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ポトチャリポラパ/コミック/2004年
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2004年/月
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2004年/3月/30日
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「KANEHIRA-DEATH」金平守人(エンターブレイン)

「コミックビーム」の巻末指定作家として名高い、金平氏の最新作品集です。「金平劇場」「かねひらだもの」「カネヒラデスカ?」ときて、ついにDEATHですよ。
・まあ、4巻目ということですが。

・基本的に毎回いろいろと趣向を凝らしたギャグがあるというもので、ほぼつながりはないです。

・今回は「デスヴィネ」ということで、かなり萌え度が高い表紙です。毎度毎度萌え度の高い表紙、しかも、そのときのディスイヤーズモデルげなやつを用意してるところがすばらしいですね。まあ、そのオチとしてのカバー取った裏のほうがすごいですね。

・いつもいつも「器用貧乏」という言葉がアタマに浮かぶんですね。作品ごとに作画タッチを変え(それでいて、カッコたる「かねひら」が存在する)、技術の粋を凝らしたミゴトな絵に、いい意味でも悪い意味でも「くだらない」ネタを惜しげもなく導入。
・そのバラエティ度は、たぶん「DEATH」がピークですね。最終回を迎えた後、突如としてAZUSA名義ではじめた非ギャグなショートストーリー(3話)まで挿入。おれはこれ「金平がよかったのになあ」と思いながら「つまらなそう」だったので、トバしてました。「いかにも」すぎたんですかね。

・金平氏の「ひね」具合が、おれにはかなり波長が合う感じなんですよね。やけっぱちのようで冷静、巧みなようで穴があるパロディ、投げてるようでかなり精緻。というか、投げきれない律儀さが好きです。

・日記漫画風なときのセデスハイ4錠飲み(通常2錠)をためしてみましたですよ。効きましたです。

・これからも自虐をこじらせないようにして、ビームの巻末名物として居座ってください。個人的には田中テポドンさんがサイコーです。ぜひアニメ化希望です。CVはもちろんこおろぎさとみ氏で。
(18:11:18)

「MAGi MAGi」2巻 鈴木次郎(スタジオDNA)

・最終巻。

・ファンタジー大好き少女が、魔法使いのいる世界に迷い込んでしまう話。

・なんだったのでしょう? かなり変なマンガです。魔法使いとはいえ、魔法を使えるのは80歳過ぎなければいけないし、イケメン風の兄弟と暮らすんだけど、その生活レベルは江戸時代の農村って感じだし、家は純和風。そのくせ、魔法使いっぽい黒い服を着てたりと、ワケのわからん世界観。それでいて、それがどうなるって感じでもなかったりするのがますます謎。つまり、その設定を活かそうとか、シバリになるってことはないんだよね。単に「そういうところ」で、そういうところから、無事に帰還するって話ですよ。
・2巻ではまるまるイッパイ、少女が帰るためにドタバタするという感じ。

・他マンガでは、実は共通点のほうが少ないんだけど、「ハレグウ/金田一蓮十郎」的なものを感じたな。あれも、別に、舞台のジャングルとかカンケイないし、無意味にキャラが多いし、その設定は「そういうもの」という扱いで基本的にほがらかにほのぼのと展開していく。

・つまり、それこそがファンタジー。ということで、「そういうことだったのか」とわかる仕組みになってるんですよ。

・オススメでもないけど、妙に残りました。
(18:48:42)

「濃爆おたく大統領」2巻 徳光康之(講談社)

・最終巻。

・オタクギャグマンガですね。いやまあかなり多いし、意図的に読んでましたけど、数多あるオタクマンガにおいて、1番硬派です。なぜなら、女性登場人物が0(限りなく0)ですから。そいでもってかなり暴力沙汰が多いですね。表現上ですが、血も多く流れてるし。まあ、ココロの血かな。

・ネタバレをすると、「バレ蟻」がでてきてネタバレ話をしたやつを噛む。
・カップルで同人誌屋にくるやつらを「負け犬」と言い放つ。なぜなら、手ごろなところで妥協してくっつきあってるやつらだから。
・テロテロ坊主。わざとコミケなどで行列を作って、みんなをイライラさせる謎の集団。

・と、まあ、そういう感じですよ。作者もバンバン登場してますよ。かなり年季の入った方ですし。

・作者出身の佐賀県って、アニメファンには聖地なんだそうですよ。熊本と福岡のテレビ番組が入るから、再放送がスゴイことになってるそうで、アニメ見放題だそうです。そのためにわざわざ佐賀の大学に入学してくる剛の者もいるくらいだそうです。
・へー。

・余談ですけど、こないだ、本屋で、全国の都道府県別のキャラクターみたいな本を立ち読みしてたですよ。その中で、佐賀県ってのは「人の話を聞かない頑固者」と書いてありましたけど、徳光氏にきっちりあてはまりそうですね。

・まあ、そういえば、過去の徳光作品を見返しても、小林よしのり氏のギャグマンガキャラに輪をかけたような、頑迷で自己中心的なキャラが目白押しですよ。しかも、趣味=マンガのタネというのが多い方なんですね。

・暑いマンガです。本来「熱い」ですけど、本作の場合、暑い。まあ、厚いともいえますかね。篤いでもアリ。
(19:38:14)

「バトルロワイヤル」12巻 高見広春&田口雅之(秋田書店)

・最終巻。ではないですね。まだまだ続いてますよ。好評連載中! 大ベストセラー小説「バトルロワイヤル」のコミックですっ!

・1巻丸ごと、いや、前巻から引き続きだから、もっともっと長い、桐山vs杉村。まあ、決着がつきましたね。

・何度もいいますが、まだ原作は読んでません(持ってます)。

・さあ、前巻のときも書きましたが、いよいよ、時間がタールのように淀んだ流れになっております。毎回1人以上死んでいた初期が懐かしいです。あのころは、アルプスの天然水のような清らかな流れでした。

・たぶん、このままだと、最終回は38巻くらいですね。途中で連載内外伝みたいのが3巻くらいつづくんじゃないでしょうか? 刑事編やロックバンド編、柔道編なんてのもはじまりそうですよね。

・さしあたって、次は相馬光子と桐山の戦いがはじまりますが、それで15巻は続きますね。1歩動くたびに彼らの生い立ちが描かれるんですよ。はじめてオムツが取れたころとかね。つたい歩きをしたこととか。

・もしくは、13巻で終ります。ラストページで地球が謎の大爆発をするんですよ。

・まあ、こういう茶化したくなる気分もわかってくださいよということですよ。

「読みたくないなら買わなければいいじゃないか」

・ってファンはいいそうだけど、それは、みている映画、つまらないから途中で立てるかどうかってことでしょ。おれはできないタチなんですよ。

・そろそろ無意味に重厚長大になる今のマンガの風潮をなんとかしてほしいもんです。手塚治虫氏のマンガに「ブラックジャック」のような1話完結モノを除いて、10巻以上のマンガがあるか?ってことですよ。 そして、手塚治虫のマンガはスケールが小さいか?ってことですよ。軽薄短小ですか? ちがいますよね。マンガの巻を重ねなくても、重厚長大は描けるんですよ。まあ、ここいらのは、「マンガ原稿料はなぜ安いのか?/竹熊健太郎」という本にくわしいので、あとは読んでみてくださいよ。このブロック丸パクリですよ。
(20:06:42)

