→トップへ最新インデックス

ポトチャリポラパ/ブック/2003年
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ブック/2003年/3月
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3月/25日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「美食倶楽部バカゲー専科3」ユーゲー編集部編(KTC)

・雑誌「ユーゲー」の人気コーナーが単行本になったのです。もう3冊目です。

・タイトル通り、バカゲーのプレイ日記ですね。わりに最初から最後までやって、要所につっこんでいますので、もしかしたら攻略本として利用できるかもしれません。でも、そもそも、ここにあるゲームを買わないのかもしれません。手に入りにくいものもありますし。

・あと、人気コーナー「疾走!魔法作戦」も収録されています。RPG系のゲームを魔法のみ使用でクリアするというものです。いっておきますが、おれはこれは読んでません。だって、RPG系のゲームやってないし。

・収録ゲームは「パリ・ダカール・ラリー」「東京パチスロアドベンチャー」「デスクリムゾンOX」「シェンムー2」「就職ゲーム」「GTA3」などです。それにボーダイなワケわからんコラムがぶちこんであります。それはたぶん、ゾルゲ市蔵氏の仕業です。柱の文章もそうです。

・そして、正直にいいますが、それらがイチバンおもしろいし、それ目当てに買ったようなもんです。「書き逃げ」という言葉が似合うような、「どうせ、こんなとこ誰も読んでねえし、いいやな、書いてやれ」的なデタラメ&ムチャクチャがツーカイ&爆笑なワケなのです。


韓国では現在、国策の一環として、国を挙げて子供たちをゲーム脳にしている。

・みたいなことが、しれっとほぼ全ページ柱に書かれているのです。


(こないだ世間を騒がせた多摩川のアザラシは、)ウソばかりついた罰として、神様によって動物に変えられた飯野賢治だという説もある。

・これがイチバンおかしかったですね。

・あとは、「エックスボックスは二度死ぬ」という絵物語もサイコーでしたね。タイのゾッキ本コミックのテキトーな絵にテキトーなコメントをつけるってやつ。

・ゾルゲ氏の作品はゲーム知識がないとツライのが難点ですね。

・それ以外だと、RD氏のゲームプレイ日記のようでいて、ただ、ファンであるいしいひさいち氏のネタを紹介したかっただけという「いしいひさいちの大政界」がよかった。おれもファンだし。

・ま、でも、1、2に比べてちょっと急ごしらえな気がしましたね。
(23:50:21)

3月/21日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「女たちよ!」伊丹十三(文芸春秋)

・100円で買いました。奥付みると、なんと、初版1968年。おれの生まれた年じゃん。で、おれのは1980年で32刷目。もはや古典みたいなノリですよね。

・伊丹十三氏ももはやわからない人がいるか。おれにとっての伊丹氏ったら役者じゃなくて、監督だな。「お葬式」「たんぽぽ」「マルサの女」などなど、ヒット作を多数モノにされている。
・だけど、役者でありながらも、当時のサブカルでは絶大な影響を与えていた人でもあるんですね。ま、知らないし、そこいらのことに関してはあまり興味もないんですが、多数出されている著作に関しては興味がある。
・学生時代に古本屋で「日本世間噺大系」の文庫を読んで以来のつきあいだ。考えてみれば、伊丹氏の著作は古本でしか買ったことないな。上記の通り、伊丹十三の名前を覚えたころにはすでに映画監督だったわけだし。

・ということでエッセイ集です。タイトル通りの女性に向けた、伊丹氏本人が我妻にふさわしい女性のために必要な教養のサワリみたいなノリなのかな。
・まー見事なつくりになってるね。博覧強記であるとともに豊富な体験(学生時代にかなりヨーロッパにいたみたい)をもとに、これでもかとウンチクをくりだしている。たぶん、エッセイのタグイで「アルデンテ」を最初に使ったのは伊丹氏だったりしてと思う「スパゲッテイのおいしい召し上がり方」からはじまって、小噺をたくみに使った「ひとつ ふたつ みっつ」まで。多彩な話題を次から次へと。
・これはアレだね、クラブのDJみたいわな。話題から話題をつなげている。1回3〜4pのエッセイが途切れることなくつながっている。章立てとかもなく、ページごと改行みたいのもなく、次から次へと。だから、ずっと読んでられるし、どこからも読めるし、どこででも止められる。
・しかも、つながりが非常にキレイ。
・前記の通りパスタの話題(当時、「スパゲッティ」で、喫茶店のナポリタンしかない時代に本式のパスタの作り方レクチャーをしてた)からはじまって、ヨーロッパ各国の料理の話題になったかと思うと、ロンドンの日本料理の食材店の話題から、イギリス人のユーモアの話題に移行して、友人のピーター・オトゥール(アラビアのローレンスに登場した俳優)の話題になり、彼の出身であるアイルランドの話からウソの話題、そのまま、食べ物に関するウソの話題になったかと思うと、食事のマナーに関する話がはじまる。で、酒の肴の話から、飲酒の話題へと。

