「新耳袋」4巻 木原浩勝&中山市朗(メディアファクトリー) |
・いやあ、「新耳袋」は中古100円で買うに限りますね。100話入ってる怪談本ですから、1話1円という超わかりやすい話ですよ。 ・すみません。実は怖いので定価で買えないのです。変な話だけど、だれかが1回読んだって「ミソギ」があるのじゃないとなんか手に取る気になれないのです。定価で買っても差し支えないほどファンではあるんだけどねえ。なんかのろわれるのがイヤっていうか。 ・まあ、「安いから」買うってのもあることはあるんですけどね。 ・1冊に100話の怪談が入っており、1晩に1冊読むことで、お手軽に「百物語」を達成できるというものです。 ・本作ではうっかり1日で読んでしまいました。でも、4巻はちょっと毛色がちがうような気もしますねえ。 ・それは、巻末に収録されている「第十二章 山の牧場にまつわる十の話」ってのは、アレだもんね。10の話で1つの話みたいなところあるもんな。 ・で、それがものすごい引力を持つ4巻だったのですね。 ・「新耳袋」は、オチのない、解説のない、究極なものでは「恐怖」すらない、不可解な現象が書いてある本です。でも、実は、オチがない話ってのは、逆にいうと救いのない話なのですねえ。 ・幽霊が出た。昔、墓場だった。→納得。 ・トモダチが死んだ。だれそれの命日だった。→納得。 ・ってことは、その怪異が起こりやすいものを避ければいいんだもんね。まあ、昔の人はそういうことで、神聖なものや危ないものから身を守ったんじゃないかと。 ・よって、そういうののない「新耳袋」は怖いと。で、4巻の「山の〜」はそのワケのわからなさでは最強なワケです。 ・細い山道を通りました。普通乗用車が1台やっと通れるような細い道です。頂上につきました。牧場がありました。今までに牛が1頭もいたことのないピカピカした牛舎に、どこをどうしても、2Fに上がるところのない2階建ての建物がありました。 ・と、まあ、そういう話です。一応、オチらしいものとして、UFOが多く目撃される山だったってのがあります。 ・そして、この話の前フリで、「UFOの8つの話」というのもあります。UFOを超常現象としてではなく、怪談として捕らえたものですね。これも怖かった。おれがガキのころ、よくやってたんだよ、UFOの番組。それで、おれには超常現象とか、宇宙からきた乗り物っていうよりも、「恐怖」が先立つようになっている。だから、これは効くねえ。逆に今のヤングたちはそんなことないかもしれないねえ。 ・通常のやつでは、「八甲田山」がぶっちぎりで怖かったなあ。その裏話も含めて。 ・まー、楽しませていただきました。 (18:27:23) |
「かくかく私価時価」小田島隆(BNN) |
・「噂の真相」で長期連載中の人気コラム。時事ネタで価格ネタをおもしろおかしく調理するというもの。 ・小田島隆氏は幻のゲーム雑誌「遊撃手」のころからファンであるので、かれこれ何年になるんだろう?20年とか? ・で、まあ、久しぶりの単行本ですよ。その間におれは「ニュース」なんて、時事ネタ語りをはじめているのであるが、これが笑うんですよ。 「おれのパクリ元じゃねえか」と。 ・無意識であることを願いたいものだが、おれはかなりな影響を受けている。というか、ほとんど、思考法の起点は本作だったりする。まあ、もっといえば、小田島隆の劣化コピーでしかないことを思い知らされる。 ・本作は1997年の「狂言誘拐事件」(自分の指を切り落として誘拐されたと騒いだやつ)からはじまり、2003年のスペースシャトル墜落まで言及しておられる。約6年の歴史が一望できるわけです。 ・ただ、あとがきでも書かれておられるとおり、かなりの部分が無効になっている。2001年にナベツネがけして離さないだろうと予見していた松井はヤンキースにいったりしてるし。 ・なんやかやいって、小田嶋センセの著作はデビュー作「我が心はICにあらず」からマメに読ませていただいているが、本作の特徴は「軽い」ってことですね。あと、小田嶋氏があまり前面に出てこない感じもあります。なんつーか、エッセイ的なところがない。それがファンにはちょっとさびしいところだが、その分、ネタとしての完成度は高いとはいえる。 ・と、たとえば、なんて、ネタを書こうと、またぱらぱらと読んで愕然とするわたし。 「やべえ。おれ、パクリまくってるよ」と。 ・だから、具体例は書きません。 ・そして、ここをお読みのみなさんにはダブルチャンス! 本書を読んでから、ポトチャリポラパの「ニュース」を読むと、楽しみ倍増。 「ははあ。ここをパクったな」 などなど、楽しさ無限大(倍増っていったあと、これかい)。本サイトのファンはぜひ手元においておくといろいろな意味で楽しめると思いますよ。 (22:17:26) |