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ポトチャリポラパ/コミック/2004年
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2004年/1月
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2004年/1月/30日
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「機工魔術士」4巻 河内和泉(スクウエアエニックス)

・いやあ、だいぶ飽きてきたねえ。
・今回はうれしはずかし修学旅行でハワイなんですがね。ハワイっちゅーことで水着などのサービスもドンとあるんですよ。
・そいでもってバトルなんかもあるし、けっこうスリリングなシーンもあるけど、なんか飽きてきた。

・おれの場合、本作には寸止めエロを求めている。もの目的には十分対応している。でも、さすがに4巻もつづくと、「で?」ってのが気になってくる。
・話がけっこう停滞気味でね。その部分での推進力が、おれにはあまり感じられないのがネックになってますね。
・いくら寸止めエロがよくても、所詮寸止めであるし、じゃあってんで、モロなエロになればいいのかというとそういうワケでもないんですよね。エロがありながらも、先を読ませるには物語が大切ということなんですね。

・うーん、浮き輪の上にオッパイ(もちろん水着の)を乗せてるシーンとか、「おおっ!」ってのがあったんですけどね。
・ちょっと醒めぎみ。まだ、逆転はあるような気もしますけど。
(17:45:44)

「修羅雪姫」1巻 小池一夫&上村一夫(小池書院)

・タランティーノ監督の「キル・ビル」には修羅雪姫の主題歌が流れているとか、つい最近、釈由美子が主演したりしてましたよね。そういったからみで、コンビニコミックとして再発刊したんでしょうか。500pくらいで571円(税別)です。まあ、御徳サイズですよね。

・復讐するために生まれてきた女・雪。自らを修羅雪姫と名乗り、復讐のために人斬り稼業をしてる。

・もう、ダブル一夫がグイグイ引っ張っていきますね。美女という風貌を活かし、さまざまなところに潜入しては、かなり極悪非道な手段で「仕事」をする。ときには、殺しまくり。ときには、うまくワナにハメる。

・舞台は明治時代。かなり時代考証があり、それに見合ったネタが随所にある。西洋と日本の文化のハザマで、ときには和装、ときには洋装と、修羅雪姫もあでやかに着こなすわけですよ。ときには令嬢になったり、尼になったり、上京したての田舎娘になったりな。

・飽きさせない手法ということに欠けては小池一夫センセは天才ですし、上村氏の筆も冴え渡ってます。今では廃れてしまった、映画的手法を多用してるのも特徴か。長まわしだったり、暗喩的な描写(たとえば、花ばたけで花びらが舞うシーンが、長屋のシーンとかぶさったり)なども。
・あと、アクションがよかったな。これは正直上村氏を見くびっていたなあ。迫力があるし、その瞬間の止め絵がかっこいいんですよ。今でも十分通用しますよ。

・ということで、2巻も買おうかと思ってます。2巻まで読むと飽きそうな気もします。もう、ガキのころから小池原作にまみれてたもんで、なんとなく、「もういいや」って気分になるんですよね。たとえるとすれば、おばあちゃんの煮物みたいな感じで。最高の材料を最適な調理を施して、なおかつ、親しみのある味。それはとても美味いんだけど、そればかりは食えないみたいな。
(18:12:15)

2004年/1月/29日
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「どーでもいいけど」秋月りす(竹書房)

・秋月りす氏の作品を1回取り上げたかったんだ。
・おれはモーニングを創刊号から読んでる。これは数少ない自慢できることだ。そのモーニングにおいて、「クッキングパパ」に次いでの長期連載を誇る(っても、けっこうスパンがあるんだよね。クッキングパパはそれほど古いってことなんだけど)。
・身近なことを切り取ってネタにする。これが基本で、会社を舞台にした「OL進化論」。4人姉妹を中心にした家族モノが「かしましハウス」。で、本作は朝日新聞にあしかけ10年にわたり連載されていた、いわば時事モノです。

・これらの作品に共通してるのは、秋月氏は非常に冷静な視点を持ってるってことですよね。ほのぼのしたネタと絵柄がカモフラージュになってますが(それが魅力にもなってる)、その奥にあるのは、秋月りす自身を完全に消し去った「観察者」としての視点です。作者のアクを消すことが秋月氏の最大の個性になってるんですよね。
・本作は、特定のキャラがいないために、それが如実に現れている気がします。

・1992年から2001年までの時事ということで、一般人になじみが深いキーワードは「不景気」ですか。この10年は不景気とのつきあい方を学んでいたような感じで、まあ、あとがきにも書かれてましたが(そうだ、文章だけだと、秋月氏の理知的な視点がよくわかるな)、不景気に戸惑ってる「国民」が、最後の方ではうまく折り合いが取れているサマが描かれてます。
・たとえば、山一證券の廃業をタイタニックの沈没にたとえ、町工場の倒産はゴムボートの転覆にたとえる。でも、どちらも乗っている人には悲劇だとかな。

・一応、社会人の視点ということで、お上の「地域振興券」を茶化したりはしてますが、そういうスタンスがかえって冷静な感じを受ける。そうなんだよな、こういう皮肉めいたことを書く。でも、それは庶民の味方というスタンスを一応とってみましたという感じを受ける。

