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ポトチャリポラパ/コミック/2003年
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2003年/4月
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2003年/4月/29日
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「猫田一金五郎の冒険」とり・みき(講談社)

・約10年、あちこちに描かれていた同シリーズを1冊にまとめたファン待望の作品集。っておれは「ダヴィンチ」か!ソツがないなこの説明。なさすぎる。

・タイトルでピンとくる方もいるであろう、横溝正史氏の金田一のパロディとなっているんですね。とかいいながら、江戸川乱歩も混ざってますね。小林少年ならぬ小咄少年、怪人2001面相なんてのも出てくる。
・サブタイトルも「小人探偵団」(みんな小さくて踏み潰されたりする)、「悪魔の蹴鞠唄」「本人殺人事件」「百八つ墓村」など。こういうの全然くわしくないおれでもわかるパロディぶり(角川書店のおかげで、ある程度の年齢の人は横溝正史の知識はあるんだよ)。

・で、内容もとり・みき節炸裂といえそうなもの。端々に「いつもの」ネタが入ってる。しかし、10年のスパンがあるのに、品質にまったく差異がないのでまったく区別がつきませんね。

・スペシャルネタとして、とり・みきx京極夏彦氏との合作もあり(京極氏も絵を描いている)。

・さ、上記の安定した品質をどう捉えるか。いや、ものすごく細かくみると、昨今の事情に沿っていたり、原点回帰(るんるんカンパニーあたりのツッコミパターンがあった)もあるし、まあ、おれも伊達にファン歴20年じゃないぜ!ってチェック点はあるんだけどさ。

・「るんるんカンパニー」でへたって笑ったものとしては、もう、とり・みきで爆笑することはなくなったのかなと寂しさがよぎったり。

・たとえば、とり・みき氏を全く知らない人が本作を読む(京極夏彦氏のファンとかが)とどう思うのだろう。
・そういった意味で微妙だな。正直、イマイチに感じた。もちろん、「気分」の問題もあるけど、おれはつねづね、ギャグマンガはハードカバーにする意味があるの?と思ってしまうんでね。そういうところもあるのかもしれない。定価1400円(税別)の価値があるかっていうと、さらに悩んでしまう。まあ、ファンだからいいんですけど。

・ベストは昔懐かしいトリックパズルパロディの「猫田一金五郎のトリックパズル」かな。
(21:56:43)

「ウチら陽気なシンデレラ」1巻 真田ぽーりん(少年画報社)

・おれ、表紙みたとき、社会人バレー部の4コママンガあたりかなーと思っていたんだ。4人のそれっぽい制服女性に囲まれておろおろしてるオッサンのジャケット
・あら、珍しと思って買ったのです。

・でも、その実、会社の掃除屋さん4コマですね。いずれにしても珍し職種ものでえがったえがった。

・ボーイッシュ、チャイルディッシュ、優等生、セクシーと、威厳がまるでない上司と。磐石な配置。
・しかも、ボーイッシュは、やおい同人女だったりと、連載誌「アワーズ」(だっけ?)向けな裏設定もある。

・そして、掃除屋稼業ネタもバッチリ。実際問題、若い女4人の掃除屋ってねえと思うんだけどね。

・で、4コマっていうと、これが、ちょっと変わってる。ベタなのもあるけど、そこに着目するか?ってネタが多い。

・エレベーターに汚れがあった。で、しゃがみこんで必死で掃除する。その間も上り下りする。で、4コマ目で倒れている。

・外で鳩が死んでいる。それを引っ張り上げたら内臓がデロデロと。それを8コマに渡り。(作者、鳥が好きだそうで、鳥をネタにしたの多い)

・寒いからってフェイスマスクをつけるというネタ。

・雨の日に大理石の床が滑りやすいってネタで2p。

・まー、最大の問題は、「それっておかしいの?」って考えてしまうところですね。たしかに、かなりこみいったネタは「ほおー」と思う。それだけでもいいんだけど、そのネタを「笑わせよう」として持ってくるところに、「え、笑うとこなの?」って気になるんですよね。
・もっと、はっきりいおうか。作者の笑わせようというポイントがおれとかなりズレてるんですよね。笑える笑えないということは別に、「あー、こういうのね」って納得のいくのはあるわな。でも、真田氏のポインツはおれには「?」ってなるんですよね。

・おれはここのところに一番興味を持ったね。だから、2巻が楽しみだ。もし、それが、おれにとって「わかる」ギャグだったら、真田氏が未熟だってことだし、相変わらずだったら、そういうノリなんだなということだからな。もし、相変わらずだった場合は、かなり大プッシュで2巻を宣伝させていただきます。

・まー、何年後になりそうだから、忘れるかもしれないけどね。
(22:57:55)

「慈恩 幕末秘剣」1巻 森田信吾(リイド社)

・おお!「明楽と孫蔵」再び!
・森田信吾氏ったら、最近は時代モノが多いみたいですね。そういうのでも、「明楽と孫蔵」の直系の、理屈ぬきのチャンバラアクション編ですよ。

・花売りの慈恩。天秤棒に仕込み杖を持ち、滅法強い。そして、ひとたび剣を抜けば必殺。ってな感じですよ。

・あえて、ワンパターンな展開にしてるとみた。必ず剣の達人である2人が慈恩の剣技を目撃し、解説したり、1話目からの坊主がかなり話のキーポイントになるし。まったくピンチにならない慈恩の無敵具合。そして、底の知れない技。

・おれは、「北斗の拳」に熱中できなかったクチ。まあ、そのころ、ジャンプから距離を置いていたってのもあるけど、あれでスカっとした人は多いだろう。それと同じようなスカッとしたカタルシスを得られる。

・随一の画力の持ち主だと思う。ときおり、細部までに目が行き届きすぎて逆に変な感触すら起きる。それで、かなり人間工学に基づいた痛い攻撃をするんだな。
・天秤棒で、小指をへし折ったり、足の親指をつぶしたり。金玉を切り落とされたやつもいたな。「ボトッ」と落ちるんだ。
・で、ボス敵との戦いがまた。だいたい、最初に、ボスの手の内を読者にだけ知らせるんだ。「あんたの腕を見せてもらおう」とかいって。で、慈恩はそんな敵とどう戦う?ってのが話のキモであったりする。

・一個だけネタバラシしようか。ふくみ針をトクイ技とするボス。ふくみ針を吹こうとした瞬間、慈恩は彼に石を投げつける。そして、飲んだ含み張りを天秤棒の柄で突く。そしたら、針が心臓に刺さって敵は哀れサヨーナラと。

・ということでもおわかりのように、ちょいエグイです。考えようによっちゃあ「ひでぶ」の「北斗の拳」よりも、リアル描写な分エグイかもしれない。
・でも、このカタルシスはスゴイ。

・えー、理屈抜きのアクション。そういうのが読みたい人、ぜひ、お試しを。
(23:20:04)

2003年/4月/28日
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「操緒ちゃんの憂鬱」船帆(富士美出版)

・現在の成年コミックの基盤ってのを築いたのは富士美出版だと思う。一時期は全部じゃねえか?と思うほど、コミックのその手のスペースは富士美出版であふれていたような気がする。
・あまり、業界事情はくわしくないし、知ろうとも思わないのだが、今はどうもそうじゃないみたいね。
・ポップってのが基調にあると思う。明るいエロ。買いやすい表紙、内容もわりにノーマル。で、女の子がカワイイと。富士美から入ったって人は多いと思うぞ。
・おれは「ブリッコ」「レモンピープル」からのクチなんで、白夜書房に久保書店と。最近、久保書店モノがまた目立って来たね。白夜はパチンコパチスロばかりか。

・いきなり余談でしたが、本作、奥付けみると平成7年のものです。8年前にしてもやや古くなりつつある絵でありますね。頬骨が高く、口元がかなりえぐれてる感じ。今はもっとりんかくが丸いです。