2004年/3月/29日
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「鋼の錬金術師」7巻 荒川弘(スクウエアエニックス)

・売れてから知ったので、1〜5巻はまとめて読んで、すぐに6巻が出た感じ。だから、7巻ははじめて普通に買ってた人と同じペースで待ってたんです。

・シリーズ累計1000万部ですって。すごいねどうも。

・と、はじめて「通常」のインターバルで続刊を待ったワケなんですが、最初はやはり、ちょっと入りづらかったんですよね。前の話とかもちょいと忘れぎみだったし。
・でも、読み終わる頃にはズップリでしたねえ。やっぱ、おもしろいわ。

・7巻では新キャラがけっこう目白押しだったんですけど(主に敵に)、全然見失わなかったですね。こういうの読むと、おれがキャラを見失ったり、筋がわからないのは、全部、マンガ家の能力不足だって断言できるんでありがたいですよ。

・今回、その敵である側の描かれ方が非常におもしろかった。
・セオリーとして「敵」に対しては、あまり、感情移入の余地がないような描き方をします。たとえば、ものすげえわかりやすいのが「ONE PEACE」ね。敵は徹底的にひどく描いてますよね。そして、それはオーソドックスで基本だったのが、「おいらだって事情があるんだい」ってのが妙に流行っていた中で提示されたもんで、非常に効果的だったんですよ。
・そいでもって、その「事情」ってのの描き方、それでも「敵」は「敵」だから倒される。そのハザマでうまい折り合いをつけてるのが大半ですね。スポーツマンガの「戦い」なんかに顕著ですよね。それこそ、「巨人の星」の左門のビンボーっぷりとかね。

・7巻では、兄がいない中、弟(アルフォンス)が誘拐される。いわゆる「敵」である印であるところのウロボロスの刺青をつけた一団(これまでとは別の一団)。だけど、妙に彼らは紳士的なんだよね。むしろ、取引という感じでね。わきあいあいとまではいかないけど、お互いにあまり本気で戦ってない印象を受けさせる。よくあるパターン、「昨日の敵は今日の友」パターンすら匂わせる。禁じ手である「コミカル」な感じまで出してる。これやると、読者がけっこう感情移入というか、親しみを出してしまうからね。
・ところが!ですよ。

・この7巻後半は、これまででも「ある」パターンでしたが、非常に巧く描いてましたね。考えてみれば、アタリマエのことなんですけどね。本作、あるいは、現実において「1番強いもの」ですよ。そして、なぜか、「1番悪」に描いているんですよ。「なぜか」ではないんですけどね。

・これまでもちょこちょこ匂わせていたんですけど、7巻がもっとも鮮やかで印象深かったですね。よって、大総統がとてもかっこよくみえるし、とてもこわくもみえる。あと、1巻で登場した非常になつかしい男も再登場ですよ。こういうところの芸の細かさがまた。

・やっぱ、そこいらとはおもしろさの格がちがいますね。ビックリです。

・累計1000万部突破で、小学館漫画賞受賞。そういうの気になる人のために書いておいたよ。世間様でも折り紙付きってこった。悪いこといわんから読んでおけ。

オススメ

・で、余談。
・あれさ、画集とか出てるじゃん? やっぱ、ああいうのって描き下ろしでカラーイラスト何枚か描かせたりするものじゃねえの?ああいうことさせるなよ。この作者は絵で売ってるマンガ家じゃないと思うぜ。それなら、短編読みきり描かせたり、「大好き」だっていってる、単行本のオマケ作業をさせてあげたらどうかね? 作者が画集を出したい!とは絶対にいわなそうだけどね。彼はおもしろいマンガを描く人で、イラストを描く人じゃないと思うんだわ。どうも、おれには、マンガ家の画集ってのは、出版社の小銭稼ぎにしか思えない。長い目でみたら、読みきり描かせて、短編集として出したほうがよほどいいような気がするんだよねえ。たぶん、作者も、ちがった毛色の作品を描きたいだろうし。おれが作者だったらそう思う。
(15:31:28)

「辣韮の皮−萌えろ!杜の宮高校漫画研究部−」3巻 阿部川キネコ(ワニブックス)

・えー、書きたいことをまず書くのがいい文章だとなんかで読んだので思うサマ書いておこうと思うのです。

・ニューキャラの塩釜港さんサイコー! おれはなんだかフタが開いたかもしれない。萌えのフタ? もう、パッカーンと開いたね。パッカーンと。

「ボク女」で、小さくて、巨乳で、ショートカットで、SF小説(ブラッドベリ)好きで、文芸部部長で、図書委員長で、普段は物静かで、でも、スイッチが入ったらSFを熱く語って、普段はパンツルックなどでキリっとした服装だけど、実は、スカートとかにちょっと憧れていて、その手のところをつつかれるとテレて赤くなって。
・って、なんだろう? おれのツボをほぼ全部押さえたような女性ではないか。おっぱいもむと「ぱゆん」っていうんですよ? ぱゆんぱゆんぱゆんですよ? ぱゆんぱゆんぱゆん。しかも、後半じゃメイドのコスプレですよ?ぱゆんぱゆんでメイドさんですよ? どうしたらいいんですか? もう結婚じゃないですか。

・と、少し気がすみました。ここから通常進行ということで。

・えーと、オタクばかりの漫研を描いた4コマです。オタクギャグというジャンルですが、おれは本作が1番ですね。終わり無きオタクパラダイスを描いております。

・主人公に、半端オタクを据え、その半端ぶりを笑ったり、主人公が良かれとおもってるヒロインが、いわゆる腐女子で、自分と部長(鬼畜)とのカップリングを楽しむようなタイプだったりして、ほがらかにやっているのですよ。

・いやあ、すばらしくうらやましい環境ですよね。おれは、もう、いっそのこと、女子は1人もいなくてもかまわないので、この漫研にいたいですね。いや、もっといえば、文芸部部員かな。塩釜部長に好かれるように、必死で「火星年代記」とかを読んでたりしたいわ。
・いいよねえ、年越しで仮面ライダーからV3まで全話みたりとか、サイコーじゃないですか。オチになってますが、サイコーですよね。おれみたいに一匹狼で行動してきたものにとっちゃあ、そういうことを教えてくれる人と知り合いってだけでパラダイスですよ。部長も顧問(仮面ライダーマニア)も泉センパイも軍人くんもすばらしいですよ。
・もしかしておれトモダチがほしいだけなのかもしれないけどさ。でも、彼らはそれぞれ逸材ですし。

・で、ネタとしても、石ノ森章太郎氏の萬画記念館にいったり、学園祭があったり、メインは、コミケで、みんなの合作マンガを売り出したり(そのからみで塩釜女史もメイドのコスプレをしたんですね)とかなり盛りだくさん。
・ラストには、外国人留学生のオタク(金髪のボインちゃんよ)まで登場しますし、起伏もばっちりでストーリーは進行します。他女性キャラもサービスシーンは満載です。ぬわんと、初ポロリまで。