・というように、ときに「冷淡」といえるくらいのシャープさで、その所属してあるところの庶民をもバサリと切る瞬間もある。

・だから、ほのぼのの底に悪意を丹念に練りこんでいるような、違和感があるんですよ。ここいらが、人気の秘密かと思うんですよ。スィートビターなのが、カロリーが気になる女性を中心にウケてるんでしょうかね。

・でもって、唯一、秋月氏を感じるってのは、1992年から2001年になるにつれ、登場する人物の年齢が高くなるのがおもしろかったな。そういわれてみれば、「OL進化論」も、「35歳で独身で」ってコーナーが続いてますしね。

・このキレのよさは軽んじてはいけないなと思いました。
(22:34:58)

2004年/1月/23日
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「バジリスク」3巻 山田風太郎&せがわまさき(講談社)

・山田風太郎の「甲賀忍法帖」のコミカライズです。3巻目。
・かなり、猛スピードですね。だから、案外とあと2巻くらいで終りそう。で、そのスピードは原作に忠実かと。
・おれ、そんなエラそうにいえるほど原作は読んでないんですけど、読んだものは総じてものすごいテンポがよかったです。

・本作はそれに準じて、テンポがいいのが好感触。たぶん、マンガ的演出を加えている分、まだ遅いほうだろうけど、チマタのカタツムリみたいな展開(ぬめぬめ&のろのろ)のマンガに比べれば十分猛スピード。

・そいでもって、PC処理の作画も魅力的。エロもアクションもある。しかも、それぞれ奇想天外。21世紀になっても十二分に魅力的。3巻ではコーフンしたら、その息が毒ガスになる女性なんかが登場しますな。その女とやったらもれなく腹上死ですな。

・ちゃんとそれらのギミックが活きてる原作もミゴトならそれをちゃんとコミカライズしてるせがわ作画もミゴト。

・とかいいながら、ちょっと飽き気味だったりするボクなのです。ここいらはいろいろな理由があると思いますが、小説のコミカライズの難しさなどを感じてしまいますな。どうしても、マンガのほうが、ページ数が必要になるし、そうなると、やっぱり、1回に描けるコトというのは少なくなるしね。よく、マンガ1ページに小説30ページ分の情報がつまってるなんてことをいいますが、それは、情報を拾っていくとそうなるというだけのことですよ。実際には、30pの小説を1枚のマンガで表わすのは不可能でしょう。
・ということで、水増ししつつ、同時に補完するということになるわけです。
・たとえば、本巻の十六話。すでに死んだ敵に化けて、謀殺するという話。これこそ、原作では原稿用紙10枚くらいじゃないかな。それを1話分30pでコミカライズしてる。

・だから、これだけテンポがよくても、まだ追いつかないわけなんですね。で、ボクのキャッシュのメモリは64kくらいしかないから、どんどん忘れていっちゃうということなんですよ。

・まあ、これまでのボクなら、それはそれということで、絵やアクションやエロをタンノウするって割り切りもできたのですが、このごろは贅沢になりましてねえ。「(話が)わからないなら買うのを止めてしまえホトトギス」な感じなんですよ。

・本作はまだそれでも十分OKの範囲内ですけどね。
(19:41:41)

2004年/1月/21日
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「美女で野獣」4巻 イダタツヒコ(小学館)

・本作はいわゆる「好評連載」なのだろうか。雑誌で読んでないのでわからないのです。というか、そもそもどの雑誌で連載してるのかも知らない。

・女子ばかりの地下闘技場。そこに現れたニューカマーに主人公はやられる。なぜなら、彼女は、このルール無用のバリートゥードな格闘において、本当にルール無用の女性が登場したから。
・このコがまた、お人形さんみたいな感じで、目をついてきたりの反則攻撃のオンパレードで、これまでの、各種格闘技のエキスパートとは毛色がちがう感じ。

・で、山ごもりしてまた闘うと。

・カバー見返しにあった、作者の謎めいた言葉がよくわかりました。今回は、ぐるりと回って、「ガラスの仮面」もかくやの、女子の友情物語を描いてるわけです。それがたまたま「コブシで語る」といった具合の。

・でもって、実は、主人公も、前記のタイプの殺すための格闘技なんですね。それが、この少女の極悪非道殺法で目覚めてしまう。
・はてさてどうなるってのが、4巻のみどころですね。

・というか、そのオチがギャグになってるのがすごかったですね。あの見開きは破壊力あったなあ。ギャグでいて王道。まっすぐすぎるからギャグになる。

・そいで、主人公をはじめ、各キャラもまたいい味がでてきましたねえ。

・ということで、たぶん本作においてピークとなりましたね。4巻まで読んでもらえば、本作がわかると思いますよ。「なんじゃこりゃ」の人は止めておいたほうがいいでしょう。
(21:25:57)

「COMAGOMA」5巻 森下裕美(集英社)

・「少年アシベ」続編シリーズです。なにげに、イチバン刊行ペースが早い気がしますね。

・今回もまたアクのある新キャラ目白押しですね。もはや、前作である「少年アシベ」から除けられた、アクのあるキャラが同居してもなにもおかしいことがなくなった。

・5巻では、アシベの父さん(大工)の事務所で事務やるサクラさんと、2枚目役者の石割ってのがインパクトあるねえ。どっちもサジ加減がすばらしい。現実にいそうで、なおかつ、なかなかいないアクを兼ね備えてる。
・ここいらのキャラメイクはもう森下氏が頂点でしょうね。本当、絶妙。