・婚約中の義妹が「姉は遊んでるから、SEXが下手だったら捨てられる。だから、わたしがコーチしてあげる」とはじまる話「華麗なる姉妹」。3話からなっており、どんでんどんでんと、飽きさせない展開になってます。

・それを食前酒として、タイトルの操緒ちゃんシリーズへと流れ込みます。
・操緒ちゃんはメイドで、イジワルなご主人様たち(女性)に性的虐待をされるというものです。
・前記の「華麗なる姉妹」でもそうでしたが、カルーイSM描写がキモなんでしょうかね。あくまで、「プレイ」のバリエーションとしてのSM。そういや、一時ソフトSMなる言葉もありましたね。そういうの。

・ご主人様の飼ってたヒヨコを踏み潰したから、「あなたがニワトリになりなさい」「ニワトリはタマゴを産むのよ」って後は想像想像。

・最近料理が遅い。手を抜いてるのね。じゃあ、今夜はあなたをいただこうかしら!オードブルはプリンよ!メインディッシュは新鮮な生ガキよ!って。

・そういう感じです。あくまで、カルーくユルーくです。海明寺裕氏や白井薫範氏などとは天と地ほどの開きがあります。まあ、それも愛これも愛ということで。
(15:50)

「ぐちゅぐちゅ」美樹カズ(一水社)

・個人的感触でいえば、富士美出版が「成年コミック」以降の道を開拓したのなら、それをさらに舗装し、可能性を深めたのが、一水社かと思う。

・本作の特徴はツユだくってことですね。濡れている女性というシチュエーションにグッとくる人は少なからずいます。それはわりに万人に対するポインツかもしれないですね。アカラサマですが、女性が濡れるということはコーフン状態であるということを容易に喚起させますからね。だから、グラビアアイドルのDVDなんかは、水と戯れるシーンとかが必ずあるわけですね。水着を着る必然性と、濡れるという一石二鳥の美味しいシチュエーションなんですね。

・でも、濡れすぎだろ?表紙の女性からして汗ダクダクだし、行為に入るともう体中玉の汗状態になり、イクときなんざ、「鉄砲水かよ!」ってナツカシの三村ツッコミをココロでしたほどです。
・濡れればオールOKってタイプみたいですね。あくまでザーメンでベトベトがサイコー!(1ROO氏とか)って感じじゃないですね。

・絵はもう全然今風ですね。摩周子氏の女性がベースなのかなとちょっと思ったりしました。女性の大きさに説得力がありましたので、濡れ女が好きな方はストライクゾーンになるんじゃないでしょうか。

・内容はプチ猟奇ってところでしょうか。マンガじゃ定番の近親相姦(兄妹)あり、フタナリあり、調教ありって感じです。ここいら一水社が切り開いて来た道ですよね。

・どうでもいいんですけど、摩周子氏って今、「刺青マンガ」描いてるんですね。絵柄もずいぶんとかわりましたね。マック仕上げっぽいし。
(15:23)


「幻想恋愛主義」はらざきたくま(ヒット出版)

・本作が6年前と。ここまでのクオリティが要求されるのが現在の美少女マンガってことですね。本作はその入り口に立ってます。お笑い芸人より新陳代謝が激しいよな。で、キモはどれだけ「笑い(エロ)」に真摯かってことに尽きるところも同じですね。

・で、ヒット出版。ここはいい作家さんが多いですよね。好きなエロマン出版社ベスト5に入ります。ただ、はらざき氏はファーストコンタクトです。ここまで書いてから、ヒット出版の本はけっこう持ってるけど中古ばかりだなと思ったりもしました。本作も100円ですし。

・鬼のようなスクリーントーン。1ページあたりのコスト(人件費除く)はかなり高いんだろうなといらん心配をしたりします。そして、この時点で、エロ劇画を「リアル」という点で凌駕していくんですね。昔からいわれていた「目が顔の1/3なんて人間じゃねえよ」って悪口を目が1/3のまま、どこまでも精緻な絵にすることによって克服していくんですね。
・ただ、個人的にはトーンワークに凝れば凝るほど、すごい絵になるけど、エロい絵じゃなくなるような気がするんですよね。この「エロい」はほかの言葉も代入可能です。そして、トーンワークのところは今だと「CG処理」ってことになりますか。
・ま、ジジイのタワゴトと思ってくだされ。

・内容ですが、基本です。美少女エロの基本。身内(従姉妹)と、ファンタジーな世界で魔物と、悪女(ロリーな感じで、先生とかをたぶらかす)、なんでもアリのウソ西部劇と。

・個人的に、プールで、スイミングキャップをゴムがわりに、デッキブラシに巻き付けて、ゴーグルで縛り、それを使ってオナニーするってのが、工夫してるねえと思い感心しました。非常に痛いような気もしますが、おれは女性じゃないのでもしかしたらサイコーかもしれません。

・こんなこといったらファンに殺されるか?「ちょっとデッサン狂ってないかい。とくに顔」
(16:50)


2003年/4月/27日
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「金色のガッシュ!!」10巻 雷句誠(小学館)

・アニメ化がはじまり、上のガキが「金色のガッシュベル」(アニメ化のタイトル)サイコー!とか、今日2つ目の呪文覚えたよ!とかうるさいこと夥しい昨今です。

・しかも、ガキトレンドを一手に握ってる悪の枢軸「コロコロコミック」でも、アニメと同タイトルのマンガが連載されましたよ。もちろん、作者は雷句氏じゃないし、ガッシュの目の下の線の扱いがちがうんだよなあ。あれは、口を開くと消えないとダメなんだけど、口をよけてるんだよ。それがたまらなく気になる。って、本編にはカンケイないですね。ちなみに、4コマギャグに特化されてます。ちなみに「サルゲッチュ」(念のため書いておくとゲームです)もそういう扱いになってます。

・さて、本編なんだけど、キャンチョメ出しすぎじゃない?たしかに、突出したいいキャラなんだけど、彼のエピソードをつむぐより、全体の流れでいうと、出さないといけない魔族がいっぱいいるんじゃないかい?物語のキーを握ってそうな強いやつらの動向を紹介したほうがいいんじゃないかなと思うのですよ。
・まあ、キャンチョメ、人気あるんでしょうけどねえ。おれも大好きですけど。いまだに、ガッシュたちにヤクルトを出して「乳酸菌は身体にいいんだぜ」ってセリフが頭に焼きついてますしねえ。ちゃんとフタを取れなくて、こびりついてる絵まで浮かぶわ。

・で、また新規の「キー」となる魔族が登場。そして、ガッシュ、初の敗北。まあ、いつかこのパターンあるとは思ってましたが、ついに使いました。UNOでいうところのSKIPカードみたいなの。

・それと、ウマゴン編。そういわれてみれば、ウマゴンのように、ご主人様(っていうかパートナー)がいない魔族ってのもまだいるんですかね。

・まー、キャンチョメをフィーチャーしすぎたツケはいつか回ってきそうな気がします。そういった意味じゃ「やってもうた!」巻じゃないでしょうかね。
(23:46:53)

2003年/4月/25日
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「すごい少女の唄」ガビョ布(久保書店)

・表紙絵に惹かれて買ってみました。久しぶりにエロマンガでそういうことをしてみましたが、まだまだ、おれのカンも捨てたもんじゃないな。当たりでしたよ。

・ロリですね。ほとんど、初出が「貧乳**」ってな、シリーズものの中でのものです。ちょっとふくらみかけた乳描写にイノチかけてるぜ!って感じの、オトナの女性は一切ださないぜ!(4コマくらいある)ってな感じの、それはそれはいさぎいいものになっております。

・テンポのいいギャグとロリの組み合わせが、在りし日の美少女マンガってこうだったなあとなつかしくなります。ただ、在りし日のギャグロリエロは、ここまでエロじゃなかったすが。

