Sexual Sensate Design System
オーガズム徹底トーク

  

   1 オーガズムとPC筋 01.8.22 
   2 オーガズムとフェイク 01.10.3 
   3 オーガズム理論の構築法 01.10.3 
   4 マルチ・オーガズムを斬る 01.10.6 
   5 オーガズムとθ波 02.10.30 
   6 オーガズムと廃用萎縮(基礎資料) 01.12.9 
   7 オーガズムの定義 

  

<Caccoオーガズム研究室>と<SSD System 研究室>、この、妙なことにこだわり続ける2つの研究室が、オーガズムについて徹底トークをします。何が飛び出すかは全く予測が付きませんが、どうか、ご期待ください。尚、このトークに参加なさりたい方、ご希望のテーマがある方は、下記 E-mail までご連絡ください。
★ご質問等があった場合、随時追加しますので、<更新>してご覧ください。

            <Caccoオーガズム研究室>へもどうぞお越しください

                        

オーガズム徹底トーク 1

オーガズムとPC筋 

 


【六-一】

一方、ボーレンはオーガズムに伴う女のPC筋痙攣を三つのタイプに分けた。タイプ I は強い規則的な痙攣が短時間見られるもの。タイプ II は弱い不規則的な痙攣が長時間続くもの。タイプ IVはまったく痙攣がないのにオーガズムを感じるものだ。(図表12 女のオーガズム中のPC筋痙攣の3つのタイプ)
たぶん、二七%が分類されたタイプ I は必ずいける群、五五%のタイプ II と一八%のタイプ IV は、いけないこともある群だろう。奇しくも、「生まれつきオーガズムに達する能力を持っている女は三〇%。七〇%は後天的に身につける」(大島清談)という数値に一致する。(132、133)

               『男と女の間には……オーガズムの性差はあるか?』 清宮多志郎 著 より

SSD→ここにおけるcacco さんの主張はどの部分でしょうか。また、この図の掲載は、何を言いたいためのものか、教えてください。

Cacco→この記述の周辺は、「PC筋の痙攣の強さと、オキシトシン濃度と、主観的オーガズム体験の強さの間の関係」について、様々な実験データを紹介しながら説明している部分です。(図の掲載の目的も同じ)
この周辺の「主張」は、「女では生理的変化と主観的体験が乖離している」、「女がオーガズムを得るためにPC筋の痙攣はあまり重要でない」といったことです。

SSD→こういう実験データはあるけど、女性のオーガズムをトータルで考えた場合、それほど意味のあるものではない、と解釈すればいいのでしょうね。

Cacco→そうではありません。ボーレンの実験方法は信頼性、妥当性ともに高いという印象を私は持っています。もっともオーガズムの定義に関しては、「オーガズムの到来と終結を合図で示せ」という、被験者の主観に一任しています。ここから得られた図のデータは、あくまで「主観的オーガズム体験」と「PC筋の生理的変化」の関連性を示すものであり、それ以上のものではありません。しかし、「PC筋の律動的収縮がなくても、オーガズムを感じると訴える場合もある」という瞠目すべき現実を示しているのです。
だから、ボーレンのこのデータは、大いに意味のあるものであり、拙著には欠かすことのできないものなのです。

SSD→オーガズムとは何か?を解明するためには、PC筋だけでは確認できないと思っています。

Cacco→仰る通り。なにしろ中枢神経の発火を無視して語ることはできませんし。

SSD→それと、判断を主観に任せるということは、納得できないですよね。定義と主観とこれだけ開きがあるという実験であれば、面白いのですが。

Cacco→オーガズムとは主観的体験ですから、それでよいと思います。というか、本人の主観に任さざるを得ないのでしょう。しかし主観的体験と性器周辺の生理学的変化の測定値を照合することによって、主観的オーガズム体験の生理学的根拠を探るのは、適切だと思います。

SSD→この図12に関して言えば、<女のオーガズムのタイプ>となっていますけれど、これは、いつも私が主張していることなのですが、パートナーの刺激に対する反応であって、<女のタイプ>ではないということです。その辺をもっと明確に観察・記録したデータがありましたら、是非教えてください。案外、日向野氏の、θ波、心電図、呼吸、発汗等の同時計測されたデータが一番参考になってしまうのでしょうか。皮肉なことですが。