・で、ふと、「あ、いけね」とばかり、本線のハズの「ほのぼの」を用意するのがまたいいねえ。こんなこといったらアレですが、その「ほのぼの」もうまくなりましたよね。

・熟練の味わいですねえ。もう、超大家ではありますからねえ。
(22:28:39)

2004年/1月/19日
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「グミ・チョコレート・パイン」4巻 大槻ケンヂ&佐佐木勝彦&清水沢亮(講談社)

・おれは、この連載誌である「マガジンGREAT」ってのを読んでるのですが、どうも、毎巻、けっこう加筆されてるような気がしてしょうがないんだな。
・今巻では、バンドのボーカリストとしての主人公が、今の思いをぶつけ、初のオリジナル曲「荒井注伝説」ができたエピソードは雑誌で読んだ記憶がねえんだよな。

・ということで、先日、完結・パイン編が出た、大月ケンヂ氏による、半自伝的ロッカー少年小説のコミカライズでございますよ。
・主人公ケンゾーが思いを寄せていた同級生は、グラビアでヌードを披露して、学校を辞め、そして、映画主演が決まりました。そして、ケンゾーのバンドも話題を呼んでいくんだな。2人とも別々の道を歩みはじめると。まあ、苦労もありいの、喜びもあり。

・オビにコメントされた、ケラ氏(元有頂天)も登場して、ソノシートも出るんだわ。なんかすごいね。

・ということで、相変わらずいいです。ただ、ダメ人間から逸脱しそうな感じがして少し寂しいなと思ったり。それとは別の位置でガンバレと応援したくなったり。微妙な気持ですよ
・ということですが、これはどこが着地点なんだろう? そういうことが気になりました。原作は終りましたが、1巻時にして原作とはズレてますからね。ジジイが出てこないし。いつか、原作:大槻ケンヂが、原案:大槻ケンヂになりそうな気がします。

・そして、それはそれでおもしろいのです。

・別にカッコたる主義というワケでもないんですが、おれは小説を読んでません。ただ、未読のチョコ編とパイン編は読むべきなのかなと思ったりしました。
(19:06:52)

「金色のガッシュ!!」14巻 雷句誠(小学館)

・敵の本拠地に乗り込んだ一行が、いったん仕切りなおして、味方魔物とともに、再び戦いに挑むの巻。
・クオリティは上々です。ときおりはさむギャグもおかしかったです。「ボインチョップ」は爆笑こそしませんでしたが、ちょっと虚をつかれました。

・団体戦もうまく3チームに分かれて、シリアス編、シリアス(お涙ちょうだい)編、ギャグ編と、バランスもいいですね。ここいらのバランスは「ONE PEACE」を参考にしたのかしら? ONE PEACEも団体戦のときは必ずギャグ戦がありますもんね(たいてい、ウソップかチョッパーが担当)。こっちはフォルゴレ=キャンチョメが担当ですね。アニメ版の「チチをもげ」はすげえ名曲らしいですね。聞いてみたい。

・あと、ティオさんのパートナーってたしかアイドルなんだよな。まあ、フォルゴレもアイドルか。おまえら、そんなズタボロになってもいいものなのか?などとイマサラながらのツッコミも挿入しておいて。

・これ、ギャグまじりのバトルってのは、もう流行ってるもんだとして話をすすめますが、これは下手なやつがやるとギャグに引っ張られて、けっこうグダグダになりますよね。なにせ、ギャグマンガだったら、鉄砲で撃たれるって「ツッコミ」を受けても、次の瞬間には生き返ってますからね。これを意図的に極端にやったのが「えの素/榎本俊二」。で、雷句氏は、当初、別の話としてセパレーツにしてましたけど、徐々に混ぜはじめてきてます。で、今回はついに同時進行で上記の3バトルがはじまってるわけです。
・まあ、率直に、雷句エラくなったなあと。

・すげえおもしろいという反面、なんつーかな、別のダークサイドなおれが、これはそろそろほころびが出てくるんじゃないか?と警報を送ってます。
・それが杞憂で終るといいなと思いつつ。
(19:35:21)

「学園ノイズ」2巻 オオヒシマヒロユキ+猪原大介(少年画報社)

・インターバルがあったので、前の話を忘れてしまいました。

・まわりを塀で囲まれた巨大な学園を舞台とした番長バトルマンガ。2巻にして、おなじみの地下闘技場の戦いがはじまってます。

・本作の弱点は、作画のインパクトが強すぎることですよね。だから、本作のようなわりとオーソドックスな学園バトルマンガにそぐわない。
・トンコツスープでパスタを食ってるような感じでしょうか。

・それぞれは美味いんだけど、組み合わせがもうひとつしっくりこない。短編集「下町狂い咲きシネマ」のようなシャープに徹した短編の場合は、ポップな絵柄はなにをやっても「セーフ」なんですが、長編で同じ手法を展開すると、もたれる。少しなら美味いんだけどねえ、って。

