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太一は疑問を抱えながら、空と共に学校へ登校していた。空も太一と同じ疑問を抱えていた。その疑問とは、 昨日の戦いのことだ。 何故、同級生の翼がデジモンと戦っているのか。しかも、翼はあのフレイドラモンに似た謎のデジモンのこと を知っていた。それに、翼が自らを“サイバーウォーリア”と名乗っていたが、そもそも“サイバーウォーリア” とは一体何なのか。 それに、昨日の謎のデジモンと戦っていた翼の動きは一朝一夕で出来るものではなかった。 明らかに、特殊な鍛錬と戦闘訓練を受けて、選ばれし子供達のパートナーデジモンのように戦闘の経験を積んで きた動きだった。一体、翼はどこでそんな訓練を積んできたのだろう。 そんな疑問が太一の頭の中を駆け巡っては、太一の思考回路を乱していく。 元々、考えるのが苦手な太一は頭の中がオーバーヒートしそうになったので、これ以上深く、考えるのをやめ、 学校へ登校することだけに専念した。 ちなみに、あの戦いの後、翼はデラモンと共にどこかへと去ってしまい、太一達の前から姿を消していた。 その夜、太一は翼の家に電話をかけたのだが、翼は何処かに出掛けていて家にはいなかった。 太一と空が教室のドアを開けて教室に入ると、太一と空の悩みの種である翼が2人を待っていた。 翼を見た瞬間、太一と空の身体は一瞬の間、石像と化し身動きすることが出来なかった。 その間、太一と空は呼吸をすることすら出来ず、息が詰まりそうだった。 「おはよう」 翼は別段、目の前にいる太一と空を気にする様子もなく、普段と変わらぬ朝の挨拶をする。 白々しく振舞う翼の態度が太一の神経を逆撫でする。 「何がおはようだ!」 「ちょっと太一…!」 激昂した太一は感情に任せて翼に怒鳴りつける。小学校の頃から、太一は頭で考えるよりも先に、身体が動 いてしまう性分だった。空が必死になって抑えようとするが、無駄だった。 太一の怒鳴り声に教室は静まり返り、クラス中の生徒の視線が太一と翼に注がれる。しかし、翼はそんな視 線を全く気にする様子もなく、そのまま自分の席に戻っていく。 「行きましょう、太一」 「分かったよ!」 空になだめられて、太一もやっと自分の席へと着いた。 「どうしたんだ?」 そう言って、太一の席にやって来たのは、昨日のことを知らないヤマトだった。ヤマトも先程の太一の態度 が気になったらしい。 ヤマトは仲の良い太一と翼の間に、きっと何かあったに違いないと考えていた。そうでなければ、太一があん なに怒るはずがない。 「実は……」 空は太一に代わって昨日の出来事を包み隠さずヤマトに話す。 「そうだったのか……」 太一と空から昨日の出来事を聞いて、そんな言葉を漏らしたヤマトは複雑な表情になっていた。 太一に比べて、冷静に物事を考え、客観的に物事を観察するヤマトでも、衝撃を覚えたようだ。 昼休み、昼食の弁当を食べている翼のところに、誰かがやって来る。それは太一を筆頭にヤマト、空の選ば れし子供達の面々だ。様子を察した翼は弁当を食べるのを止め、弁当を片付ける。 「何か用か?」 「なあ、聞きたいことがあるんだ」 そう言ってヤマトは話を切り出す。冷静なヤマトならば、ちゃんとした話し合いになりそうだからだ。 「一体、デジタルワールドで何をしているんだ?」 「……」 ヤマトの問い掛けに答えることもせず、翼は口を閉ざしている。 「答えてちょうだい!」 「……」 空の懇願に対しても、翼は一向に喋ろうとはしない。 翼と選ばれし子供達の面々の間に沈黙が流れる。彼等の間には、険悪なムードが漂っている。暫く経っ て、翼はようやく口を開く。 