・そして、ラストにエッセイコミックまであるという大盤振る舞い。アメリカの「アニメエクスポ」のルポと、買ってから気がつきましたが、初回限定版のドラマCDの録音風景のルポ。今回、描きおろしとしての、部のみんなのネタ的なのがなくて残念ですが、それでもすばらしい3巻でしたよ。ドラマCDも聞きたかったなあ。

オススメ
(17:19:32)

「WAKIWAKIタダシさん」1巻 阿部川キネコ(竹書房)

・と、おれにとっては、「辣韮の皮」の阿部川センセの作品であり、他の読者には、またちがう面があるんでしょうが、まあ、その阿部川センセの非オタク4コマ。

・整体師マンガですね。曲がったことが大嫌いな整体師のタダシさんがWAKIWAKIと手を動かして、背骨をまっすぐにするマンガ。

・奥さんは趣味でナース服を着てて、トモダチの整体師は、ホストクラブみたいなところに勤めていて、客にAV嬢がくると。そういったマンガです。エロではないですけど、案外下ネタが多いですね。ああ、もっとイヤないいかたをすれば、女性がいかにも考えつくような下ネタ。ああ、もっともっとイヤないいかたをすれば、ビジュアル4コマでよくあるようなやつ。
・タダシさん夫妻が、毎夜毎夜、奥さんに整体をしてるのを「すごいプレイをしてる?」なんてドキドキするおとなりさんとかねー。

・こう、だから、意外に正攻法の、イマドキの4コママンガといったオモムキでしたかね。そうなんですよね、阿部川センセは基本オーソドックスでありますね。それこそ、このマンガの主人公的な、仕事キッチリなところをどこかに潜ませている感じ。

・あと、イマドキっぽく、ちゃんとストーリー展開もあるんですよね。そこいらもオーソドックス。マジメな方なんだなあと思いますよ。というか、そういうところで連載してるからか?

・そうそう、「辣韮の皮」で書き忘れていたのでここで書きますが、阿部川キャラって、どれもこれも分別のついた大人的要素がある人ばかりだね。これは作者の人柄が反映されてるのかしらね? いわゆるチャランポランキャラってまったくいないし、一見、そう見えても、実はスジが通ってるなんてのが多い。あとムチャクチャするキャラもいない。

・ま、それはマンガにおいて、欠点でもあるんですけどね。おれはそういうところも含めて好きだから問題ないんだ。

・こりゃあ、「辣韮の皮」以前のショタらしいエロマンガも試してみる価値あるなあ。
(19:12:59)

「蕗のお便り」1巻 菅原雅雪(講談社)

「暁星記」連載の合間に連載されてるという変わった形式の作品でした。過去形なのは、どうも、今後は「モーニング」でずっと連載され、「暁星記」のほうは「別冊モーニング」ってので連載されるみたいですね。
・そうなんですよ、本作も、みょうに長期連載になってるんですよ。

「異色の4コマロードムーヴィー」とオビにあるように、4コマの形式で延々と続くストーリー仕立てにギャグマンガとなってるんですね。

・フキの精・コルコニとフキノトウの精・マカヨが人間の世界に迷い込み、自分の国へと帰ろうとするストーリーですね。

・道中は、カワウソの精などにであったり、人間との交流があったりと、波乱万丈ですよ。それをノホホンとやりすごす感じですね。

・これさ、ぶっちゃけ、「モーニング」で読んでるときはたいしておもしろいと思ってなかったんだわ。だけど、通して読むと、独特のグルーヴが生まれてて、とても楽しいですね。4コマ形式とはいえ、ずっと話がつながってるから、毎回3P、5本の4コマじゃ、ブツ切れもいいところなんですよね。だから、楽しめなかったんじゃないかなと。

・しかし、「牛のおっぱい」「暁星記」に「蕗のお便り」と、なんとなくみんなトーンが似てますよね。かなり首尾一貫してる方ではあります。

・かわいくてほのぼのしてるので、そういったものが好きな人はハマるんじゃないかな。
(20:17:19)

2004年/3月/28日
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「金色のガッシュ!!」15巻 雷句誠(小学館)

・相変わらず闘ってます。

・ギャグバトルって、まあ、今、ひねり出した言葉なんですけど、これは「キン肉マン」とかがルーツになるんでしょうかね? 「ONE PEACE」でもあるし、「武装錬金」も「鋼の錬金術師」もそういうニュアンスがあります。

・毎日どこかで、誰かが戦ってるマンガがある。なぜなら、戦うというのが、読者にとって1番燃えるからですね。
・ただ、だからって、あまりにも頻繁に戦うとなったら、これはイキっぱなしになるわけで、ストーリーの起伏ということで考えると、山脈みたいになり、結果、高くないということになるわけですね。なぜなら「盛り上がる」ためには、下がないといけないからです。もう、頂上だったらそれ以上は盛り上がりようがないからね。

・だけど、戦わないと盛り上がらない。そういう不感症な読者ばかりの現状ですよ。そのための一手段として、ギャグバトルです。

「笑える戦い」

・そういうことですよ。戦いながらも笑える。そのことにより、テンションが高いまま、すなわち、バトル状態のままで、「起伏」が生まれるワケです。ストーリー自体はそう変わりませんが、「起伏」になるんですね。

・まあ、それをかなり積極的に取り入れてますよね、「金色のガッシュ!!」は。

・しかも、15巻では、ギャグバトルから、感動バトルへの移行ワザがありましたね。冒頭の、キャンチョメ+キッドの共同戦線のバトルがそうです。これはなにげに高度じゃないかと思うんですよね。

・同じ1バトル内でいろいろな要素を組み込むってのはほかのマンガでもありますけど、やっぱりそれでも「メイン」となる軸があるものですよ。たとえば、ギャグなら、ギャグで通すとかね。途中で苦戦して、ピンチやシリアスになるけど、最終的にトーンはギャグで納めるって感じ。でも、このキャンチョメ+キッドの場合、キッドが魔界に強制送還という、本作では毎度の必殺感動パターンを最後にもってくる。最初はかなりギャグではじまったのに。

・そいでもって、3バトルを同時並行で進行させてまして、他の2バトルはシリアス編であり、そのまま、本線のストーリーもクライマックスに近いほうに持っていったので、余計に、冒頭のギャグバトルが大事なんですよね。

・しかも、かなり精緻な構成で煩雑さがない。まあ、わかりやすいってことでね。これはおれにはとくにありがたい。複雑なのイヤイヤ。

・ということで、おもしろかったですよ。
(15:32:50)

「魁!!クロマティ高校」9巻 野中英次(講談社)

・なんだか、いい位置につけてきますよね。
・もはや、なにがどうなろうとオールOKというマンガになってきつつありますからね。赤塚不二夫氏のピーク時みたいな感じで、まったくバカボンのパパとかが登場しないのに、「天才バカボン」で通るって世界ですよ。

・もう、延々、メモリ増設を失敗してもOKなんですよ(そういうエピソードがあったのです)。それは「クロマティ高校」だから。

・延々と続くループ。ここいらは計算してるのか、テキトーなのかもわかりませんし、そんなことどうでもいいと思わせてしまってる。その時点で勝ちですよね。

・で、そのループを切り取ってコミックス1冊って感じで、その「部分」が気に入るか気に入らないかだけのことになるんですよね。

・そうなると、もうかぎりなく個人的な話になってくるわけで、それは野中氏のネタの流れもそうだけど、自分の体調なんてのもカンケイしてくるわけでねえ。

・そういうことで9巻はイマイチかなって。
(15:59:18)

