため、お見せ出来ないのが残念。

 大谷寺にはこの他宝物館があり、寺の境内から発掘された縄文人の人骨が、1体そっくり展示されています。





三つに分かれた道を右へ
 三つに分かれた道を右へ

 大谷寺を出たら来た道を少し戻り、大谷資料館への道標に従って、三つ又に分かれた道の一番右側に入ります。





大谷景観公園
 大谷景観公園

 大谷寺から300mほど歩いた右側、あたりの風景が一際美しい川沿いの場所に大谷景観公園があります。公園の広場にあるベンチに腰掛けて一休み。





乙女橋
 乙女橋

 大谷景観公園の脇を流れる川は姿川。その姿川に架かる乙女橋を渡って、看板に従い大谷資料館へと向かいましょう。





大谷資料館
 大谷資料館

 道沿いに進むと間もなく大谷資料館です。ここは大谷石の採掘場跡地に作られていて、地下にある坑内を見学することができます。入館料大人600円。





大谷資料館前の庭
 大谷資料館前の庭

 資料館の前庭にそびえる岩壁にも石を切り出した跡が残っていて、なにか神秘的な風景です。





坑内へと続く階段
 坑内へと続く階段

 今は既に廃坑となってしまった坑内へ階段で下りて行きます。平均気温は13度、真夏でもエアコンいらずです。





採掘場跡
 採掘場跡

 構内の広さは、東京ドーム球場が1個分入ってしまう広さとか。今までに1,000万本もの大谷石が切り出されました。





採掘場跡
 採掘場跡

 太平洋戦争中には、中島飛行機(現 富士重工)の地下軍事工場として使われていたこともありました。





採掘場跡
 採掘場跡

 現在では、コンサートやファッションショーなどのイベント会場として利用されることもあります。





資料館入口バス停
 資料館入口バス停

 大谷資料館を後にして、大谷景観公園まで戻ります。公園の端にあるバス停が資料館入口バス停。ここで関東バスに乗車して、宇都宮駅へと戻りましょう。





宇都宮名物、餃子の店。
 駅前に建ち並ぶ、宇都宮名物餃子の店。

 所要時間5~6時間の今日の散歩コ-ス中には、食事をする場所がそれほど多くなく、また探しにくいです。





大谷景観公園
 大谷景観公園

 ですので、出発前に宇都宮駅構内のファーストフード店などで軽く腹ごしらえをしておいて、再び宇都宮に戻ったら名物の餃子などを食べるか、又は途中、大谷景観公園のベンチや広場にシートを敷いてお弁当を食べる、などが良いと思います。









★交通 JR東北本線ほか 宇都宮駅下車。
★歩行距離 約 3.0 km



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