Sexual Sensate Design System

  オーガズム徹底トーク

<Caccoオーガズム研究室>と<SSD System 研究室>、この、妙なことにこだわり続ける2つの研究室が、オーガズムについて徹底トークをします。何が飛び出すかは全く予測が付きませんが、どうか、ご期待ください。尚、このトークに参加なさりたい方、ご希望のテーマがある方は、下記 E-mail までご連絡ください。
★ご質問等があった場合、随時追加しますので、<更新>してご覧ください。

                <Caccoオーガズム研究室>へもどうぞお越しください

                        

オーガズム徹底トーク 3

オーガズム理論の構築法

SSD→「方法論」というと、理論の構築法ということでしょうか。少し理屈っぽくなってしまいますのでちょっと心配ですが、その上で申し上げますが、我々が、オーガズムとか、性問題に関心を持ったそもそもの動機が、「何かおかしい」というところから始まったのだと思います。その「オカシイ」原因がどこにあるのだろうと考えたとき、これまで、やってきたことに問題があったのではないかというところに行き着いたということだと思います。ですから、先行文献による裏付けを重視するという方法は、問題が発生してないなら正当な方法であるでしょう。ところが、問題が発生しているのは事実ですから、その方法は破棄せざるを得なかったということでしょうか。矛盾を発見し、それを分析して、問題点を明らかにすることが、問題解決のカギになるはずだと考えたのです。

Cacco→「我々が、オーガズムとか、……問題があったのではないかというところに行き着いたということです。」までは同感です。ただ、それが「ですから、先行文献による裏付けを重視するという方法は、問題が発生してないなら正当な方法であるでしょう。ところが、問題が発生しているのは事実ですから、その方法は破棄せざるを得なかったということでしょうか。」という風につながる理由がいまひとつわからないままなのです。

SSD→何かがおかしい、その何かとは何か、それが先行文献かもしれないという考えです。ですから、自分が先ず最初にやったことは、色々な文献の矛盾抽出という作業だったのです。矛盾が存在するということは、どこかに錯誤があるということだと思うのです。それを見つけていけば、何かの解答が引き出せるのではないかと期待した訳です。もちろんそれらの文献が適切なものだったか、また、十分な量があったのかということになると、問題はあるかもしれません。ただ、ある矛盾から錯誤が発見できると、それに類する文献は排除していけるということになります。その錯誤が、本当に錯誤であるとする確固たる確証はないとしても、矛盾を解決できるというところでは、確信をもてるんですね。そういうことで、文献を重視するという方法を、自分では破棄せざるを得なかったということなのです。

Ccacco→ただそうなると、さまざまな文献の矛盾は発見できるとは思いますが、それを続けても矛盾が見つかるだけで「解答」は見つからないのではないかと思うのです。やはり解答を見つけるためには、積極的に、矛盾のない文献を探し出してきて参照していく必要があるのではないかと思うのです。

SSD→最初に始めたのは、現代の性理論の原点であるマスターズ&ジョンソンの「人間の性反応」だったのですが、そこで発見した重要な問題は、オーガズムという生理反応に定義が存在しないということ、その延長として発生するオーガズムの終了の概念の欠除ということだったのです。そして、それに対して、何の疑念も持たずに理論を構築しようとしている科学者の姿勢だったのです。
それが何から発生するのかを分析していった結果、「性機能の廃用萎縮」という仮説は正しいという確信だったのです。誰も気が付かないで放置している、その理由は何か、という視点を持つことができたのです。ただ、幸い、その「仮説」は、対処するための方法論が先にあったため、仮説というより、真実であるという確信が持てた訳ですね。caccoさんも非難されたり、非難したりすることがあると思いますが、結論が先にあった訳なのです。
そして、その視点でいろいろな文献を見ていくと、面白いように矛盾が解けることが分かったのです。これは、こう考えると矛盾が解ける、ということによって、何が誤謬かを指摘できるのです。そして、マスターズ&ジョンソンの理論をベースにしている理論には、必ず矛盾が存在するという形で分析していくことができた訳です。その後、いろいろな計測技術が開発されて、新規の理論が出てきていますが、そのデータを解釈する「目」が廃用萎縮を起こしているのですから、必ず矛盾を発生させ、それに気が付かないという状況を呈しているのです。
現状で取得し得るデータは、その時点での事実ではあっても、真実であるかどうかは分からないというのが私の持論です。

Cacco→話は変わります。1回目のトークで、貴兄がボーレンのグラフに赤印を入れましたよね。「私はこう思う」という(だけの)理由で。

SSD→マスターベーションによる計測グラフだということが分かっていれば、ああいう問題提起はしなかったと思います。また、収縮部分がノイズであるとか、自発的な筋肉の収縮であるとかいうことは、説明がなければ分からないことです(知識がないといわれれば、それまでですけど)。

