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ポトチャリポラパ/コミック/2003年
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2003年/8月
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2003年/8月/30日
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「よつばと!」1巻 あずまきよひこ(メディアワークス)

「すごいおもしろかった」
とは、上のガキ(小3)の感想。何回か爆笑してました。

「んー、イマイチ」
とは、奥さん(34歳)の感想。

・で、これから、おれの感想。
・さて、「あずまんが大王」というのは、たぶん、歴史に残る作品であると思う。それはもう、手塚治虫、大友克洋、鳥山明の次くらいに。いえ、おれはまったく冗談でいってないですよ。真剣にそう思うのですよ。
・こういうのは、評価云々より、フォロワーの多さがポイントなんですよね。上記の作家はどれだけ真似されたと思う?

・で、あずまんが大王なんだけど、これは本当、画期的でしたよ。オタク系のマンガで、ど真ん中の学園4コマでしたからね。しかも、髪の毛もみんな黒だったんですもんね。そういうマンガ的な約束を全部抜きにして展開して、なおかつおもしろかった。これは実はかなりスゴイことだったりします。

・さて、本作ですが、よつばとお父さんが引越してきて、大騒ぎするマンガですね。非4コマです。

・この版型にしたの正解ですね。青年誌の通常コミックのサイズなんですよ。おれ、連載誌「コミック電撃大王」で立ち読みしたとき、なーんか、ピンとこなかったんですよね。間延びしてるというか。それが、ちょっとキュッっと縮小されてていい感じでした。

・話としては「クレヨンしんちゃん」なよつばがハチャメチャやる話ですね。ちょっとよつばの出生とかアレになってますし、なにより、よつばだけ、髪の毛が緑色だしね。これは意外にポイントかもしれない。あずまんが大王でいえば、ちよちゃんの器にともの行動パターンと大阪の天然っぷりを盛り込んだ感じ?

・非常によくできてます。ファーストアルバムで大ブレイクしたノーマークが、もてる限りをぶち込んだ2枚目って感じです。

・ただ、なんか足りないような気がする。それがなにかちょっとわからないんだけど、仮定としていわせてもらうと、本作もまた「あずまんが大王」のフォロワーになったんじゃないかと。

・いや、でも、「あずまんが大王」も足りないという感じはあった。だから、これはOKなのかもしれない。ただ、ストレートに肯定するにはなんかひっかかるという感じなんですよ。

・だから、ガキと奥さんの中間の感想ということで。
(23:32:50)

「つっぱり桃太郎」1巻 漫*画太郎(集英社)

・改名したのですね。漫☆画太郎から、漫*画太郎になられたのですね。「*」は桃です。桃太郎だけにねー!

・桃から生まれた桃太郎は、オニが島に行け行けとジジイとババアにいわれていたので、すっかりグレてしまったのです。暴走族のリーダーになって山賊まがいのことをやってました。それで、ジジイとババアは反省して、好きな道を行けといいます。そうしたら桃太郎は本当はバレリーナになることを打ち明けます。そして、ジジイもババアも応援することになりました。それに感動して暴走族も解散しました。でも、時を同じくして、オニが桃太郎の噂を聞いて先手を打って責めてきたのです。桃太郎にもその魔の手が襲い掛かります。部下をやられ、桃太郎は覚醒して、オニをぶち殺します。そして、村に降りたら、村は全滅です。ジジイもババアをかばって死んでました。そして、虫の息のババアは桃太郎のために用意したバレエドレスを渡して息絶えました。桃太郎は復讐を近い鬼が島に行くことに決めたのでした。

・さ、驚きですね。ちゃんとしたあらすじを書いてみました。得意のコピペもふんだんにありますが、あくまで、スリリングに王道に物語が進行します。本宮ひろ志ミーツ桃太郎といったオモムキで。
・そして、重要なことですが、おもしろいんですよ。ババアの死んだシーンなんてちょっと泣けましたよ。そう、王道のおもしろさがあるんですよ。

・いや、ギャグの体裁を整えてるんですけど、それが180度まわってマジになっているんですよね。絵面はギャグなのですが、もはやこっけいとかそういう次元じゃないんですね。
・まあ、島本和彦現象でおなじみでしょうがね。それとはまたちょっとちがう感じではあるんですね。
・「樹海少年ZOO1」も終盤になって、そういう展開がみられたのですが、漫画太郎氏になにがあったのだろう?

・つづきが楽しみではあります。どう展開しても「アリ」なマンガ家であるわけですから、これほど先が読めないマンガはないわけですよ。
(00:25:13)

2003年/8月/28日
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「翼はいつまでも」1巻 川上健一&倉田よしみ(双葉社)

・オビがすごいんだ。
「ビートルズが聞こえてきた、あの夏…。青春が萌える!!」

・ですよ。
・というのと、もうひとつは、「アクション」の休刊が決まったので、これはどうカタをつけるのかなーってゲスな好奇心で。

・本書は小説のコミカライズですね。
・時代は1960年代、中学生野球部の主人公。球拾いに明け暮れてる。父親が再婚しようとしたり、おもしろくないことが続いている。そんなとき、毎晩聞いてるFENからビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が流れる。そして衝撃を受ける。なにかが変わる。

・そういう昔の青春なやつなんです。おれは生まれてないころです。でも、この衝撃ってのは、各々が各々の時代で感じてるんじゃないかなと思うのですね。それは音楽だけじゃなく、ゲームだったり、アニメだったりかもしれませんけどね。

・で、意外なことなんですけど、おもしろかったです。舞台も古ければ、絵も古い(ちばてつや風味?アシでもやってたそうな感じ。まあ、「味いちもんめ」の人で有名ではあるんで、この言い草はかなり失礼なんですけど、おれは初体験だからしょうがないじゃないか)、といろいろ古いってのを差し引いてもかなりおもしろいんですね。

・かなり地味な話ではあるんですよ。野球部でがんばろっていってるのに、先生の後輩が相撲部を作るから部員を貸してくれってんで、チームワークがバラバラになるけど、このころの先生って怖いじゃん?だから、ずるずると不満を感じながらも流されていったら、試合になっても帰ってこないで、主人公は意を決して取り戻しに行くんですよ。

・いや、あらすじ書いてみたら地味さが際立つね。

・でも、いろいろな点で読ませますよ。

・そして、ちゃんと終わるのかなあというスリリングな楽しみもあるじゃないですか。
(23:46:46)

2003年/8月/27日
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「ハレグゥ」1巻 金田一蓮十郎(スクウエアエニックス)