・かように、すべてが見事にリンクされてつながっている。ちょっと誇張ではありますが。

・で、話題も食べ物、料理、ヨーロッパ、酒、服飾、男性論、女性論、自分の思い出話、ヨタ話、自動車、などなど、ためになったり、ニヤリとしたり。
・んー、例えるなら、辛辣な紳士に話を伺うって感じかな。

・ネタ的にはさすがにキツイのや古いのもある。だから、老紳士ってあたりかな。

・まあ、いろいろな意味で得るものは多いです。100円ならかなりオトクな買い物でした。

・しかし、こういう文章を書いてみたいもんだ。
(19:55:54)

3月/7日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「D.T.」みうらじゅん&伊集院光(メディアファクトリー)

・「マイブーム」の神、みうらじゅん氏が「これからは童貞がクる!」とひらめき、童貞専門家として有名な伊集院光氏とタッグを組んで、童貞を語り合うというものですね。

・童貞じゃなくなっても、その童貞な気持ちを持っている人をD.T.と呼ぶことにするんですね、プレイとしての親孝行をする人を親コーラーと呼ぶみたいなもんですか。
・と、まあ、ものを作る人は、D.T.値が高いということからはじまって、童貞期に育んだ感性のすばらしさを笑わせながら讃えるというツクリになっております。

・たとえば、いろいろと雑誌とかで知識がヘンな風に貯まっていくじゃないか。前戯は念入りにとか、終わったあとに素敵なトークをとか。そういうのを「童貞辞典」とする。それは童貞じゃなくなるまで、増補増補でパンパンになり、改稿されることなく増えていくのです。
「女は右のおっぱいのほうが感じる」
「女はチンポを見るだけで濡れる」
「赤い服を着ている女はやりたがってる」
などなど。

・あと、今思えばなんてバカなことをしたんだってこととか。たとえば、伊集院氏は、エロテープ(あえぎ声が入ってるテープ)に、駅のアナウンスが入っていて、それはどうも駒込だぞということが判明したので、真夜中に自転車で駒込まで全速力で行ったりとか。みうら氏は友達の家に泊まりにいったときトナリの妹の部屋に忍び込んでペンライトで妹のを鑑賞したりとか(でも、そこでどうしたらいいのかわからなくて、ムヒ塗ったりしたんだそうだ)。

・こういうの読むと、まったくおれのことだなと思い知りますよ。おれのD.T.値はかなり高純度ですよ。エリートD.T.だなと。ガキが2人いるけど、まったく「慣れた」って気がしない。
・そいでも、現役よりはマシになったのかな。たぶん、現役だったらこんな本買わない。屈辱だからだ。
・で、それも大事なんですよね。童貞であるコンプレックス。照れ、焦り、開き直りなど。そういうのと自分との折り合いが大事だと。そういう自分を肯定するっていうかね。そういうことを説いてるって風に受け取るのもアリですね。

・これ、基本的にトークは弾んでいるけど、みうら氏と伊集院氏でかすかな主導権争いが起こってますね。その道でいえば、ラジオ等でネタも豊富であり、喋りのプロである伊集院氏のほうがやっぱりおもしろいんですよ。でも、みうら氏を立てようという計算もある。そこいらの微妙なギクシャクした感じがまたなんていうか、できたてのコンビだなあと。たとえば、「親友」であるいとうせいこう氏とみうら氏の場合は、もう、いとう氏が受け手になり、みうら氏の話題をふくらませるという仕事に徹してるんだけど、伊集院氏はそれを受けておいて、自分の土俵に引きずり込もうとしたりする。みうら氏はあれで、聞き手にまわりすぎるとおもしろくなれないんだなという発見があった。
・ま、それでも、「童貞」というキーワードがあったので、ずれたり大きな意見の相違はなかったんだけど。

・ほかに、「童貞映画」とか、「童貞ワード(童貞的なものをピックアップし解説)」、有名人とみうらじゅん氏との対談などその手の「にぎやかし」も豊富。

・おれが気に入ったのは装丁。ここにもギャグが仕込んであって、カバーをとった見返しの紙が「童貞をイメージし、選択した」紙なんですよ。これにちょっと笑いました。
・だから、中を読まないまでも、書店であったら、手に取って、表紙をめくって、その裏の紙を触って見ましょう。