・ギャグのほうは楽しませていただきましたが、ロリのほうは、おれのシュミでないのでアレでした。でも、かわいらしい娘が多かったですよ。
(14:51)


「世紀末伝説」摩訶不思議(ヒット出版社)

・やりまくり学生カップルがいろいろとオカルトなことに巻き込まれる。なんとなく、「依頼人から一言/たがみよしひさ」を思い出したりします。

・吸血鬼が出て、UFOにインプラントされて、雪男にさらわれて、自縛霊がでて、妖怪あかなめにフェラされてって、けっこう1回のp数が長いのに飽きさせない展開になっております。基本はコメディ的でありながらも、シリアスもうまくブレンドしてあったりと、最後は「ほろ苦」でまとめるような話作りの巧みさが際立ってますね。

・同収録の短編もそういったオカルトな内容になっております。

・摩訶不思議氏は、なんかなつかしいんですよね。これまた在りし日の美少女マンガを思い起こします。我が青春の80'sってか。そのニオイを残しつつも、チューンナップして現代風にしてます。
・そして、在りし日なのは、「つるぺた」好きってあたりでも、伝承されてます。たぶん、おれらの代のエロマンガ家が死に絶えるまで、この流れは続くのではないでしょうかね。それくらい根強いものがあります。

・ただ、摩訶不思議氏の場合、エロそのものに対してはわりと淡白な感じ。描写もサラっとしてるし。
(15:12)


「普通じゃダメなの…」木工用ボンド(ヒット出版社)

・デビュー作から最新作まで網羅してて「絵がずいぶんちがう!」とかあとがきで書かれてましたが、あまり差がないような気がします。

・非常に範囲が広くいろいろなパターンをお描きになられてますね。
・家庭教師x母親
・母親x息子
・バニーガール(高校生)x高校生
・夫婦(子供産み立てで母乳がでる)
・幼なじみ2連発(女子はつるぺた)
・教師x生徒(調教)

・ってあたり。つるぺたから人妻まで。近親相姦(母x子)ってのが案外とキモかもしれませんね。ほかに持ってる作品「BINGO!」でもそのモチーフでいろいろと展開されてました。子=S、母=Mって役割ですね。まあ、逆だと幼児虐待か。

・んー、「BINGO!」のほうがおもしろかったかな。
(15:26)


「箱」しのざき嶺(三和出版)

・相変わらずレベル高い。しのざき氏は確固たる「萌え」を自身に持ち合わせている人だわな。なんでも描いていそうな気がするが、その実、内なる衝動に忠実な「エロ」しか描いてないって気がする。

・いきなり巻頭の「館」。ほかの人は絶対に描かないような豊満(という表現じゃ足りないような)な女性が登場する。
・そして、つづく「LOVE」では多汗症でおりものが多いスカトロマニアの女性。

・精液依存症、尿道マニア(これはオトコか)、フタナリ調教、妊婦、拡張とまあ、アブノーマルな愛のカタチのカタログみたいな世界ですが、きっちり、チンポを勃たせにきているところがスゴイなあ。

・あと、「スゴイ」ってしか書けないような気がするので、最後にスゴイといって終りにします。
(15:37)


「女の子の汁」ゼロの者(一水社)

・はじめての人なんですけど、いいですね。
・コメディから猟奇、SMまでいろいろと手広くやっておられます。
・女性によって狂わされるってパターンがツボなんですかね。M女に調教されるS男の「月が欠ける」なんてわかりやすいのから、結婚した姉といたす「エプロンのある情景」とか。
・逆のパターンもありますが、女性にコントロールされてなすがままの男って話のほうがグッときますねえ。

・逆のパターンでは、乳首が異様に性感帯で、ノーブラで歩いたばっかりに、ふと出会った男性の前でイってしまった女性の話「ふぃーる」がおもしろかった。

・トーンをめちゃくちゃ多用してる、丁寧な「美少女劇画」な絵です。絵的には「よだれ」がキモですかね。
(15:53)


2003年/4月/24日
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「いちご実験室」山名沢湖(講談社)

・あー、ファンシー。
・基本的に、ほのぼのなSFまじりのショートストーリーです。

・連作「いちご実験室」。天才ハカセ(若いんですけど)とトナリに住んでるミソラの話。基本はハカセの作った発明品で起こるドタバタ。
1話「Strawberry Fields Forever」。ハカセがなんでも増やす機械を作った。で、イチゴを入れたら、部屋中にイチゴがあふれる。でも、前に発明した「なんでもジャムにする機械」で、コトなきをえる。そして、ハカセの白衣とミソラの服がイチゴ模様になりました。どっとはらい。

・ってな感じの話が続くわけですよ。今、気づいたけど、「いちご実験室」のサブタイトルが全部曲名になってますね。しかも、渋い。「サカナ跳ねた」って、わかんなかったけど、芳本美代子ですよ。みっちょんですよ。あと、「憂鬱天国/ピチカートV」とか、「タイムマシンにおねがい/サディスティックミカバンド」とかなー。

・感触は、ますむらひろし氏的なものを感じました。絵とかは全然ちがいますが。シンプルな強弱のない線ですね。

・で、さ。
・これ、「推進力」のあるマンガですね。フラットな気分で読むと、ちょっとシアワセな気分になるし、ハッピーな気分で読めば、もっといい感じになる。
・けど、落ち込んでいるときに読むと、マイナスのほうに進んでしまう感じがする。「ザケンナヨ!」って感じで。まあ、無邪気なメルヘンものってそういうことねえ?

・んー、似た感じでいうと、ニューウエーブ期のメルヘン女性ボーカルバンドかな。ああいうのは落ち込んだとき聞けないからねえ。MENUとか、Shi-Shonen、Mio-Fou、初期ZELDA、プラチナKIT、サイズ、などなど。

・だから、ブルーなときは読まないほうがいいんじゃないかなと。でも、それ以外だったら、いい感じになれますよ。
・中古100円で買いました。次は新刊で買います。
(23:43:01)

2003年/4月/21日
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「ニニンがシノブ伝」2巻 古賀亮一(メディアワークス)

・個人的に待ちに待った2巻ですよ。

・忍者らしくない忍者マンガですね。しかも、ますますタイトルに偽りあり度がUPしましたね。タイトルであるくのいちシノブさんの登場は少なくなり、影も薄くなりまして、よくわからない生き物・音速丸と忍者仲間(みんな容姿いっしょ)の憩いの場に、軽くつっこんだり、傍観者として居合わせているような存在になりつつありますね。

・えーと、近い将来発売されるメイド型ロボットを買ったときのことを話し合ったり。
・エロ夢で競いあったり(テレビのチャンネルが全部エロ番組だった夢とか)。

・そうかと思えば、ボケにボケを重ねるというパターンで、フキダシのセリフ全部ボケ倒したりとかね。基本的にツッコミに当たる人がいなかったり、声が小さいマンガなんですよね。

・まあ、ワンパク坊主の群れに、あまりしつけようとしない引率の先生が女性陣の役割ですかね。

・この楽しそうな空間や世界がある。ほかになにが必要だというのだろう?ドラマCD?(読んだ人向けのギャグ)
・おれ的にストレートに必要なものをいわせていただければ、女性キャラの露出ですね。おお!ワレながらオネスティ。

・ということで、たぶん、合わない人には限りなくとりとめのないだらだらしたマンガかと思われます。そう思うもまたよし。
(23:52:14)

2003年/4月/20日
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「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」SABE(ワニマガジン社)

・一応、前作「BEAUTIFUL MONEY」(実に1998年ですよ)の続きとなっています。前作は4コマですけどね。突如、コママンガに変わり、学園マンガになり、キャラを引き継いで、そのまま「阿佐ヶ谷〜」にいたるわけなのです。すなわち、本作は学園ギャグということです。