「ハレグゥ」は「ジャングルはいつもハレのちグゥ」の続編です。私のわがままで無理くり続編にしていただいたので何も知らずに買ってしまった方は 舌打ちしながらでも良いので 前シリーズを立ち読み等してみてくださいませ」

・んー、あとがきによるとそういうことらしいです。そうか、わがままだったのか。

・ということで、なんだか知らないけど、3冊同時にコミックがでました。しかもみんな1巻。でも、本作がイチバンでしたね。さすが出世作。アニメ化、OAV化だけのことはありますねえ。

・そして、続編ということで、100%前シリーズの前巻から続いてます。
・舞台がちがえど、相変わらずムダにキャラを多くして展開してます。効率悪いなあと思います。たぶん、作者も気づいてるみたいで、実質動かしてるキャラは少なくなってますね。「にぎやかし」みたいな存在。

・飛行機に乗った、落ちた。無人島に着いた。脱出した。ってのが1巻のあらすじ。
・で、活躍していたのは、ロバートとステッキとハレの3人だったんじゃないでしょうか。

・で、今ごろになって思いましたけど、けっこう、アレですね、新井理恵氏の影響下にありますね。ボケに対してのツッコミで笑わせるってパターン。マメに律儀につっこんでるあたりが色濃い影響というかね。

・でも、本作を楽しむには上記の通り全10巻の前シリーズを読まないと。
・しかし、このパターン流行ってますね。ダラダラしてるから、とりあえず1巻から出しなおすってやつ。さっきも名前だした、「うまんが」も「ろまんが」になるしねえ。
・まあ、小手先のごまかしですけど、それなりに効果あるんでしょうかね。ギャグマンガは5巻くらいまでってか。そういや、「あずまんが大王」も全4巻だしねえ。
(22:51:14)

「アストロベリー」1巻 金田一蓮十郎(スクウエアエニックス)

・なーんか読んだことあるなあと思ったら、スクウエアエニックスの前会社・エニックスが、「ドラゴンクエスト8」を発売した年に出して4号でつぶした青年雑誌「バウンズ」に連載していたやつですよね。今、どこで連載してるのでしょうか?スクエニの雑誌っていまだかつて買ったことがないのでさっぱりわかりません。

・1話目にいきなりパイオツがポロンとまろび出るあたりに青年誌だった過去がうかがえますが、後ほどの話で、「少年誌ではやばすぎるネタだ」みたいなセリフがありましたので、少年誌で連載しているのでしょうね。

・本作はあとがきで「ラブコメ」ですと書いてありましたが、「どこが?」って思った1巻でしたわ。

・宇宙からきた男、となりの女子中学生が気になる。だから、となりの女子中学のDNAから作ったシモベの少年を生徒に、女性を先生に据え、観察してるのですね。

・ここも図式としては、「ハレグゥ」のようにそのシモベの少年がツッコミ役であたふたして笑いを増幅している。

・まー、こっちのほうがはじめて買うには向いてそうですね。キャラも控えめだしなあ。
(23:02:50)

「チキンパーティー」1巻 金田一蓮十郎(秋田書店)

・おー秋田書店。意外なところから。秋田書店は渋いセレクトをするときがあるよねえ。で、なんで、発売日をあわせるかね?3冊同時発売だったら、本作はイチバン不利な気がするぜ。

・本作は「新感覚パニックコメディ」だそうです。よくわからんカバー裏の紹介ですね。

・中学生で1人暮らししている女子中学生の家に突然おしかけたトリ。と、まあ、それでドタバタと。

・本作は、ツッコミ役の少年がいない。微妙にオムニバスでキャラが変わったり。表紙に前話の後日談4コマがあったりと、新機軸ってなニオイがありますね。

・そういろいろな新機軸がありますが、それがもうひとつうまく機能しきってないっていうかね。

・で、本作がもっとも新井理恵っぽいんですよねえ。「どつき漫才」的なところがあるからかもしれませんね。

・どうなんでしょ?徐々に無理が少なくなってきてまわってるって感じはありますが、ちょっと実験作になったりしてねえ。
(23:37:20)

2003年/8月/24日
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「それゆけ!てんぷく突撃ドサ回り」鈴木猛(ワニブックス)

・地上で死んだ、地下帝国の魔王の亡骸を拾いに、娘・てんぷくと従者が地上を目指そうとするストーリーの地下帝国編。
・で、どういうわけか、地上に出てからは、作者と編集(女性)と4人で各種イベントにおもむくエッセイルポマンガになる地上編。

・作者自身「いまだいつどうしてこーなったのかよくわかんない」と書くくらい、よくわからない前代未聞の構成になっているんですね。

・で、どうしても、地上編になってからのほうがおもしろいんですよね。ていうか、地下帝国編でもバリバリエッセイの要素がありますからね。作者も登場しまくりだし。たとえば、カビの生える地方では、ホワイトが「緑色」になっていたエピソードとかはさんでるしねえ。

・と、ここまで書いて、「あ、こりゃ、「しあわせのかたち/桜玉吉」なんじゃん」と思いました。まさにその構成ですね。前代未聞じゃないですね。

・地上編になってからは、編集のふっじー(女性)と作者のヘタレルポマンガになって、てんぷくとかかなり薄くなっていく。
・で、東京タワーにいったり、ラーメン博物館やナンジャタウンに行くわけですよ。
・こういうルポマンガだと、金字塔はなんでしょ?「おさんぽ大王/須藤真澄」とか? そういうのにはかなわないですね、正直な話が。
・でも、作者(の分身)もふっじー(の分身)も愛すべきキャラでして、そのヘタレ珍道中は楽しかったです。
(22:19:49)

2003年/8月/22日
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「GANTZ」10巻 奥浩哉(集英社)

・新展開。ほぼ1巻分「仕込み」。
・これ、「仕込み」があるってことは、それだけ支持を取り付けてるってことでもあるんだね。あとがき(作者5人対談だか)で、「アクションシーンとかなかったから、人気ガタ落ち」みたいなことを書かれていたが、逆をいうなら、それができるだけの人気、「ガタ落ち」するだけの人気はあるってことなんだな。
・実をいうと、ポトチャリポラパになってから、マンガ関連の検索ワードでイチバン多いのが「GANTZ」だったりします。

・さて、10巻では2人の新キャラが登場します。そして、すべて、現実世界で展開します。
・いじめられっこで、超能力を使うことで復讐する高校生。
・「ファイティングバイパーズ」という格闘ゲームの「BAHN」ってなノリ、もしくは、本宮ひろ志のパロディみたいな、ぶらりケンカ1人旅を続けるバンカラ。

