●札幌ポラリス観戦記

 スコットランドのお話はちょっとお休みして.

 実はつくばびと,アイスホッケー観戦が好きなのよ.小さい頃から父親に,よく厚別の雪印アイスホッケーセンターに連れて行ってもらったものですよ.チームではやはり地元の雪印が好きで,当時メチャクチャ強かった王子製紙なんかを倒すととてもうれしかった覚えがあるなあ.

 さて,時は現在.雪印は今年から「札幌ポラリス」へと名前が変わり,クラブチームとして再出発することになったのよ.やはり企業チームではなくなって財政的にも厳しくなったせいか,大幅に戦力がダウンしてしまい,去年の日本リーグはなんと2位だったのにも関わらず,今年は今のところ5・6位争いをしている有様.ちょっとさびしいな〜なんて思っていたのです.

 その札幌ポラリスが日光に来るということで,久々にアイスホッケー観戦に行こうと思い立ったのは,2月24日のこと.日光の霧降で,同じクラブチーム(しかも最下位争いの好敵手(笑))である日光猿軍団…もとい日光アイスバックスとの試合があるんだって.さっそく車を日光へと走らせた.

 試合開始は14時から.朝10時につくばを出て,いろいろと寄り道しながら13時頃に日光へと到着する.霧降アイスアリーナへ向かうと,そこは車の列が.日曜日ということもあってか,かなりのお客さんが試合を見に来ているみたい.指定席はさっさと売り切れ,自由席(2000円)での入場となったが,係員さんからは「たぶん座れませんよ」と言われる.へえ,すごいねえ.日光猿軍団…もとい日光アイスバックス,なかなかやるなあ.

左:日光霧降アイスアリーナ全景 右:駐車場はすっかり満車.

 

左:かなり盛況の様子 右:中はこんな感じになっています.

 

 中に入ると,試合開始1時間前にも関わらず,観客席はすっかり満員になっていたんだ.なんて暇なヤツ…もとい熱心なファンが多いのだろうとびっくり.観客のほとんどが猿軍団…もといアイスバックスのファンで(←しつこい?),ポラリスからすると完全アウェイ状態.席は当然取れるわけがなく,しょうがないので通路に立ったまま観戦することに.

左:客席はすでに超満員. 右:本当に少人数のポラリスファン(○のあたりにいる20人くらい).

 

 いよいよ試合が始まった.第1ピリオド,どうもポラリスの連係が良くない.パスもうまくつながらないし,攻め上がる態勢がうまく整わないのよ.ああ,やはりクラブチームになって戦力ダウンしちゃったのね,と少しさびしくなった.アイスバックスのカウンターに苦しめられたり,反則でパワープレイを喰らったりなど,序盤は防戦一方のポラリス.

左:いよいよ試合開始. 右:防戦一方のポラリス(ポラリスは白い方ね).

 

 しかし,そのイヤな流れを断ち切ったのは,ポラリスのゴールだった.開始11分,新戦力のミラーからのパスを白鳥選手がうまく合わせてゴールを決める.静まり返る場内.うんうん,ナイスゴール!それ以降はポラリスも立ち直り,一進一退の攻防を繰り返しつつ,そのまま第1ピリオドは終了.

左:白鳥が1点目を決める!. 右:待望の1点目が!

 

 しかし第2ピリオドが始まって36秒,いきなり日光に同点ゴールを浴びてしまう.場内はいっせいに沸き上がる!僕は唖然としてしまったよ.は,早や〜.そのあとも勢いづいた猿軍団は,ポラリスDFから反則を奪い,ペナルティショット(PKみたいなものね)のチャンスを得る.ポラリス最大のピ〜ンチ!

左:第2ピリオド開始早々に同点に追いつかれる. 右:ゴールに湧く日光ファンの皆さん.

 

ポラリス最大のピンチ.日光にペナルティショットを与える!

 

 だがしかし,日光のペナルティショットをポラリス守護神の清川選手が好セーブ!会場の完成は一斉にため息へと変わる.猿軍団よ,1対1のペナルティショットも決められないようでは,まだまだ甘いぞ(笑)!おかげでそれからはポラリスペースで試合が進む.そして,第2ピリオド終了間際の18分,井原選手のゴールで再びポラリスが猿軍団を引き離す!

左:2点目が入り,引き離しに成功! 右:ピリオドの合間にはスポンサーによる宣伝も.

 

 だが第3ピリオドが始まると,開始2分で再び日光に追いつかれてしまう.決めたのはコフマンという外国人選手で,日光の中では抜群にうまい選手だったなあ.それ以降,ポラリスが攻め込んでは日光がカウンターで返す,といった攻防が続く.なかなか見応えのある攻防である.でもポラリス守護神の清川選手が好セーブを連発するなど,両チームに追加点は入らないまま,ついに試合は延長戦へと入っていった.

またも同点に追いつかれてしまう!コフマン選手,敵ながらあっぱれ!

 

左:好セーブ連発の清川選手 右:ポラリスも再三攻め込むも…

 

 延長戦は5分間のサドンデス方式(Vゴールとは言わない).果たしてこの後試合はどうなるのかと,ドキドキしていたつくばびとであったが,試合の幕切れは何ともあっけなくやってきた.延長戦開始22秒,いきなりポラリス大野選手が決勝ゴールを決めたのである!唖然としている客席.周囲が日光ファンしかいなかったので,それまでは非常におとなしく観戦していたつくばびとであったが,このときばかりは「ヨッシャー!」と叫んでしまう.ああ,という声が客席から聞こえる.次の瞬間,一斉に観客は席を立ち,そそくさと帰り始めた.

延長戦開始22秒,いきなりポラリスが決勝ゴールを決める!

 

左:完全アウェイの雰囲気の中,選手の皆さんご苦労様でした.

右:がっくりして家路へと急ぐ日光ファンの皆さん.

 

 いやあ,今シーズン不調の札幌ポラリスが目の前で勝ってくれてよかった!わざわざ遠くまで車を走らせたかいがあったよ!弱いとは言え(笑),市民チームとしてがんばっている日光アイスバックスには,これからもがんばって欲しいなと思ったよ.札幌もこんな風に盛り上がっているのだろうか?今度はぜひ地元札幌でポラリスの試合を見たいなと思ったつくばびとでした(2002/2/25).

 

戻る