演奏者:トゥオマス・オッリラ/タンペレフィル 収録曲:カレリア組曲、エン・サガ、ポヒヨラの娘、悲しきワルツ、フィンランディア レーベル:ONDINE ODE 871-2 |
ヴァンスカ/ラハティと並ぶ、フィンランドの新鋭。こちらのオーケストラもおそらく中編成で、機動性に富んだものと思われます。このコンビの演奏は、ヴァンスカ/ラハティのコンビほど、フィンランド的なローカリティにあふれる演奏ではありませんが、その分現代的で引き締まった演奏を聴かせてくれます。
このコンビの特徴が特に功を奏しているのが、エン・サガとポヒヨラの娘です。これらの曲は演奏時間もそれなりに長いことから、ときとして茫洋とした印象を与えたり、構造や構成がわかりにくかったりすることがあります。しかしながら、このコンビによる演奏は全くそうした印象を与えません。中編成のオケによる見通しの良さと、細部をきっちりと描き出すオッリラのアプローチゆえにそのようなすばらしい演奏がつくりだされたのだと思います。
シベリウスって、暗くてよくわからない曲があって苦手、という人にもすすめられる、お勧めの管弦楽曲集といえるでしょう。