・で、主人公のヘタレ、玄野は、罰ゲームでつきあうことになった、奥マンガではかなり地味な女性とゴロニャン状態。

・バンカラのほうは玄野ともう接触を果たした。今後、超能力少年がどうストーリーにからんでくるか。そして、2人が今後どうなるか?ってのが見所ですね。

・この超能力少年の超能力の訓練シーンがおもしろかったなあ。おれは、やっぱり、そういうの好きだからなあ。魔法よりも超能力っすよ。
・たとえば、「七夕の国/岩明均」、R・A・ラファティの短編など、超能力(能力)を手に入れる、高めるためのシーンなんてのは、かなりおもしろかった。今回のも、いい感じです。そうか、質量0のものを動かしていけば、それが練習になるのか。

・ということで、先が読めなくなったので、おれ的にはおもしろくなりました。

・あと、「GANTZ」のゲーム化ってのはいいんじゃないでしょうかね? FPSでさ。
(13:46:13)

「みんなはどう? ZOMBIE」G=ヒコロウ(コアマガジン)

・おれはもうかなり長い間探し回っていた、たとえば、古本屋にいったらかならずチェックする程度に、今は亡き新声社版の「みんなはどう?」の復刻版ですよ。復刻版らしく未収録とかテンコ盛りで。

・と、その「みんなはどう?」ってのは、マンガ家のG=ヒコロウ氏の日常エッセイマンガですよ。今も、「みんなはどう?メガキューブ」として「メガキューブ」で連載されてますし、コミックもでてますよ。

・まー、時代でいうと、「カルネージハート」からはじまって「クラッシュバンディクー」で終わる感じですよ。おれも何年だかよくわかりませんが。ま、ゲーム関連の雑誌に連載されていたから、ゲームネタも多いんですけど、それだけじゃなく、いろいろと遊んだり、ハラペコだったりしてますよ。

・でー、友人マンガ家も登場しますよ。道満晴明さんや伊藤真美さんやOKAMAさん他ですよ。

・なんとなく、現在のカオスっぷりを小出しにされてる感じ(世の中に迎合?)がしてほほえましかったりします。

・そいでもって、おれ的には、エロマンガ誌に発表したくさい短編がよろしかったな。ちょっとエロでね。ギャグめかしてるけど、シミジミものとかもあってよかったです。「ニクゲナテッキントレイン」が好きです。あと「ロシアより愛をこめて」もよかったです。

・エッセイは徐々にスピードがのっていく感じ。そして、現在につながる感じが垣間見えて、とてもおもしろかったです。
(14:07:08)

「ころころころもちゃん」むっく(メディアワークス)

・学園コスプレ女子高生4コマギャグといったオモムキでしょうか。

・コスプレ好きなころもちゃんを主人公としてハチャメチャ学園生活をアレする4コマですよ。

・特徴はテンションの高さですかね。主人公のノー天気さに振り回される他キャラというパターンですわ。
・で、最初はころもちゃんのコスプレネタが、だんだんと「あずまんが大王」になっていくという、例のパターン。

・それでもおもしろいから無問題だがな。

・で、3年からはじめたので1年で終了ということになっているので1巻完結。
・意外にエッチなシーンがあるけど、絵にボンノウがあまり感じられないし、かなり、スッキリしてます。お子様でも大丈夫な仕様。つーか、「あずまんが大王」パターンで、男キャラがほとんど登場しませんし。

・素直に楽しいといえるものに仕上がってます。
(14:25:20)

2003年/8月/17日
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「GO!!GO!!怪モノ体験」犬養ヒロ(平和出版)

・女性による体験ルポマンガ。オビコメントが辛酸なめ子氏だったのが、決め手だったりするボクです。

・薄め(130p)だし、そのわりに700円といういい値段、表紙をみる限りあまり魅力的でない絵と、なかなかハンデがありましたが、意外といってはアレですが、おもしろく読むことができました。

・あ、ちなみに「あやものたいけん」と読むんですよ。

・まずは、裏フーゾクなどのタイトルにふさわしいルポ。これが、どういうわけか、ヤバイところほど、犬養氏、1人で果敢にルポされてる。たとえば、ハプニングバー(説明が難しい、エロ系のバー)、SM喫茶など。

・で、徐々にネタがマイルドになってくる。同じ雑誌じゃないのでアタリマエなんですけど、けっこう、まっとうな、吉野家のアルバイトルポ、カラスの赤ちゃんを拾った話など、ぶっちゃけ、女性向け系の話になる。
・でも、それがまた、フーゾクルポよりえぐいんだからおもしろいね。

・知り合いの嫁姑戦争(ウソだろ?って姑が登場する)、すさまじいチカン(これもウソみたい)など。

・そんなこんなで盛りだくさんでした。ぜひ、辛酸なめ子氏も追い越して、目指せ「くらたま」とエールを送りましょう。嫁姑ネタで売っていくといいんじゃないかな。
(15:01:06)

「万祝」1巻 望月峯太郎(講談社)

・「ドラゴンヘッド」につづく長編連載です。
・めちゃくちゃ強くてカワイイ15歳の少女が巻き込まれる海洋冒険物語です。

・「ドラゴンヘッド」を経由した、「バイクメ〜ン」で「バタアシ金魚」な、コメディノリ。これがなつかしいような新しいような。
・細かいギャグが「望月峯太郎」してるのが楽しい。デロリアン(バックトゥザフューチャーで登場したクルマ)が狭い路地で、扉を開けられない、フナコ(主人公の女の子)のキックで校舎の壁をぶち壊すなんかは、懐かしくもおかしかった。各キャラのちょっとトボケた感じのモノローグもそうだ。意外に独り言多いんだよね、望月マンガは。

・ともかく、フナコの自分の胸をもむという「クセ」がとてもいいですね。ギャグになってて、なおかつ、ちょっとエロで。そんな女子中学生が近くにいたらとてもステキですよね。

・物語はまだはじまったばかりですのでこれからです。
(15:29:29)

「セナのまわり道」郷田マモラ(双葉社)

・元ヤンキーの女タクシードライバー・セナの人情話。1話読みきりのオムニバス形式。

・もう、あとは語ることないくらい。郷田マモラ氏は良くも悪くもガッチガチな「スタイル」を確立されてますからね。だれにも似てない絵、コテコテでベタなわかりやすい(わかりやすすぎる)展開。そして、ミゴトにまとまってるストーリー。あ、やや、ストーリーはいつもとちがう感じだったな。主人公が人格者ってワケじゃないしね。