・うーむ。

・サヨーナラかな。3巻はいりません。
(19:53:01)

2004年/1月/16日
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「ぼのぼの」24巻 いがらしみきお(竹書房)

・早いスパンでの24巻です。
・だんだんテンポが早くなっているような気がします。刊行ペースということより、物語の内容自体が。
・ただ、いっときに比べるとシバリが弱くなった分、展開がより柔軟で、動物の話のようで、その実、すべて人間で成立する話になったため、おもしろさに幅が出てきたように感じます。もっとも、そう感じるようになってからも長いのですが。

・24巻では、モノを捨てられない話。ふと、さびしさがよぎる話。ものをプレゼントする遊び。スナドリネコさんの家の前に魚が置いてある話。

・なんというか、モノと人(ケモノ)な話を特集したような巻ですね。モノとのカンケイってのは、案外と重要なことでありますし、それでの悩みってのは、たいていの人が大なり小なり経験してると思うんですよ。まあ、それをケモノがやっているというのは、いないでしょうが、24巻だけ読んだ人にはかなり奇妙に映るかもしれませんね。1巻では、どこでもフンをするような彼らだったのに。

・ちょっと絵が荒れてませんか? 相変わらず売れっ子みたいですし、しょうがないところがあるんですが、ところどころ、これはいいのか?って絵があった気がします。

・キャラ別では、クズリくんのおとうさんが大活躍です。ツッコミとして扱いやすいんでしょうね。
(18:06:52)

「暁星記」4巻 菅原雅雪(講談社)

・オビに「冒頭8ページですべての読者は驚愕する」とありました。ぼくは連載誌「モーニング」で読んでいたので驚愕はしませんっでしたが、驚きました。

・で、モーニングでは、「もう終わりかよ?」と思っていた第3部が完全収録されてます。

・世界の成り立ちやバックボーンが語られていた3部です。
・「FOE」だったかな、東本昌平氏のマンガがありました。大昔です。今も東本氏は一線で活躍されてますよね。
・このマンガは2巻完結(打ち切りだったかな)だったと思います。SFな内容で、今となっては話は忘れてしまいましたが、1巻の何話目かで、突如「なにも考えてないと思われるのはシャクなので」と、いきなり設定をこれまでの流れを一切無視して語りはじめましたよ。そのインパクトは強くて、今の今まで覚えてたくらい。

・そういうのを思い出すような4巻でした。つまり、細かい設定はあるんだぞ。ちゃんと考えてるぞって感じがしますね。

・ただ、前記の「FOE」ほどトートツなことはなく、上記のとおり、3部の最初である4巻のはじめから、本線の物語と、うまくスイッチしながら、舞台の金星が「こんなことになった」成り立ちを描いてましたね。この構成は素直に上手いと思いました。

・で、4部もそろそろ本誌ではじまると。壮大な話になっていきましたが、ちゃんと風呂敷をたたむよう、作者と編集にお願いしたいところです。
(18:35:29)

「彼岸島」5巻 松本光司(講談社)

・かなり盛り上がってまいりました。5巻では吸血島ができた理由、兄がそれにこだわる理由などが語られてます。

・こっちも、かなり大きい話になってきましたね。

・たぶん、1巻に一箇所はエロシーンを挿入しようとされてるようにお見受けしましたが、吸血鬼のボスが主人公の兄の婚約者の血を吸いながらレイプするシーンがありました。例によって吸血鬼に血を吸われると、尋常じゃない快楽が伴うそうですよ。蚊やダニもそういう機能があればよかったのにねえ。

・4巻で感じた「大げさ」感はあまり気にならなくなりましたね。
(19:15:13)

「ペット」5巻 三宅乱丈(小学館)

・最終巻です。
・正直、なんだったのだろうと思いました。

・超能力者がいました。彼らを「殺し屋」として使おうとした組織がいました。超能力者は組織から逃げようとしました。そして悲惨なことになりました。終わり。

・ものすごいカンタンにいうとこんな感じでしょうか。おれの読解力がまずいとアレなんですけど、おおむねこんなところではないかと。

・登場人物のカンケイがそれぞれ非常に込み入ってます。そして、それをとても上手く表現していたと思います。それぞれのキャラが各々の事情のために行動し、それが結果1つのストーリーになる。ストーリーというよりちょっとしたドキュメントみたいな感じ。

・で、それはなんだったのだろうかと。

・1級のストーリーだったと思います。たぶん、映画とかで表現するとしたら、どうしても削らなければならない要素がけっこうあるデリケートな作品だと思います。
・超能力に関する解釈、その際の表現に関しても、かなり独自なものを感じますし、よくできてると思います。もう、アラを探そうとしてもみつからないくらいです。

・でも、おれは三宅乱丈の作品に関しては今後ちょっと奥手にならざるを得ない感じですね。

・だって、おれはもっとわかりやすくて「強い」話が好きですから。
(20:18:04)

2004年/1月/12日
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「ニセモン」猫玄(メディアックス)

・エロマンガですよ、お嬢さん。

・UFOの故障で一般人を巻き込んだために、母親代わりに10年、息子を育ててきたけど、母親の「皮」を着ようとしたところを息子に目撃されて、以後肉奴隷になると。まあ、エロマンガですから。