・なんていうかな、狂ってる人は自分が狂ってるということに気がついてない。そういった意味じゃ、ホンモノばかり登場するマンガです。
・創作上のものですし、エスカレートは青天井的にすごくなるんですよ。だから、ダイナミックプロの作品は最後に地球がカンタンに滅んでしまうのです。
・駕籠真太郎氏なんかもそうですね。
・つまりはサジ加減ってことなんですよ。

・本作品は人は死にません(ペンギンは死にますが)、エロシーンはないです(メスダヌキの性器は「動物だからOK」ということででますし)、そうグロいシーンはないです。だけど、読んだ人はまったくそう思わないことでしょう。それは登場人物がホンモノばかりだからなのです。

・ブルマの自分がイチバンステキと思ってるブルマちゃんはヤクザの親分の娘。親分のメカケの子供は日陰ちゃんということで、彼女のいつも近くにいる(ヒットマン避け)。
・ウンコに異様に興味を示すウンコ太郎。パンツを見せることに命をかけている姉がいる。
・なぜかいるペンギン、それを殺す女。フードの自分が大好きであるが、根性がひね曲がってるフード女。そういうのがいる学園生活です。

・そして、驚きなのが、そういうアクで作られているようなキャラが登場するのに、どこかほのぼの感が漂っていることです。とくにフロコゾーと風呂に入るブルマちゃんの話は非常にいいです。

・どうして、こういう壊れていく人間ってのをミゴトに描けるのでしょうか?これが天才の所以なのかもしれませんが。

・そして、オススメなんですが、非常に人を選ぶと思います。
(23:06:28)

「じみへん しぼり汁(生)」中崎タツヤ(小学館)

・なぜ、突如、ハードカバーをやめて、続きじゃなくなって、こういう体裁にしたんだろう?
・とかいって、最近の傾向で、コミックもデフレスパイラル感はありますね。だから、従来の951円(税別)ではアレなのかもしれませんね。
・でも、わかんねーよ。たとえば、ベスト選集ってのもアリかと思うタイトルじゃね?だから、いつも、中崎マンガは新刊で買ってるおれはこれを買う気になれなかった。さすがに、選集や、新装版を買うほどのファンではないし。今、書店はマンガはほとんどすべてビニールで包んであり、中が読めないようになってる。たまに、ビニール破いて立ち読みしようとしてるガキとかいるけどさ。
・だから、中古で、内容を確かめて新刊だったので買いました。中崎氏にはもうしわけないと思ってます。小学館のせいです。

・おれはトイレで本を読む派だ。しみじみ思うのは、やっぱり、トイレで読むのは中崎タツヤに限るということだ。
・いろいろなマンガを読むが、中崎タツヤ氏ほどしっくりくる人はいない。たとえば、趣味の悪い人が相田みつをのカレンダーをトイレにこれみよがしに飾ったりする。それといっしょで、おれは中崎タツヤ氏をトイレに常備してるのです。

・さて、新刊の「じみへん」はというと、相変わらずの見開き2pの15コママンガです。最近の氏の傾向として、喋りで最後までいってしまうってパターンが多用されてます。
・堤防で釣りをしているバカ高校生5〜6人、延々ナメクジの話をする。
・茶の間で夫が決めた「大事なものランキング」の話をしている。
・めずらしくキャラ展開してる父娘の「**な話」編なんか顕著だわな。

・おれが好きだったのは、休みの日、家族でハイキングに行くって楽しみにしてた子供。でも、外はどしゃ降り。
「父さんが子供のころ遠足や運動会が雨で中止になった時腹が立ってな 雨なんか平気じゃんって思ってた」「お父さんは今でもその気持ちを持っとる」
「母さんもそうよ」
って、どしゃ降りの中ハイキングの中にいく家族って話がとてもスバラシイ。目からウロコが落ちる。

・やっぱり、中崎タツヤ氏はすばらしい。シミジミ新刊で買えなかったことが悔やまれる。
(00:01:03)

2003年/4月/18日
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「わんるーむ」2巻 三ツ森アキラ(講談社)

・実はみかけたときに買うつもりはなかった。「金色のガッシュ」とかあるなら、それにしようかと思っていたのだが、明日だと知り、しょうがなく買うことにした。
・たしか、1巻は、前作「Let'sぬぷぬぷっ」から緩く続いていて、それがシラけるような記憶があった。痛い女と同棲しているダメ男とのコメディギャグだった。

・これが2巻、とくに期待もせずに読んだんだけど、イイんだ。ビックリしたすよ。

・理由は2つあると考える。
・1つは、気分の問題。なんじゃそりゃ!とお思いでしょうが、今日の気分にマッチしてたんですよ。そういうことってあると思うのですよ。

・少年誌で通用するラインのエロギャグ。内輪受けもあるし、よくいえばオーソドックスな展開がつづくのです。

・それが非常に居心地よかった。パターンとして、イタイ女・シニアに振り回されて、エライ目に遭う猫夫って展開が少なくなったのもよかったのかもしれない。ワキキャラがいい感じで動いているためにバリエーションが豊富になったのが要因かもしれない。

・それがもう1つの理由にもつながるのです。えーと、新キャラの1人に巨乳の乳神教の教祖、大木杉代さんが登場したのも大きいかな。巨乳はいいですね。巨乳なら(少年誌としても)セーフなんですね。ということで、ベタな巨乳ギャグが続きます。オッパイにボールをはさんでドリブルするから、どれがバスケットボールかわからないとか、ビーチバレーでボールの代わりにアタックしたりとかな。

・あと、ワキキャラであり、同棲カップルのとなりに住む葵さん(2巻の表紙)もキャラが立ってきた感じあり。というか、出番だけでいうと、シニアより多いかもしれない。ちなみに彼女はAカップです。貧乳もそれはそれでいいですね。どちらでもいいのです。魅力的であれば。

・総合でいうと、女の子がかわいくなったということがいえるのかもしれません。

・楽しかったです。かなりオススメつけたい気分です。
(22:06:37)

「HEAVENイレブン」1巻 大和田秀樹(秋田書店)

・そうか。大和田秀樹氏ってのは、アレだ、島本和彦氏の系統なんだな。かなりテイストはちがいますが、スゴイ男が出てくる熱血モノが真骨頂なのですね。

・本作はサッカーものですね。なぜか、サッカー部のない高校にサッカーに燃えたバカ(これはダブルミーニングです。素でもバカだし、サッカーバカでもある)の主人公が11人そろえるところからはじまる。そのうち、高校にサッカー部がない、戦慄すべき理由が明らかになってきます。

・と、まあ、「楽しい甲子園」のサッカー版ですね。うわ、身もフタもないわたし。まあ、キャラとしてダブってるのは、いそうでいないし、そこいらは考え抜いてありますし、トクイのどこまでギャグでどこからマジなのかファジーな作風も健在です。あ、そこいらが島本和彦なのか。でも、おれは大和田氏のほうが好き。

・ま、2巻からは試合もはじまるみたいで、楽しみです。連載誌が「チャンピオンRED」という、創刊号からレッドランプ点滅みたいなところですけど、これだけは長持ちしてほしいなと切に願うばかりなのです。
(22:20:36)

「グミ・チョコレート・パイン」3巻 大槻ケンヂ&佐佐木勝彦&清水沢亮(講談社)

・好調3巻。よかったよ。
・大槻ケンヂ原作の小説をアレンジしたものですね。高校のダメ男3人が「アッと驚かせる」なんて理由でバンドをはじめ、突き進んでいるところです。
・3巻では、センパイに誘われて、合同バンド合宿に参加する等、ますます、「マガジンGREAT」の「Beck」度が高まる展開になったかと思いきや、主人公・ケンゾーの人生が変わる2つの出来事が立て続けに起きて、終了という構成になっております。

