交響曲第7番ハ長調作品105 Symphony No.7 in C Major Op.105


作曲:1924年(完成)
編成:Fl:2 Ob:2 Cl:2 Fg:2 Hn:4 Tp:3 Tb:3 Timp 弦5部
演奏時間:約22分

 シベリウスのすべての作品の中でもっとも凝縮度が高いのがこの曲です。この曲ではもはや「人間くささ」は完全に消え失せて、精神的、宗教的とでもいえるような深い音楽が展開されます。この曲はシベリウスの宇宙との交信である、とか北欧の冬の夜空に輝くオーロラの音楽である、と表現する方もいますが、まさにそうしたイメージをわかせるに十分な内容であると思います。また、この曲ではコラール的な楽想が多くあらわれ、トロンボーンの響きも非常に印象的に使われています。
 当初、この曲はファンタジア・シンフォニカという管弦楽曲として、そして1楽章の作品として作曲されました。単一楽章の作品ですが、構成的には従来の4楽章の交響曲スタイルをとっています。シベリウスはマーラーが交響曲を極限まで拡大し発展させたのに対して、従来のソナタ形式とは違うとはいえ、極限までその内容を絞り込んで、交響曲の原点に回帰したといえるかもしれません。

December.12.1999 by Johansen
(Johansen製作の別サイトより転載)


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