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ポトチャリポラパ/コミック/2003年
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2003年/5月
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2003年/5月/31日
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「MAGi MAGi マジマジ」1巻 鈴木次郎(スタジオDNA)

・夢見がちな少女。魔法の国にいきたいといつも願ってる。ある日、マンホールの穴に落ちる。そして気がついてみ れば、トンガリ帽子に黒づくめの青年、空には2つの月が浮かぶ。
「ああ、わたしってば、本当にファンタジーの国にきちゃったのね」
・と、感激するも束の間、いろいろとガビーンな事実が判明する。

・この世界観がよくわからんのです。魔法はあります。ただし、80才を過ぎないと魔力がでてきません。あとは、 日々、田畑を耕して生きてます。そして、服以外は純和風。わらぶきの屋根に寝泊まりしてます。少女は男3人で暮 らしている家に厄介になってまして、日々、だらだらと過ごしています。

・で、わりに日常のほのぼのした話題をもとに展開していく。まー、ファンタジーの世界なのに、お約束をことごと く破ってファンタジーにならないというあたりがギャグなんでしょうか。

・んー、例えるならハジけてなく、破綻のない、登場人物がスッキリしてわかりやすい「ハレグゥ」といったところ かしらね。

・ただ、ときたまあるギャグはなかなかヒットします。おれは「どこでもドア」のギャグが妙に好きだったなあ。ち ょっと「爆笑オンエアバトル」的な気がしたが。

・ん、だから、SF(すこしへん)な世界での、ほのぼのギャグマンガかと思えば。

・おれは好きだ。
(16:20:00)

「うまんが」3巻 新井理恵(小学館)

・あっと、驚き、最終巻。っても、次から「ろまんが」として、メンツそのままで続くみたいですが。
・動かしやすかっただろう、使用人コンチキチを主役に据えた恋愛ギャグになるそうです。なるほど、わかるような わからんような。しかし、4個所くらい、そのリニューアルの告知がありましたね。「わかったよ」っていいたくなるくらい。

・最近は、こういう仕切り直し的なリニューアルが多いですね。本作の場合はナットクではあるんですが。これは、 ムダに巻数ばかり重ねて買う気を無くさせるってのを防ぐ狙いなんでしょうかね?
・たしかに、「これ、サイコーにおもしろい」とかいわれても既巻29巻とかいわれたら、ゲッソリですものね。まあ、9巻あたりで、「もう、読まなくてもいいや」って気持ちにはなりますね。

・ただ、欠点としては、これは本作もそうなる可能性が大ですが、その続きから読んでもワケわからん、ってのはあ ると思うのですね。だから、見かけだけのリニューアルなんですね。

・ま、ともかく。

・三巻も相変わらずです。「長い」「多い」「濃い」の三拍子揃ったネームも健在です。読むのに、脳味噌が従来の ギャグマンガとはちがったところが働かせてるような気がしてしょうがありません。

・今回、主役だったハズのサツキとユウシュンはワキで「出番がない」というキャラに成り下がり、そのスキに数々 の新キャラがかぶさるという、まるで「天才バカボン」なのに、実質はバカボンのパパのマンガじゃん!という古か らのツッコミが有効になっているのです。

・でも、おもしろさが損なわれるでなし。

・まー「ろまんが」楽しませていただきます。なんだか、次回作のツナギみたいなことを描き下ろしでかいてられま したが、それでも楽しみにしてます。
(16:51:00)


2003年/5月/29日
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「機工魔術士」2巻 河内和泉(スクウェアエニックス)

・2巻目ー。けっこう楽しみにしてたんだけど、ショボーン気味。

理由その1、前の話をだいたい忘れていた。
理由その2、もともと、この手の話はニガテ。
理由その3、エッチ要素が減った。

・これだけの理由があげられます。とくのその3が大きいです。ぶっちゃけ、おれは、ライトエロマンガとして、本作に接してますからねえ。

・妙にストーリーなんですよ。ストーリーなんですよっていいぐさもないんだけどさ。
・希代の機工魔術士であるフルカネルリに生き写しのヘタレ童貞の主人公。「器」をもらうために、ユウカナリアが居候することになった。ナイスバディのお姉さんです。で、ドキドキワクワクってはずなんですけど、今回、ダンジョン冒険したり、いろいろとシリアスなストーリーなんですよねえ。
・ここいらサジ加減程度の問題なんですけど、おれはもっとエロいほうがいい。断言しておく。もっと、ユウカナリアお姉さんがヘタレ童貞の主人公を惑わす展開が読みたかった。

・ただ、そのダンジョン編がつまらないかというと、そんなことはないんですよ。ちょっと奢った表現させていただくと、「まあ、ぼちぼちたのしめ」るんですよ。でもなあ。作者の描きたいものと、おれの求めているものの乖離が、ちょっと大きかった2巻ということはいえますね。
(22:13:08)

「学園ノイズ」1巻 オオシマヒロユキ&猪原大介(スタジオDNA)

・学校=世界って作品です。あのオオシマヒロユキ&猪原大介。「下町狂い咲きキネマ」(少年画報社)の連載長編ってことで、期待したんだ。

・と、ド直球なんだ。「ハリスの疾風」「さわやか万太郎」とか、そういうのを思い出したなあ。

・まあ、設定だけなら、よくあるよね、アフタヌーンで連載してたヒロモト森一の「要塞学園」だかもそうだったかな。あと、とり・みき氏にもあったな。
・広大な学園都市が舞台の話ですね。

・高等少年院か移されるような更正施設である広大な学園。生徒会がすべてを牛耳り、授業=金という世界(この設定はうまいと思った)で、生徒たちは少ない自由と、あきらかな差別化の元、セコセコと生きている。
・そこに、赤いマフラーをまいたワケアリ男が来る。

・ってな感じで、わりと王道な展開になるんですよ。生徒会の精鋭たちをぶちのめしたりとか、ワケアリの過去とか。

・ということで、あと、あまり書くこともないくらい王道なんですよ。オオシマ氏特有の、ちょいとエキセントリックな描画も控えめでねえ。ストーリーも非常に安定してる。

・結論、普通におもしろいと。
(23:36:03)

2003年/5月/27日
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「るくるく」2巻 あさりよしとお(講談社)

・いいね! 連載誌「アフタヌーン」における「宇宙家族カールビンソン」みてえ(って、アフタヌンでもカールビンソン連載されてたけどね。あれはどうして中断してなかったことになっているのだろう?)。

・地獄の使者るくるくちゃんとその一味が、「世直し」のために中坊・六文の家に居候して巻き起こすショートギャグ。

・るくちゃんがかわいいのですね。いつもメイド服で物静かで。あとロリで。

・カワイイ方面では、レコードの話が好きですね。古道具屋でレコードを聞いてるオヤジ。るくちゃんにレコードをくれる。でも、家は電気が通ってないので聞けない。すると、六文がゲルマニウムラジオを作ってくれる。感激して聞くるくちゃん。で、音楽にあわせて踊りだす。それを六文にみられて照れる。
・んー!って感じ。

・ストーリー方面では、後半、敵対する天使たちが坊主と小坊主になって地獄の連中を目のカタキにする。そして、るくたちの事情、天使の思惑などのやりとりが、せつない。

・地獄は昨今、入場者が多すぎて受け入れが困難になっている。よって、地球をよくすることにより、善人を増やすことにより、地獄への入場を緩和するために「世直し」をしている。2巻ラスト「悪魔の修理工」ではかなり苦い展開になる。まあ、そこにお色気やギャグを投入するあたり、キャリアのワザなんだけどね。

・考えてみれば、前期の「カールビンソン」にしても、一見ギャグマンガだけど、実は絶望的ヤケクソ的な家族ドラマだったもんなあ。

・ということで、萌えたり考えたり大変な作品でした。
(18:35:22)

「西校ジャンバカ列伝 かほりさん」2巻 神原則夫(竹書房)

・命賭けてる雀士女子高生かほりさんの活躍を描くギャグマンガ2巻目。

・いきなり、ストッパーが取れたかのように時事ネタ、CMネタ、芸能ネタが増えた。なるほど、今、CMネタやるとこんな感じなんか。とくにオマケ4コマがそのアラシでしたね。来年読むとなにがなんだかわからないネタ多数。そういった意味じゃかなりナマモノ。

・ということで、相変わらず、かほりさんも命削り(自分のも相手のも)ながら麻雀してます。

・ナマイキなあとがき書くくらいなら、もうちょっと絵の精進したらどうだろう?と思いました。別に絵がうまくなることは、彼の直接のスキルアップにつながるワケでもないだろうけどさ。でも、あのあとがきがいろいろな意味で読後感を悪くしたのは事実ですし。
・まー、そういうのは胸に秘めとくだけにして、これからもがんばってください。
(18:47:05)

「えの素」8巻 榎本俊二(講談社)

・ついに、久々の長編、アメリカ珍道中がはじまった好評ビジネスマンストーリー8巻目。島耕作が中国なら前田郷介はアメリカだ!