・さて、猫玄氏ったら、知ったのは去年ではあるんですけど、話がいい人ですよ。「エロ」と「いい話」ってのの両立は、エロゲー擁護派の定番の論理ですが、マンガでもあるんですよね。

・通算20冊目の作品(最近復刻ありましたね。「図書館の妖精」でしたか)で、最新作ということで、実は、100円中古本でおなじみのおれにはかなり隔世の感アリだったりします。

・特筆したいのはエロかったということですね。母親代わりのニセモンはピンクで現実にどうやって再現するのかわからん髪形で、体型の変化が自由自在(だから、ロリ体型にもグラマーにもなれる)。2話目からは突然登場する「妹」。その後、メガネ&ポニーテール&つるぺたの同級生などなど、盛りだくさん。バリエーションも多いし。エロ描写もたぶん「今」のそれかと。おれ、いろいろな時代のを買ってるからよくわからんところがあったりして自信はないんですけどね。

・基本的にエロコメの体裁をとりながら、どうしても、「展開」したい猫玄氏の、特徴というか、そういったのが発動して、謎が謎を呼ぶ展開がきちんと収束したりするのは、やっぱり、お話を作るのが上手いなあと。
・ただ、エロの比重がやや重い感じで、話がゴチャっとしていたかな。
・そして、ふと、これって「ウルトラマン」の設定だってことに今気づいたり。

・ただ、男がどうも感情移入できないかなあ。母親の中の人がいて、その5p後にレイプしようと思うかなあ。と、それが、イチバン難点かもしれません。

・それにしても、長い間一線にいる人は大変だなあと思いましたよ。
・久しぶりでしたが、いいエロマンガに出会えてよかったなあ。

・あと、八重歯フェチ? 作中の女性にみんな八重歯描写がありますね。
(16:29:38)

「京都太秦行進曲」土山しげる(リイド社)

・斬られつづけて45年の大部屋役者・福本清三氏の半生記をコミカライズしたもの。
・実は、当サイト「ニュース」で取り上げたこともありまして。トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」に重要な役で出演されていたりしてて、話題になられたんですよ。だからおれも覚えてるんで。

・そいでもって、おれはこの手の実録のコミカライズも好きです。その昔、「月刊少年ジャンプ」には必ずあったよなあ。あと、封切になる映画のコミカライズってのもあったよな。この2つは今でもいいんじゃないかと思ったりするんだけどね。ま、それはともかく。

・ビンボーな大部屋俳優を、ちょっとコメディタッチで描いてますよ。映画でいえば、「蒲田行進曲」が近いですが、京都太秦というところがまたちがった味わいを生み出してるような気もしますよ。
・で、かつての名優なんてのもようけ登場しますね。作中で登場した映画、福本氏が出演した映画の解説なんかもあったりね。

・前記の「蒲田行進曲」じゃないけど、階段落ちってのは大部屋俳優には憧れだったり。大部屋の女性にホレた、同じ大部屋の男の話とか。ガキができたから、大部屋を去る人の話。東映がエロ路線に入ったもんで、エロシーンを撮影するときの話など。

・なかでも、鼻持ちならんアイドルをこらしめる話は痛快でしたね。監督が「よーい。いてまえ!」でみんなが殴りつけるんですからね。

・ベテランですが、実ははじめてだったりしますね、土山氏は。シャープな線で、口元の描写にこだわりがあるような気がしました。

・ラストに収録された、10秒しか登場しない、斬られ役のストーリーを描いたのもなかなか味わいありましたねえ。

・味わいのある作品でした。原作「どこかで誰かが見ていてくれる」も読んでみたくなりました。
(16:46:22)

「武装錬金」1巻 和月伸宏(集英社)

「こういうのだったんだ」
・と、最近、CSでやってた「るろうに剣心」をみて、にわかファンだった奥さんはいいました。

・そして、おれも同じような感想です。
・本作は、おれにとってはじめての和月作品です。それを最初にお断りしておきます。だから、「るろうに剣心」も知らないし、その次のも知りません。

・ホムンクルスに命を奪われた主人公は、謎の少女に命を与えられる。そして、それは同時に化け物と戦う力でもあったので、少女とともに化け物と戦うことになったのでした。

・で、戦う人のことを武装錬金というんですね。

・本作を買う気になったのは、ものすごい久しぶりに読んだジャンプにあって、ちょっとおもしろいかな?と興味を持ったからです。「るろうに剣心」は知りませんが、売れたりしてるのは知ってましたし、たしか、テーマソングが川本真琴でしたよね。

・で、本作はというと、冒頭1行目の感想に戻るのです。

・カバー見返しのジャンプコミック恒例の作者のあいさつを読むと、意図的に「コメ」の要素を強くしてるそうですが、これが妙に空回り気味。大スベリではないので、作者の意図した「クスクスしてもらう」ってのには、ちょっと足りないと思った。

・あと、アクションシーン。マンガのアクション、映画のアクションともちょっとちがったものを感じる。おれ内のイチバン近い感触は、絵物語のアクション。アクションシーンで動きがあまり感じられません。
・この説明はちょっとマズイな。