・えらい急がせる少年を乗せた。だけど、途中で金を持っていないことに気づき、ムリヤリ降ろす。少年は付属中学の入試に向かう最中だった。あとで親に責められる。

・甲斐性なしの父親の借金を返すためにはじめたタクシードライバー。どうしても今月の返済に5万足りない。そこに貸切の客。しかもとてもいい客。でも、その客は、自分の会社のミスを関係会社にあやまるための貸切だったのだ。最後にチップとして5万くれるが、セナは断る。

・いつも、ラブホテルから乗せる、娼婦。いやな女だけど、事情があった。そして、ある日、顔がボコボコで現れる。

・コンビニ強盗で逃げた客を乗せる。

・などね。タクシーってのはネタが豊富ですよ。乗せた人間の数だけドラマがあるからねえ!ということです。

・郷田マモラ単行本を買ったかたならご存知のように、恒例のオマケもテンコ盛りです。作品にあわせて、郷田氏が出会ったタクシードライバーネタ(文)、奥さんで絵本作家の猿童マーチ氏のエッセイマンガ、アシスタントのエッセイマンガなどなど。

・1巻完結だし、いかがでしょ?
(15:46:01)

2003年/8月/14日
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「ゲノム」4巻 古賀亮一(ビブロス)

・4巻目。あいかわらず「ほのぼの力」は高い。
・多分、イチバンの「売り」であると思われるし、本作は出世作ってことで、大事に大事にされてますが、その過保護っぷりと、展開の頭打ちがちょっと気になりましたね。
・おれには、今は、「ニニンがシノブ伝」の音速丸とサスケ他のやりとりのほうがおもしろいかなと。ちょっと馴れ合いムードになっているんですね。馴れ合いってのいうのも言葉がおかしいですけど、パクマンとエルエルの距離感があまりおもしろくないっていうかな。そして、それはおれの内なる変化であると思うのです。しかも、「今」限定かもしれない。

・たぶん、「ゲノム」自体のノリもパクマンとエルエルの距離も以前と変わっていないと思われます。そして、それは変わってはいけないものだと思います。たぶん、おれも「今」はそう思うだけであって、いつか、読み直したときなどは、「これでこそ「ゲノム」だ」と納得することでしょう。
(21:14:50)

「金色のガッシュ!!」12巻 雷句誠(小学館)

・いやー、よかったねー。12巻がピークなんじゃない?
・千年前の魔物が復活。ガッシュたちに襲い掛かる。多勢に無勢で押される。そして、絶体絶命のピンチに!
・これ、考えてみれば超王道の展開になるんですが、最近は妙にひねってるから、あれですが、ピンチに仲間が助ける。力を合わせて逆転(ネタバレですが)。これは、少年漫画を読んでいる人には100%アドレナリンが出るようにDNAに刻み付けてあるんじゃないかな。
・とくに敵の本拠地にいったときに、登場したキャンチョメとフォルゴレのシーンでは不覚にもグっときてしまいましたよ。

・しかも、そのあと大活躍。サイコーでしたよ。

・ということで、団体戦、非常におもしろく展開してます。
(22:36:27)

「美女で野獣」3巻 イダタツヒコ(小学館)

・女子高生キャットファイトマンガ3巻目。
・強い女の子、かわいい女の子をタンノウできます。これで、目的の90%は果たした感じ。

・今回は主人公・アカネちゃんの身内編が目立ちましたね。中学生のイトコ、許婚、実家の集まり、とかね。

・あとは、24時間格闘、vsアメリカチアガールなどね。

・肩の力ぬいてハハハヘヘヘと楽しむマンガですねえ。アー楽しかった。
(22:59:05)

「地獄大甲子園」漫☆画太郎(集英社)

・映画化にあわせて、全3巻の作品を1冊にまとめた再編集版です。
・まー、元が半分以上のオマケを足した上、大元がサイコーに「終わってない」終わり方なんですよね。未完も未完。
・今回、それにちょっと新作で、「つづき」があります。でも、未完。このペースだとあと単行本10巻以上必要な感じではありますね。

・しかし、これが映画化だから、世の中わかりません。みたいようなみたくないような。

・あと、まあ、1冊にまとまっているし、どんなもんかな?という向きにはいいんじゃないでしょうかね。
(23:47:13)

2003年/8月/9日
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「ホムンクルス」1巻 山本英夫(小学館)

・なにげに初山本英夫だなあ。「のぞき屋」のときも「殺し屋1」のときもチャンスはあったんだけどね。

・クルマに寝泊りしている男のもとに70万円で「トレパネーション」を持ちかけられる。
・トレパネーションってのは、頭蓋骨に穴を開けることですね。こうすることによって、脳が本来の活動をするってことらしいんですね。

・で、金に困った男がトレパネーションしてどうなるか?って感じの1巻でした。

・どうなるんでしょう?

・この持たせ方がうまいなあと思いました。上記のあらすじで1巻もたせてますからね。ここいらベテランの味ですね。じっくりコッテリ描いてますね。あくまでリアルに。たぶん、「殺し屋1」のときより、さらにリアルな絵になったんじゃないかね?

・そして、オビのコピー「作品中の「トレパネーション」は極めて危険な行為です。絶対に真似をしないでください。」

・いや、たしかに、ちょっと真似したくなるね。どうなるかね?って。

・で、この先どうなるんでしょうね? 今のところ先が読めない。
(22:45:01)

「スキマスキ」宇仁田ゆみ(小学館)

・スキマをのぞくのが好きな男。だから「スキマスキ」なんですね。
・向かいの部屋の女性が気になっていた。そのカーテンのスキマからちらりとみえる姿。

・ただ、向こうがみえるということは向こうからもみえるということで。

・というわけで、お互いをのぞいて観察してる男女のボーイミーツガールなラブコメ。相互鑑賞ですか?

・のぞいているという負い目とか、そこいらの駆け引きや葛藤もいい感じ。さっぱりしてるんですよね。

・これが、男がちょっと奥手でねえ、いい感じのほのぼのがありまして、ゆるく楽しめます。

・ワキを固めてるキャラもいいね。

・あれですよね、すべてに「やさしさ」を感じるつくりというかね。やさしさというか「慈愛」っていうか。そういう作者の愛が満ち溢れている。

・いいですよ。
(23:18:17)

「ジオブリーダーズ」9巻 伊藤明弘(少年画報社)

・「ダイナマイトが百五拾屯」の後編。
・化け猫が登場しない外伝的扱いになるのかな。

・でも、これ、スチャラカガンアクションの最頂点じゃないかな。マンガのみならず、映画やドラマ、小説なんか全部含めて、最頂点だと思う。

・9巻まるごと拳銃撃ちっぱなし。しかも、団体戦だったりもする。バリバリ撃って、バリバリ撃たれる。ジョン・ウーで、サムペキンパー仕込みの、伊藤式緩急も9巻は最高峰ですね。だから、撃ちっぱなしの展開にまったく飽きるということがない。
・しかも、神楽の面々をはじめとし、各キャラもこれでもかこれでもかと活躍シーンがあるしな。