Cacco→しかし科学論文に対しそのような取り扱いをするということは、私にはできないことなのですね。いくら廃用萎縮の途上のデータとはいえ、現時点の「現状」を正しく評価するためのデータは大切だと思うのです。そこに廃用萎縮していないであろう動物行動のデータを加えることで、ヒトのオーガズムなり性行動なりの「等身大のありかた」が見えてくると思っているのです。だから私は、自分の理論の中から矛盾を一掃することよりも、先行文献の結果との間に矛盾がないことを重視しているのです。

SSD→手法としては正当な方法です。異論はありません。問題は、正しい手順で行われたとされる科学論文で公表されたデータを評価する目が、確かだったのかどうかという再評価も必要となってくると思います。

Cacco→そうですね。科学論文の読み手として私は……、
方法に問題がないかを厳重にチェックすることに留意しました。
自分にとって不都合なデータをも無視しませんでした。
複数の研究で同じような結果が得られている場合、その結果を重視することにしました。(これは再現性があることを意味し、一般的には科学的真実としてみなされます。)
……これは「科学論文で公表されたデータを評価する際の、確かな目」と言えるでしょうか。できればssdさんに再評価していただければ嬉しいのですが。

SSD→自分の場合、最初から、このデータと分析方法には間違いが存在するという目で見てしまうものですから、複数の研究で同じような結果が得られている場合であっても、その元データの計測方法、分析方法に問題がないか、帰結に矛盾がないかの確信がなければ、その結果を重視することはしません。強いていえば、ここでもまた同じ間違いをしているということ、再現性があるということが、逆に問題なのですね。それが正に廃用萎縮なのです。矛盾を含んだ(誤謬を含んだ)結果が再現されるということが。しかも、かなり進行しているということを裏付けています。

Cacco→それは、どうしてですか?

SSD→これは、被験者だけの問題ではなく、観察者、理論構築者、理論採用者、あらゆる層に、しかも、世界的に廃用萎縮は拡大していると考えなければならないということです。個の問題ではなく、人類の問題として考えていかなければならないということですよね。

Cacco→ssdさんの理論体系の中の、まだ実証されていない部分は、一種の「仮説」ですから、実証できるかどうかでその価値が評価されるものだと思うのです。
これは次のように言い換えることもできます。
「構築した理論の中に矛盾がないことを目指す」というssdさんの姿勢は大いに評価しているのですが、「理論と、観察/測定されたデータとの間に矛盾がない」ことは、もっと大事なことだと思うのです。(これが実証です。)そして矛盾のない理論を構築するためには、「理論と、観察/測定されたデータとの間に矛盾が発見された場合、速やかに理論を修正する」ことを繰り返す必要があるのだと思います。
ちなみにssdさんが言われた「理論は単純な方が良い」というのは、繰り返し実証され帰納された理論について当てはまる言葉だと解釈しています。

SSD→機能改善のための実践方法から帰納した仮説ですから、もうそれは仮説ではないという信念になってしまっているのかもしれません。人によっては、妄想と見ることもできるかもしれませんね。
観測データのことでは、観察とその観察者による理論構築との間での矛盾を問題視しているんです。そこに矛盾が存在した場合、それを理論構築に採用すると、矛盾は更に矛盾を呼ぶことになります。
矛盾が発見された場合、速やかに理論を修正するというのは大切なことだと思っています。それが、半世紀にわたって、放置されていることを問題にしたいのです。誰も、矛盾だと気がつかないことに、です。

Cacco→ところで、私は今後も多くのデータをご紹介していきます。その中には、残念ながらssdさんの理論と矛盾するデータもいくつか含まれています。
そこでssdさんは、1. 理論を修正するか、2. データの方の矛盾を指摘するか……を迫られることになるわけです。

SSD→スリルがありますね。必死に矛盾発見に没頭するでしょうね。でも、それによって、新たな発見ができれば、それはそれで納得行くはずです。

Cacco→余計な心配かも知れないし、はなはだ僭越だと思うのですが、私はssdさんが「理論の中に矛盾がないことを目指す」あまりに、理論の修正ができにくくなってはいないかと心配しています。理論の土台を揺さぶるような都合の悪いデータは受け付けないというような……。杞憂だといいのですが。

SSD→確かに、これまで、他者の矛盾の分析ばかりやっていたので、自分の理論に矛盾があるかどうか、真剣に見直さなければならないかもしれません。それが、こうやって、第三者の方とトークすることの最大のメリットだと思うのです。自分の思い込みに気付かせてもらえるわけですから。
都合の悪いデータの無視、そういうことはないように努めるつもりです。それと、困難が大きいほど、やり甲斐があると思えば、メゲないと思います。でも、そこで出した結論が、皆さんの納得を得られるまで推敲できるかどうかは、ちょっと心配ですけど。逆に、これだ!というデータも出てくる可能性もあるわけですよね。こちらの文献量とcacco さんのとでは、ケタ違いですから。楽しみにしています。

Cacco→さて、方法論の話題になると、貴兄のサイトのいろいろなトピックスにたいし、私としては「出典を教えて欲しい」という質問を連発することになるでしょう。(たとえば韓国人では廃用萎縮が進んでいないといったデータなど、すごく関心がありますので、ぜひ詳しく調べたいので、すぐに出典に当たりたくなるのです。)

SSD→風評に過ぎなかったのかも知れませんね。何年何月何日のラジオ番組で、噺家の誰々が言っていた、なんて記録している訳ないですから。それに、その頃、こういうことに手を染めるなんて思ってもいなかったし。いずれにしても、そういう出典の分からない話は持ち込んでもいらいたくない、ということは分かりました。
ただ、出典は自分であるというのもだめですか?