・細かく書きます。
・たとえば、「人を殴る」。この行動をマンガにします。マンガは絵ですから、人を殴るという行動をどこかで1枚の絵として表わさなければいけません。アニメのように1秒20コマみたいに書いても、それはただ読みづらいだけで、動いてみえるわけじゃないですからね。
・そのときにどれを切り取るかで、どうやって表現するかで、動いて見えたりするんですよ。その切り取るセンスが、いわゆる「アクションマンガ」のそれとちがう。少なくともおれのセンスやこれまで読んできたマンガとはちがう。デッサンが合ってないとか、絵が下手だからじゃなく、そういうセンスの問題かと思うのです。それがいいのか悪いのかはわかりません。この絵物語なアクションのよさもあるからです。

・キャラに関しては、鼻に一直線の傷のあるヒロインである、斗貴子さんがいいですかね。お姉さんなところがいいですね。

・そいでもって、コミックのオマケで設定やこだわりを書いてます。ここで、おれは最大に「こういうのだったんだ」と思いましたね。予想の範囲内ではありますけどさ。

・そのオマケのジャンプ規制との戦いみたいなライナーノーツはおもしろかったですね。はー、未だにこういうのは強固なものがあるんだなあと。

・どうでしょう?2巻は買いますが。
(17:35:53)

「猿ロック」1巻 芹沢直樹(講談社)

・童貞高校生の猿丸くん。カギ屋の息子ですのでカギの技術は一人前です。
・ひょんなことから、大好きなグラビアアイドルのレイプビデオを取り戻すことになりました。
・あと、はちゃめちゃ。

・絵がかなり精緻ですね。これが「売り」の筆頭になります。ただ、ちょっとデッサンとか怪しいところがあるような。精緻だからこそみえるというか。

・で、肝心のカギネタですが、「自主規制」が多いですね。そらま、しょうがないといえばしょうがないんですけどね。でも、「売り」にゃあならんわ。

・で、ヤンキーギャグのフォーマットにのっとり、となりのビデオ屋のデブとコンビでバタバタとね。ここいらはいかにもですね。

・あと、話ですが、ちょっとぎこちなさが残るかな。レイプされたために男性不信になってるグラビアアイドルが猿丸くんの一途さに心を開きかけるんだけど、そのときの描写がとくにぎこちない感じ。ヤンキーギャグがとくに顕著ですが、ギャグとマジの境界線があいまいなんですよね。だからこそ、マジのときは、かなりうまくやらないと、ギャグに飲み込まれてしまうんですよね。危ういところがありましたね。

・まあ、表紙の絵と内容のギャップが最大のギャグになってますか。

・これはものすごいおもしろくなるか、失速するかですか、2巻、エピソード2ではっきりしそうですね。「カギ」ネタをもっとうまく使わないとなあ。
(18:21:27)

2004年/1月/10日
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「あら、カナちゃん!」モリナガ・ヨウ(大日本絵画)

・ほとんど知らない人なんですが、絵に惹かれて買いました。
・イラストレーターの人で、食玩の「ワールドタンクミュージアム」などのイラストも描いてらっしゃるそうです。

・本作は新聞4コマです。いくつかの新聞で連載されてます。こういうのって複数の新聞で同じのをやるんですね。知りませんでした。

・小学4年のカナちゃんを中心に家族や同級生とほのぼのと展開する新聞4コマです。まさに新聞4コマです。

・これが、イラストレーターならではというか、通常の4コママンガじゃあまりお目にかかれないアングルとかが登場しておもしろいですね。
・まずは絵に目が行きますね。1番感心したのは43pの稲光に驚くカナちゃんのお母さんの絵ですよ。
・4コマの絵というのは、必要最小限って感じが大きいですが、これぞ、必要最小限の効果で稲光を表現してる見本のようなものですよ。
・全体的に奥行きがある絵が多いのです。これは4コマではありそうでないですよね。

・で、新聞4コマというのもこれで奥の深いものです。その人なりの「ほのぼの」を描かないとダメですからね。
・なんたってシバリがすごいでしょうしね。NGが多そうです。なおかつ、本作は、時事性が薄いものになっており、30年前でも30年後でも通用するネタばかりです。

・この題材も、「へー」というのが多い。いい意味で、マンガにかぶれてないようなネタがあちこちでみられる。

・いとこと歩いてる同級生。カナちゃんとばったり会う。「へーちん、あの女の子はお友達?」となる。するとカナちゃんは「へーちんだって」と笑う。同級生は親類だけで通用するあだ名で呼ばれていたのがバレて恥ずかしがってる。

・お母さんにぶどうをおやつにもらう。一心に食べるカナちゃん。で、4コマ目「えだまめのほうがよく飛ぶから好き」とつぶやく。

・図書館でカナちゃんがイスの上に乗り、本を棚に戻そうとする。でも、本棚に入れようとする力で、イスが回転する。で、「手伝ってよ」と同級生にいうと「おさえるの?回すの?」と聞き返されたり。

・それぞれのキャラ立ても味わいがありますね。

・などなど、味わいがある絵がやっぱり大きいです。本当、好きなタイプの絵だったりします。
(23:24:45)

2004年/1月/7日
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「ナッちゃん」11巻 たなかじゅん(集英社)