・いや、マンガだよ。みんな絵だよ。止まってるよ。でも、こんなに動いてみえる。最上の環境でみるガンアクション映画よりも、銃声が聞こえるし、硝煙のニオイもする。これこそが「魔法」ですよね。おれがマンガを読み続ける理由のひとつかもしれません。

・イマサラ感はありますが、8巻と9巻だけ読んでも100%ではないでしょうが楽しめますよ。

オススメ
(23:34:15)

「かもめ町 夕凪便り ちんでん」2巻 田中久志(集英社)

・北海道の市電がある町(まあ、函館なんですけどね。実名ではないのです)を舞台とした1回10pのほのぼの感動ショート。

・タイトルでもある市電ネタは1巻よりもひっこむ感じになり(そりゃ、そうだよな)、その路線周辺にすむ人のドラマに主軸が移った。

・このドラマ、ベタなのが多いですが、非常にうまい。1回10pに感動要素をきっちり盛り込んでまとめている。しかも、切り口の引き出しも豊富。

・成績はいいけど、運転の荒さで、市電運転手から疎ましがられているタクシー屋。ある日、市電の客に臨月の客が。だから、市電の運転手がそのタクシーを止める。

・夢破れて、生まれ故郷の地方都市でしがないカメラマンをやってる男。ある日、市電貸切での同窓会に出席するも参加者が2人だった。

・病気で手が動かなくなったオヤジの後を継いですし屋をやってる男。ある日、見合い話が舞い込む。ブサイクな顔とうらはらに、非常にやさしい性格に、男も気に入る。でも、突然、断ってくれといわれる。だまってみていたオヤジが一世一代の寿司を握る。

・飲み屋のママとデートを条件に、指名0のロシア女性をNo.1に育てる。そのうち情が移ってきて…。

・一応、主人公である、市電運転手に、淡い恋心を抱く女子中学生。この春に、S市(札幌ですかね)の高校に入学して、寮生活することになる。それまでに、なんとか、思いを告げ、激励してもらいたいと思ってる。それを知った親父が一計を案じる。

などね。

・この引き出しの多さは、「泣かせ」のバリエーションの多さにもつながるんですね。ちょっとギャグ要素をからめたり、後味の悪いネタをかませたりとか、ここいらの一筋縄でいかない感じもすごいです。

・たまには「ほのぼの」。そう思ったときに最適ですよ。
(00:03:44)

2003年/8月/7日
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「風雲児たち」15巻 みなもと太郎(リイド社)

・いや、おもしろかったねえ。15巻はまたこれまでのアベレージをちょっと超えるくらい面白かった。

・江戸時代にできた奇跡のシンクタンク・尚歯会。それが巨悪に飲まれて消えるまでを描いてる。
・今回、それをつぶした人も登場してる。鳥居耀蔵その人だね。こういう正面切って悪人を出すってのもはじめてかもしれない。それでいて、彼がまた、ミゴトなほどの悪人なんだね。子孫とかまだいるのか?とちょっと思ったり。そのキャラも含めて、非常にスリリングなバランスゲームが起こる。

・こう読むと、歴史の教科書で悪人扱いされてる、田沼意次などは、なぜ、悪人なのかというと、庶民の批判文書などを弾圧しなかったってのがありました。
・あと、ラサール石井氏がこのマンガの大ファンで、テレビ番組で田沼意次のフォローをいれてたそうです。

・で、この鳥居という人間がおもしろい。そいでもって、かなりえげつない方法で、尚歯会を追い詰める。そして、冤罪により絶望のドン底で画家であり学者であり尚歯会の主要メンバー渡辺華山の最後まで。

・もう、この1冊の完成度が凄まじい。読んだあと、思わず「ふうう」と息をつぐくらい。

・あと、ワイド版だけのオマケ、ギャグ駐もおもしろい。結局、今の時代も、過去も、いくらかの無能によって歴史が動かされるってことがあるんだなあと。


「アメリカの為政者はわが国とまったく反対で身分が上の者ほど頭がよくなっていきます」

・なんて、勝海舟のセリフも未だに効力があったりするんですね。
・これが、いいかげんベタでベタでしょうがないのに、未だに「政治家悪い、庶民をだます」って図式は有効だもんねえ。

・などとかなり深くしみました。

・毎巻オススメつけるのもあれでしたけど、15巻はオススメ
ですよ。これだけ読んでどうなるのかはわかりませんがね。まー、マンガ喫茶にあったら、しばらく通う価値はありますよ。古本屋でまとめてあるのをドーンと買う価値も。できれば、ワイド版がよろしいですが。
(23:02:42)

「空談師」3巻 篠房六郎(講談社)

・終わりなの?

・よくわからんかったなー。未来のMMORPGな世界で描かれる世界。陰謀やら野望やら渦巻いててね。

・わからんって書いたので、潔くキレイにまとめます。意欲作。でも、失敗作。もっと長くか短くないと成立しない種の話じゃない?短いのは短編集に入ってますね。

・ただ、これを叩き台に映画化すると、日本で「マトリクス」ができるような手がかりがあります。ソフト不足の日米の映画屋は映画化権を狙え!
(23:10:01)

「壁ぎわ税務官」15巻 佐藤智一(小学館)

・相変わらずおもしろいなあ。

・今回は、なんつーか、イマドキネタが目に付きましたかね。
・コピーCDの話とか。「大きな古時計」のヒットにからめた話。
・レギュラーとなった、強欲ハゲ坊主も登場(こいつ、いつか破産したりな)したし、ナツカシのキャラ、鐘野(主人公)の姉とか。

・ちょっと説明しようか。税務官が税金をとる話です。
・サラリーマンのクセに身分不相応なクルマを持ってる男。後をつけようにも、クルマの性能がちがいすぎるので追いつけない。だから、市の金で発信機を買って取り付けろっていったのに、ケチな課長は、ダメといいました。そこで、とった秘策とは?そして、そのサラリーマンのサイドビジネスは?

・グルメ評論家が、地元で有名な和菓子屋の味を盗んで店を作った。味の盗作をどうやって証明するか?