・というか、その2つの出来事の1つって描き下ろしか?おれ忘れてるだけか?と、まあ、単行本用にけっこう手を入れてあるようには思いましたよ。

・ふー、正直その2つのエピソード2つとも感極まってるのです。なんつーか、冷静に判断できないんですよ。なにせ、ケンゾーおれとタメ年ですし。おれも、大槻ケンヂ氏が「ビッグムーン大槻」のペンネームで投書していた「ビックリハウス」買ってましたし。

・まー、だから、ホメたり、思考停止に至るのもしょうがないってことで。まあ、いつの年代にもケンゾーや山之上や山口美甘子はいると思いますし、それぞれが思い入れをこめられるほどよくできてると思うのです。

・しかし、講談社はギリギリまでコミックに入れますよね。次の話しは、今月20日に発売の「マガジンGREAT」に掲載される話ですよ。
(22:56:41)

2003年/4月/13日
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「全日本妹選手権」4巻 堂高しげる(講談社)

・4巻目ですよ。なんだか、盛り上がってるみたいなのですが本当?
・あと、実際、オカズ目的みたいな人っているのかしら?妹萌えみたいなノリでな。

・と、まあ、おれとしては濃いオタクネタの入った笑えない4コマって感じですかね。この場合、笑える、笑えないはあまり問題ではないような気がしますので、悪口って感覚はないです。

・今回女性が2人増えました。キャラ立てがはっきりしてるので、混乱はないのですが、作者サイドの使い方が難しいんだろうなあと思ったりします。

・基本的にオタクネタはアニメばかりなので、どうでもいいですし。

・ふと、おれはなんのために買っているのだろう?と疑問が芽生えました。

・このオタクネタに突っ走ったあと、バランスを取ろうと、エロネタを盛り込んだり、いろいろと工夫しているサマがおもしろいのかもしれないです。

・なんと、増刊号とかでていましたね。そのときの描き下ろしなんかも含まれてますし、小倉優子のグラビア目当ての読者ばかりだったことも正直に書いてありました。あと、描き下ろしには、「妹は思春期」との合作なんて珍品もありましたね。
・あと、藤沢とおる、木尾士目、久保ミツロウ、大橋薫、の応援メッセージなんかもありました。成年マンガみたいですね。

・で、木尾士目氏の記述で気がつきましたが、おれも妹がいるんですね。義妹。あー、あまりうれしくないなあ。そうか、妹や姉がいるのってそんな気分なんだ。なるほどなるほど。
(23:35:21)

2003年/4月/12日
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「道徳の時間」辛酸なめ子(三才ブックス)

・しかし、三才ブックスのマンガって辛酸なめ子氏とピョコタン氏ってのがスゴイですよね。天晴れですよ。

・ということで、3冊目です。
・相変わらずの理系ギャグですね。文字あり、連載マンガあり、単発ありとテンコ盛りなのも相変わらず。

・〆切り前に入稿することに生きがいを求めたマンガ家が、飛行機に乗って地球を逆周りしながら描いたり。
・田村亮子が総理大臣になって、国民総メダル制度を作ったり(その人のレベルに応じてメダルが与えられる)。
・非のうちどころのないボーイフレンドだけど、たったひとつの難点として、どのメシ屋でもトン汁をオーダーしたり。
・写真付ルポマンガで、リスに栗を持たせた写真を撮ってきたり。

・そういうマンガが山盛りなんですね。
・絵は非常に個性的ですが、ちょっと巧くなってきた気がします。まあ、実は巧くも描けるのをくずしてるって感じもあるんですが。

・個人的には料理が下手なのを彼氏にバレないためにうまく誤魔化すネタが好きです。
・これに限らず、1本のマンガにできるだけネタを圧縮していれるという手法もますます冴え渡ってますね。そういう律儀なところが好きです。
(11:33:57)

「オブリガード!」加藤伸吉(太田出版)

・短編集ですね。カラー2pから実験的なの、デビュー作もありの、バランスのいい作品集になってます。

・サイテーの親の元、赤ちゃんの妹のメンドーをみながらけなげに生きる「ベビイシッターベイビー 」。近未来が舞台ってのがなんとも皮肉で。結局、未来になってもああいうのはいるんだなあって。

・拳銃の違法製造のオヤジと、女子高生の娘の交流「ダメなオヤジ」

・もしかしてターニングポイントかもしれない、将来大作家になったときにも、重要な作品として取り上げられそうな、絵柄の方向転換が図られた「ミドリに…」。話はいつものけなげで気丈夫な女性と、まっすぐで要領が悪い男が登場するやつなんだけど。

・エロに挑戦の「スキ姫」。スペオペでアメコミっぽいショートコミックを描いていた大友克洋氏(「ヘンゼルとグレーテル」あたり?)っぽい雰囲気。

・描き下ろしにして最新作の「友達に会いに」。これがベストかな。なんだか、非常にいろいろと考えてしまう。おれだったらどうした?とか。

・いい作品集でしたよ。ややアクが感じられ、そこをどうとるかが微妙なんですが。
(11:59:07)

「首斬り門人帳」高瀬理恵(小学館)

・刀マンガですね。世に銃マンガみたいのはいっぱいあるけど、刀を主役に据えたのは珍しいんじゃないでしょうか。おれは、この次作での「公家侍秘録」で高瀬ファンになったクチですので、本作はなかなかありがたい新装版なのです。描き下ろしで26p加えられているし。

・舞台は江戸時代。屍を切ることで、刀の品定めをする、試刀家・山田浅右衛門、通称「首斬り浅右衛門」と、その弟子の活躍を描いた全6話。
・これが、アクションあり、ウンチクあり、人情噺ありと、盛りだくさん。

・ごく正統派の劇画タッチ。ごく正統派の構成。けして、奇をてらったり、絵で注目を必要以上にひこうとしない「けれん」の少ないつくりでありながらも、その中にあるネタや話しの純粋なおもしろさにグイグイと引き込まれていく。

・第4話に「公家侍秘録」の主人公がゲスト出演(かっこいい役なんだこれが)してるのがよかったすわ。そういう「遊び」も随所にあるんで、けして、ストイックな正座して読まないといけないって話でもない。まあ、「遊び」に関していえば、「公家侍秘録」のほうがこなれていますがね。

・ふと、本屋に入ったけど、なんか、ピンとくるものがない。そういうときに、本書を手にとられるとよろしい。なにかトクしたような気分になれます。
・そう、あわてて買うってノリでもないんだな。いつでも、本棚にいて、おもしろいと思ってくれる人を待ってる。そういった感じがする本だ。

・で、おもしろかったら「公家侍秘録」(3巻まででてます)もぜひ。
(13:28:29)
「金魚屋古書店出納帳」1巻 芳崎せいむ(少年画報社)

・変わったマンガだなあ。
・川沿いにある、小さいマンガ専門古書店「金魚屋古書店」。そこでの客と「マンガ」とのからみを描いた1話読みきりのオムニバス。

・「サイボーグ009」の島村ジョーに恋をした女子高生。
・死期が迫った叔父さんのために、叔父さんの読みたがっているマンガを探す少女。
・セドリ(一般古書店のワゴンで眠ってるレア本を買って、専門店で売って生活している人)で食ってる男の話。
・世界初の長編ファンタジーSFマンガ「火星探検」(これ、唐沢なをき氏の「二廿一世紀科學小僧」の元ネタなのか?)をめぐる話。

・などなど、全7話。
・ウンチクもある(出ている本はすべて実名)けど、あくまで、ドラマのほうに重点を置いている感じ。ここいら、小学館ウンチク系マンガ(美味しんぼ、ギャラリーフェイク等)とはちょっと毛色がちがうね。