「俺達に関わらないでくれ」 やっと口を開いたかと思ったら、翼は自分の邪魔をしないで欲しいとだけ言う。 選ばれし子供達の太一、アグモンと空、ピヨモンはシェイドラモンに全く歯が立たなかった。翼の言う 通り、太一達が翼と一緒にいても、足手まといになる可能性が強かった。 しかし、そんな言葉とは裏腹に、その言葉を語った翼の表情には、どこか寂しさのようなものがあった。 「何で、言ってくれないんだよっ?なあっ!?」 「……」 翼のあまりにも頑なな態度に太一は叫んでいた。それは怒りとも、失望とも、懇願とも取れる悲痛な叫 びだった。 何故、自分達に何も言ってくれないのか。翼はどう思っているか知らないが、少なくとも、太一は翼のこ とを大切な友人と思っていた。だから、翼が自分に何も言ってくれないことが最も辛いことだった。 突然、翼は席から立ち上がる。席を立ち上がった翼はそのまま、その場から去ろうとする。 「翼、俺はお前のことを信じている!」 ヤマトは立ち去ろうとする翼に叫ぶ。 翼は振り返ることもせず、「ありがとう」とだけ言って、教室から出て行った。教室から出て行く翼の後 ろ姿はどこか寂しさと悲しみを漂わせていた。 翼には、翼なりの事情があるに違いない。今は翼を信じてあげることだけしか出来なかった。 そんな中、太一は手を固く握り締め、握り拳をわなわなと震わせながら、翼の後ろ姿を見ていた。 今日の授業が終了して放課後になった。放課後になると、生徒達は所属しているクラブ部活動の活動場 所に向かったり、塾へと向かったりと様々な行動を起こす。 そんな中、翼は急いで荷物をまとめて教室から出て行き、家路へと向かう。 翼は太一達と同じくマンションに住んでいる。マンションには、父親と母親の3人で暮らしている。 翼の父親は商社に勤務しており、母親は専業主婦として家の家事全般を担っている。父親は夜にならない と帰ってこない。最近では、母親もパートで働くことになり、夕方まで家を空けていることが多い。 家に帰宅した翼は内側から鍵を掛けると一目散に台所へと向かう。 翼は台所の冷蔵庫を開けると、冷蔵庫からハムやらチーズ等の食料を適当に選んでは、自分の鞄の中に詰 めていく。 食料を詰め終えた翼は自分の部屋に戻る。翼の部屋はこざっぱりしていて、机、ベッド、本棚、衣類を入 れておくクローゼット等の必要最小限のものしか置いていない。 机には、学校の教科書、参考書、そして、ノートパソコンが置かれている。 翼は部屋に鍵をかけ、机に置いてあるノートパソコンを開いて起動させる。翼はクローゼットから一振り の剣を取り出す。 クローゼットから取り出した剣は相当な年季が入っているらしく、鍔、鞘、柄等の様々な箇所がボロボロ になっている。 そして、机の1番上の段にある引出しからデジヴァイスに似た機械を取り出す。 剣を腰から吊り下げ、左腕から鞄を手に下げた翼は起動させたパソコンの画面にデジヴァイスに似た機械 をかざす。 翼がデジヴァイスに似た機械をパソコンの画面にかざした瞬間、パソコンの画面から不思議な光が放たれ る。不思議な光が消えると、翼の部屋からは部屋の主の姿が消えていた。 現実世界からデジタルワールドにやってくる過程で、翼の服装が中学校の制服から漆黒の装束と白銀の鎧 へと変わる。 実は現実世界からデジタルワールドに向かう過程で、服装が変わることは翼だけに限って起こったことで はなかった。 太一の後輩で新しい選ばれし子供達の本宮大輔達もまた、現実世界からデジタルワールドへ向かう過程で 服装が変わることがあった。 デジタルワールドにやって来た翼は遺跡の中にいた。そこは昨日、太一達と出会ったあの場所だった。 正確には、ここは太一達と出会った場所よりも、もっと奥の部分にある場所だ。