・アメリカの清掃会社に特別顧問として、派遣されることになった郷介。パートナーに葛原さんを選んだが、田村政和の妨害に遭い、2人でいくことに。そこにジジイもついていく。同じく、インポのあまり、ゲイにはしった元社員ニ比(考えてみれば最初のちゃらい社員っぷりからイチバン変貌を遂げてるね)もアメリカへ。一方、二比のことを忘れられないタミーもロールを駆使して郷介・田村のいない会社に入る。
・そして、マフィアのドンの長女のバージンブレイクをしてしまう前田ジジイ。いきなり風雲急を告げるどうなるどうする(って連載誌モーニングを読んでるから知ってるんですけどね)9巻というカタチになっているのです。

・8巻のみどころをフラッシュで。
・描き下ろし巻頭カラーで田村亮子ちゃんの秘蔵写真。
・郷介と田村の鼻水を直撃して泣いている菖蒲沢。
・えの162でのこれでもかの羞恥プレイの連続コンボをくらう社長秘書(ファンです)。
・意外とマンガじゃ描くの難しそうなマーラー氏の奥さん。初老の金髪美女。鼻の横の線が絶妙。

・ゴボウ食って快便のミスコーマンの表情。
・初公開!葛原さんのビーチク。

・あと、細かい描写もいいですよね。花見のとき、車のトランクからビールを降ろしてる社長秘書とか、田村奥さんのアイロンがけの手伝いをしてる亮子さんとか。

・いや、8巻にして大復活ですよね。オマケ「ジョージの英会話教室」が9巻の伏線になってるので、ぜひ、マスターしてください。
(19:25:58)

2003年/5月/26日
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「素晴らしい世界」1巻 浅野いにお(小学館)

・次世代読みきり切りシリーズだ。連載誌は「サンデーGX」。
・ノリとしては、往年の「ヤングチャンピオン」にあった、「安穏族」「ハッピーピープル」「栄光なき天才たち」「Y氏の隣人」みたいな、1話完結の読みきりシリーズですね。

・んー、よしもとよしとも氏の21世紀チューンっていったオモムキですか。ちょいとズレを感じてる、それに焦燥を持ってる若者群像ってか。

・よくできてます。ポイントは「表情」ですね。
「森のくまさん」。女子高生をラチった男。ずっとクマの着ぐるみの頭の部分を被ってる。
「白い星、黒いほし」。いじめられっ子のひきこもり。
「シロップ」。予備校仲間でカゼのシロップ中毒のシロップ。

・これらが端的にわかるのだが、彼らの表情はかなり意図的に隠されている。で、その「見えない」表情がこちらの想像力を喚起し、深みを出している。
・たとえば、髪の毛に目が隠れてるキャラってのは、いろいろな作品で登場します。彼らはそれでも喜怒哀楽がわかるようになってます。
・でも、そういうのじゃないんだよな。
「どんな顔をしていいかわからない」状況のときに「どんな顔をしてるかわからない」という使い方をしている。これが効果的。どんな顔をしていいかわからないときの表情ってのは案外と覚えてないんだよね。それは各人ちがうだろうし。

・で、ここからは、薄くカンケイしてるけど、ちょいと逸脱したこと。
・最近は、この手の若者群像ネタ、よく目につく。いわゆる、ニューウェーブ〜サブカル系の流れにいる人で、マンガを描く才能をもってる人は挑戦したくなる題材なのかもしれないなあと思いました。等身大の自分が見てきた世界。

・これは「描きたい」ことだし、「描ける」ことだと思います。そして、たぶん、「描きたい」と思った人は、たいてい1作は描ける気がします。
・鈴木慶一氏が「だれでも1曲は名曲が書ける」という名言を残しておられます。それです。

・同性は自分の投影。異性はその合わせ鏡。そして、みてきたもの。これで1作はできます。

・問題はこの次です。たとえば、「伝えたい」「食っていきたい」とか、微妙に目的意識が変わった後の作品です。

・本作は、よかった。でも、その次はどうなんだろう?

・ぶっちゃけ、欠点は、男女各1種類しかいないような気がしました。

「脱兎さん」のトガさんは、「坂の多い街」の少女だし、「白い星、黒い星」のホズミは「サンデー・ピープル」のマンガ家だったりします。

・だから「次」です。
・もしかしたら「コータローまかりとおる」みたいに、一生「素晴らしい世界」を描いていかれるかもしれませんが、それは「次」じゃないんですよね。そして、「次」を描きたいと思っておられるかどうかは作者じゃないのでわかりません。
・ただ、おれは「次」を読みたいなと思いました。
(00:53:28)

2003年/5月/23日
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「青春☆金属バット」古泉智浩(秋田書店)

・なぜに秋田書店?と思ったけど、本書収録の「路地裏のバッター」が短気集中連載としてヤングチャンピオンに掲載されていたからなのね。秋田書店はなかなか絶版にしないところなので、おれがマンガ家なら秋田書店だよなあと思ったりする。

・本書は「路地裏〜」を軸にした作品集。

・相変わらず、地方の若者がくすぶって、空回りしてるサマを丁寧に描いている。
・考えてみれば、日本の7割以上はイナカにすんでいるんですよね。都会の人の声が大きすぎてわかりにくいですが。だから、たとえば、井上三太氏の作品よりは古泉氏のほうがより大きく深い(ときには不快)シンパシーを感じる。

・パチンコ屋の店員をやってる先輩にそそのかされて、店長から売上を強奪する予定だったが…「長い夜」

・究極のスイングを求めて素振りばかりしてる男。さえないバイト暮らしをしてるが、ある日、その究極のスイングができた。その日から運命のトビラが開く「路地裏のバッター」

・いじめられっこ2人が起死回生に生み出したのが聖火ランナーとして走ることだった…「真夜中の聖火ランナー」

・ひきこもりの男の生活「新しい絶望」

・という布陣ですね。どれもこれもハッピーエンドでありアンハッピーエンドであり日常でもある。ただ、本作は犯罪者が多い。でも、サワヤカな読後感がある。その時点での達成感はなるほど彼らの「青春」の1ページに加わるものなのだろうなあと。

・意外とこうことが大事なんだよなあと。充実した青春、かけがえのない青春ってのは、いくつのカタルシスを得られるかってことなのかもしれませんねえ。
・とかいって。

オススメ
(18:00:05)

「焼きたて!!ジャぱん」7巻 橋口たかし(小学館)

・7巻の最大のみどころは表カバーみかえしの月乃のラムちゃんコスプレ。

以上!

