クラリネットとは?


どんな楽器?

クラリネットは、木でつくられた「木管楽器」です。「リード」(※1)と呼ばれる振動体を息を吹き込むことによって振動させることで音を出す楽器です。リードは葦(アシ)の仲間である、アルンド・ドナックス(和名:よしたけ)という、竹のような節をもつ植物から切り出されて加工されます。これをマウスピース(唄口ともいう)(※2)にリガチャーという器具をつかって固定し(※3)、息を吹き込むことで音が出ます。リードで音を出すというと、何だろうとお思いかもしれませんが、広義では、草笛でビービー音を出したりするのと同じで、息を吹き込むことで、リードとリード(クラリネットの場合はリードとマウスピース)の狭い隙間に圧力変化を生じさせ、それでリードがぶるぶる振動するという原理です。
音の上下はリコーダーと同じく、楽器に開けられた穴(トーンホールと呼ばれる)を指やキイ(鍵)をつかって塞いたり閉じたりすることによって行われます。

※1リード ※2マウスピース ※3リードをリガチャーで
固定した状態

音色は全体的に暖かく、柔らかな音が出ます。また、音域は管楽器のなかではかなり広い部類に入り、深々とした低音や、キンキンした高音なども出すことが可能です。音域の広さは、「閉管」とよばれる楽器の音響特性に由来するもので、それがクラリネット特有の音色もつくりだしています。それゆえに、メロディーラインを担当したり、伴奏に回ったりと、音楽上で様々な役割を果たすことができます。

クラリネットの利用される音楽

クラリネットは、いろいろな音楽ジャンルで利用されています。まず、オーケストラに代表されるクラシック音楽、教育音楽や軍隊、イベントなどで見かけることの多い吹奏楽などで、伝統的に使われてきました。20世紀になると、ジャズを中心に様々なポピュラー音楽にも利用されるようになりました。CMなどでも、たまにクラリネットアンサンブルが使われていたりすることがありますね。現代の音楽、特にポップスなどでは、大きな音を要求するものも多く、またときに荒っぽいサウンドも要求されたりしますから、場合によってはクラリネットではパワーから言って力不足になってしまうこともあり、残念ながら、少々肩身が狭い思いもしています。


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