収録曲:ヴァイオリン協奏曲、カレリア組曲、ベルシャザールの饗宴 レーベル&CD番号:ONDINE 878-2 演奏者:ペッカ・クーシスト(Vn)/セーゲルスタム/ヘルシンキ・フィル |
シベリウス国際コンクール優勝者にして、フィンランド期待の新星、ペッカ・クーシストによる協奏曲です。話題盤でありながら、今まで聴いていなかったのですが、先日初めて聴いて、このヴァイオリニストが単なる「話題の人」ではなかったのだということがはっきりと分かりました。
彼の演奏スタイルは、決してエキセントリックなものではなく、時代奏法を研究したとか、新しい解釈をとっているとかそういうこともありません。しかしながら彼の作り出す音楽は明らかに新時代の息吹というか、現代的な感覚があると思います。私は今までどうもこのヴァイオリン協奏曲にはあまりなじめず、シベリウスの作品のなかではどちらかといえば嫌いな方でしたが、この演奏は、すっと受け入れられるようなわかりやすさと親しみやすさが感じられ、共感をもって聴くことができました。彼の音はちょっと細身で甲高いですが、良く共鳴する、透明な音を持っていて、この曲には良くあっていると思います。
このすばらしいヴァイオリニストの今後に期待したいと思います。