・ってできるといいよなあ。こういうので終らせるのって案外と度胸がいるんですよね。

・昨日の敵は今日の友の法則で、試合が終わり、準優勝の人が仲間に加わったかと思うと、フランスに渡って、また料理対決。
・なんつーか、話のテンポがよすぎて、キャラの「すわり」が悪い気がするんだよなあ。別に本作に限らず、最近の傾向の気がする。これはおれが今のノリについていけなくなってるだけなのかもしれないけど。
・別にキャラの判別が難しいワケでもないし、キャラが立ってないわけでもない。でも、なんだか、「すわり」が悪いような気がするんだよね。
・本作でいえば、主人公達は「パンタジア南東京店」にいる。でも、対決対決でちっとも店にいない。そのことがギャグになるくらい。それでいて、おれは南東京店に残る!みたいなこといわれても「はあ?」って感じになるんですよね。
・こういうの逆にバツグンに巧いのがゆうきまさみ氏かもしれないな。「そこに居る」って感じが強かった。
・ああ、生活感がないっていえばヒトコトで済んだのか。でも、それともちょっとちがうなあ。

・まあ、これはいいがかりみたいなものだからあまり気にしなくてもいいです。相変わらずテンポもいいし、ムリすぎるギャグで笑いをとるなんてネタも冴え渡ってます。「金色のガッシュ!」まで友情出演してます。
(18:15:29)

「GANTZ」9巻 奥浩哉(集英社)

・なるほど、この手があったか。って9巻でした。

・これまでは、同じ空間だけど、別次元みたいなところで戦っていたけど、今回は「現実社会」に、エイリアンが進出してきましたね。

・なんだか、クラスは壊滅だわ、警察が出るわでワヤになってます。これはどのようにオトシマエをつけるのでしょうか。

・ああ、奥センセのキャラは表情に乏しいんだなあってのが、今回、登場したニュータイプの女性キャラでわかりましたね。だから、もうひとつ感情移入できないのか。キレイなんですよね、基本的に。やっぱ、死にかけのときは、逆にギャグマンガみたいな顔をしそうな気がしますし、そのほうが「リアル」と思ってしまうんですよね。

・まあ、ともかく。10巻はどうなる?そして、この作品はどこにどうやって着地して終らせるつもりなんだろう?ってこともそろそろ気になってきました。
(18:45:28)

2003年/5月/22日
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「ちなつのシュート」青木俊直(同人誌)

・その昔、「ウゴウゴルーガ」というテレビ番組がありました。早朝子供番組です。もう10年以上前になるんだな。
・当時の最先端CGをバリバリ使用したトンがった番組だったのですよ。一時は、朝夕とやってたくらい盛り上がっていた。
・たくさんのコーナーがありました。「みかん星人あらわる」とか。テクノ童謡とかね。出演してたウゴウゴくんとルーガちゃんも、もう大人なんだろうなあ。

・その中の1コーナーとして「ちなつのシュート」(以下「ちなシュー」)は放映された。

・テレビでCGのマンガを連載するという試みで、フルボイスで止め絵が続く。声は、フジTVアナウンサー・大坪千夏氏(もちろん、主人公千夏役)やココリコ遠藤夫人・千秋氏なんかもいたよーな。が担当して、まんま、マンガをやっていたんだ。

・おれは、これ非常に楽しみにしてたな。当時、サラリーマンやってて、朝起きて、これをみてから地下鉄に乗っていた。

・この、マンガに声をあててテレビで放映するってパターンはむかしからちょいちょいとあって、たとえば、「新青年」という高橋幸宏氏のライブビデオでは、高野文子氏の作品。
・ほかに、ゴルゴ13なんかもあったし、梅図かずお氏の作品もあったかな。
・現在も、「ギャラリーフェイク/細野不二彦」が有料のWEBドラマとしてある。

・「ちなシュー」は、「ウゴウゴルーガ」のために描かれたオリジナルだ。マウスでグリグリと描かれたものだそうで。CGコミックのハシリにもあたるワケだ。
・それが10年の時を経て、同人誌として、マンガ本となったのが本作ですよ。

・やっと、中身の紹介に移れるな。

・元気な中学生のちなつ。いつものように遅刻寸前に起きて「近道」をしようとしたら、外車に轢かれかける。そこで、でてきた女性に「おさるさん」呼ばわりしてムカっとする。
・そいで、彼女がお嬢様私立中学の女子サッカー部の花形であることがわかる。そこで燃えたちなつは我が校にも女子サッカー部を作ろうと奮闘するのだった!

・って感じ。これが驚きなのは、読んでると「ちなつ」のフキダシから大坪千夏氏の声が出てくるんだ。ああ、そういや、おれ、これで大坪千夏氏のはっちゃけた声の大ファンになったんだなあと。大坪氏と千秋氏のユニット・千日前千夏・千秋のCDも持ってるもんなあ(ちなみに曲は近田春夫氏なんだぜ)。

・あと、テレビ用ということで、1コマ1画面じゃないですか。このための本化するにあたりコマ割りの必要性が起こるワケなんですね。これは、ほかのデジタルコミックなんかにゃあなかった現象ですよね。
・そして、それが最大の特徴になってたりします。なんつーか、ほかのマンガではない、独自のテンポが生まれているんですよね。こういうマンガってありそうでない。粗めの画面ってのも味なんですが、それよりも、大きいと思う。正直、それはかなり「独自」。ちょっと「え?」と戸惑い感じるくらい。

・で、おれは、前記のように、大坪氏の声が浮かんでしまう。つまり、テレビ放映時に準拠したスピードになってしまう。これが、かなり速いテンポだったんですよ。1回目は。2回目は普通に読めましたが、このとまどいはかなりおもしろい体験だった。

・数々の「けれん」に目が行きがちになるけど、その実、かなり王道のサワヤカスポ根なんですよこれが。
・通常のラストに感動し、描き下ろしのラストにまた感動と、1回で2度美味しいことになっているんですよ。

・ここで、もうひとつ、昔話だ。
・夏ごろに「ウゴウゴルーガ」のなんでもかんでも総集編みたいのがあったんだ。通常30分の間にいろいろあるコーナーをひとつにして、延々流すってのがあった。30分まるまる「みかん星人」だったりするの。当然、「ちなシュー」もあったのです。
・ただ!その日、おれは、結婚することになっていた千葉の娘とその家族を連れて、富山県の宇奈月温泉というところに泊まっていたのですよ、おれだけ別部屋で。
・で、朝起きたら、「ちなシュー」をやってる。それをみたときは後悔したねえ。「ビデオ録画!」と思ったほどですよ。しかも、朝食の時間なんてのも迫ってて最後までみられなかったんですよね。というか、部屋に呼びに来られるギリギリまでテレビにかじりついてましたよ。まあ、呼びにきたのが今の奥さんなんですがね。

・うむ。今度はなんとかDVD、ひとつどうにかならんかなーと。もちろん、オリジナル音声で。

・と、まあ、ぐずぐずと書いてきましたが、実は「なすのちゃわんやき」(ちなシューよりさらに10年前くらい?)からの青木俊直ファンだったりして、そういった意味でも「ちなシュー」OA時に「ウヒャーイ」とかいって喜んでいたくらいなのですよ。それが10年後に手元にあるってのは、だからもうまちがいなくうれしいのです。

オススメ

・入手方法は、ここ
(00:09:10)

2003年/5月/20日
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「AMAZONESS狂騒曲」伏竜(久保書店)

・1冊1本の長編。
・アマゾネスが婿を取りに現代日本にくる。自分より強くないとその資格はないとかいっちゃてね。で、アマゾネスに勝ったのは女の子だったのですよ。それからはじまるスラップスティックと。

・まー、女性じゃあ都合が悪いワケですよね。だから、魔術でオトコにしようとしたけど、「恋人」のメガネっ子にジャマされて、フタナリになると。フタナリっていうか、オッパイのある男性かな。
・だから、晴れて登場人物はアマゾネスのパートナーである猫以外はだいたい女性という図式が出来上がるのですね。理に適ってます。

・で、空手部の2人ってことで、お気楽ドタバタ格闘エロアクションになるのです。動きとか、かっこうは、でも、2D格闘ゲームのそれに近い感じではありますね。

・絵が好きなんだ。こういうコロコロと頭身が変ったりして、なおかつ、主線が太い、カワイイ絵ってすきだったりします。古くならないタイプの絵ですし。だから1996年のモノだけど、古さはないです。ああ、テンポや風俗なんかに古さはあるかもしれないですね。個人的にはマスコットのヤッホイ(猫かな?)がとくに可愛いと思いました。

・これ、不思議なのは、物語のキーであるアマゾネス・パミパミはエロ方面に参加しないんですよね。フタナリに変身させられた八神とか菊子はけっこうエライ目に遭ったりしてるのに。犬の群れにレイプされたりとか。まあ、最後にあとがきでサービスカットがありますけど。これはなぜなんだろう?少女ってことで自粛したのかしら?