Cacco→日向野氏が一番ということはないでしょう。
日向野氏の実験は男女のセックスですが、ほかに私の知っている似たような実験は、すべて自己刺激(マスターベーション)です。結果も同様、日向野氏の結果だけ他の実験と隔たりが大きいのです。日向野氏以外の実験の結果は似たり寄ったり。これはこれで驚きです。あと、心電図、発汗、呼吸などは多くの実験で同時計測されています。内分泌の測定も行われています。
   

SSD→図中の▲印、オーガズムの到来と終了は、原著にあったものなのでしょうか。これが、合図で示された被験者の主観的オーガズムを表すものなのでしょうか。

Cacco→そうです。▲をつけたのはボーレンです。被験者の「オーガズムの開始と終わり」の申告を受け、つけたものです。

SSD→この図を自分なりに解釈すると、下図のようになります。印が本来的、客観的に見たオーガズムの発生と終了です。ご意見をお聞かせください。

 


SSD→この図を見て気が付くことは、Anal Pressure に対して Vaginal Pressure が低いということです。平常圧に差があるのは、肛門と膣の内径が違うから当然として、オーガズム収縮が、本来関与すべき筋肉の方が弱いということは、問題です。特にタイプI は低過ぎだと思います。これは、PC 筋の訓練によって改善可能な部分だと思います。
タイプ I は強い規則的な痙攣が短時間見られるもの、二七%が分類され必ずいける群、と解説されていますが、これは、ごく軽い、一遍こっきりのオーガズムの例だと思います。タイプ IVはまったく痙攣がないのにオーガズムを感じるもの、一八%のタイプ IV は、いけないこともある群、ではなく、強大なオーガズムを繰り返すことのできる、いわゆるマルチ・オーガズムの例だと解釈できます。タイプ II は弱い不規則的な痙攣が長時間続くもの。タイプ II 、一体、どういう判断で▲印が付けられたのか判りませんが、PC筋の収縮が、オーガズムに関与するという前提自体を無視した判断だと思います。一番強い収縮は、計測以前にすでに始まっているのですから何とも不可解なのです。

Cacco→ここではクリトリスの自己刺激でオーガズムに達することを教示されています。ssdさんの区別で言うと、マスターベーション・オーガズムになりますね。

SSD表示がなかったので、パートナーとのセックスにおけるオーガズムだとばかり思っていました。

Cacco→あと、タイプ I の筋力は弱いというご指摘ですが、収縮の形に目を向けると必ずしもそうではないようです。タイプ I の2つの▲の間の「律動的収縮」は、恣意的には作られないオーガズム特有の不随意的収縮の波形なのです。タイプ IIのオーガズム開始直後にも、この波形が僅かに見られます。それ以外の部分の波形は、すべて恣意的にPCを動かした時の波形なのです。

SSD→PC筋の弱化に関しては、60年も前から提言され、ケーゲルによってその強化法が提唱されました。ですから、産婦人科医や助産婦さんによって、いろいろ実施訓練の普及はされてきたことかと思います。しかし、それによって、オーガズムが改善されたかどうかということは、データの取りようはないように思います。

Cacco→ケーゲル体操はPC強化を目的としたものですが、その副効果であるオーガズムの改善を検証した文献が多数あります。(すべて海外のもの。)結果はさまざまで、肯定的結果と否定的結果が半々といった記憶があります。

SSD→それと、PC筋は随意筋です。従って、訓練すれば強化できることは明解です。しかし、オーガズムに関与するもう一つの重要な筋肉、子宮筋は、不随意筋です。従って、意識的に強化することができないのです。それに、子宮という臓器は、あまりにも長い間無視されてきたわけですから、問題は簡単ではありません。PC筋は、決して廃用萎縮を開始しているとは思いません。排便・排尿を何年もやってきたのですから。弱化はしていると思いますけど。 

Cacco→「PC筋の収縮が、オーガズムに関与するという前提」というのは、寡聞で申し訳ないのですがケーゲルが提唱したものなのでしょうか?