・うーむ、こういうの読んでると、おれはマニアにはなれないなあとシミジミ思う。定価より高い本にその価値を見出せないからだ。

・うーと、レディコミ風の絵柄にマンガ古書店モノという、アイスクリームの天ぷらみたいな味わいが魅力ですか。女性の見分けがつかないのが難点ですか。
・母方の祖母が貸し本屋をやっていて、その手のお宝コミックがけっこうあったのをもっとちゃんと保存しておけば、今頃、ノートPCも新しいのに買い替えができたなあと思いました。ちなみに、ここと、近所の貸し本屋のおかげで、おれは、年不相応の古いマンガもけっこう読んでいるのです。
(14:14:24)

「壁ぎわ税務官」14巻 佐藤智一(小学館)

・税務署徴税マンガ。安定感はバツグンですね。今回は、戦時中編と平安時代編の2本がみどころですか。どちらも、石上と鐘野の先祖が登場している。

・そろそろオンリー人情話ってのが読みたいなあとちょっと思いました。14巻でいえば、駄菓子屋のオバチャンの話みたいの。
(14:23:11)

「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」16(79)巻 荒木飛呂彦(集英社)

・一応、part6も終わりに向かってそうですね。最終決戦地がケープカナベラルにある「ケネディスペースセンター」だわ。

・ということで、今度は重力を変えられるスタンドですね。もはや、スタンドとかいうシロモノじゃなくなって久しいんですけど、本来は、超能力の延長上でしたよねたしか。
・うーむ、ここ2〜3巻は読むたびに、次章どうなるんだろ?ってことばかり考えてしまいますね。part7はあるのか?
(14:42:21)

2003年/4月/10日
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「彼岸島」1巻 松本光司(講談社)

・1,2巻同時発売。ってか、てっきり全2巻かと思ったがギッチョンチョン。かなり腰をすえて描くみたいね。

・親の期待を一心に受けていた兄が突如失踪。そして、残りカスのような扱いを受けていた弟。その上、親友に好きな女もとられ、おもしろくない日々が続いている。そこへ、謎の女性が現われる。彼女は兄の行方を知ってるといってきている。だが、怪しげな行動が多い。そして、彼は友達といっしょに女のところに乗り込む。そこには!

・ってな感じの1巻ざんす。正直、まだ、彼岸島は登場してません。

・「ハアハア」が松本氏好きみたいですね。これまでも多かったですけど、本作も多いです。まるで、「ハアハア」がアイデンティティであるかのようです。登場人物は大勢「ハアハア」と息が切れてます。不整脈ばかりなのでしょうか?

・では、2巻へ。
(23:09:12)

「彼岸島」2巻 松本光司(講談社)

・2巻です。よくある1,2巻同時発売と同じように、グランドプロローグだったのですね。

・謎の女といっしょにいた男・吸血鬼との戦いで辛くも勝利を収めたが、こうなると、謎の女が何者か気になる。問い詰める一行。そして、彼女は吸血鬼の村に妹を人質に取られていることを明かす。そして、退治に行くことになる一行。その場所こそタイトルの「彼岸島」なのですね。

・考えてみれば。和風吸血鬼は、「羊のうた/冬目景」がありますね。なるほど、こういう展開にすれば、和風で、スティーブンキングの「呪われた町」、ロバートRマキャモンの「奴らは渇いている」ができるんですね。どことなく、横溝正史風味がありますがね。ま、それでいえば、冬目景氏のもその手のインスパイヤものがたくさん出てきそうですし。

・松本氏の著作でいえば、「クーデタークラブ」のラスト、別荘での攻防戦。それを島全体にひろげた感じが今後予想されますね。

・そして、このグランドプロローグ、1〜2巻という長いスパンで「本題」に移ってないんですよね。ぶっちゃけ、1巻でまとめられそうな気もしたんですが、2巻分、緊張感や興味が薄れなかったのは、かなり巧い。

・とりあえず、1-2巻まで読んだら次も読まないといけなくなります。それはたぶん、1巻だけでもいっしょなので、興味を持った人は観念して1-2巻買いましょう。

・んー、「ドラゴンヘッド」や「ヒミズ」に続く、ヤンマガホラー路線の正当な後継者なんですかね。

・一応、オススメしとこかな。
(23:37:25)

2003年/4月/7日
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「ヒカルの碁」21巻 ほったゆみ&小畑健(集英社)

・なんとなく、スポ根の世界に突入してますね。男ばかりってのもそうだけど。とくに、佐為がいなくなってからは加速度的。

・そして、そうなると、逆に安心して「王道」のおもしろさを追求できるんだよな。飛び道具的な展開は一切なく、定石通りに、「対決」マンガとして突き進んでいる。

・結局、ヒカル、大阪の人(社っていうんですね)、塔矢の3人に団長倉田という、まあ、最強の布陣での、中国、韓国との戦いがはじまろうとしてるのです。おれは、こう、試合前の盛り上がり、いわゆる前夜祭好きなので、21巻はたまらないものがありましたよ。

・上記の代表3人で強化合宿なんて、ああた、ヤオイ系の人はキャーキャーいってよろこぶシチュエーションじゃないですか。しかも、ヒカルと社が同じ部屋で寝てるんですもの。まあ、そういうんはもう「なにをイマサラ」な世界なんでしょうがね。

・だからって、そういうマンガかと早合点してスルーする人は軽率だし、損をしてますよ。それくらい、今はノリまくってる感じです。
(10:48:12)

「賭博破戒録カイジ」9巻 福本伸行(講談社)

・1玉4000円の超高額レートパチンコ「沼」攻略の種明かし編(もしくは、本番)なので、おもしろくないわけがないのです。

・最初の釘調整を、アクロバットな手でクリアしたと思ったら、さらにアクロバットな手が炸裂。あれはさすがにキツイような気がしました。ただ、まあ、それはこちらが読者として冷静にみてるからなんですね。たぶん、あの場にいれば、ただ、単純に興奮してたりしそうです。

・これは手品といっしょですよね。前も書いた気がしますが。ここで、細かい分析をかますのもいいんですけど、福本節とでもいう、構成の妙にニヤリとしたほうがいいよな。

・ちなみに、今回のタネのキモは、あの装置のシカケじゃなくて、その前の陽動作戦なんですね。怪しい行動の「答え」をすでに提示しておいて、安心させるという。

・あと、最後のタネ明かしが楽しみだなあ。
(11:32:33)

「ウッディケーン」2巻 横内なおき(講談社)

・うーむ。2巻目なのですが、ちょっとストイックすぎるな。
・前作「サイボーグクロちゃん」より高みを目指したのはいいが、そのせいで、いろいろなものを犠牲にしている。それが息苦しさを生み出している感じがする。

・たとえば、前作であった、連載誌「コミックボンボン」の読者を無視してるかのような、古いマンガパロディとか、盛り上がりであえてハズすワザとか。そういうのが希薄で、「王道」を目指しているかのような。
・そのココロイキやヨシ!なんだけど、それで、おもしろさが足りないのなら、本末転倒じゃないですか。
・だから、たぶん、横内氏はかなり苦しんでおられる感じだ。その悲痛な叫びが聞こえてきそうなくらいのいろいろな意味での「苦しさ」のある2巻ですよ。でも、それはきっと実ると思います。その萌芽も確実にあるですよ。

・ということで、過渡期かなと。
(12:30:06)

「Heaven?」5巻 佐々木倫子(小学館)

・レストランドタバタギャグマンガですね。これのドラマ化はいつなのだろう?