・気に入りました。


「禁断少女」織田ヤスケ(東京三世社)

・作品集。
・バリエーションが豊富。ありがちな話をひとひねりしてる「芸」のある話が印象的ですね。

・告られた美少女が女装のオトコだけど拒めないでヤったオトコ。
・人の夢をコントロールできるオトコが、恋仲を取り持つ話。
・理科の実験中の事故で塩酸を太ももに浴びた女性と、浴びせたオトコの思惑。
・親友だった腐れ縁の2人(オトコとオンナ)が一線を越えた話。
・内気な女性が彼氏が別の女性に猛アタックされてるのに自信喪失。

・など。話はベタなオチが多いけど、スムーズだなあ、上手いなあと。

・しかし、絵がちょっと。ちょっとっていうかかなりアレ。あとがきで、「ときメモ」を「絵が古くさい」とけなしてたけど、おめえはいえないだろうと思いましたよ。そりゃ、絵を描かないおれもいえませんけどねえ。

・絵がなあ。中途半端な今風処理があるので、ときメモを古くさいとかいえるんでしょうがねえ、デッサン狂ったりとか、基本がアレなんだもんなあ。別にそれがエロを喚起するワケでもないし。


「忍びの奥様」1巻 飛鳥弓樹(メディアックス)

・普段はおしとやかな新婚ほやほやの奥様だけど、実は忍者養成学校でもトップクラスのくノ一。今でも友人の頼みで「アルバイト」で隠密活動をする。

・これが今のところ最大のヒット。普通におもしろいんだ。エロは弱いかもしれないけど、アクションあり、謎解きあり、サスペンスあり、で、非常にバリエーションが豊富。なおかつ、よくできてる。エロもうまくからませたりしてるし。
・スピリッツに載ってても絵以外じゃ見劣りしないだろう。
・絵はちょっとオールドタイプだからね。園田健一バリエーションかな。なおかつ、女体がどうにもオールドタイプ(まあ、キャリアのある人みたいし)。まんまるのどのアングルでもビタイチカタチの変らないオッパイとか。

・ということで2巻も手に入れようと思ったし、名前は覚えようと思いました。と、調べたら、2巻出てねえじゃん。でも、著作は多いことがわかりました。コツコツと集めていきます。


「僕のくの一注意報!」緒々田みの虫(東京三世社)

・こっちもくの一モノ。
・こっちのは、代々の名家の子孫である主人公(学生)のモトに身辺警護目的で美少女くの一がきて、うれしはずかし同棲生活というもの。そのうちライバルくの一はくるわで、こっちのほうはありきたりな展開ですね。
・くの一の必然性が限りなく0に近いです。別に宇宙人でも遠い従姉妹でも成立するんじゃないかい?

・設定ってのは、エロのバリエーションってワケじゃないんだよ。

・ほかの短編もそういう話。まあ、それはほかの作家にも共通する点でもあるんですけどね。

・絵はアングルでオッパイの大きさが変ってないかい?と思いました。ひょうたん輪郭のでかい目ですね。ちょいと昔です。1998年だからしょうがねえか。


「おっぱいが一杯」寿理(東京三世社)

・本作みたいのが、たまにあるんだ。
・絵も話しもアレなんだけど、エロイってのが。

・作者がどうというワケでもない。ただ、このマンガは童貞の欲望がストレートに現われていると思う。こんな女と思うさまセックスがしたい。このベクトルに突出してる。
・でかくてやわらかいオッパイ。乳首は小さ目。パイパン。従順。一途。そして淫乱。

・父親と近親相姦してる姉にジェラシーを持ってる弟。姉は察してヤらせてくれる。
・家出した後輩が1人暮しの自分の家にあがりこんで家事をしてくれる。
・自分にホレてる従姉妹が受験のために上京。タイミングよく親が旅行中。

・ファンタジーです。SFです。ただ、こういうシチュエーションのためだけのストーリーってやつです。こんな女どこにもいねえよ。逆にそう願いたいほどです。

・で、まあ、ズコズコに、イノチを削ってる。
・その昔、中国の絵師は、魂をこめるために、絵の具におのれの精液を混ぜたという(実話だそうな)。
・本作も、エロということに関しては、魂をこめてあるような気がする。精液はどうかわからんけど。

・その魂の作画が気に入りました。ただ、ほかのところにもタマシイをこめたほうがいいような気もしますが。
(16:50)

2003年/5月/19日
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「ちち」MANA-KO(一水社)

・インパクトのあるPNだなあといつも思っていた。「え?」と思うよね。

・とはいいながらも、おれはそういうケレンがキツすぎるのは、スルーしがちだったりして。よって100円買いです。

・と、PNのわりにはオーソドックスなものとなってますね。表紙がアレげですが、SMでなんだとか、調教がどうたらって感じの話はないですね。

・ちょいとSF、ファンタジー風味があるのはやはり伝統なんでしょうか。
・手のりホムンクルスにムリヤリしようとする話(スプラッタにはならない脱力オチ)。
・捨て女(人口増加で子供を産む女は迫害されるんだと)ってネタも多いですよね。たとえば、ダッチワイフロボとか、ミュータントとかがそれにあたるワケです。
・サンタが世界の子供にプレゼントを贈る代わりに毎年、美少女がイケニエになる話とか。

・目が大きいの(基本的に大きいエロマンガキャラにあってさらに大きく上回る)と、おわんを伏せたようなカタチくずれのないオッパイが特徴ですかね。

・普通。


「がんばれ太一くん!!」ロケット兄弟(桜桃書房)

・1冊で1本の長編になってますね。やりたい盛りの太一クンがウジウジしながらもヤリまくる学園ヤリヤリマンガとなってます。

・まー、基本的に「コメ」要素のあまりない学園ラブストーリーとして展開しているんですよ。
・本命がいるのにオサナナジミとやってしまい、その挙げ句、本命ともネンゴロとなってから、「おれやっぱり**(幼なじみ)がすきだ」と戻ってしまう、それはそれは下半身の欲望に身を委ねてる男が主役の話ですが、これをハッピーエンドで終らせたらマズイんじゃないかい?まわりのやつらもアホみたいに物分かりがいいし。

・いいよなあ…っと思うより、いいのか?って思ってしまうのは、オッサンだからかしらね?実際、こういう思考回路のやつはイッパイいそうだし。

・絵は6年前でも、すでにキツイんじゃないかい? THE 稚拙。主人公のチンポが妙にリアルでしたが。


「フェニックスパパ」かわらじま晃(フランス書院)

・1冊1本の話。そういえば、途中から買ったんで、未だに読んでない「レミング狂走曲 」なんて持ってるなあ。

・土方の父と2人ながらも幸せに暮らしていた千里だが、金持ちのクソガキの陰謀にはまり、父親は長期入院、娘は金持ちの家のメイドとして働くことになりました。
・あと、娘、金持ちのクソガキにヤられまくり。
・と、思ったら、父親がアンドロイドとして生まれ変わり、大アクション。ま、その間もヤられてるワケですが。

・エスカレートでバカバカしさを醸し出すってやつですね。「魁!男塾/宮下あきら」とか島本和彦氏とか。
・まー、絵柄とかは、コミックおめでとう文を描いておられる電光石火轟氏の影響が色濃いですね。電光石火氏もそういうラインです。

・おれ、ちなみに、そういうのはちょっと苦手です。「笑わせろ!」で切腹するようなの。こういうの別におかしくないし、すごいとは思わない。


「もうすぐ死ぬひと」猫玄(東京三世社)

・1ヶ月後に死ぬ人のもとに現われて、死後、魂と引き換えに女性をあてがう。そういう話。
・エロありの「死神くん/えんどコイチ」であり、悪魔の契約でありますね。かなり、狡猾な手ではありますよね。1ヶ月後に死ぬという運命は変えられない。その間を幸福に過ごすため、死に際を看取って、涙を流してくれる人がいるというために、魂と引き換え。わりに究極の選択ですね。
・ま、そもそも、悪魔の契約でタマシイ渡したらどうなるの?ってのがわからないんだけどねおれ。転生できなくなるってことなの?