SSD貴書の「なぜこのように、女では生理的変化と主観的体験が乖離しているのだろうか。たぶん、中隔の発火が不確実であることと、PC筋の痙攣が不確実であることが原因だ。生理的変化が弱すぎて、オーガズム体験を作るのに十分とはいえないのだ。」というあたりでしょうか。不確実であることが原因であるということは、関与していることを前提に話しているのだと思ってしまいました。そのあと「さまざまの研究から、女がオーガズムを得るためにPC筋の痙攣はあまり重要でないことが示唆されている。」と記載されていますが、「ボーレンはオーガズムに伴う女のPC筋痙攣を三つのタイプに分けた。」という図の説明も、関与していないとはとれません。重要であるかどうかは別として。また、ESO (Extended Sexual Orgasm)プログラム(セクシァルヒーリンング/超越的オーガズム)の身体的アプローチの部分は、全てPC 筋強化に費やされていました。最近クレームを付けたばかりだったので、そんなこともあって、先入観があったのかも知れません。

Cacco→しかしボーレンの実験では、PCの律動的収縮がないのにオーガズムを訴える被検者がいたのでした。(タイプ IV の2人。ちなみにタイプ I は3人、タイプ II は6人。)

SSD→あ、cacco さんは、ESO には懐疑的だったんでしたっけ。

Cacco→この本はリチャード・ローズ著「メイキング・ラヴ」(文春)という本で知り、ペーパーバックスを取り寄せて必死で読んだものです。その後、翻訳が出たときはそれまでの苦労が水の泡で、がっかりしたものでした。メンタルなところの改善とか、男も30分もオーガズムに浸っていられるといった記述は、大変魅力的で、夢があって、それを読んでいる間の自分は毎日がばら色の日々でした。しかし実践しようとしても、私は根気がなくてダメなのです。私はこの手の本を何冊か読んでいて、それらのミックスした自己流でやってしまうものですから、これまたダメなのです。しかしミックスした方法でもオーガズムの改善にはつながった…というのは12章あたりで書いた通りです。
それに、訳者が実際体験したか?? 当然の疑問です。
書いてあることに疑問…疑問だらけです。というよりもこの手の本は、ESOにかぎらず、チャクラとか気といった東洋医学用語で書かれているのです。だから私にはお手上げなのです。拙著はその点、西洋医学用語で、つまり顕微鏡で視認できる用語で解説しています。この「用語」というのは議論をする上で重要だと思います。用語を共有できなければ話にならないのですから。このあたりに配慮しながら、充実したトークを続けていきたいと思います。

SSD→戻りますが、主観的部分が多いということが、事実であるとしても、関与していないととるのは無理なのではと思います。

Cacco→拙著の10章あたりでマルチオーガズムの仮説を扱っているところで触れたのですが、PCが弱いほうがオーガズムの回数も持続時間も長いという結論にならざるを得ないのです。(だからといって満足感は変わらないからおもしろい。)PCを強化して得られる変化は、オーガズムが男性的になること(タイプ I になること)だと思われます。

SSDこの辺は、どう解釈していいか分かりませんが、自己都合で解釈しますと、筋力が弱ければ、最終収縮が不可能になります。そうなれば、充血は続いているので、何度でも繰り返すでしょうし、持続時間が長くなるのも当然なのではと思います。

Cacco→計測以前の収縮は、ノイズです。たとえば被験者が体位を変えた時など、このようなノイズが入ってしまう…それです。

SSD了解しました。

Cacco→さて、精一杯お答えしたつもりですが、とくにこのあたりのご質問は、ssdさんのオーガズムの定義とボーレンの使った定義との食い違いから出てきたものだと思われます。不案内で申し訳ないのですが、ssdさんのオーガズムの定義は、どのようなものだったでしょうか。お示しください。(サイトをバーッと探したのですが、見つからなくて。失礼。)