「全日本妹選手権」6巻 堂高しげる(講談社)

・本作も、かなりループ気味になっています。
・妹でオタクな漫研な人がいろいろとやってる4コマ(じゃないほうが多いか)なマンガです。

・おれは本作のなにが好きなのかなって考えましたよ。たぶん、「ちゃぶ台返し」だったんですね。6巻にはそれがなかったからそう思ったのです。
・なんていうかな、すべてをチャラにするようなオチ。その破壊力が好きだった。過去形です。

・おれは、本作で、ネタにされてるオタクネタはほぼわかりません。ナツカシのアニメネタもわからないし、最近のもわからない。たぶん、そこがかなり大きいマンガだと思うのですよ。
・んー、妹(女子高生)の肢体をみてエロエロな気分になるってのは、画力が足りてないと思いますしねえ。そもそもかなり寸止めですし。

・それらをひっくるめた、自虐にもつながる「危ない」セリフなんてのも魅力かもしれませんね。いろいろな人を敵に回してるセリフの数々。

・で、実は、6巻でも「ちゃぶ台返し」はあったんですよね。たかしげ宙氏原作の「たかしげ宙 in シスプリガン!!」ってのがそうですね。
・登場キャラが演じてる、学芸会的なシリアスドラマです。ギャグとか一切ナシで。

・そして、ものすごい悲しいことに、これでいろいろと露呈してしまいましたね。
・たとえるなら、「これは通常時だからこれだけだけど、いざとなったらスゴイことになるから」っていってたのが、「いざとなった」ときのような感じでねえ。長くこのシリーズが続くといいですねと思わずにいられないような。

・まあ、どうなんでしょ? 「もう買うのやめた」って1行目に書きましたけど、これを書きがてら読み直したら、そうでもなかったかなあって思い直して、その1行目を削除しましたね。

・ただ、ボーダー上ではあるんで、次に「コミック」で取り上げなかった場合、「ああ、ねえ」って思ってください。
(16:33:57)

「エハイク」吉田戦車(フリースタイル)

・マンガではないんですけどね。
・タイトルどおりの「絵+俳句」なものです。吉田氏の絵と俳句と解説が1セットなオールカラーの縦長本です。

ほぼ日刊イトイ新聞 - 吉田戦車エハイクの世界。

・はい、リンク先にジャンプしてください。1発で内容が理解できます。

・さて、おれは吉田戦車氏のファンなんだろうか? ふと考えるわけです。「戦え!軍人君」(多分デビュー単行本だと思う)から、再発モノを除いてほとんど全部買ってるし、文章の本や、共著(川崎ぶら氏と)も買ってるし、読んでいる。

・おれ内に、シバリとして、「1回でも声に出て笑ったマンガ家はずっとひいきにする」というのがあり、吉田氏は、上記の「戦え!軍人君」ですでにそれを果たしている。まあ、その後、かなりなかったんですけどね。出世作であり、代表作である、「伝染るんです」は1回もなかったし。ついでに書いておくと、堂高しげる氏はまだないです。

・で、おれ内での爆笑率というのは実はあまり高くもないのが吉田戦車氏だったりする。野中英次氏のほうがよほど高い。

・でも、おれは本屋で新刊をみつけたりするとノータイムで手にとり、レジに持っていく。

・たとえば、中川いさみ氏の場合は「ファンだ」と正面きっていえる。絵本こそ買ってないけど、氏のマンガを読むだけで楽しいしシアワセだ。

・だけど、吉田戦車氏の場合は、無条件に受け入れるには、なにか抵抗があることも確かだったりする。

・まあ、たぶん、センスが相容れないところがおもしろいのかもしれないなあとボンヤリ思ったりはしてます。とくにエッセイなどを読むと、よくわからない人だって思いがふくらんでいきます。
・このよくわからないってのも微妙なんですけど、わかるところが多いからこそ、余計にそう思うのかもしれません。ここいらは結局、吉田戦車の著作につきあいながら長い時間をかけて解き明かすパズルみたいなものだろうなと。そしてそれこそが新刊をノータイムでレジに持っていく所以なんだろうと。

・で、本作。俳句であるからして、575の文章ですよ。吉田センスの源流をみる感じがしてかなり興味深かったですね。文章を絵が補うことにより、その575はさらに混迷の度合いを深めてはいるんですけどね。

・そういった意味ではたいそうおもしろかったですが、ネットにあると知ってれば買わずに済んだなあと思ったりもしました。
(17:06:25)

2004年/3月/25日
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「伊勢佐木真剣卓球師外伝 ラバーズ7」2巻 犬上すくね(小学館)

・さ、2巻にして、卓球シーンはきれいになくなりました。まあ、あとがきでも「外伝だからいいんだ」ってセルフツッコミがあったので問題ないですね。

・ヤクザの息子、雑居ビルを経営。で、ひょんなことで知り合った女子高生にイカれる。

・2巻では、ヤクザの息子で、けっこうオッサンのくせに、なぜか、女性に対して免疫がなくて、ちょっとした男子中学生なみにチョロい理由が描かれていてちょっと納得しましたけど、それを加味してもちょっとチョロすぎではありますね。女子高生と手をつないだくらいでトキメくのか?

・ちょっとネタバレしますけど、このヤクザの息子、女子高生の母親が昔好きだったんですね。この女子高生の母親が、憂歌団でいうところの「すべての男がおまえにゃ親戚みたいなものだから」な、ビッチなワケですよ。そういう母親の男を絶えず切らさない姿勢に女子高生のほうはカチーンときてるので、1人暮らしなんですね。なおかつココロを閉ざしてる、頑な系なんですね。

・そして、それが波紋を生み出す2巻だったのです。ヤクザの息子は、フラレて荒れ、女子高生にホレてる男子高校生と急接近だったり、ヤクザの息子の姉が登場したり、女子高生はネコちゃんにコスプレしたり(表紙がそれですね)、なんだか、清潔な感じのピンキーなモヤモヤがたくさんって感じ。

・この「清潔」ってのが、犬上ラブコメのポインツかもしれないなあと。けっこう設定ではドロドロっとしてるけど、絵柄によるものか、ほかに理由があるのか、妙な清潔さを感じる。これは、似た言葉である「潔癖」ってのとはちょっとニュアンスがちがう。そういう神経質なニオイは感じられないけど、けっこう厳重なフィルターがかかってるような。そして、それが独自の犬上色みたいのを醸し出してるような気がする。けっこう、エグイ話ではあるんですよ、とくにこの2巻はすごいことになってるね。

・犬上氏のお楽しみといったら、カーネーション等の曲をサブタイトルに持ってくることですが、考えてみると大胆ではありますよね。好きな曲ほどそれはやり辛いところがありますしね。
・今回、「僕は走ってHIGHになる」なんてありましたね。ムーンライダーズですね。「僕は走って灰になる」。
・あと、「ふたつの片想い」ってのは、松尾清憲氏の曲なのかしら?

