Sexual Sensate Design System 

 オーガズム異変

オーガズムは必要か?

「モア・レポートなんか、よくこの議論をやってたわよね」 

「定義のないものを必要かどうかと言い合っても話にならないということをまず認識しなければならないよね。議論するならまず定義をはっきりさせなければならない。そうすれば、それは必要なものかどうかということがはっきりしてくる筈だ。何度も引き合いに出すけど、ヴァン・デ・ヴェルデはオーガズムのない性行為は、女性の身体に対する重大な侵害だと言い切っている。それなのに、オーガズムの定義がない。この矛盾をもっと早く、誰かが気が付くべきだったんだと思う」

「マスターズ&ジョンソンなんかは、どういう見解なの?」

「もちろん定義なんかどこにもない。臨床例としての現象をパターン化して報告してはいる。例えば、単独オーガズムに対して、マルチ・オーガズムだとか、ステイタス・オーガズムだとかいった状況をね。だけどおかしいのは、そういう状態を起こした時、男性側からの刺激の様子はどうだったかの描写が全くない。これはどう考えても女性のオーガズムの固有な反応なんかではなくて、男性の刺激に対して、女性がどう反応したかってことに過ぎないと思うんだ。にも拘わらず、女性のオーガズムの種類だと言わんばかりに分類して得意になっている。情けないと言うしかないよ。それともう一つおかしいのは、パートナーとの性行為より、マスターベーションの方がオーガズムを得やすいと結論付けている。オーガズムとマスターベーション・オーガズムの区別もできないんだから、とんでもない話だ。しかも、大規模な、科学的調査の結果だから、後続の理論は殆どそれに右へならえをしてしまった。カプランなんか、更に悪いことに、強迫的な患者にはセックス・セラピーは向いていない、議論の範囲を越えているとして、ニンフォマニアを治療対象から外してしまっている。オーガズムの定義を持たない訳だから、ニンフォマニアがどういう現象なのか、強迫観念をもたらす原因が何なのかを判断することが出来ないわけだ」

「ニンフォマニアって淫乱のこと?」

「そう。定義さえはっきりさせれば、ニンフォマニアは典型的なオーガズム終了障害だということが分るはずだ。そんなことにも気が付かずに、セックス・セラピーの論文なんか書くべきじゃないよ。しかも、日本の主なセラピストは、マスターズとカプランをまるでバイブルのように、理論ベースに使っている。矛盾を見抜く能力がないんだよね。こんな状態では、日本の性環境はお先真っ暗と言うしかないな」

「何か対策はないの?」

「裁判でも起こして、彼等にカウンセリングやセラピーをする資格や能力がないことを訴えていくしかないだろう。被害者が増えない内にね」


オーガズムは何故必要か

男性の場合、ノン・オーガズムはあまり問題にならない。むしろ、オーガズムを与えられないことに問題がある。
女性の場合は、ノン・オーガズムは決定的な機能破壊に結びつく。特に、性機能廃用萎縮で脆弱化した子宮筋肉では、オーガズムを終了させるだけの力がない。そこから起こるのは子宮筋壁の慢性鬱血による細胞破壊と壊死である。この簡単な原理が分れば、オーガズムは必要か必要でないかなどと暢気なことを言っている暇はない筈である。今すぐ、オーガズムを発生させ、終了させるにはどうしたらいいのか、真剣に考えるべきなのでは。

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