Cacco→cacco的にはいろいろと問題があると思います……。だから友人であるssdさんに対して忌憚ない意見を言わせてもらうなら、あえて「だめです」と明言するのも吝かではありません。その理由は…。
出典が記憶違いだとしたら、ssd さんの理論が拠って立つ土台が崩れてしまう。たとえば「韓国でも日本と同じような問題が進行している」ということがわかった時、ssd さんは大幅な修正を迫られるのではないかと…。
「出典は自分」というのは、避けなければならないことだと教わってきた気がします。だから、自分以外に(とくに自分より先に)同じことを書いている人がいないかを徹底的に調べ上げ、そこから「引用」したという形にしなければならない…そのようにしないとプライオリティも著作権も守れないのではないですか。

SSD→もし、それが駄目だとすると、発想のオリジナリティというものを排除することになりますよね。発明とか発見とかいう作業は、そういうところから出発しているんだと思いますけど。例えば、性機能の廃用萎縮とか、射精抑止筋群の発見、訓練法などは、先行文献はいまのところ、どこにもありません。自分のオリジナルだと思っています(射精抑止筋群については、射精管閉鎖筋の訓練という文献がありますが、まだ入手していません)。だから、その信憑性を裏付けるために、既成理論の矛盾を発見しようとしている訳です。

Cacco→「発想のオリジナリティを排除する」ことにはなりません。むしろ、「ここからここまでは誰々の考え。ここからここまでは私の考え」と明確にすることで、他者の発想のオリジナリティを侵害することなく、自分の発想のオリジナリティが保証されるのだと思います。

SSD→確かにその通りだと思います。ここでは、発想の差、方法の差によって、導かれる結論は変わってくることがある、ということを、読者の皆さんに分かってもらえれば、それでいいのではないかと思います。

Cacco→そうですね。ここまでのトークを振り返って、方法の差異といったら、「理論で語るかデータで語るか」という差異が明らかになりつつありますね。前回の最後の方で、オーガズムの性差の話題になった時、私が膨大なデータでオーガズムの性差を解明しようとしてきたのに対し、toiさんは「理論は単純な方がよい」とおっしゃいました。それ以前に、私たちのトークに感想をお寄せ下さった方が、「一読するにssdさんのオーガズムに対しての論理的アプローチと、cacco氏の実験データからのアプローチの違いが顕れた風に感じました。」と、見事に看破しておられました。
そして導かれた結論ですが、だいぶ違っていました。正反対のところもあった。互いの立場を尊重しながらトークするという姿勢に徹しているから、それ以上追求することはなかったですが、何か不完全燃焼のような気がしているのも実感です。話がかみ合わないまま時間切れになったシンポジウムのようなちょっと言い足りないって感じもあったようにも思います。……ssdさんはいかがですか。

SSDそんな感じもしますね。できましたら、トークの足りなかったところは、<追加>という形で、このテーマにまた戻ってくる必要もあるように感じます。その辺は、気楽にやった方がいいのでは、と思います。

Cacco→次回は、マルチ・オーガズムですね。

SSD→そうですね、マルチ・オーガズムやってみましょう。


今回の整理

Cacco→・外部の科学的データと自分の理論との間に矛盾がないように心
      がける。
     ・方法に問題がないかを厳重にチェックすることに留意。
     ・自分にとって不都合なデータをも無視しない。
     ・複数の研究で同じような結果が得られている場合、その結果を重
      視する。

SSD→ ・自分の理論の中に矛盾がないように心がける。
     ・科学的データは尊重するが、その解釈における矛盾を抽出し、 
      その発生原因を突き止め誤謬を発見することを第一義とする。
     ・科学的計測により明らかにされた事実、性行為の実施において
      発生する事実は、現時点での事実ではあっても、その機能が本
      来持っているものとはいえない。
     ・廃用萎縮の解明によって、これらの問題が解決すると考えている。

 


  オーガズム徹底トーク

   1 オーガズムとPC筋 01.8.22 
   2 オーガズムとフェイク 01.10.3 
   3 オーガズム理論の構築法 01.10.3 
   4 マルチ・オーガズムを斬る 01.10.6 
   5 オーガズムとθ波 02.10.30 
   6 オーガズムと廃用萎縮(基礎資料) 01.12.9 
   7 オーガズムの定義 

  

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