・などとねえ。2巻では、バーの店員2人組がよかったですね。
(21:56:36)

2004年/3月/22日
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「バカ姉弟」3巻 安達哲(講談社)

・1巻のときも2巻のときも3巻のときも、奥さんのリアクションは同じだった。

「なにこれ?」で、おれがすすめてるのを訝しげにしながらも、手にとって読みはじめる。
・そして、クスクス笑う。「おもしろかったよ」と返す。

・タイトルがアレなんでしょうかね。

・東京・巣鴨を舞台に(3巻の帯ではじめてしった)、幼い姉弟が二人で過ごしてるさまをスケッチしているマンガ。

・まわりの大人が世話を焼いたり、博士が研究材料にしようとしたりして、姉弟は独自のペースでノホホンと生きていく。知らずに人助けしたりなあ。

・とにかく、不思議な感じなんですよ。とらえどころがないというか。

・ただ、3巻では、姉が「なんだかよくわからんがスゴイ」ってのを強調しすぎな気がしてちょっとシラけましたかね。

・あご兄弟との弁当のオカズ交換。うどんを作る話。祭りの日に2人だけで遊ぶ話が好きですね。

・いろいろな意味の「おもしろい」が通じるマンガですね。
・あ、フルカラーコミックなんで高いです。その価値はあります。
(17:40:15)

「おとぎのまちのれな」5巻 はっとりみつる(講談社)

・今回はじめて乳首が描いてあったんじゃないかい(ガケの上から飛び込んだ海中で)。

・エロコメですね。もう、ストーリー放棄がすごいね。ノリでガシガシ進めてるっぽい暴走っぷりがね。

「所詮エロコメこんなもん」ってのと「なんか惜しい気がする」ってのの2つの中間点にいる感じ。

・で、前巻かな、もう1巻前だっけか、「寸止め」じゃなくなってから、そっち方面でも暴走してますよ。
・処女の少女に好奇心で自分のイチモツをいじくられる。なんて、グググってのがありましてねえ。

・まあ、どう終るのかなーって。終わりが気になりはじめましたとさ。あと、いっそズバリをバリバリと描かれるのもいいんじゃないかなあ。なんか、先行きはあろひろしって感じもするんで、早いうちに描いていけばいいんではないかなと。
(18:28:47)

「GANTZ」12巻 奥浩哉(集英社)

・アニメ化ですって。

・殺伐とした殺し合いマンガです。ギョーンギョーンと鉄砲を撃ちます。

・前巻、前々巻と2巻にもわたる「現実」での仕込みの成果である、ガンツ世界での戦い編がはじまりました。
・今回、仕込みの成果があり、かなり、キャラが立ってるのがいるから、期待できそうですよ。
・エスパー2人に、ケンカ番長、殺人鬼、グラビアアイドル、などなど。パンダもいるな。あれなんだ?

・で、意外にポインツなのは、戦いっぷりより、名もないキャラが死んでいくところにあるんじゃないかなと思ったりしましたよ。チャラチャラしたやつらが、「マジー」とばかり、恐竜(今回の敵)にかみ殺されていくのがなにげに人気の秘密とか?ちょっとスカっとするんですよね。
・ホラーマンガの法則(by でろでろ/押切蓮介)に則り、チャラ男から死んでいきますからね。まあ、結局、全滅になりますけど。善良キャラも死んでいきますしね。
・誰にも平等に死は訪れるってメッセージでもあるのでしょうか?(ちがうかもしれない)


・今回、キャラ同士の確執とか、そこいらのドラマにも期待ができそうですね。

・ただ、この恐竜編の次あたり、そろそろ、店じまいというか、根底に関わるもの(ガンツ世界の秘密など)を提示していかないと、おれ的には飽きそう。
(18:47:19)

「HEAVENイレブン」3巻 大和田秀樹(秋田書店)

・んー、どこで、大和田氏は「萌え」のスキルを手に入れて、自信を持ったのだろう? 3巻も女性キャラが表紙になってますし、水着シーンとかありますね。ただ、顔はかなり気を使ってますが、身体がアレかなー。もうちょっと突き詰める余地がありそうな気がしますね。

・まあ、3巻白眉は地獄の特訓島での合宿ですか。あ、バカサッカーマンガです。

・ライバル高らしきものも登場して、いよいよスポ根マンガらしくなってまいりました。

「やべ 息すんの忘れていた」って主人公のセリフがなにげにツボでした。この主人公はいい「天然」ですね。

・個人的には、やっぱり大和田センセはスポーツマンガですよと改めて思った3巻でした。
・んー、限りなくオススメに近いです。もしかしたら、4巻がブレイクスルーになるかも。
(19:02:51)

2004年/3月/19日
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「ドリームゴード」2巻 中西達郎(マッグガーデン)

・2巻目です。1巻目の最後に2巻のあらすじがかなり書いてありました。
・それでも、おもしろかった2巻です。


「SFファン必読!! 恍惚の高速&高密度コミック!」

・これがスジがあらかじめわかっていて、なおかつ、各話のはじめに「語り部」が「今回はこんな話です〜」的なことがあり、そのとおりに展開するのにも関わらず「おもしろい」。
・なるほど、高速であり高密度なんでしょうかね。とにかく、展開が派手で、スケールが大きい。それに翻弄されて、あれよあれよと手の内にハマる感じ。

・ただし、「SFファン必読!!」ってのがありますね。そう、偏屈で偏狭なSFファンに目がむいてるので、かなりクセがありますよ。

・それでも「おもしろい」んですね。それはおれも偏屈で偏狭なSFファンだからかもしれません。もう、足を洗ったと思ってましたが。

・たぶん、多くの人に「わけわからん」といわれるものって気もします。

・1巻との差は意外に大きい。こんなこといったら殺されるかもしれませんが、そういうことを何度もいったわりにまだ死んでないので大丈夫かと思うからいいます。
・かなり、絵の上達がみられます。相変わらず、腰の入ってない人物描写と、ものすごい背景がのギャップというものではありますが、人物描写のほうがかなりいいです。かなり、群集シーンとかの多いマンガではありますが、それらと背景との違和感がなくなりました。
・第6話でのデパートでの「鬼ごっこ」や、第8話のバスジャックのバスが軍隊に追い詰められる「ミュージカル」などは「絵」の点でもすごかったです。

・そして、2巻での鮮やかな幕引き。うなってしまいます。ベタや下品じゃない内輪話とでもいいましょうかね。まあ、ベタなのは、カバー取った表紙にありますけどね。

・ぜひ偏狭で偏屈なSFファンはお試しあれ(と、煽られると、逆にこの本を手にとるのがSFファンだということを知ってます)。
(19:19:05)

「サークルコレクション」2巻 小坂俊史(竹書房)

・オビにいしいひさいち氏ですよ。こういうのに滅多に登場しない人ですよ。大昔「漫金超」という雑誌で、さる映画監督の推薦文を書いたのを目にした以来ですよ、おれの場合。と、なにげにマニアであることアピールしたり。