・もう、加速度がすごいです。キャラも行き渡ってるから大丈夫だろ?とばかりに、トップギアでガンガン突き進んでます。

・大ネタとして、伊賀クン(まあ、主役ってことになるのかね)の「ソムリエ試験」がありますが、個人的には、子供客を追い出すオーナーと、このままで映画になりそうな、ドロボウ編が笑うくらいおもしろかったです。いや、佐々木倫子で笑ったのははじめてかもしれない。

・それと、巻頭ネタ。料理1人5万円ってネタ。おれんところ5000円でも、ちょっとパニックになるし、この気持ちはよくわかるわ。

・でも、そろそろちがったテイストのマンガを読んでみたいかなと思って。これで、佐々木倫子ギャグは行き着くところまでいった感があるし。
(13:07:42)

「耳スタジオ」松本耳子(少年画報社)

・コメディ風味のエロマンガ作品集です。
・最初の「ナンでもしちゃうゾ」が連作読みきりである以外は、全部読みきり。

・んー、イマドキっぽい女のコがアヘアヘやってる感じです。

・このキャラが微妙にアクセントつけたりしてるけど、おれには全部いっしょにみえたなあ。そして、大事なのが、それに萌えるかどうかだけど、おれにはイマイチだった。だから、わりに致命的。

・でも、その致命傷を無視すれば、ユルーくカルーく展開する話は独特の味があってよろしいかと思いますよ。

・オマケの「べったん(メンコ)」の絵柄のセンスがわりにすべてを物語っているような。なるほど、そういう線か。関西在住で彼氏とのラブラブダイアリーをアップしてるテキストサイトってノリかなあ。

・あと、細かい点では、ベタなエロネタは避けたほうがいいかなー。しゃがんだら、パンツ見えるとか。なんつーか、ちょっと、ムリしてる感じがする。「男ってこういうのがウケそう」みたいなのが。ま、本作がたまたまそういうの集まったのかもしれないけど。
(14:01:48)

2003年/4月/6日
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「野蛮の園」西川魯介(白泉社)

・世にも珍しい高専を舞台にしたスチャラカコメディ。西川魯介氏だからエロもSFもオタクもギャグもあるでよ。

・高専=(工業)高等専門学校で、中学卒業後5年間あるやつですね。卒業したら短大卒の資格があったんだっけか。そこでのファンキーな実態を描いているワケですよ。

・あとがきで唐沢なをき氏も言及されておりましたが、もう、誰がわかるか!って読者につきつけた挑戦状のような細かいマニアネタ。まあ、細かいマニアネタを逐一突っ込んでもおれの知識には限界があるので、紹介は省略します。まあ、そういうところでも楽しめるよということで。

・そういうの抜きの本編もいいんだよってことがいいたいのです。

・4年生を中心として展開するんですね。たしかに、高専の醍醐味は、大学生でもない、高校生でもない4年生からですものね。たしか、富山の高専は4年生から免許が取れるのでバイク通学可になった気がする(他にもバイト可とか、いろいろと旨味があったと記憶してる)。そういう高校の延長でいながらあきらかにちがう4年(と5年)という特別な存在。

・委員長にはメガネっ娘がイイ!でも、貧乳じゃなきゃダメだ!ってことで、ほかのクラスから、メガネッ娘を拉致ってくる1話。
・花見は生徒全員バニー姿で。
・作ったロボット大暴れ。

・と、まあ、あまり高専らしくないともいえるけど、高校生のバカ騒ぎがグレードアップした感じはよくでてるし、本当、こんなんだろうなあとも思います。こんな女性は多くないと思いますが。
・5年生のお姉サマに陵辱されたりとかのサービスシーンもあります。

・あと、短編「うしむすめ」もバカらしくていいですね。

・これは、まだ、連載も続いていることですし、ひょっとして、西川魯介最高傑作かも?と思いましたよ。おれは、巨乳でメガネっ娘なのに、ひょうひょうとして、周りに馴染んでる江刺(姉)さんが好みです。

・あー。オススメ
(22:36:31)

「健康の設計」駕籠真太郎(東京三世社)

・これは、案外古いものじゃねえかしら?絵柄が前のような気がするんですが。女性描写がちがうんですよね。
・そいでもって、ネタもちょっとちがうわなあ。

・痛みが遅れてくる村の喜劇「夜と霧」シリーズ2編。
・衛星のレーザーにより、真っ二つになった女性(でも生きてる)のシリーズ2編。
・自分の感覚を時間列に応じていつでも反芻できる女性が主役の「午後の反芻」
・女性にそうとは知らせずに特撮させる「喜劇極東怪異譚」
・喜劇駅前虐殺なのいくつか。

・と、最近ではないバラエティさ。最近、1ネタ1冊ってのが多い感じがするけど、これはいろいろあるでよ。

・そういうバラエティさに加えて、やっぱりおれは、「喜劇駅前虐殺」のラインが好きなんだなと思いました。つまりは、すげえ好きなんだってことです。それこそ、「喜劇駅前虐殺」(太田出版)の次か、同じくらい。
・よって、オススメ
(23:25:09)

「想うということ」犬上すくね(エンターブレイン)

・エンターブレインで描いたことのない犬上センセの作品集がエンターブレインから。でも、目のつけどころはさすがだ。というか、「コミックビーム」で連載してほしいなあ。「BAMBi/カネコアツシ」みたいなハードコアアクションの(ムリですね)。

・というか、よくわかりましたが、犬上氏はラブストーリーしか描けない人なんですね。この作品集もすべてラブストーリーです。

・タイトルがいつもいいんですよね。おれは、まあ、犬上氏が好きで、おれも好きなカーネーションのタイトルが使われてることが多いので、チェックしてるうちに気がつきましたが、タイトルがビシッと物語の核になっているのですね。

・同じクラスの男子しかみえなくなる「病気」にかかった女子の「おくびにもだせない」
・別れる記念に「ひとりエッチ」をみせなければならないという約束をめぐる「君のためにできないこと」

・って、18番のパターンから、なんと、麻雀マンガに挑んだ(麻雀まったくわからないのに)2編「おかしな二人」「HA-TTARI GIRL」。ファンタジー風味な「空も飛べるはず」と、バラエティに富んでますよ。基本はやっぱりラブストーリー(コメ入りの)って感じですよね。

・絵がサラリとしているので、どれもイヤミなく読み終える。あと、ストーリーもそんなにドギツイものがない。それでいて、バリエーション豊富。

・と、まあ、うまい人ではあるなあと思いました。竹本泉氏の「よみきりもの」みたいに、毎回読みきりの連載をどこかでやるとおもしろいかもしれないと思いました。また、単発読みきりや、「ラブディストーション」みたいな長編とはちがった味わいが出てきそうです。

・ちなみに、カーネーションものは、「Love experience」と「1/2のミッドサマー」でしたね。この2本が本作でもベストかなとも思います。
(00:12:04)

2003年/4月/4日
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「つゆダク」3巻 朔ユキ蔵(小学館)

・売れてるみたいですね。イキオイもありますし、当然の帰結ってやつなんでしょうか。
・もはや、あの朔ユキ蔵が云々って必要ないみたいですね。3巻も相変わらず、著者名が帯に隠れてますし。

・超アイドル・フジサワとお近づきになりたいとの理由で、テレビ局に入社した露崎クン、そのエロザルぶりを買われて、局内アイドル性欲処理係に任命される。そして、ついにフジサワといたすチャンスができたのだが、近づいただけ彼女の持つアイドルオーラにより、ご法度である射精をしてしまう。
・そして、フジサワとできる男となるべく、太ももに星マークのアザ(ホクロだっけ?)のある7人のフクマンといたすことになったのでした。

・ということで、ひたすら、そういうセックスウォーズがまきおこる3巻なのかというと、いい意味でユルユルな展開でよかったです。一応、要所に星の女編もあるんですが、あえてそれにこだわるワケでもなく、また、新展開として、ライバルも登場して、しっちゃかめっちゃかになっているのです。

・今回も1人、メガネっ娘だけよくわかりませんが、他は、「ああ、あいつか」って元がモロわかりのアイドルがたくさん登場します。ただ、似せようって気はカケラもないみたいですがね。

・ということで、帯によると「大河お色気冒険活劇伝説ロマン」は、ますます理屈ぬきで楽しめるエンターテインメントな「青年」コミック王道をひた走っているのです。
(22:44:24)

「20世紀少年」12巻 浦沢直樹(小学館)

・読み終えたあと、首をひねりながら、前の巻を奥さんは読みふけってました。その気持ちわかります。また、新キャラ登場かよ!