・大阪を舞台にした鉄工所奮闘マンガですね。
・年齢不詳(20〜25歳くらいかな)のナニワ娘ナッちゃんが、オヤジの後をついで、女だてらに鉄工所の後を継ぎ、毎回、難しい注文を工夫と努力でクリアするって話ですね。ナニワだけに浪花節ですし。

・11巻の特徴は、「萌え」かなあ? 新キャラ登場ですよ。パソコン教室の講師で、親がスーパー銭湯の番台で、なおかつメガネっ子ですよ。まあ、年齢はナッちゃんとかと一緒みたいな感じですけどね。

・ということで、明るくてちょっとムチムチのナッちゃん。ナッちゃんに似てて、派手で遊び好きな居候、エリカ。女性っぽくて木工所をやってるサッちゃんに、今回メガネの知佳ちゃん。と、娘さんが4人も揃いましたよ。

・で、話もその娘さんたちが活躍する話が多かったです。しかも露出多め。なんたって、知佳ちゃんの家がスーパー銭湯ですしね。ナッちゃん、エリカ、サッちゃんの入浴シーンもあるわ、水着姿もあるわ、お約束の水着が取れて…のまである。

・うーむ。どうした心境の変化だろうか。しかも、水着の回はカラーを再現してましたし。昔は同じ顔にしていたエリカとナッちゃんの描き分けがまた細かくなった感じ。

・とかいいながら、いつもの「工夫」や、鉄工ウンチクもきちんと押さえてる律儀さ。今回、ナッちゃんが活躍しない、鉄工ネタあり、かと思えば前後編に分かれての大作もあるし、キャラもムダに増やしてるわけじゃなくて、知佳ちゃんもエリカもサッちゃんもうまく動いてる。ああ、今回、ジジイの出番がなかったか。あと、ナッちゃんのお母んも。

・この新キャラのメガネっ子も、妄想癖があり、突っ走ってしまうという、メガネっ子にありがち(例:おジャ魔女どれみのはづきとか)なパターンもちゃんと押さえてる。もちろん、かわいいですよ。

・うーむ。しかしながら、どういった心境の変化なんだろうか? おれも若い娘くらい描けるぜ!ってことですか。それに関しては「まいりました」と。
・アニメ化はムリだろうけど、ドラマ化なんとかならんかねえ。イマサラ白い巨塔じゃねえだろ? め組の大吾じゃねえだろ?
・ま、本作地味ですけどね。
(00:26:29)

2004年/1月/4日
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「PS羅生門」5巻 矢島正雄&中山昌亮(小学館)

・毎度おなじみの1話完結、はみだし刑事のハートフルストーリーなんです。
・今回は少年犯罪系の話が重かったなあ。最初と最後にドーンと配置してある。

・自分の子供が罪を犯した場合どうするべきか?なんつーことを、ううむと考え込んでしまう。まんまと矢島正雄トラップにハマってたりするのですよ。

・家庭内暴力をふるった息子。でも、警察に入れられる前に親は土下座して「私たちを替わりに」と懇願する。

・10年前に強姦殺人をした男。当時未成年だったために今は「更生」し、事情を知らない妻と子供と暮らしている。

「凄惨な事件 起す若い奴ら皆自供の時言うんスよ。 現実感がなかった、夢の中の出来事みたいだったって。」

・ああ、いうなあ。って、今、セリフ書き写していて気がつきましたが、セリフなのに句読点がありますね。

・それらも含めた家族の絆がけっこう全面にフィーチャーされてますし、印象的でした。

・相変わらず、読みやすさ、相応の得るものという点では、一級の作品です。
・ただ、ほのぼので終ってないしな。そういう絶妙の「安さ」みたいのを兼ね備えてます。これはいっておきますが、ホメ言葉ですからね。今はムヤミに自分の作品の価値を釣上げようと、ムチャしたあげくに破綻ってマンガのほうが多い中、貴重な職人仕事ですよ。読んでもらってナンボ。内容を理解してもらってナンボですよ。原作・作画とも、もっともっとスケールの大きい話、シキイの高い話を書けるけど、あえて、そのスキルをこれに投入する。そして、マンガ自体の質は高いままで、間口の広い作品に仕上げてる。
・この仕事っぷりは見習わなければならないと思いますよ。

・そろそろドラマ化ですかね。ドラマ(というか、テレビ)だと、もっと安い視聴者が増えるので、本作でも重いとか、堅苦しいと思う人が多いかもしれないなあ。
(15:59:03)

「すぱすぱ」2巻 三宅大志(角川書店)

・そういや、そろそろ2巻は?と思ってたら2巻が売ってました。

・ジャストラブコメ・ノットストーリーになりましたね。頭文字をとってJLNSと名づけましょう。二度と使いませんが。

・子供の頃悪霊に襲われて、小さいままの身体になってしまった鈴さん。でも、主人公の男とキスをしたら、一時的に本来の身体になれます。ボインボインです。

・1巻で必要な設定。

・それに妹が加わりました。

・2巻で覚える設定。

・さあ、萌えなさい!
・と、そういうマンガです。もう、いっそ、清々しいほどほかの要素がなくなりつつあります。
・結局、今は、作画で気に入った人を探して、思う存分萌えれば、それでOKという世界になっているのでしょうかね?