SSD→サイト上では、定義化が必要だということを繰り返し強調してきましたが、何が定義かということは、もしかしたら述べていなかったかも知れません。caccoさんもおっしゃっていたように、各人がそれぞれ勝手に思い込んでいるオーガズムというものに、何故という目を向けてもらいたいというのがこのサイトの目的だったので。でも、別に、伏せておくつもりはありません。これまで、色々な方法で確認されてきたことは、それなりに意味があると考えています。ただ、これまでに、なかなか出てこなかった問題、また、出てきても、対処のしようがないため放置されていた問題、即ち、<オーガズムの終了の概念の設定>とその概念が設定できなかった主要要因である<廃用萎縮>の解明をすることによって、定義化することができると信じています。また、非常に単純な問題ですが、オーガズムとマスターベーション・オーガズムとは、はっきり区別しなければならないと思っています。

Cacco→ここまでくると、ssdさんとの認識の違いが明らかになります。「女における収縮の弱さ」と「収縮とは無関係に起こる主観的オーガズム体験」については、(とりわけ前者については)、「廃用性萎縮理論」によってより深く解明されるのではないかと思うのです。ぜひご意見を聴かせてください。

SSD→ 何処だったか、ちょっと記憶してませんが、吊鐘状の数値分布が得られないという記述がありましたけれど、それがまさに廃用萎縮の実体なのではないかと考えています。動物の基本的な生理反応が、ここまでバラバラになってしまったことが問題で、それを何故と考えるのが、真実発見の道だと思うのですが。

Cacco→ 9章冒頭で「個人差」について触れたところの、正規分布しないという記述のことでしょうか。たしかに廃用萎縮論の出番ですね。興味あります。ただ逆に、「もともとなかった」可能性もあります。私が動物の性行動の文献から調べた結果は4章で触れていますが、その線から考えると、「もともとないところにフェイクが加わって、個人的色彩の強い銘々のオーガズムを創造した」と考えたくなるのです。

SSD→話がフェイクの方に向かいそうですね。フェイクの問題はとても重要だと思います。でも、PC筋とは直接関係ないので、テーマとして改めてやることにしませんか?

Cacco→そうですね、そういうことにしましょう。

SSDで、次回は何にしましょうか。第1回はPC筋の話題からスタートして、自然と廃用萎縮とかフェイクの方に話が向いてきましたね。第2回ではどちらをやりましょうか。

Cacco→私としましては、フェイクだったら私見を持っていますが、廃用萎縮に関してはまだ詳しく存じ上げていない……。今のところ他に共有できる話題はθ波、鬱血の問題、マルチ・オーガズム、あるいは方法論といったところです。

SSD→廃用萎縮は大切なテーマですけど、もう少し討議してからの方がいいかもしれません。その間に、何か討議できそうな材料があったら、捜しておいていただくとか。

Cacco→そうですね。ではフェイクの話題で参りましょう。


SSDここで、今回のテーマの結論を整理してみる必要があると思いますが。

  Cacco→:オーガズムとPC筋の相関関係はあまりない。

  SSD→ :PC筋も重要だが、同時にオーガズムの発生に関与する子宮筋等にも
       焦点を当てる必要がある。

こんなところでどうですか?

Cacco→いいと思います。


読者の方からのお便り

“オーガズム徹底トーク”、読ませて頂きました。
CACCO氏とtoi氏のトーク、予想通り凄いの一言につきます。
一読するに貴兄のオーガズムに対しての論理的アプローチと、CACCO氏の実験データからのアプローチの違いが顕れた風に感じました。
ただ、それぞれにリンクする部分が多分にある所が面白いですね。
但し、貴兄も書かれていたのですが、“オーガズムに対しての定義付け”が明確になっていない様に取られ易く思います。
先に定義を出しておいて、補足説明を行う方式にするのも一興かな、と思いました。
あと、一般読者にはやや難しく感じる場面もあると思います。
できれば本文の様にもう少し解り易くしてもらえると、なおアプローチし易くなると思います。 JC  

現場に行くことは、あまり恐縮過ぎて、固まることがオチです。
一読者であり、今の私ではついてゆけそうにありません。
ただ、刺激にもなりそうですし、近くで拝見したい気持ちはあります。
いざとなったら足がすくみますが。(メールの怖いところですね)
テーマなどは、、、ありそうです。今いちど、頭を整理します。   IB

 

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ご意見・ご提案は E-mail : ssdstoi@opal.plala.or.jp へ

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