・とりあえず、物語内で2015年になりました。なんだか、カタがつくような気配です。でも、つかないのが浦沢直樹というものなのです。MONSTERで悟りました。

・12巻、あの演出はグーです。かなりビビりました。こういうのを「気の効いた」演出っていうのかもしれませんね。ということで、古本じゃ、この「演出」を味わえないかもしれませんので、12巻だけは、新品を買うことをオススメしておきます。

・ケンヂは生きてるんじゃないかなと思います。
(23:06:59)

「風雲児たち」12巻 みなもと太郎(リイド社)

・はは。かなり波乱ぶくみの12巻でしたね。それは、物語上でもそうですし、みなもと氏もそうみたいです。

・元々、タイトル通り、幕末の風雲児たちを語る予定が、いつまでたってもいかないので、出版社(潮出版=創価学会)からダメ出しかけられたのですね。ということで、ラスト2章は、「激走」ということで、これまでにないハイペースで展開してる。そして、それはもはやマンガとしての体をなさないということで、「喪章」のつもりで、黒線が真ん中に入っている。

・ということで、ただでさえ濃いのが非常に濃い12巻だったのです。

・それまでに活躍した人がついに最期を迎え、バタバタと死ぬ。そして、新キャラもバタバタと登場する。日本全国を踏破して日本地図を描いた、伊能忠敬(今、奥さんに聞いたら、「あ、千葉の人?」って即答。千葉の有名人ということで千葉県人には常識みたいね)をはじめ、登場する。まー、このころになると、本当、スゴイ人があちこちに生まれますねえ。あと、間宮林蔵とかな。ここいら、IMEでも一発で変換するね。

・で、また、あまり違和感なく、新しいメンツも頭に入るね。ちょっとテンポが速いから、ツライところもあったけど。

・まー、次巻からはテンポを戻すそうで、えがったえがった。
・いや、おれ、まだ読んでなくて、存在だけ知っていたとき、そう思っていたんだった。「どうして、こんな長く続いているのだろう?」って。
・いろいろと大変だったのですね。そういう一端がうかがえて逆に安心しました。
(23:56:40)

2003年/4月/2日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「犬夜叉」29巻 高橋留美子(小学館)

・まだ、「うる星やつら」の34巻、「らんま1/2」の38巻にゃあかなわないけど、十分長いよなあ。それらより長く感じるほどだ。まあ、色々と事情があるのかもしれないのだろうがね。

・ますます話は迷走していきますね。奈落が2つになったからなあ。で、それぞれの話に加えて、通常の話があると。
・で、話を「すすめる」ための軸である、四魂のかけらもいつのまにか、えらい残り少ないことになってる。これが揃って終るなら、先は短いし、揃った後にも展開があるなら、まだまだつづくってことですねえ。

・うーん、後者だろうな。

・以外に妖怪の殺し方がエグイですよね。今回、人の皮をむいて殺すやつがいるのがいるなあ。「高橋さんがんばってますね」と。
・そういう要素がまるでない、普通の短編がみたいなあ。前も書いた気がしますが。
(22:38:50)

「迷彩君」4巻 竿尾悟(少年画報社)

・普通にミリタリーマンガになってきたなあ。
・最初にあった、傭兵なのに大学生な変な男とそれに惹かれる巨乳のトモさんとのラブコメってな感じに思っていたけど、マジな戦争話が多いんだわな。そして、それとバランスをとるためのすちゃらか編がまた強調されている。
・これをメリハリが効いてると評価するか、それともよくわからんわととるか。まあ、ずっと読んでる人には、前者になるのかな。

・でも、「愛のうた/ストロベリーフラワー」とかイマドキうたわれてもなあ。
・あと、「渚」でやりすぎたのか、巨乳がどうたらってのが少ないのが悲しい。おれ的には、ミリタリーと巨乳は、4:6くらいがいいのになあ。今巻は8:2くらいだったからなああ。
・んー、練りこみが足りないんじゃないかい?いろいろな意味で。
(23:00:44)

「バトルロワイヤル」9巻 田口雅之&高見広春(秋田書店)

・まだまだつづくよ、バトルロワイヤル。映画の3くらいに終るんじゃないですかね。

・意外に長かった、織田編。映画じゃ、桐山に日本刀でクビをスパンとやられて終わりだったんだけど、マンガじゃちがうやられ方したなあ。

・そして、映画じゃ、案外と「売り」だった、灯台の女同士の銃撃戦もありましたね。これはスッキリしてましたね。

・残り9人。9巻だけに9人か。まあ、10巻で10人になったらおかしいんですけど。

・まあ、これからが長いんですよね。

・あと、いいたいのは、高見センセはなんか他の小説書いてるのか?ってことかな。
(23:22:38)

「あずみ」28巻 小山ゆう(小学館)

・これがね!28巻にして新境地なんですよ。恐るべし小山ゆう。
・伊達政宗、宮本武蔵編は終った。宮本武蔵とも戦った。史実を変えるワケにはいかなかったので、勝敗はつかなかったのだが、うまく終らせた。

・そして、次の展開だよ。おれはひさしぶりに「あずみ」でおもしろかった。
・今度は、史実あまり関係ない感じ。とにかく、はじまった瞬間強烈なインパクト。

・荒くれ者達の巣窟。とにかく、野蛮な土地にあずみが偵察にいくわけですよ。ここの登場人物がなんだかすげえんですよ。
・あー、ずばりいおうか。みんなブ男なんですよ。なんつーか、ギャグマンガの顔なんですよ。「変な顔」。ギャグマンガじゃ基本なんですが、基本であるが故に今となっちゃあまりポピュラーじゃないですよね。その間隙をついたというか、このエピソードに出てくる新顔はみんな、すげえ顔なんですよ。正直別のマンガか?と思うほどギャグの顔してるんですよ。
・ものすげえ顔の面々が登場してるのに、普通に「あずみ」として進行してる。それがすげえインパクトなんですね。「マジかよ」とつぶやいてしまうくらい。
・数多くある敵役では、他のマンガをみてもあまり類のないくらいすげえ容貌の面々が登場します。人間離れしてるのばっかり。フリークスの領地か?と思うくらい。

・ということで、久しぶりに次の巻が楽しみな「あずみ」だったのです。
(23:45:08)

「ダブルフェイス」1巻 細野不二彦(小学館)

・細野氏の新作だな。精力的に活動してますねえ。中途半端なヒットがないのがサイワイしてるのでしょうかね。って、いきなりな言い草ですね。すみません。

・今回は、仕事人パターンですね。昼はサエない、ローン会社の社員、手品が趣味ですけど、あまりうまいこといかずに、他の社員からバカにされてるが、実は、その会社の社長であり、なおかつ、不可能を可能にするなんでも屋だったりもするわけです。で、まあ、正義のために動くのですね。

・たとえば、仕事人なら、中村主水は剣の達人で、ひでさんなら、かんざしでグサリじゃないですか。そういうのが手品なんですね。
・ストーカー被害に遭ってる女性を円満に別れさせる。
・セキュリティ万全の病院に忍び込む。
・出会い系で女を騙している男をインポにする。

・基本的に金を持っている人なんで、金を贅沢に使った大掛かりな仕掛けが多いですね。で、細野氏らしい、随所に手品小ネタを仕込んであり、それが伏線になったりもしている。たとえば、タイトルのダブルフェイスとは、手品のタネである、両方に絵柄があるカードだったりもするし、主人公の状態でもあるわけですよ。

・前後編になることもありますが、基本的に、スッキリ明瞭な演出ですね。わかりやすさを優先させているような感じです。

・うん、相変わらずの高値安定ですね。
(00:07:47)


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