塩素と苛性ソーダ
水道水については殺菌のため塩素で消毒している事はご存知だと思います。塩素は有毒ですが、水道水に入っている程度の塩素では人体に直接的な影響はないといわれています。しかし、水道水質基準では蛇口の残留塩素の濃度0.1r/L(.0.1ppm)以上と決められているだけで上限は決められていません。原水の汚染は年々ひどくなる一方なので、それに伴い塩素の注入量も増え続けています。特に日本の水道法は大腸菌に対しては厳しく、日本の水道水の塩素注入量は世界の他の国々と比較してみても極端に高いといわれています。
塩素を使うことによってウイルスや雑菌がほとんど死滅するのですが、ひとつ困った問題があります。それは、水に含まれる有機物質と塩素が反応してトリハロメタンが生成されることです。トリハロメタンは発ガン性が確認されている上、流産も起こしやすくなる有害物質であることが確認されています。トリハロメタンは、クロロホルム,ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、以上4つの物質の総称です。これら4つの物質の各濃度を合計したものを「総トリハロメタン」と呼び、水道水質基準では、0.1r/L(.0.1ppm)以下としています。この数値はこの程度であれば安全という基準で設けられたものではなく、この程度が精一杯という数値なのだという事です。トリハロメタンは有害物質なので「ゼロ」であることが望ましいのですが、原水の汚染状況を考慮するとこの数値でも仕方がないのかもしれません。ちなみに、WHO(世界保健機構)のガイドラインでは30ppb(0.03ppm)となっています。
塩素殺菌後の水道水からは、トリハロメタンだけでなくクロロ酢酸類、クロロアセトン類、クロロアセトニトリルなど多数の有機化合物が発見されています。特にクロロ酢酸類には発癌性も確認されています。水道中のトリハロメタンは煮沸すると揮発してしまいますが、クロロ酢酸類は沸点が高く煮沸してもかえって増量するのだといいます。塩素殺菌の有害性は今後、もっと広がるかもしれません。
水道の原水はほとんどが河川や地下水に頼っています。しかし、水源となる雨が酸性雨であるため、水道原水のほとんどが酸性になっています。また、塩素を添加するため原水は酸性に傾いています。この酸性のままでは体のためにも良くないし、送水管を腐食させてしまうのでアルカリ性の物質である苛性ソーダを添加することで中和しています。他にソーダ灰や、消石灰なども使われる場合もあります。このように水道水は複数の化学薬品が添加され、しかも年々その量は増え続けています。