・画期的な低公害車のシステムを作り出した、街の発明家。でも、突如、アメリカ人がやってきて、それはわたしが特許したものですといいだした。そのアメリカ人の鼻を明かす話。

・とかね。もう1話に3〜4ネタはアタリマエの世界ですよ。最近では「ギャラリーフェイク」や「ナニワ金融道」フォロワーでも、こんなにネタを投入してないぞ。
・そういった意味でもたいしたマンガなのですよ。
(23:26:54)

「犬夜叉」31巻 高橋留美子(小学館)

・もう、なにがなんだか。かなりついていけなくなってます。買うときに「あーあ、終わらないかなあ」と悲しい気分になるくらいさ。

・ぼくはね、もう、こういうグダグダして終わらないものをわかってあげるほど余裕がないんだよ。

・なら何で買う?って聞かれると、本当に困ります。もう終わるのかな?と思うからなんでしょうね。そういう、もうすぐクライマックスですよって物語のヒキは、くやしいけどおもしろいですね。

・とりあえず、奈落が死なないのが悪いんだな。早く死ねよ。と、子供みたいねこの言い草。
(23:37:12)

「ぼのぼの」23巻 いがらしみきお(竹書房)

・いいかげん大河物語なのに、まったくイヤじゃないですね。というより、みられるだけみたいなと思います。

・アライグマのおとうさんが渋い「岩山に住んでいた子」
・シマリスにもらった種をぼのぼのが植える話「シマリスくんはタネをまく」
・フェネックギツネ親が旅立つ「フェネックギツネくんの引越し」
・シマリスのお姉さんに赤ちゃんができる話「あねえさんに子供が生まれる」

・の4本立てです。このエピソードを読んでいただければわかりますが、どんどん人間ドラマになってます。考えてみればスゴイですよね。動物が人間ドラマを演じていると思えば、かなりシュールな世界です。しかも、かなり深い人間ドラマだったりするんですよね。

・シマリスがおねえちゃんの子供、おねえちゃんのダンナのオヤジに反対されてることで、気をもんだりするドーブツマンガってねえよなあ。

・だからサイコーだ!
(00:14:23)

2003年/8月/5日
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「瀬戸の花嫁」2巻 木村太彦(スクウエアエニックス)

・瀬戸内海を縄張りにしている人魚の極道の1人娘を嫁にしたヘタレ中学生のドタバタマンガ。
・1巻では瀬戸内を舞台にしてましたが、2巻では嫁入りってことで、中学生の住んでいる埼玉を舞台にドタバタしてるんでさ。
・なんだか、大ゴマが増えたような。その分、さらにハイテンポになったし。

・そして、かなり評価できるのは、いわゆるマニア受けするネタがほぼ一掃されたことかな。万人向けにするようにかなり努力されたあとが伺えます。

・まだ、その変換作業がもうひとつこなれてない、過渡期な感じもしますが、それでも、木村氏にとって本作はターニングポイントとなりそうですね。

・オススメだすにはもう少しですが、かなり楽しめました。1巻ででてきた極道一家もほぼ出揃い、3巻からが学園生活編がはじまりますと。
(12:38:14)

「イリヤッド 〜入矢堂見聞録〜」3巻 魚戸おさむ&東周斎雅楽(小学館)

・うむ。なんだか、微妙になってきた3巻ですね。
・幻の大陸アトランティスを探すという「究極の味」的なものがある。そして、その手がかりを探しての冒険アクションってのがメイン。

・うーむ、たしかに、冒険アクション自体はおもしろい。今回はナイフ使いの殺し屋と、遺跡の中での丁々発止。それにまつわる謎も、考古学のネタをふんだんに取り入れ、なおかつ大胆な解釈なんかもあっていい。それでいて、たまには、髪の毛ほどになるけど、ちゃんと、一貫して「アトランティス大陸」の謎につながるあたりの構成もミゴトだ。

・でも、なんか、ピンとこなかったんだよなあ。なぜだろ? 主人公のキャラが弱いのかしらね?

・理由がはっきりしない。それは4巻になるとはっきりするかな。
(12:51:55)

「さくら咲いちゃえ」私屋カヲル(白泉社)

・「青春ビンタ!」のナガレを組む、エロコメ。

「もう、この人、こういうのしかやらなくなったのかね?」

・とは、読後の奥さんの感想。奥さんは少女マンガ期の私屋カヲルファンだったのです。「少年三白眼」「夜明けのヨワッキー」「おーえど娘忍者」などなど。おれもけっこう読んでる。だからして、「青春ビンタ!」も買ったのだし。

・ちょっと勉強ができるからって、東京の名門学校を受験させられることになった主人公。で、心配した親がよこしたのが、巨乳の美人家庭教師。で、ミゴト合格(ここいらの合格の裏ワザはいかにも私屋カヲルのギャグって感じしたなあ)。
・で、無理して入った名門校の勉強についていけるはずもなくぐずぐずになっていたとき、再び現れる家庭教師さくらさん。で、いつしか奇妙な同居生活がはじまるぞと。

・んー、エッチシーンは、「もうすこしでオッパイがみえるー」とか、「背中にオッパイの感触がー」、「そこにアポロチョコを隠してたのかー」と乳首をパクリとか、そういうラインですね。
・エロ度に関しては、なにげに、おまえら、シックスナインしてんじゃねーよ!の「青春ビンタ!」のほうがえげつないです。

・まあ、1冊でキレイにまとまっており、楽しめました。
(13:49:18)

「ポポ缶」1巻 いわさきまさかず(メディアワークス)

・店に1枚だけあった謎のRPGを作動させたら、テレビから謎の少女が現れる。で、あと、グズグズのギャグマンガ。

・つかみどころがねえんですよ。結局、ファニーでファンキーな少女(ポポミ)が同居している、ほのぼの系の生活感あふれるギャグマンガですから。たとえば、主人公(小学生)のことを憎からず思ってる同級生の女の子がライバル心を燃やして、料理対決したり。パーティーを組もうとロボットを呼び出したら、家事専用ロボットだったり。敵が現れたかと思ったら、食っていけなくて本屋でバイトしてたり。そんな感じ。で、マッタリマッタリと展開していくのです。

・ムラがありますね。ときおり「あーあ」と思うくらい、派手にスベってる。だいたい7:3くらいかな。どっちが7かはノーコメントにさせてもらいますが。

・ただ、その大スベリも込みで、なんていうか、「コロコロ」なギャグのノリはなつかしいような気もします。

・2巻は買ってみます。それで、この先も読むかどうか決めようと思います。
(14:09:43)

2003年/8月/4日
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「トリコロ」1巻 海藍(芳文社)

・ああ、そうだそうだ。こういう「あずまんが大王」フォーマットなニュータイプの「萌え」入りほのぼの4コマは「ビジュアル4コマ」っていうんだな。本作のオビにバッチリ書いてましたよ。

