●太平洋を臨む

 「太平洋を見よう!」

 そう思い立って,僕は愛車で出かけた.向かうは茨城県大洗港.ここは僕がつくばに来る際に,フェリーで辿り着いた思い出の地だ.空はあいにくの曇り空.雨粒がたまにフロントガラスに落ちてきたりもしている.

 常磐道を東に走ること約1時間.大洗港についた.GW初日とあって,釣りをする家族連れが多い.ヤン車も集まっている.曇ってはいるが,なかなかのどかな風景.釣り客向けのラーメン屋も出ていた.

大洗港.あいにくの天気だが,海は静か.

 

釣りをする多くの人たち.子ども連れが多い(左).釣り客向けのラーメン屋(右).

 

 大洗港を出発し,僕は車を海岸沿いに南へと走らせる.茨城ののどかな農村・漁村をいくつか通り過ぎ,ものものしい工場群が目に入ってくる.ここがかの有名な「鹿島臨海工業地域」である.砂地の海岸を掘って「掘込み港」を作り,船から工業の原料なんかを工場へ積み上げているんだ.大きな工場を横目に,鹿島港公園へと辿り着く.

 鹿島港公園にも釣り客があふれていた.周りの工業地帯の風景とのギャップに,思わず苦笑.

さすが鹿島臨海工業地域.製鉄所や石油タンクなんかが海岸に並ぶ.

 

題して「釣り客とパナマ船」.何というギャップ(左).消防艇が港内に待機しているのは工業地帯ならでは(右).

 

変なモノ2連発.鹿島税関のみなさん,もう少し漢字を勉強しましょうね(左).

港公園のタワーの中.鹿島港をほめすぎです(右).

 

 鹿島港公園を離れ,車はさらに南へと向かう.鹿島サッカースタジアムを遠くに見ながら,広い道路をしばらく走ると,車は利根川の河口にぶつかる.そして河口にかかる橋を渡ると,そこは千葉県銚子.言わずと知れた「醤油の街」(笑).つくばに住んでいるおかげで,ここ何ヶ月かはずっと美味しい魚にはありついていない.腹も減ったし,うまい魚を食おう!というわけで,僕は銚子港へと向かった.

 港の近くにあるポートタワーには観光客がいっぱい.そしてその隣にある海産物販売センターの「うおっせ21」(なんてビミョーな名前なんだろう(笑))にもお客さんがあふれていた.中にはたくさんの店が軒を連ねており,生の魚とか干物とか佃煮とか,いろいろな海産物を販売していた.ちょうどお腹も減っていたので,かまぼこ屋で揚げたてのかまぼこを買って食べてみることにした.さすがは揚げたて.ぷりぷりしていてうまい!満足満足.

港にあるポートタワー(左)と海産物販売センター「うおっせ21」(右).「うおっせ21」の名前の由来は不明(笑).

 

「うおっせ21」の中はお客さんでいっぱい(左)!かまぼこ屋であつあつのかまぼこをいただく(右).

 

 銚子まで来たついでに,犬吠埼まで行くことにした.起伏の多い道をしばらく行くと,たくさんの車が列をなしている.よく見れば,犬吠埼の入口.その近くにあるホテルの駐車場の順番待ちらしい.わざわざお金を払って車を停めて,歩いて岬まで行くとは何と物好きな.もう少し先の長崎海岸まで車を走らせ,遠くから岬を眺めることにした.

 長崎海岸には磯遊びの家族連れが多かった.潮の引いた岩場を歩き回り,ウニやら貝やらヒトデやらを採っている.子どもはとても楽しそう.なかなかいい光景だ.犬吠埼もしっかりと見え,満足する.

犬吠埼を臨む(左).磯遊びの風景(右).

 

 たまにはこういう風に,海の匂いをかぐのもいいもんだね.すっかりと心も身体もリフレッシュしたよ.なぜに人は海に行くと心が安まるのだろうか?そんなことを考えながら,つくばへの道を帰るつくばびとであった.(2001/5/3)

 

 

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