・と、読み切りでそういうバリエーションを3パターンくらいやってから、意外な方向に話が動いて行く。

・そのガイドをする女性に焦点が当たるんですね。最後まで看取ってくれる女性に指名される。そしてどうなるどうなる?って感じ。

・これがひねってあって、深いし、なおかつおもしろいんだ。ラストも取りようによっちゃ、ハッピーエンドにもアンハッピーエンドにも思えるし、愛情にも憎しみにも感じられる。

・絵は摩訶不思議氏に似てるかな。いわゆるマンガマンガした感じ。

オススメ。古書店ででもみつけたら手にとってみてください。


「ひなちゃんのアルバイト日記」綾坂みつね(司書房)

・貧乏女子大生のひなちゃん(モデルとなった人が巻末寄稿してるわ)が、いろいろなバイトをするんだけど、毎回レイプされるというマンガ。
・ちなみに、そのあと、レイプしたやつはたいていボコボコにされてますがね。

・綾坂氏の特徴は女性キャラのいつもうるんだ瞳描写ですかね。少女マンガ的といえますが、それよりウルウルしてます。エッチ前の普通のときから。

・なーんか、レイプモノってダメなんですよねえ。痛々しくて。だから、やられた後、ボコボコにしてますが、それでチャラじゃないだろうって思うんですよ。というか、そもそもやられる前からボコボコにしたらどうだ?とか思ってしまうんですよ。

・ただ、マンガとしてはよくできてますねえ。バリエーションも豊富だし、いろいろなところ、スミズミまで目が行き届いている感じ。さすが有名作家。
(16:55)

2003年/5月/18日
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「ザンゲのねうちもない」海野やよい(司書房)

・女性SMマンガ家の海野やよい氏のエッセイ4コマですね。
・おれ、SMマンガ家としての海野氏を知ってるかどうかわかりません。わからないというのは、読んでいたにせよ、読んでいないにせよ、「縁」のない人な気がします。

・これ、表紙からいうと、西原理恵子氏からのライン上にあると思われます。そして、芸風やノリもその西原ライン上にあります。

・ただ、内容がちがいますね。飲食と旅とオナニーとセックスと愛のエッセイマンガですね。カバー裏の見本4コマによると全部実話だそうです。

・曰く、
・女性エロマンガ家は、そのときつきあってる男のチンポを描く。
・昔の恋人だった、しのざき嶺氏(かなり頻繁に登場する)についてのエロ話も多数。ちなみにしのざき氏は40歳のときに20歳の女性と結婚してるそうだし、素でモテモテだそうだ。なんか納得です。
・そのしのざき氏と京都に旅行に行ったとき、舞妓の写真を撮った。ちなみにしのざき氏は素浪人っぽい格好。そして、その写真はコミック(タイトル忘れた。けっこう前の)のカバー見返しにあったりする。
・バイブ好きだが、動かなくなってので2代目を買ったら、かなり色が変わっていた(淫水焼けしたのかしら?)。
・北海道に1人旅にいったとき、テイクアウトで蒸し毛ガニをもらって指先を血だらけにして全部たいらげたり。
・アナルセックスは慣れるまでは抜くほうが痛いとかねえ。

・と、かなりのアケスケな日々を10年に渡り描かれてますよ。

・うーん、4コマ1ネタということなのか、かなり、ネームが多いんですよね。で、全手書き。これがちょっと読み応えアリ過ぎ状態。中の1本は最初の1コマ以外全部文字ってのもある(4コマじゃないなって枠外に自分でつっこんだり)。
・絵柄もけっこうコロコロ変わってます。おもにペンが変わってるのか?って感じなんですけど。

・しかし、本当、「愛」に生きてますねえ。10年のうちに何人も男が変わってますし(わりとみんなそのあといいオトモダチになってます)。そこいらもビッチリ描いておられる。
・しかも、その別れ具合なんかも描いてる。ここいらがスゴイなと。

・あと、「食」にも生きておられますね。あと「オナニー」と「酒」と「旅」と。これらがそれぞれ大事なんですよね。そういうのが非常によくわかります。

・と、下ネタ多数なんですけど、いやらしくないです。むしろ「引く」くらいアケスケです。すみません降参しますって感じ?

・海野氏はステキな女性だろうなと思いました。
・今度、著作を挑戦してみようかと思いました。
(21:48:58)

「犬夜叉」30巻 高橋留美子(小学館)

・奈落が2つになっちゃった。
・あと、弥勒が珊瑚にプロポーズしちゃった。

・なんつーか、麻雀用語でいうところの「まわし打ち」みたいなのが続いてますよね。それでいて、手ができていくのが「玄人(ばいにん)」ならではですよね。

・ただ、玄人になりすぎてるような気がしてて、読んでておもしろくねえんだよなあ。これは、ライバルであろう、鳥山明氏の「ドラゴンボール」の後半にも共通する「よそよそしさ」を感じてしまう。そりゃ、トモダチなんかじゃないんですけど、なんつーか、「Dr.スランプ」時や「うる星やつら」のときのような、親しみってのがない感じ。まあ、それは、いろいろな変化があって一概にはいえないものですが、イチバンなのは、「楽しんで描いてる」ってな雰囲気があまり感じ取れないことかもしれないなあ。
・しかし、それだからつまらないってことはないんですよね。この感覚は何回か書いてるけど、「サビシイ」ってのが近いかもしれない。
・完成度が高い。でも、それだから、印象に残るかっていうとそうでもないんですよね。

・まあ、どうなるんでしょ?おれは、正直、4巻以降から、「惰性」です。長く続いてますよね、我ながら。
(22:43:58)

2003年/5月/16日
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「スケッチブック」1巻 小箱とたん(マッグガーデン)

・ほんわか美術部4コマ。

・おれが今まで読んだ中じゃイチバンの「あずまんが」フォロワーだなあ。ちゃんと消化した上での自分ってのを出していると思いますよ。

・美術ネタ(小道具ネタが多い)ありいの、動植物ネタありいの、女子高生のキャピキャピありいの、地域ネタ(福岡か?)ありいので、それらは滑ってるのもあるけど、バシッと決まったり、いいようのない読後余韻を与える。

・最大の弱点はキャラ。「あんた誰?」ってのが随所に。あずまんがのみならず、おれはこのキャラ設定を飲み込むのがニガテだ。とりあえず、へりくだってニガテということにしておいてやる。
・なぜか、大勢使いたがるんだよね、キャラ。最近の全般的な傾向として。おれはオールドタイプなので、あまり無意味にドカドカ出されると把握しきれなくなるんだ。
・本作でもまったく脈絡無く、新キャラとしての紹介も無く、そこにいて、4コマをはじめたりしてるんだ。
「おめえは誰で、どうしてそこにいるんだ?」と。いったい本作の美術部員は何人いるんだろう?そういうのがひっかかってムズムズする。

・ええと、こういう傾向は女性作家に多いような気がします。本作の作家が女性か男性かわかりませんが。たとえば、「ハレグウ」。たとえば、「そんなやつはいねえ!」(キライなのでタイトルまちがってるかもしれないが、それを訂正したり、正確のを調べる気もおきないくらいキライということで、ご了承ください)。

・と、今、すでに読み終えてる奥さんに聞いたところ同じこといってました。だから、あんまり性別関係ないみたいですね。

・この「キャラ紹介」の技術ってのは、もっと研究したらいろいろとおもしろいかもしれないなと思いましたよ。
・そして、そういった意味でも「あずまんが大王」のすごさってのがまたあらためてわかるのですよ。
・わざとらしい自己紹介でなし、かといって、さりげなくでなし、そうしておいて確実にキャラの区別がつく。たとえば、「ヨミ」の登場は非常に鮮やかですよ。神楽とかも。