光子郎が写真を撮り、太 一達が訪れた場所はこの遺跡の中では1番手前にある場所に過ぎなかった。 翼の正面の前には、昔は宮殿のような大きな建築物が建っていたと思わせる巨大な瓦礫の山、左右にはそ れぞれ、神殿のような建築物と巨大な倉庫のような建築物が聳え立っている。 翼が左の神殿のような建物のほうを向くと、建物から何者かが姿を現す。神殿の中から現れたのは、デラ モンだった。 「ほら、食事を持ってきたぞ」 そう言うと、翼は手にしている鞄を開けて、家の冷蔵庫から取って来た食料をデラモンに渡す。 翼に食料を渡されたデラモンは礼の言葉を述べることもせずに、食料を貪るように食べ始めた。 「うめーじゃねぇーか!」 「全く……少しは礼ぐらい言え……」 餌を与えられた犬のようにがつがつと食料を食っているデラモンを見て、翼は半ば呆れ気味に愚痴をこ ぼす。 「ヘタレの唯一の取得は俺にメシを食わせてくれることぐれーじゃねぇか」 もちろん、ヘタレとは翼のことだ。 デラモンはいつも翼に生意気な態度を取り、あまつさえ翼のことをヘタレ呼ばわりしている。ちなみに、 翼本人はそんなことにいちいち反応していたらキリがないので、気にしないことにしている。 あまりにも傍若無人なデラモンの態度に翼はやれやれといった表情で鞄の中からある物を取り出す。翼が 鞄の中から取り出した物は小さな人形だった。 翼は人形を地面に置き、腰から吊り下げているデジヴァイスに似た機械を取り出して、人形に向かってデ ジヴァイスに似た機械をかざす。デジヴァイスに似た機械から閃光が放たれる。 閃光を浴びた人形は突然、自分の意志を持ったかのように動き出し、そのまま何処かへと行ってしまった。 翼はあることを考えていた。それは今日の太一達のことだ。翼は太一達と喧嘩したことを後悔していた。 だが、サイバーウォーリアとしての使命を果たさなければならないと思っていた。 だから、大切な友人である太一達を自分達のことに巻き込みたくなかった。そう、たとえ太一達に嫌われ たとしても。 そんなことを考えながら、人形が何処かへ行ってしまうのを見届けている翼にデラモンが何か言ってくる。 「おい、へタレ、何ボサっとしてんだ?さっさとやろうぜ!」 「ああ、悪い」 デラモンに言われた翼は剣の柄に手を掛けて、鞘から剣を引き抜く。剣を鞘から払ったのと同時に、剣 の柄から光の刀身が発生する。 そして、翼はデラモンの方に向き直って、光の剣をゆっくりと構える。 いつの間にか、デラモンも戦闘態勢を取っている。デラモンと翼の間には張り詰めた緊張感が漂っている。 「ロイヤルナッツ!」 突然、デラモンが背中から、卵あるいは木の実のような白い球体を翔に向かって飛ばしてくる。 翼は素早く白い球体を避けながら、光の剣を振りかざして、デラモンに向かって接近する。 翼が避けた白い球体は手榴弾のように爆発し、爆風が巻き起こる。 接近した翼はデラモンに向かって斬撃を放つが、デラモンはまるで見切っているかのように紙一重の差 でそれを避けて、翼の光の剣は空を切る。 翼の攻撃を避けたデラモンは嘴を開いて鳴き声を上げる。その鳴き声は破壊音波か衝撃破のように強烈 なもので聞いている相手に不快感を与える。 「ぐっ!」 あまりにも強烈な鳴き声に翼は呻き声を上げながら思わず両手で耳を塞いでしまう。同時に、翼は光の 剣を地面に落とす。 武器を失い鳴き声に苦しむ翼は隙だらけになってしまう。 「終わったな」 いつの間にか、デラモンの鳴き声が止んでいる。耳を塞ぐのを止めた翼が目線を落とすと、翼の足元に はデラモンの姿があった。 翼と比べて、体格は圧倒的に不利なデラモンだが、戦闘能力やパワーは翼を遥かに上回っている。