・でも、本作は、いしいひさいち氏の推薦を得るべきマンガであるわな。大学生4コマの金字塔である「バイトくん」を描いた著者にお墨付きをもらえる大学生4コマってことですからね。鬼に金棒ですよ。しかも、この推薦文、いかにもいしいひさいち氏って文章でサイコーです。あー、こういう文章だったなあと。「ほんの一冊」という本でもちょっとだけ文章に触れることができます。興味を持った方はぜひ。
って、いしい氏の本じゃなかったな。失礼。

・どういうマンガかは前記のとおり、大学生4コマです。特色は、サークルネタに特化してることです。大学生は、サークルに所属してるかどうかでかなり4年間の印象がちがうと思うのですね。

・主人公らは児童文学研究会に所属する5人(うち女性2人)。舞台をほぼサークルの部室内か、学館内で、展開していくヌルくも甘ったるくも怠惰も惰性も、ほかいろいろもあるマンガ。一応、基本は、おかしなサークルが登場するってことでもあるけど、2巻からは、4年の部長の卒業〜就職問題に焦点があっていきます。どうも、小坂氏は、終わりがわかると、それに併せてドラマを練りこんでいくってパターンみたいですね。というか、それが今の4コマの「普通」なんでしょうか。おれは「普通」の4コマはおもしろくないので買わないからわかりません。

・で、そのラストですが、ヌルい大学4コマだけあって、ヌルいままですが、「うまいなあ」と思うラストでしたね。良心的な4コマのラストです。1pぶち抜きとかやってた、みずしな孝之氏とは大違いです。まあ、どっちが劣るって話じゃないんですけどね。

・おれもサークルに入っていたので、懐かしいって感触があってしかるべきなのだけど、こんなマターリ空間じゃなかったし、なにより女ッ気が皆無だったので、どこか他人行儀な感じもする。大学時代も遠くなりにけりですよ。そういえば、おれは文化団体連合会(作中にもネタとしてある)にも入っていたのだった。

・まー、それはそれとして、いいマンガでしたよ。
(20:07:35)

2004年/3月/18日
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「でろでろ」1巻 押切蓮介(講談社)

・ホラーギャグの天才の単行本デビューだそうです。

・霊感のあるチーマー兄と美少女の妹が中心となり、毎回、災厄や妖怪に見舞われるといった話でしょうか。

・やや妖怪に重きをおいてて、チーマーというか、不良っぽい、やんちゃボウズの兄が主人公ってのが特色になりますか。

・全体的にイマイチです。あらゆる点でツメが甘いように思いました。それは絵もそうだし、話もそう。
・ネタの下世話な感じと、ひねり具合は、いい感じです。たとえば、電灯の紐の先のポッチが妖怪で、ワケもなくサンドバッグ代わりになるのにムカついて実態化するとか。

・妹と、飼い犬がカワイイなあと思いました。

・意外と動物マンガとかおもしろかったりして。ポスト「銀牙伝説WEED」とか。

・まあ、ぼちぼちでした。最近のギャグマンガに照らし合わせると、オーソドックスなのも気に入ってます。
(19:57:21)

「ハラハラドキドキ」2巻 清野とおる(集英社)

・最終巻。

・2巻でのトバシはすごかったですね。もう、あらすじとかカンケイないですね。「なんだこりゃ?」と思いながら読み、「なんだったんだこりゃ?」と読み終えればいいんじゃないでしょうか。

・それでいて、カバー裏にも書いてある「壮絶な結末」ね。まあ、ビターなラストってやつです。とつじょ、シリアスになってビターに終るパターン。
・これは、おれ、いくつか読んでますが、ベストは「ポリタン/とり・みき」だと思うし、最近では、「わんるーむ/三ツ森あきら」のほうが印象的でありましたね。

・というより、1巻からのデタラメぶりに加速がついた2巻のワケのわからなさを楽しむのがキチですかね。

・そして、本編より、さらにぶっ飛んでる読み切り2作にエッセイコミックの1作がすごかったですね。とくに、あまりネタとして飛ばしてない、大好きなマンガ家に会った話のエッセイコミックがよかったかも。それでも、清野節だったりするんですよね。電柱のカゲから現れる大先生ってのがなんだかツボだったり。

・ナンデモアリをつきつめた不条理モノってやつは、それこそ個人の合う合わないしかないと思うんですよね。

・清野氏はおれ的には、合うほうなんだろうなあと思いました。
・でも、次作はかなりおもしろそうじゃないと買わないなあとも思いました。おれは不条理モノは基本的に嫌いですから。
(20:26:26)

2004年/3月/15日
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「万祝」2巻 望月峯太郎(講談社)

・もうひとつなにがしたいのかわからんのよねえ。

・巨匠の新連載の2回目ですよ。めちゃくちゃ買いにくい表紙ですよ(女性のパンツ姿のアップ)。

・めちゃくちゃ活劇なマンガなんですけど、ムダに活劇なような気がしてしょうがないというかねえ。グイっとひっぱるべきストーリーが希薄なままの2巻でしたよ。

・アクションは満載なんですよ。すごいシーンが目白押しだったりしますし、モノの大きさ等の縮尺がしっかりしているので、迫力も満点だったりします。本作を読むと、いわゆるファンタジー系のアクションの迫力がないのは、背景があまり描かれてないからでは?と思ったりしますね。ダンジョンで魔法を使ってもそれはゲームだとおもしろいし、小説でもおもしろいかもしれませんが、マンガでそれをおもしろくするのは大変なんですね。

・ま、それはともかく。

・話のほうが薄いです。海賊船に捕らえられたフナコ。明朗活発で格闘技がトクイなフナコは、なんやかやあって無事に帰ってくる。そして、こないだから居候している謎の男カトーが学校に乗り込んでくる。そして、カトーの目的を知る。

・なんていうかな、前作「ドラゴンヘッド」の方法論と技術で活劇コメディを描いたらどうなる?って実験の経過報告みたいな気がするんですよね。

・かんたんにいうと、うまく乗れない感じ。

・ネームも少なくて、あくまで動きをみせる(漢字にあてるなら「魅せる」)パターンであり、それを眺めているだけで楽しいからいいんではあるんだけど、もうちょっと話のほうでひっぱって欲しいなと。
(19:53:09)

「風雲児たち 幕末編」4巻 みなもと太郎(リイド社)

・こないだまで毎月読ませていただいていた「ワイド版 風雲児たち」の純粋な続編なので、まったく違和感がない。

・ペリーが来航し、幕府があたふたしてる中、風雲児たちがあーだこーだやってる状態ですよ。その中で佐久間象山が表紙になってるだけあって、中心として、グイグイといく。ただし、あまりにも核心をついていたので、ハブにされるといった感じですかね。今、いたらおもしろいだろうなあ、佐久間象山。

・もうすでにこれでもか!とばかりにオールスターキャストで、あとは、話題の「新撰組」の登場ですよね。
・いろいろな意味で本当(江戸の)終わりという混乱を感じさせますね。いろいろとあったんだなあとイマサラのように知ることができますね。おれは学校の歴史の時間になにを学んでいたのだろう?
(20:18:58)

2004年/3月/13日
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「鉄腕バーディー」4巻 ゆうきまさみ(小学館)