・で、本作。けなしてる印象があるとお思いでしょうが、おれは本作、非常におもしろいと思ってるのよ。

・ぼえーっとしてる梶原空、暴走気味の先生(春日野日和)、九州弁バリバリの麻生、ケチの鳥飼、得体の知れない空閑センパイなど。(ああ、こうやって書いて、我ながらキャラを再確認してるよ)

・ネタですきなのは、オチとか笑うとかじゃないけど、鳥飼が、雨宿りしていて、なにげにタンポポ風車を作り、回しているってネタが、余韻があったなあ。
・あと、梶原空が宿題で辞書を調べてたら、四葉のクローバーが次から次とでてきて、一気にシアワセになってポワ〜ンとしてるってのも。

・ダラダラとつづきますが、空閑センパイ。「ぱにぽに」でも似たようなキャラが登場します。実はこのキャラって実は使いづらいキャラなんじゃないかと思ったりします。つきつめると、吾妻ひでお氏のブキミになりそうなキャラ。はたまた、いがらしみきお氏のムン坊とか。

・ということで、基本的にぐだぐだとたくさんここに書くってことは、それだけ書くことや想うこと、インスパイヤされることが多いってことなんですよ。

・すなわちオススメということなんですよ。
(22:51:50)
2003年/5月/9日
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「バジリスク」1巻 山田風太郎&せがわまさき(講談社)

・山田風太郎氏原作の「甲賀忍法帖」のマンガ化です。

・徳川家康が世継ぎを甲賀と伊賀との戦いに勝利したほうにつけると決めたためにおこる10vs10のバトルロイヤル。
・そうそうたるビッグネームで書かれたオムニバス連作の「忍法十番勝負」をホーフツとします。

・山田風太郎氏ったら、そこいらのSFやファンタジーも顔負けなくらい奇想天外な話をよく書いております。おれはエロな話「くノ一忍法帖」とかが好きです。最近映画化された「魔界転生」なんてのもそうですね。

・もう、忍法とかいうより、フリークスのあつまりみたいな10人づつの精鋭。たとえば、ナメクジのようにドロドロにカタチを変えられるもの、全身の贅肉でゴムまりのように動けるもの。ツバがニカワのようになってるために、クモの巣みたいなもので相手を捕らえるもの、両手両足がない男。と、そのモチーフはなんとなく昆虫的なものがありますね。

・それをCGバリバリのせがわ氏の絵によってマンガ化です。これはいいコラボレですね。
・とくにいいのは、テンポ。次から次へと登場人物が出ては戦うと、ここいら、原作どおり虫けらのように死んでいく忍者の哀れみたいのがよく再現されていると思います。スピード感もありますしね。グロもエロもあります。

・ただ、どっちが甲賀でどっちが伊賀なの?って気にもなりますし、なんで「バジリスク」ってタイトルなの?とも思う。
(11:58:31)

「殴るぞ」3巻 吉田戦車(小学館)

・吉田戦車のおもしろ4コマ。3巻目です。

・ちょっと飽きてきたのだが、これはおれの心境の変化なのか、全体的な兆候なのか知りたいところだ。「コミックビーム」で連載している「仁侠さるかに合戦」はまだおもしろいと思う。

・どうも、キャラモノが多くてワンパターンだからじゃないかと思ったりする。お手伝いカワウソ・和歌子シリーズ、気配り犬、オペ途中先生(表紙だ)、妄想・のぶ子など。

・個人的には、非キャラの、夜道を歩く女性に不審がられないように「ふるさと」をハミングして歩くってネタがよかった。
(12:21:40)

「ガタピシ車でいこう!!」4巻 山本マサユキ(講談社)

・これで、最終巻かと思ってました。風からはじまって、林、火、山ときて。
・でも、次は「東」巻になるそうです。で、西、南、北と。で、「迷走編」になるそうです。
・おもしろいからいいんですけど。

・今回も例によって、ガタピシなクルマが大好きな面々が多数登場します。彼らの純粋にクルマサイコー!ってな真摯な態度をみていると、なんだかクルマ好きもいいもんだなあと思ったりすることもあったりなかったり。

・ムコ養子のために、秘蔵のエロ本をクルマに隠している男、次の部屋を決める前にアパートを出たために車内で寝泊りする生活などなどね。

・あと、オマケが多いのも本作の特徴。単行本用の描き下ろし連載「香奈ちゃんとFIAT500」も大団円も迎えました。次からは新シリーズがはじまりそうね。

・ということで、毎回テンコ盛りシリーズはまだまだ続くのです。
(13:01:29)

2003年/5月/7日
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「風雲児たち」13巻 みなもと太郎(リイド社)

・シーボルト編スタート。外人さんがメインになるってのははじめてなんじゃないかい。ほかには、間宮林蔵、高野長英、渡辺崋山と、その波乱に満ちた生き様を描いてますよ。

・こうやってキャラ化してマンガ内で生命を与えて動かすということが歴史に対しての入り口をいかに広げる画期的なアイディアだって、文部省は早く気が付くといいんじゃないかな。
・もっとも、今は、ゲーム(コーエーのSLGとかね)もその役割を担っているがね。

・この時代、その「勉強」をしたい場合、かなりのものを犠牲にしなければならない。考えてみれば、ここに登場する「風雲児たち」の多くは、「知りたい」という欲求で、命をかけたり、多大な迷惑をかけたりしている。上記のメンバーみんなそうだ。
・シーボルトはドイツ人でありながら、オランダ人と偽り、外国人ではじめて出島の外に出ることに成功した。
・貧農の出から、成り上がるためになりふりかまわず、ついには、生涯孤独になった間宮林蔵は仕事で成果を出すことでしか自分の存在をアピールできなかった。
・高野長英は学問したいがために、家も許婚も捨て勉学に生きる。
・渡辺崋山は、身分のコンプレックスから儒学者を目指した。儒学者ならば大名もへいこらするから。だが、限りなく貧乏な家のため、食うために画家になる。そして、睡眠時間がほとんどなく、儒学を学び、絵を学び、蘭学(オランダの学問ですか)を学び、家に帰って、「仕事」の絵を描くという生活を延々続ける。

・ま、このようなスバラシイマンガを読んで、なんか調べるときはネットで1秒で調べることができる今に彼らがいたら、さぞや大手のテキストサイトを運営してたろうなあと思う。って、そうじゃねえな。

・あと7巻。今年いっぱいは楽しめますね。しあわせしあわせ。
(10:16:58)

「あつし渡辺の探訪びより」風間やんわり(講談社)

・テレビ朝日系列で放映している「渡辺篤史の建もの探訪」という番組のパロディマンガ。まず、この番組を知ってるかどうかが大前提。
・俳優の渡辺氏がこだわり住宅を訪問して、「ほー、ステキな玄関だぁ」とかいって住宅を探訪する番組ですね。

・それのパロディ。すなわち、いった家がいきなり火事で焼けた後。ヤクザの事務所。高架下のアパート、元彼女の家、ダンナが死んで葬式してるとこ、などなどね。

・本作は「イブニング」というモーニングのファーム調整用月2回誌に連載されていたものです。だから、すべての話は読んでます。
・おれは、基本的には定期購読誌で読んでるマンガのコミックは買いません。キリがないですし。ただ、あまりにもおもしろすぎるものは買います。例外ですね。
・本作の場合、おもしろすぎるワケではないんですよね。好きでしたが、コミック買うほどじゃねえなと。しかし、本作は「おもしろすぎる」以外の理由があった。

・それは前記の渡辺篤史氏と、風間氏の対談があったからです。正直、これを読みたいがために買ったのです。
・おれも、「建もの探訪」は、なんかの拍子にみると、延々みますし。彼は「ほー、これはいい庭だ」といってるココロの中でなにを考えているのか知りたかったんだ。

・これがまた、本編あわせてもベスト!ってくらいものすげえおもしろい対談なんですよ。あの対談の通りだとしたら、渡辺篤史氏っていい人だねえ。風間氏もいい具合に話を転がしてるし。それこそ、1回、収録に風間氏が立ち会って、リアル「あつし渡辺」をエッセイマンガ化したほうがおもしろかったんじゃないかなと思うくらい。いや、今からでもいいからやればいいのに。