従って、 勝敗は決していた。 デラモンは翼の側から離れ、翼も光の剣を鞘の中に収める。翼とデラモンの間には、張り詰めた緊張感が 消えていた。実は翼とデラモンは模擬戦闘の訓練をしていたのだ。 「やっぱりヘタレじゃねぇかよ」 翼との模擬戦闘を終えたデラモンはキッパリと翼に告げた。翼はデラモンに何か言い返したかったが、 模擬戦闘に負けてしまったので何も言うことが出来ず、黙っているしかなかった。 すると、翼のデジヴァイスに似た機械から電子音が鳴り響き、デジヴァイスに似た機械が赤く発光し始 める。その電子音は火災報知機のように、けたたましく鳴り響いている。 その反応を見て、翼とデラモンは何か思い立ったように、何処かへと向かって走り出した。 デジタルワールドのとある森では、2体のデジモンが暴れ回っている。1体はアロサウルスの姿をした 恐竜型のデジモン、もう1体は顔の部分に巨大な花を咲かせている歌舞伎役者のような姿をした突然変異 型のデジモン。 恐竜型のデジモンは口から超高温の熱風を吐き出しては木々を焼き、突然変異型のデジモンは桜の吹雪 を巻き起こしては植物を腐らせる。 2体のデジモンが暴悪に暴れ回り、森に住むデジモン達は必死になって逃げる。その中で、芋虫のような 姿をした幼虫型のデジモンのクネモンが逃げ遅れてしまう。 逃げ遅れたクネモンの姿が目に入った恐竜型のデジモンはクネモンに超高温の熱風を吐こうとする。 その時、恐竜型のデジモンに向かって、目にも止まらぬ速さで何かが飛んで来る。あまりの速さに恐竜型 のデジモンは避けることが出来ず、何かが身体に深々と突き刺さる。 だが、そのおかげで、恐竜型のデジモンはたじろぎ、その間にクネモンは何とか逃げることが出来た。 恐竜型のデジモンの身体に突き刺さっているのものとは、光の刀身を持つ剣だった。 恐竜型のデジモンと突然変異型のデジモンの前には、翼とデラモンが立ち塞がっている。翼の足元には、 小さな人形の姿があった。その人形は電池の玩具のように動きを止めていた。 翼とデラモンはそれぞれ恐竜型のデジモンと突然変異型のデジモンと向き合い、そして、対峙する。 「俺はカブキモンを倒す。へタレはアロモンと倒せよ」 「分かった」 デラモンは翼にそう告げると、カブキモンに向かってロイヤルナッツを放つ。カブキモンは舞いを思い 起こさせる動きでデラモンの攻撃を避ける。 翼は自分よりも数倍の身長と体重を持つアロモンに向かって突進する。 翼は機動力や敏捷性でアロモンを上回っているが、パワーや攻撃力といった面では圧倒的に不利だ。 アロモンの身体に刺さっている光の剣を回収しなければ、翼には勝ち目がない。 アロモンは突進を仕掛ける翼に向かって熱風を吐く。翼はアロモンの攻撃を見切り、紙一重の差でそれ を避ける。 翼は鎧を身に纏っているのにも関わらず天高く跳び上がる。その姿は天高く飛翔する鳥の姿にも似ていた。 そして、翼はアロモンの身体に突き刺さっている光の剣を引き抜いて回収する。 しかし、アロモンは豪腕を振るって、翼を地面へと叩き落す。翼は無防備なまま、轟音と共に地面へと叩 きつけられてしまう。 いくら、翼が鍛錬を積み、鎧を装備しているとは言え、身体自体は生身の人間と変わらない。 「ヘタレッ!」 すぐさま、デラモンは翼を助けに行こうとするが、カブキモンの放つ花吹雪がデラモンの邪魔をする。 今のデラモンには、翼を助けに行くほどの余裕がなかった。 地面に叩きつけられた翼は何とか立ち上がろうとする。しかし、翼の目の前には、アロモンの姿があっ た。 アロモンはトドメだと言わんばかりに、翼に向かって超高温の熱風を吐く。 超高温の熱風を前に、翼の頭の中に様々な記憶が交錯する。