・母1人娘1人で住んでる家に、女子高生が2人同居するんですね。娘も女子高生ですわ。で、ほのぼのほのぼのとね。
・娘が小さい。メガネの大阪出身はアタマがよろし。広島の子はスポーツ万能と。そういった感じです。

・まあ、正直なところでわからんネタ、すげえスベリもけっこうあります。

・ただ、いいネタもあるんですよね。たとえば、懸賞で当たったデジカメをめぐる話とか。「カキミーラ」の話とか。白眉は入浴シーンのまったくない銭湯の回とかね。

・んー、まあ、総合だと、6:4ってところで、スベリが目立ちますね。おれ的には。ビジュアル系のノリに慣れてないってのもあるかもしれませんね。
(00:07:51)

「苺ましまろ」2巻 ばらスィー(メディアワークス)

・新キャラ・アナちゃん(ガイジンだけど英語苦手)参加でますますロリ度がアップした、これまた「あずまんが大王」フォーマット(しかも、こっちは連載誌も同じな正統派)なほのぼの小学生マンガ。

・これはね、1巻のときに奥さんに読ませて、あまりいい感触を得られない理由がわかったよ。「萌え」が強すぎるんだね。これはもう作者の性分なんだろうねえ。

・ほら、女性って、スケベを敬遠するタチじゃん? あれって、要するに下心というか、欲望が透けて見えるだろうね。要するにばらスィー氏の「少女を描きたい」という強い強い思いが、伝わるのでしょうよ。
・そこいら、「あずまんが大王」の隠し具合というか、サジ加減が、また、絶妙なんですね。つくづく偉大なマンガだと思うよおれは。

・と、まあ、別に「あずまんが大王」になりたいと思って描いてないだろうし、いいのだろうけど、ネタが健全なだけに惜しいなあと。
・ああ、そういや、「トリコロ」と同じで、銭湯ネタがあったな。こっちはもうボンノウまくりのシーンがあります。いやらしさを消し去るように描いてるけど、にじみ出るものがねえ。

・あと、精緻な描写なので、美羽がけっこうひどい目に遭ってるのが、また、微妙に痛いんですねえ。2Fからほうり投げられたりしてるし。

・ただ、「萌え」は相変わらずトップギアで爆走です。そのスジにはオールOKだろうなあ。

・個人的には、千佳のキャラがもうひとつ立ってないのが気になるな。なんか、アクセントをつけたらどうだろうかなと。たとえば、「あずまんが大王」のヨミがダイエッターだったとか、そういうの。
(00:28:57)

2003年/8月/2日
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「紺野さんと遊ぼう FINAL」安田弘之(太田出版)

・3巻目ですね。で、最終巻と。よくよく考えれば3巻もつづいたってのはシミジミスゴイですよね。「胸キュンフェチ漫画」だそうです。オビに書いてありました。

・毎度毎度、女子高生の紺野さんの生態観察なマンガです。3巻になって、紺野さん、下半身がムッチリしすぎじゃないか?とちょっと思ってしまいました。作者の心境の変化か、はたまたおれの変化か。

・個人的には紺野さんの初恋編、あと、哺乳ビンがなんとなくグッときたおれです。みんなはどうかな?

・40ページの描き下ろし、豪華ゲスト夢の競演(小田扉氏と、空山基氏がよかった)。

・安田氏はこれで紺野さんを描ききったのか。なにはともあれゴクローサマと。
(16:18:06)

「チクタクガンガン」秋月亮(メディアワークス)

・さしあたって、未完なんですよね。で、続きは「また、どこかで」みたいなノリ。つまり、作品として評価する段階に到達してない。まあ、こういうのタマにあります。でも、おれは久しぶりにつかんだなあ。

・少年がいます。ある日、少年がお守りとして持ってる石をよこせと、カエルが襲い掛かります。そして、絶体絶命の少年(と幼馴染の少女)のもとにメイドロボット2体を率いて男がさっそうと登場します。そいで、ドタバタと、アクション活劇をば。

・絵は魅力的。アクションもすばらしい。宮崎アニメ〜なアクションです。迫力もおもしろさも十分です。それだけに、このブツ切りのような幕切れはなっとくいかないなあと。あと、1巻分あればまとめれたんじゃないかい?

・少年の持っていた石。これを7つ集めると、街の名物時計台に眠る「姫」が目覚めて願いごとをかなえてくれるそうで。でも、結局それもあいまい。そもそも、少年を助けに来た男の素性すらわからない始末だもんに。なぜ、彼らは少年を助けるのか?って。

・んー、残念なような、ハラ立つような。たぶん、つづきが出ても買わないと思う。別の作品ならわからないが。
(16:36:50)

「紅い旋風 キャプテンバスティ」山下うり(司書房)

・これがまた続編なんですね。そんなもん知らねえよ。ということで、ボーダイなキャラの説明がなにもないまま、読むというヒーローギャグ。主人公は、まあ、タイトルどおり、パイオツのデカイ・キャプテンバスティで、まあ、あと、悪の一味もひととおり、海に山に宇宙に、いるわけですよ。で、ギャグマンガになると。

・縮小版(1pに原稿2枚)も使ってぎゅうぎゅうにまとめて、一応大団円ということになってます。

・ギャグ自体は、お色気的なのもあるけど、全体的に懐かしい香りですねえ。絵柄も含め、70年代少年誌のギャグマンガな感じ。編集が出てきたり、コミック(本作の前巻にあたる)のCMをキャラにさせたり。アカラサマなパロディなんかもそうか。
・でも、間とか、ギャグそのもの、そして、女体なんかは、現代的にチューンしてるから、「懐かしい」とは思うけど、「古臭い」とは思わないわけです。これが最大の特徴かもしれません。

・全体的にほのぼのとしてて、エロマンガ雑誌の箸休め的な役割だったんでしょうねえ。
・アリとは思いますが、とりあえず、わからないキャラとか(ある意味、主人公がいちばんわからないキャラかもしれない)ムカつくんで、絶版になった前作や、純エロ作品なんかもさがしてやろうかと思いました。
(16:55:13)

「拝み屋横丁顛末記」1巻 宮本福助(スタジオDNA)

・霊に関する困りごとをまとめて解決する拝み屋横丁の住人が巻き起こす、ユーレイ付きのコメディ。

・基本的にジジイ度が高いですねえ。「横丁」って名前にふさわしいロケーションだし。ほとんど、サザエさんの世界ですよ。

・これね、奥さんが異様に気に入ってましたし、おれも、そうかなと思って読みましたよ。

・奥さんは、少女マンガも軽いノリのコメディ1本やりの人なんですが、いかにもそういうノリが漂ってました。

・横丁に住むジジイ3人と、横丁の大家さん(40代くらい?)、その甥は絶対的に霊感がない。除霊されそうになったのに、カラスに乗り移って実体化した絹代ちゃんや、恐怖小説を書いてる作家、そこに同居している元編集のユーレイなど。

・で、本作のスリーアミーゴズともいうべき、ジジイ3人が非常にいい味を出してるね。

・楽しかったです。奥さんがことのほか気に入ってるので2巻以降も買うでしょう。
(17:22:51)

「プロセキューター愛 -闇の検察官-」湯浅卓&にわのまこと(集英社)

・なんじゃこりゃ?