・ま、対談のとこだけでも立ち読みされるといいと思いますよ。ただ、大前提として、「建もの探訪」をみてないとおもしろくないですけどね。
(10:30:36)

「俺フェチ」1巻 桑原ひひひ(角川書店)

・うーと、ギャグマンガですね。なぜ、買うことにしたのかよくわからないんです。桑原ひひひの「ひひひ」にキラリと輝く原石?と思ったのかもしれません。

・「あずまんが大王」以降のオタク系ほのぼの風味ギャグマンガですね。まったく、あずまんが大王は、テキストサイトでいうところの「侍魂」みたいな衝撃を各界方面に投げかけた。
・いっしょにされると、みなさんも不快だろうし、「おれんところは、あずまんがより前にこういうことをやっていたんだ」とはいいますが、インパクト、知名度で、あずまんが以前・以後という区分けは明確にできてしまってますからね。

・あと、そのテキストサイト以後の作品ですね。ネームなんかにその影響がかなり多く見受けられます。まあ、今やメインストリームなもんですから、やいのやいのいうこともないんですけど。

・で、導かれるのは、学園ほのぼので、随所にテキストサイトな言い回しが目に付くギャグショートということですね。
・主人公は巨乳で猫耳な子。なぞのウサギ生物。ツッコミ役のトモダチと、ほがらかほがらかに。
・でも、主人公からして巨乳&猫耳という狙いすぎなキャラなのに、エロくないってのはどういうことなんだろう。みんなキャラはカワイイんだけどね。

・作者はもっとほのかに香るエロとかにココロを砕くといいんじゃないかと思いました。いや、そういうマンガじゃないんでしょうが。

・そのほがらか雰囲気はいい感じですよね。
(11:16:53)

「PS羅生門」3巻 矢島正雄&中山昌亮(小学館)

・ハミダシ刑事どもがいる東都警察、通称・羅生門の面々が繰り広げられる1話読みきりヒューマンドラマ。

・あいかわらずの高水準。絵も原作も文句なしですね。

・ヤクザと警察との暗黙の了解である、出頭する前に猶予を与える習慣。
・Oヘンリーの短編小説みたいな、貧乏な同棲カップルの間に起こった事件。
・加害者に肩入れする黒田という刑事の話。
・容姿がちょっと奇異なために苦情の絶えない交番の警官の話。

・おれが好きなのは、昼休みのオフィス街で飛び降り自殺しようとする男に、明日で定年退職する刑事が説得にあたる話。この苦いハッピーエンドはなかなか考えさせられる。

・あと、上記のOヘンリー話と並行して描かれる女刑事のクリスマス話もよかったね。あそこをシルエットで表現するところの巧さ。

・まあ、すーっと読めて、「あー」と嘆息する読み応え。本体505円(税別)分は十二分にタンノウできる味わいですね。
(19:54:24)

「魔法少女本願寺美礼」どざむら(大都社)

・魔法少女の登場するドタバタギャグ。
・なんだか、非常にギクシャクしている。胸とおつむの足りないヘタレ魔法少女ってことなんですが、あまり、魔法とか関係なくてさ、ただの色ボケ女に、ツッコミ女があまり効いてないボケにツッコムという感じ。常時クールな感じなんですね。クールじゃねえな。コールドか。

・その他短編各種。

・前作にあたると思うのだけど、「SING OUT」は、ラブコメ(タイトル忘れました)の連作が主軸としてドッシリ構えていたので高評価だったのが、今回はその真逆の印象を持ってしまいました。

・うーむ、まあ、カンタンにいうと「イマイチ」なんですね。
(20:15:11)

「警死庁24時」4巻 大和田秀樹(角川書店)

・おバカ警察ギャグも4巻目。
・今回は警死庁設立秘話と、世界中の警察が競い合う「ポ杯」が大きな柱かな。

・警死庁設立秘話は、大和田氏「風雲児たち/みなもと太郎」読んだんじゃねえか?ってほどバカげてます(ホメ言葉)。だって、坂本龍馬が設立者だぜ?
・そいで「ポ杯」な。まあ、警死庁の入隊試験と似たノリですけど、トーナメント表は熱血マンガにはなくてはならないものですしね。

・そのまま引きになってますし。いや、今年が大和田氏のピークだったりして。「HEAVENイレブン」もおもしろいし。
(20:49:00)

「COMAGOMA」4巻 森下裕美(集英社)

・なんだか、あまり見かけなかった。出版数が下がったのか。地元の本屋には入ってなかった。最近、ハードカバーのコミックってどんどん少なくなってるね。してみると、「安いほうがいい」という状況はまだまだ続いているってことなんですね。

・内容のほうはかなり分岐点だったのかもしれない。
・出世作でありアニメ化もした(今、キッズステーションで毎朝やってる)「少年アシベ」の人気キャラ・ゴマちゃんとアシベを主軸に据え、アシベの父方の祖父は一切登場しないものになった。それはどういうことかというと、父方の祖父は大会社の社長で、かなり、アクのある社員が多数登場した。それをカットするということだ。あくまで、アシベの視線での小学生(とアザラシの)ほのぼの4コマという点だった。

・元々の絵がかわいいのでそれでも十分やっていけた。そこで描いてないものが「スーパーまるでん」になっていたのだと思ったのですよ。すなわち、「ここだけのふたり」を遠心分離機にかけた、上澄みが「COMAGOMA」(および、新聞の4コマなど)になって、下の沈殿物が「スーパーまるでん」になっていたような気がするんだな。
・それが、「スーパーまるでん」が終了してしまいバランスがおかしなことになったのだろうか。どんどん「COMAGOMA」に「沈殿物」が見受けられるようになった。

・ま、要するにアクの強い人物が現われたということだ。
・4巻は「ここだけのふたり」でも登場したオシの強い女性であり、アシベたちの担任でもある佐藤先生のための巻であったな。
・一応、アシベのゴマちゃんに対抗するというカタチでスガオくんにもカエルのカルロスなんて新キャラが登場したり、美人でお嬢様だけど、重機が大好きな先生とかも登場したけど、佐藤先生に押しつぶされる感じ。
・唯一対抗できるのは、変な校長くらいかな。

・うむ。この変化からわかることは、森下氏って変な人を描かずにはいられない性分なんだなあってことかな。初期作品集「金魚のまくら」にあった4コマからしてすでに変な人のオンパレードだったもんな。
・この「変」ってのは、あくまで、日常から少しこぼれるようなタイプの「変」ね。大幅に逸脱することはないんだこれが。それは森下氏の美意識に反するのかもしれない。前にエッセイ的なあとがきで「普通がいちばんおもしろい」というようなことを書かれてましたし。

・そして、p129の「テクニック」という4コマがまたちょっと異質。


「女は男の話なんてほとんど聞いてないからね」

・なんてセリフを小2に吐かせるんだもんなあ。このセリフ、本当、シミジミそう思うときが多いです。とくに奥さんと話してると。
・で、そのくせ、いったときの状況や大まかなことだけは記憶してるんですよね。
・グチいってもしょうがないんですけど。

・ま、なんのかんのいって楽しめました。
(21:57:15)

2003年/5月/3日
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「ONE PEACE」28巻 尾田栄一郎(集英社)

・「バトルの中に輝く「感動」!!!」だそうです。
・ついでにいえば、折り返しに次の巻は7月4日発売とあります。
・そして、累計8200万部。印税いくらよ?