暗闇の中で祭壇の上に置かれ、光を放って いるデジヴァイスに似た機械、倉庫の片隅に置かれている一振りの剣、そして、翼を待っていたと言うデ ラモン。 一瞬だが、永遠に思える時間。翼はアロモンの熱風をしっかりと見据えていた。 しかし、その熱風が翼に届くことはなかった。何故なら、超高温の熱風の行く手を超高熱の火炎が阻んだ からだ。 翼は火炎が放たれた方角を見た。すると、そこには、1体の恐竜型のデジモンと1人の人間の少年がい た。翼はその少年とデジモンを知っていた。 「太一、グレイモン…!」 絶体絶命の翼を助けたのは、太一とそのパートナーデジモンのグレイモンだった。 「大丈夫か?」 「何故だ……?」 翼は呆然としたまま、太一とグレイモンの姿をまじまじと見つめている。 「へへっ!悪いな、俺は首を突っ込まないと気が済まなくてさ。どうしても、お前を助けたかったんだ…」 そんな翼に太一は照れながら言った。太一とグレイモンは自らの危険を省みずに、翼を助けてくれた。 その時、翼はあることに気がついた。それは太一達にとって、最も辛いことは危険ではなく、大切な友に 何もしてあげられないことだったのだ。 自分にはこんなに心強い友達が側にいる。そして、その友を拒もうとしていたとは、何て自分は愚かなの だろうと、翼は思わずにはいられなかった。 「一緒に戦おう!」 「ああ」 グレイモンの共闘の誘いに、翼は頷く。翼は再び、光の剣を構える。翼とグレイモンはアロモンと向き 合う。 「メガフレイム!」 グレイモンは口から、先程の超高熱の火炎をアロモンに向けて放つ。それに対して、アロモンも超高温 の熱風を吐き出す。 超高温の熱風と超高熱の火炎の威力はほぼ互角だった。熱風と火炎がぶつかり合い、お互いを消滅させ る。 グレイモンのメガフレイムが消えたアロモンの目の前には、自分に飛び掛ってくる翼の姿があった。し かも、翼が手にしている光の剣は烈火の如く燃え盛る火炎を身に纏っている。 実は翼はアロモンがメガフレイムを防いでいる間に、グレイモンから超高熱の火炎のエネルギーをもら い、そのエネルギーを光の剣に吸収させていたのだ。 「バーニングスラッシュ!!」 翼はグレイモンの火炎が宿った光の剣を振るい、アロモンに斬撃を浴びせる。袈裟、逆袈裟、横薙ぎ、 唐竹、翼は連続して斬りつける。 翼とグレイモンのバーニングスラッシュを受けたアロモンは爆発を起こし、その身体は粒子と化して消 滅した。 カブキモンが能楽のような珍妙なポーズを取ると、カブキモンの周りに花吹雪が発生する。その花吹雪 はデラモンに向かって吹雪いてくる。 「ソニックインパクト!」 デラモンは口を開いて鳴き声を上げる。しかし、デラモンの鳴き声が聞こえることはなかった。鳴き声 の代わりに、デラモンの口からは衝撃破が発生し、カブキモンの放った花吹雪を消滅させる。 デラモンの放った衝撃破は花吹雪を消滅させただけではく、カブキモンの動きを鈍くさせる。 衝撃破によって動きが鈍くなったカブキモンの隙を突いて、デラモンは背中の木から再びロイヤルナッ ツを放つ。 機敏で繊細な動きが出来なくなったカブキモンはデラモンのロイヤルナッツの直撃を受けて、消滅して しまった。 戦いを終えた翼とデラモンは助けに来てくれた太一とアグモンと向き合っていた。 「なあ、俺達も協力させてくれよ」 「それはオイラからもよろしく頼むよ」 そう言って、太一は翼に握手の手を差し出した。アグモンも必死になって太一をフォローする。 翼は太一の握手の手を拒むことはなかった。翼もまた、太一に握手の手を差し出す。 やがて、太一と翼、2人の握手の手は固く結ばれた。それは太一と翼、互いの友情を確かめ合っているよ うにも見えた。 |