・おもしろい。ちょっとピークげな気がするほど4巻はおもしろかった。
・宇宙から来た警官バーディーが活躍する話ですよ。

・4巻では、不定形生物、まあ、アメーバみたいなやつがいろいろなものに乗り移るって感じの、定番っていえば定番の話で丸々1冊でした。

・不定形生物であるパターンを厳選し、かなりブラッシュアップして投入した感あり。いわく、生物から生物に移り住むとか、だれがそれかわからないとか、倒した相手を短期間なら操ることができる。だけど、元がアメーバなのでバカとか。

・それでいて、刑事に乗り移り、主人公(とバーディーは一心同体なんですね)のいる学校に殴りこみ。そして惨劇。

・と、燃える展開ではあるんですけど、ここでゆうき氏のちょっとひいた演出がアレになる。いや、つまらないってことでは絶対にないんですけど、こう手放しで燃えることができない。どこかにワンクッション置いてあるような感じがするんですよね。

・たとえば、アクションゲームとシミュレーションゲームのちがいなのかもしれない。アクション、たとえば、対戦格闘ゲームなどは、頭が沸騰するくらい興奮したりしますよね。ドライブゲームなどは、カーブの方向に身体が曲がったりしますよ。でも、CPU相手のシミュレーションゲームは、たしかに興奮しますけど、こう、自然に身体が動くって感じではないですよね。それに似てるかもしれない。

・非常に緻密に計算されていて、いうたらなんだけど将棋のコマのように、キャラが動いており、それをゆうき氏は厳密にコントロールしている。
・水島新司氏などは、キャラが勝手に動くそうです。ネームの段階で、岩鬼に三振させるつもりが、岩鬼はホームラン打ってしまうそうですよ。それで頭を抱えるそうです。
・だけど、ゆうき氏はそういうことは絶対になさそうだ。
・このワンクッション置くのは、もうそれ自体が芸風みたいので変わらないでしょうし、変える必要もないものだと思います。それで、凡百のマンガを軽くしのいでますしね。

・ただ、4巻のクライマックスではある、学校にアメーバに乗り移られた刑事が殴りこみ。授業中、拳銃で撃たれた先生や生徒、ガールフレンドの前でバーディーに変化できない、その上、アメーバは怒り心頭でなにをするかわからない。
・こんなシーンでも、どこか、なにかがはさまってるような、手放しのハラハラドキドキがない気がしたんですよね。考えてみればすべての作品でそうだったかもしれないなあと。

・それでいて、そのアメーバとの対決の後の展開もまたミゴトなほどスムーズにつながっている。読み込み時間が皆無ですよ。そう、この「つながってる」ってのも実は非常に技術が必要なんですね。現実を思えばいいんですよね。気持ちよく、すべてのことが区切りがつくことってないでしょ?
「悪は倒した。また新たな冒険がはじまる!」ってのは現実にありそうでないことなんですよね。
・たとえば、彼女と別れても、荷物を返したり、同級生で顔をあわせたり、家が近所でよくコンビニで会うとか、そういうグジグジとつながったりするんですよ。
・その「グジグジ」が非常にうまい。自然。あくまで日常というのがベースにあり、そこで展開する非現実的な出来事という感じがステキです。息遣いが聞こえる的。

・ということで、読むと、止め時がわからなくなるわけなんですね。

・少年ジャンプのような無条件でアドレナリンが沸騰ってマンガじゃないとダメって人にはダメかもしれませんね。「コシャク」に映るんじゃないかな。
(20:14:25)

2004年/3月/12日
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「プラネテス」4巻 幸村誠(講談社)

・一部完。二部はあるのかどうかわかりませんが、連載誌の「モーニング」によると「長い休みをいただきます」的なことが書いてあったので、しばらくない感じ。で、なんか知らんけど、「スペリオール」で新連載とかそういうパターンだったりしてね。

・とりあえず、描ききったと思います。4巻はその思いに呼応するかのような分厚い本になってますよ。ずっしり重いし、連載時のカラーも再現。完全版いらず仕様。

・3巻からおかしくなったとは思うんですよ。この「おかしい」ってのは、4巻最後のベタなオチにつながるためなのかもしれませんが、「ん〜?」と思ったんですよね。その気持ちは4巻でもあった。

・主人公の八郎太は、地球の衛星上を漂うゴミ・デブリを拾う仕事をしてましたけど、木星に行くことになりました。

・これが全部のあらすじですね。4巻では、もうあらすじで語るストーリー的な付加がなかったような気さえします。

・つまり、宇宙を舞台としつつ、ヒューマンドラマに落ち着いたという感じですよ。ラストの独白「愛し合うことだけはどうしてもやめられないんだ」とね。

・なんだか、ちょっと醒めた印象をもたれます? でも、おれは素直に感動しましたよ。これに至るまでの道が3〜4巻で必要だったんだなとね。
・正直、おれは「モーニング」掲載時は「なんだこりゃ?」と思った話がたくさん載ってます。とくにフィーの過去、フィーの子供などは、「なんじゃこりゃ?」度が高かったですよ。で、通して読むと4巻はほとんどがそのフィー編だったりするんですよね。
・はっきり書いてしまえば上記の1行のあらすじには必要のない箇所だと思います。

・1巻はサイコーだった。2巻は1巻から深度を深めた。3巻から「あれ?」となった。で、4巻です。これは、2巻から、実は、メンドーなところを描こうとしてハマったんじゃないかなあと思うのですよ。宇宙と人とのカンケイ。それでいてヒューマンドラマ。なんつーか、ちょっとヤバイところですよ。でも、4巻で描ききったと思います。そういう意味での「描ききった」です。

・そして、おれは二部に期待します。一部は「今」からの地続きのSFでした。でも二部からはそれを越えるものになりそうな気がします。わかりませんが。
(17:53:17)

「賭博破戒録 カイジ」12巻 福本伸行(講談社)

・12巻まるごと3段目のアナに入れるってことで乗り切りましたね。
・ただ、おれはこれまではミゴトと思ってましたが、12巻は完全に蛇足じゃねえかな?と思ったりしますよ。
・相変わらずグググとコブシに力な展開はミゴトではありますけど、ストーリー的には、これまでのあらすじになにも付け足すことがないんじゃないかなと思ったりしますよ。

・勝負する側、それぞれギリギリの状態になってしまった。そこでの駆け引きという展開ではあるんだけど、それで単行本1冊は多い。そうは思った。

・来月出る13巻が破戒録での最終巻であるから、まあ、いいか。
(18:43:02)

「ONE PEACE」32巻 尾田栄一郎(集英社)

・空島編が終りましたとさ。今回、感動はナッシングでしたね。
・と、同時に急速に飽きてきました。まあ、これまでおもしろかったのがおかしかったくらいでさ。

・空島編がおれにとって響かなかったのはなんでだろう? ガチャガチャしてた、キャラが把握し辛かった、展開がコってて把握できなかった。

・空島の「トーン」が統一されてなかったような気もするんだな。トーンって言葉が適切かどうかはわからないけど、たとえば、劇場版の「ドラえもん」。最近のパターンは、変わった人がいる異次元や過去なんかにいってそこで大活躍というパターンですよね。その異次元や過去の国の人々ってのはベタなくらいに、ある種の「トーン」で統一されている。たとえば、鳥人間だったり、今回の映画なら犬と猫の国だったり。要するにそれのことですよ。いろいろな立場の人を大量に、あまり説明もなく、ドンと提示しすぎたような気がする。すなわち、それは、「トーン」が統一されてない人々で、その世界に入りにくいと。