・男ってバカだなあと思うために女性にオススメしておきます。
(13:39:15)

3月/4日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「なぜ、男は「女はバカ」と思ってしまうのか」岩月譲司(講談社+α新書)

・ナゼ買ったのだろう?と自問自答したくなる。店頭で衝動買いしたのだが、どこが決め手になったのだろうか?この扇情的なタイトルか、はたまた帯の「これでわかった!! モテない秘密。」か。それとも「D.T./みうらじゅん&伊集院光」と併せ技でギャグになるとふんだのか。よく思い出せない。

・これ、挑発的なタイトルとは裏腹に、男性による女性のための女性賛歌ってな内容ですね。

・たくさん、著作がある人らしいですが、たぶん、通していいたいことは少ない。

・本書では、女性と男性の思考法のちがいから、女性の謎を解き明かすといったもので、その主たる持論は、

「女性は感情を正確に記憶する」
「女性は愛されることに悦びを感じ、男性は愛することに悦びを感じる」

・ということ。ほぼ、すべてのケースをこの持論をもとに解き明かしている。
・たとえば、旅行やデート。写真を撮る。そして、これを時間別に並べろというと女性は難しいと感じるそうだ。ところが、楽しかった順というと、ものすごい素早く並べられる。

・男性は事実に付随して感情などがくっついているのに対し、女性は感情に事実がくっついている。フォルダとファイルのネーミングが逆になっているのですね。男性は「事実」というフォルダに感情がついている。女性はそのフォルダの名前が「感情」になっていると。

・その感情の基本は「快」か「不快」か。だから、女性ははじめて会った人を3分間で判断できる。その人が自分にとって「快」をどれだけもたらすかで判断するから。つまり、会った人を自分の感情フォルダを開いて、そのランキングのどこにいるかという行為があっという間にできてしまう。

・女性が着飾るのは「愛されたい=快をもたらしてほしい」と思っているからで、自分がきれいになることでより多くの「快」をもたらされると知っているからだそうです。だから、10万円の服をポンと買える。それは、その服を着てキレイになれば、フランス料理や指輪などをプレゼントしてもらえるからモトが取れると考えるからだそうです。

・女性同士、いつまでも喋っていられるのは、彼女たちはお互いの「感情」を共有するという作業をしているからで、感情を軸に話題が展開するから、いつまでも途切れることがないんだそうだ。

・まー、数千人のデータをもとに「科学的」に判断した結果だそうです。まゆつばな気がしますが。いろいろと、「なるほど」と思いながらも、「そうかな?」と。

・ふと、思い出しましたが、高校の英語リーダーの担任。Oヘンリの短編かなんかのとき、おれにいきなり、「おい、女性のダメなところってなんだと思う?」と尋ねてきた。あいつは授業に直接関係ない、答えにくい質問をよくおれにふってたなあ(「おい、おまえはゴルゴ13読んでるか?」とか)。
・ちなみにいちおう、リーダーの文に対応した質問ではあったのだが、答えは、「女性は感情でしかものごとを考えられない」だった。おれのクラス文系で、クラス40人に男子6人だったのに、こういう問題をおれにふって、なおかつ、こういう答えを用意してるって、なかなかデリカシーのないやつであったなあと。

・その、感情的になる秘密も書いてあり、それは、そうやって整理されている自分内の「感情」フォルダに絶対の自信を持っているからだそうです。

・だから、その「感情」インプットがまちがうと、大変なことになるそうです。たとえば、父親が意味もなく暴力を振るう男だったりすると、それが「愛してくれる証拠」としてインプットしてしまい、自分もそういう男にばかり惹かれては不幸な目に遭うのだそうです。
・よって、幼少時の女児教育は非常に大事だとか。

・で、男性にとってみれば、女性は味方にすればとても力強いし、女性のカンには参考にすべきことが多いと。でも、女性は自分内の感情をうまく言語化できないし、意味不明な論理の飛躍があるから、「バカ」と思ってしまうんだそうだ。

・あー、これで、もう、この本も、作者のほかの本も買わなくてよくなりましたね。あらかたおれは語りましたよ。それよりももっと深い

・いや、ま、それで、身近な女性(読者が女性なら自分)をあてはめて考えると、案外とそうかもなと思えるところもあります。ただ、絶対じゃないよなあ。そういう傾向にある程度かな。

・ただ、おれのモテない理由はわからんなあー。あと、モテない理由がわかったところでどうだ?って気もするなあ。
(20:07:11)


sukekyo@violet.plala.or.jpケージバン