・ロリであり、巨乳であり、その上、2巻からは、妹で巫女という、さらなる強化が加えられているのです。

・ほかになにが必要だというのだろう? メガネっ子? おお、そういうキミはカバーをめくれば、メガネっ子が出迎えてくれる仕様だ。

・ただ、おれもたいがいこういう萌え系は絞らないとキリがないなあって気もしてきました。
(18:20:46)

2004年/1月/3日
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「シガテラ」1巻 古谷実(講談社)

・最新長編ですか。いきなりマジモードで展開してますね。どちらかというと、「ヒミズ」寄りで。
・おれとしてはギャグじゃないことにかなりがっくりだ。まあ、マンガ家としての寿命や、戦略で考えると、こっちのほうがずっといいんだけどね。

・いじめられっこ。だが、彼はバイクの免許を取ることに夢中だ。その上、教習所で知り合った、女の子もいるし。
・で、その女の子と両思い成立までが1巻のあらすじです。

・あくまで、ギャグ抜きでリアルタッチで攻めていってますが、「ヒミズ」ほどの絶望や行き止まりはないですね。

・この後、どっちにも転べる仕様というと、うがちすぎですかね。ラブコメにもできるし、どん底方面の展開も可能です。いずれにせよ、なんていうかな、「ヒミズ」のときみたいに、終わりから逆算して作ってるって感じが濃厚です。

・うーむ。古谷実のギャグが読みたいなあ。
・こういうことを書くと返ってくる答え。

「そういうのはもう卒業したから」

(16:01:38)

「はじめの一歩 総集編」28巻 森川ジョージ(講談社)

・おれは総集編で買ってるんですね。総集編もひところに比べて少なくなりましたね。今は300円以内のコンビニによく置いてある、わら半紙のコミックが多いですから、総集編だと厚くて高いのが多く、それにみあったタイトルが少ないってのが現状なんでしょうか。よくわかりませんが。

・ともかく、28巻も続いてるのは「はじめの一歩」だけですけどね。総集編はたいていフェイドアウトしていきますからねえ。もう半分あきらめかけてましたよ。まあ、これからも年に1冊くらいのペースで出ることを祈りたいものです。

・で、総集編でいいのは、キリのいいところまでまとめられるってことですね。今回コミックで6巻分をまとめて1120pという化け物サイズになってしまいました。

板垣vs牧野
一歩vs唐沢
板垣vs今井

・の3試合をまるまる収録です。
・あ、書き忘れてましたが、ボクシングマンガです。
・主人公は日本チャンピオンだし、先輩には2階級制覇の人もいます。板垣というのは、その中に入ってきたアマではけっこうならした有望株です。その新人戦がメインの流れで、主人公の対戦も間にはさんであるという感じですか。

・ちゃんとその3試合が有機的にからんでます。その構成の巧みさ、そして、逆から見るとすれば、その構成を許したくらいの看板マンガともいえますね。

・基本的に新人王をめざす、板垣の視点で、先輩の一歩の戦いや、生き方が、板垣に影響を与えているという感じですな。

・めちゃくちゃ安定してます。ただ、その安定の奥からワンパターンという避けようのない病巣が見え隠れしている感じも受けますね。
・ただ、1年に1巻ですし、おれ的にはまだまだ新鮮です。

・スポーツマンガは総集編にかぎりますね。

・では、また来年(というか今年)
(16:17:22)

「ハレハレなおくん」1巻 ナカタニD.(竹書房)

・ぐあ。これは、ぶんか社からでていた「にくげなるちご」のリミックスじゃないか。
・本人自身もそのようにいってるし。

・なーんか、途中でイヤになったんですよ、「にくげなるちご」って。その後、「三代目魚武濱田成夫伝」なんてうさんくさいものを出して、「あ、おれには縁のない作家だったのか」と敬遠していたのですが、名作「東京都立不安病院」が出てまた盛りなおしたんですねえ。

・その大元の「にくげなるちご」のリミックスなんですよねえ。だから、非常に微妙な気持でいることをわかっていただきたいなと思い、ぐだぐだ書きましたのよ。

・ハレハレなおくんの「ハレハレ」とはなにかというと、高校生のおねーちゃんのパンツをみてると、チンチンがハレてしまうことから由来してるんです。

・昭和43年。どうも、ヤクザのえらい人の息子であるなおくんと、そのまわりの人たちのショートコミックです。
・ちょっといい話系で、エッチでもあるって感じかな。
・たとえば、よくなおくんと遊んでるショーちゃん(全身刺青小指なし)は4歳のなおくんとプロレスごっこをしてても、けして手を抜かない。勝たせてもらうことを覚えたら、本当の勝ち方がわからなくなるからだそうな。
・そういう感じの「男の詩」的なのが多い。

・その狙いすぎなところが、「にくげなる〜」では鼻についたんですよね。で、本作ではどうかというと、実は本作でも鼻についたのです。ただ、前ほどじゃないです。

・でもなあ。うーむ。ちょっと2巻が出るまで評価を保留させてください。今はなんともいえません。2巻は多分買うと思います。それもわかりませんが、2巻を買わなかったら、それが答えだと思ってください。
(16:45:33)


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