・空島編は、いきなり佳境に入ってますね。今回、バトルしながら話をすすめる、しかも、同時多元中継でって、前回のアラバスタ編より、さらに複雑に進行してます。

・前回のアラバスタ編は、軍隊と軍隊の戦いでしたが、今回はもっとバトルロイヤル的に乱戦状態になってますね。
・今、ゾロが戦ってたと思ったら、次のページはルフィ、そして、チョッパーといった感じでバラバラと場面がめまぐるしく変わる。

・いや、正直、巧くなったなあと思いましたよ。イマイチわからんところもあるんだけど、戦いながらも少しづつ謎が解け、話が進んでいく。このサジ加減が本当に巧い。今回、バトル漬けってことで、戦いにも微妙にギャグを仕込んでるし。とくにゾロがギャグやるなんてシーンもあるし、チョッパーのソロバトルもある。

・うん、この構成ってのは案外と新機軸じゃないでしょうかね。

・あと、チョッパーがまたひときわかわいくなりましたね。バトル、キメ技のあと、鼻水たらしながらカチドキをあげるチョッパーがかなりいい感じでした。
(15:57:37)

「ナッちゃん」9巻 たなかじゅん(集英社)

・なにげに長いですよね。いや、おもしろさは変わってないので当然でしょうが。

・父の跡をついだ鉄工所を工夫と根性で乗り切るナッちゃんのド根性マンガ。関西風味。

・9巻はまたバラエティに富んでたわ。ネタと工夫と通常の話、どれもバラエティだった。巻ごとのまとまりや完成度でいえば、もしかしてベストかってデキでした。

・「壁ぎわ税務官」さながらのコンゲーム(サギ)あり、工夫はなかったけどスティールドラムの作り方なんてのも、脇キャラの辻口やエリカ編、さらには、ライバル出現まであった。

・そいでもって、毎回ゴクローサンと思ってたナッちゃんの髪型を変えたのは、やっぱり、大変だったからなん?ものすげえ変な髪形にされて、ずっと帽子を被るようになる。そして、無理矢理取られるときの「やーん」って顔がちょっといいなあと思いました。

・あと、苦言らしきこと。巻末のあとがきと、カバー折り返しのまえがきみたいの。あれは、もっとサッパリさせたほうがいいような。なんつーか、非常に神経質な印象に映るね。実際、そうなんでしょうが。よくいえば、実直なんでしょうね。

・1回くらいためしてみてください。オススメ
(16:16:21)

「元祖浦安鉄筋家族」3巻 浜岡賢次(秋田書店)

・表紙のアカネがかわいかったのでつい買ってしまいました。

・まー、がんばっておられると思います。たぶん、ギャグマンガで一番精緻な描写じゃないでしょうかね。

・ただ、おれ的にはマンネリ感を拭い去ることがどうしてもできません。
(16:22:34)

「ファミリーペットSUNちゃん!」1巻 岡崎二郎(小学館)

・これは新機軸。
・岡崎二郎氏は、藤子不二雄FのSF短編の直系だと思っている。となると、さしづめこれは岡崎版「オバQ」じゃないかね。

・オオサンショウウオのサンちゃん。言葉も喋れば、酒タバコもやる。そして年齢100歳。それが霜月家にやってきた。もともとの理由は、両親が床屋で家事全般おしつけられて、ストレスで爆発しそうになってるサトコのココロを和ませるという理由で、双子の妹がみつけてきたんだね。

・で、まあ、態度の大きいサンちゃんをいじめることでストレス発散できてメデタシメデタシという感じなんですね。

・ストーリー的にはホノボノショートとでもいおうか。従来の岡崎マンガからウンチクとかSFを抜いた感じ。
・じいさまは、町内でも顔で、悠々自適な隠居の身分。父親は気が弱い感じ。サトコはけなげ、双子の妹は元気いっぱい。母親はちょっとキャラ的にみえてこないかな。

・もう、p62のサトコの笑顔みただけで、オールOKですよおれは。

・でも、世間や編集や岡崎氏はそう思わなかったみたいで、徐々に、ウンチク系がさりげなく混ざっていく。

・そいでもって、第2のペット、カラーヒヨコなどのテコ入れもありいの、で、世界はウンチクを交えい広がっていく。

・そして、それはそれで、岡崎氏の持ち味だからいいんだ。

・そっちでは、ペットボトルロケットの話がよかったね。

・よかったぞ。
(16:54:41)

2003年/5月/1日
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「Landreaall」1巻 おがきちか(スタジオDNA)

・これは、けっこうプッシュしている感触のあるyama-gat siteに影響を受けて、「どんなもんじゃろ?」と手に取ってみた。

・リンク先にあらすじあるから読んで、ってケチなことはしませんよ。おれもちゃんと書きます。

・いつごろから流行ったのだろう?ナンデモアリファンタジーな世界。「ドラゴンボール」あたりが発祥になるんかしらね。そういう感じです。忍者がいて、今風の服をきていて、拳法があって、魔法があって、魔物がいて、バイクで移動して、って世界だ。まあ、昨今はゲームでそういう世界には、別段拒否反応を起さない人が多いよな。おれはちがうけど。ハヤカワ文庫も「FT」は絶対に手に取らなかったおとこだ。アイビージョーというあだ名の男に「指輪物語」をしつこくすすめられても「いや、おれはいい」と断った男だ。トミノアニメも「ダンバイン」で連続視聴が止まった男だ。

・ま、昔の話ですがね。そういうこといっちゃ、RPGとかできないじゃん?もっとも、今、RPGほとんどやらんけど(どっちやねん?)。

・あらすじでしたね。
・後半にある「クレシェンドマリオン」がはじまりになるんだな。洞詠士と傭兵2人の活躍により火竜を退治する。だけど、アレがコレになってしまうんだな。そいで、傭兵の子供である兄妹が活躍する物語なんですね。

・本作、セリフが絶妙なんですよ。この後やりますけど「なななな」と比べると、もう雲泥の差。アッサリした絵に説得力と迫力を持たせているのは、セリフ回しでしょう。

・必要最小限でありながらも、キャラを立て、ストーリーを進行させ、迫力を出す。
・とくに、ストーリー進行のためのセリフ。これをさりげなくするのはけっこう難しい。

・まあ、弱点として、どうしても不足気味になる「説明」ってのがあるんですけど、ここいらの捌き方が非常に巧い。おれ、実はこういうのニガテなんだもん、だから、いいものは絶対にわかる。本作は「わかった」んですねえ。

・クールな兄、カッとなると我を忘れる拳法の使い手の妹、彼らの影となり同行している忍者のロッコー(こいつ、バイクにどうやってついていってるんだろう?)など、レギュラーキャラもいい感じ。それに見合い相手の魔法使いもからんできて、つづきがマジで楽しみだったりします。少年画報社の「エビアンワンダー」も試してみようかなとちょっと思いました。古本屋でなかったので、機会があれば買うかもしれません。

・絵は「反町君には彼女がいない」の有川祐氏に似てるような気がしました。
(23:10:21)

「なななな」1巻 原田将太郎(メディアワークス)

・苦しい。1話目からセリフの半分以上が「説明」なんですよ。

・レギオンって名前のアンドロイドがいる未来の警察マンガ。主人公以外の登場人物が女性という、警察版「ラブひな」状態。

・とにかく、設定ありきで話をすすめて、その設定を全部いわないとって気持ちが働いているのか、とにかく説明ばっかりなんだよ。そして、それはメチャクチャ不自然なんだよ。全ての設定をセリフでいわれてもなあ。
・いや、そういうのはわかるんだよ。物語を円滑にするための説明は必要だよ。でも、ちったあ工夫したらどうだ!っていいたくなるんだよな。それくらい多いんだ。

・で、それが、基本は「ラブひな」なんですよ。まあ、アンドロイドと人間の愛は存在するか?ってコンセプトらしいんですけどさ。そりゃ、あんた、4コマで「指輪物語」を5pでまとめてくれってくらいのムリさがねえか?ってなもんでさ。

・だけど、問題ったらそれくらいでさ。ラブコメとみるなら、けっこう面白かったのです。キャラは、クール&ビューティー、ロリ、元気印の主人公(巨乳)、ボーイッシュと、磐石。
・ギャグは、ドーナッツ好きな主人公が「ドーナッツでも食べて頭を冷やしてください」といわれて、本当に食べたら、冷やしてあるドーナッツだったってのが、ワケわからんでおかしかったですね。こう書いてしまうとおかしくみえないけど。

・あと、セリフ「…」も多すぎね。これは編集のせいだと思うぞ。もっとネーム時にセリフにダメ出ししれ。

・あとがきによると、2巻からはマッタリコメディになるってことなんで、ちょっと期待してみようかと思いました。
(23:37:30)


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