・日本の法律で裁ききれない凶悪犯を裁く異世界の裁判の話ですね。
・これが、アメリカの裁判に準じていて(いちおう、最後にその理由とおぼしき後付けがある)、有罪無罪を確定される。で、現行の裁判より、かなりひどい罰を与えられるというスンポウでさあ。

・とりあえず、原作者は、アメリカの法律にくわしいんだろうなあというのはわかるが、にわの氏起用のワケがもう3つくらいよくわからない。まあ、レイプ犯人とかも登場するから、そういうお色気方面での活躍ってのがあったと思うけど、あいにくといったらなんだけど、かなり多いページを法廷での戦いに割いているのであまり効果的じゃないんだなあ。

・まあ、アメリカの法事情みたいのはわかりますけど、そういうのをにわのまこと画に望んでる人って少ないんじゃないかい?

・ということで、豆腐バーガーのようなチグハグさが漂う珍品になりました。

・むしろ、原作ナシで、くの一がOLや女教師として、事件を解決する、同時収録の「くのイチ忍侠伝ホタル」のほうがわかりやすいしおもしろかったような気がするぼくでした。
(18:02:07)

「バトルロワイアル」10巻 田口雅之&高見広春(秋田書店)

・10巻になってしいまいましたねー。まだまだ終わる気配がありませんねー。
・今回、映画版ではクライマックスくらいのいいシーン。灯台での女子の殺し合い編が終わり。映画ではその過程に時間を割いていたけど、マンガでは、その後ろのエピソードや、事後の七原のやさしさに焦点をあててる。

・で、映画ではまったくなかったことになってた、稲田って女性編もありました。しかし、このクラスはいろいろな人間がいたクラスなんだなあ。なにもない生徒っていないんじゃないかい?この「なにもない」ってのも微妙なニュアンスなんだけど、別に語るほどのエピソードをもっていない中学生ってことですよ。たぶん、そういう人のほうが圧倒的に多いと思うんだけどねえ。財閥の息子ですべてをこなせる天才児とか、虐待にあってるから女を売ることで生きてきた女とか、ブルーススプリングティーンのファンでロックスターを目指してるやつとか、メロリンQとか、学校に1人いればいいってキャラの立ったやつが同じクラスにぎゅうぎゅうに詰まってるってのは、イマサラなんだけど、ウソくせえなあと思ったりします。

・七原も中川、川田と合流し、クライマックスに向かってることはたしかですね。
(18:12:55)

2003年/8月/1日
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「カジムヌガタイ 風が語る沖縄戦」比嘉慂(講談社)

・最近はこういうのあまりなくなりましたが、「モーニング」はちょいちょいと異色マンガを掲載していた。おれさま、創刊号から、1号を除いてずっと買い続けてますし。一時期は3年分くらいバックナンバーも保存していたくらいで。
・大昔、いろいろな職業のことを描けるマンガ家を募集したり、世界各国のマンガを載せたり、たぶん、最年長のマンガ家をデビューさせたり(79歳だったか)な。
・それで、最大の成功は「ナニワ金融道」の青木雄二氏ですね。実質1作で、マンガ賞の審査委員長までやっている出世ぶりですよ。

・ま、ともかく。本作もたしか、沖縄在住のけっこうなオッサンによる、戦争マンガ6編です。

・タイトルでもわかりそうでしょう。沖縄が舞台です。っていうか、サブタイトルのとおりですね。カジムヌガタイは風が語るということです。

・これが、タイトル作の「カジムヌガタイ」こそ、敵はアメリカ兵ですが、ほかは、全部、日本兵が敵です。沖縄戦において、陵辱され、差別され、暴力の被害にあった沖縄の人たちの悲惨さを余すことなく語ってますね。これが、どうも、実際にあったっぽい話なのが、また、格別にキます。

・ジープで乗り付けては、若い娘をレイプして殺していたアメリカ兵3人を村民が協力してワナにはめて殺した「カジムヌガタイ」

・防空壕のカギを渡さなかったという理由で日本兵に家族を殺された娘。終戦後、アメリカキャンプで働いていたら、負傷兵として、殺した日本兵がやってきた「フシムヌガタイ」

・戦争のために非難しろと命令し、ジャングルでマラリアで倒れる村民。その指示を出した兵隊は、やりたい放題した挙句、ほかの兵隊がきたら逃げようとする。許せなかった村の駐在は、決闘を申し込む「イシムヌガタイ」

・はっきりいって、絵はアレだ。この手のおっさんマンガ家にありがちの古いタッチで、鬼のように書き込みでって感じの。まあ、青木雄二氏の流れとはずいぶんタッチがちがうのだけど。

・でも、「これが描きたいから描く」という思いは、そんじょそこらのマンガがタバになってもかなわない。話の組み立ても、ちゃんとエンターテインメントの法則にのっとって、悲惨一辺倒なカタチにはしてない。
・草の1本1本、畳の目のひとつひとつ、丁寧にタマシイをこめている。それがきちんと伝わる。

・それに、かなり写実的な描写もある。たとえば、洞窟に隠れる村民と兵隊。穴の外からアメリカ兵が声をかける。「出てくれば水も食料もあります。あと5分で爆弾を投げ込みます」という。兵隊は「ワナだ行くな」と。でも、村民は、こんな暗いところで死ぬくらいなら、外で死ぬと出て行く。あわてた兵隊も後に続く。でも、兵隊の服装だと、殺されるかもしれない。だから、裸で出て行く。

・と、まあ、8月。こういう本を読んで戦争について考えるのも一興かしらと。
・沖縄旅行に行った時、なぜか、ガイドが日本批判を延々はじめたこととか思い出しますね。なるほど、こんな目に遭い、その話を聞かされるとね。沖縄はずっと日本人に食い物にされてた歴史などを鑑みましょう。沖縄=リゾートって気持ちがなくなりますよ。未だに、沖縄で一番美しい海と浜辺は、アメリカ軍の土地だそうですし。

オススメ
(23:51:25)


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