・で、今度はなんだろう? まだ、**編ってのはわからない。あまり長そうでもないけど。今度の長編は、そろそろ核心に触れていこうじゃないですか。インタビューで尾田栄一郎氏は、このペースだと完結までに後20年かかるとかおっしゃってましたけど、どう考えてもそれほどの器を持ち合わせてないことは、空島編でわかりましたし。

・あと、まだ仲間は増えるのですね。今度は船大工だか。これも多人数キャラをうまくまわしきれないことが空島編でわかってしまったので、心配要素ではあります。

・まあ、そういう不安を払拭するだけのおもしろさを新シリーズでは期待したいところです。
(19:26:12)

「つゆダク」6巻 朔ユキ蔵(小学館)

・テレビ局の特別技能職勤務の主人公が、問題のあるタレントの性欲処理として、セックスするというお話。6巻も続いてますよ。

・今回は話の軸みたいのが希薄で、読みきり度が高い感じ。薄くモデルとなるタレントはわかりそうなんですが、ハナっから似せようって気持ちが皆無だし、そう気にしなくてもいい感じですね。

・で、そういった意味でも、エロマンガの女性という意味でも、今回、あまり魅力的な女性は登場しなかったしなあ。

・とりあえず、そろそろマンネリムードも漂ってる感じなので、終らせて次を描かせたほうが、全員にメリットがあるような気がするボクなのです。
(19:41:08)

「壮太君のアキハバラ奮闘記」2巻 鈴木次郎(スクウエアエニックス)

・隠れオタクの壮太君とユカイな仲間が繰り広げるコメディ。

・ただ、彼女にはもうカミングアウトしてるし、ほかのメンバーも割合と役割が固定されてるしで、後は、だらだらと続くオタクギャグという展開になりましたね。「だらだら」で悪いイメージを持たれた方がいるなら「マターリ」でもいいです。

「パピコ」というマンガ内マンガ(というかアニメ)に主人公が夢中なんですが、これはなんかのパロディなんでしょうか? 前は「そういうもの」として、一種の記号のようなものと認識していたのですが、2巻に入って、妙に話の内容にからんだり、オチとして使われたりしてると、「それは知らなければならないもの」という不安が頭をもたげ、疎外感を持ち、「なんで、おれが疎外感を持たなければならねーんだ」と逆ギレ状態になり、「くだらない」という結論に至るわけですよ。

・えーと、つまり、次回作に期待しよう!ということで。
(20:00:12)

2004年/3月/7日
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「Short Short Show RED」佐々木恵(集英社)

・読みきり短編集です。
・月刊少年ジャンプに連載していた同タイトルの読みきりショートにいろいろと加えたものみたいですね。描き下ろしもあります。で、全6編。

「スピリット」
・犯人を取り逃がし、不慮の事故で死んでしまった女刑事が、掃除機に憑依して、部下のバカ男と協力して犯人を追い詰める。

「HEROIC MONSTER」
・正義の味方がヘタレ悪の怪人に、ちょっとしたことでやられて、悪の組織に改造されて、悪になってしまう。

「超機械戦士ロボジェット」
・イタズラ書きのロボットが実際に現れて、イタズラ書きの怪獣と戦う話。

・などね。なんつーか、短編や読みきりってのは、「ふふん」って気取りみたいのがありがちですが、本作はどれもこれも少年誌っぽい親しみやすさに満たされてますね。この人懐っこさが1番の売りかな。

・で、どのキャラもうまく立ってますし、好感を持てるものが多かったです。

・欠点はというと、その他だいたいですかね。話はスキが多く、ツメが甘い。絵はや荒い。トータルでの「完成度」ということでは残念ながら「低い」。

・だけど、どの作品もグッときますねえ。尾田栄一郎の初期にあった、「いいもの」を提供したい!という、やや背伸びしたかのようながんばりを感じられます。105%という感じ?

・個人的にはタヌキの子供が化けて、野球部の部員としてがんばる「タヌ吉野球物語」がよかったな。

・これからは、すべての新人は、コミック1冊分の読みきりを描いて、なおかつ、コミック1冊で必ず終る連載マンガを描いてから長編を描くっていうふうにすればいいんじゃないかなと思ったな。
・そして、それをやってる、佐々木氏は、必ずや、たくさんの人を喜ばせることのできるマンガ家になれると思いますよ。必ずです。

・という、まあ、「若いってええのお」って感じですね。
(22:23:00)

「レヴォリューション ナンバースリー」1巻 金城一紀&秋重学(小学館)

・ああ、原作付きなのかあ。おれは秋重学ブランドとして買いました。コミック発売予定をみて、本屋に取り寄せしまいましたしね。
・で、「GO」とか書いておられる作家さんが原作ですね。これが、直木賞受賞作なんですね。今、調べてわかりましたよ。それのコミカライズですね。

・ダメダメ高校のメンバーが、「革命」を起こすために、御嬢様女子高の学園祭に侵入しようとあの手この手でアレする話ですね。どういった意味での革命かというと、おちこぼれの起死回生の一発として、頭のいい女子と自分の遺伝子を結合させることですね。つまり、ナンパでパツイチかますと。

・青春のきらめき、あるいは童貞のドタバタストーリーといったオモムキですね。昔は毎年あった、アメリカ産の「童貞」のひと夏の経験ストーリーの映画的ですかね。日本だと「パンツの穴」とかな。

・これが、何回転かして新鮮ではありますね。

・キャラがいいですね。また、秋重氏の画風がまたちょっと変わってきまして、いよいよシャープになってきましたよ。それでいて、なじみやすくキッチリ立ててきているキャラ。と、「酔いしれる」とでも表現しましょうか。
・たぶん、おれは原作で読んだら、ここまで感動しなかったんじゃないかなと思います。シラけるというかね。それを絵でキュッとシラケ要素を取り除いてるといいましょうかね。

・ただ、ヒロインにあたる女性が都合よすぎな気はしますけどね。おちこぼれ集団が気になる名門女子高の美人。うーん、都合よすぎ。というか、マンガすぎ。
・そうなんだよ、マンガすぎなんだよ。だから、おれはひょっとして、金城一紀氏がマンガのために描き下ろしたんじゃないかなと思ったほどさ。

・ま、どうなるんかな? 2巻以降も買いますが。
(23:05:27)

2004年/3月/4日
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「首輪物語」山本貴嗣(蒼竜社)

・有名な「指輪物語」=「LORD OF THE RING」となんかカンケイがあるのか、はたまたパロディであるかはわかりません。おれ、原作も映画もみてないですから。
・以下、あらすじを書きますので、パロディなのかは各自が読み取ってください。

・異世界の王女が以前クビになった魔術師に捕らえられて、つけたら、つけられた人に抱かれたくてしょうがなくなる首輪をつけられる。でも、絶体絶命のピンチになったとき国の討伐隊がくる。魔術師は逃げようとしてタイムマシンみたいのに乗ろうとしたら、怒り狂った王女が作動中のタイムマシンをぶっ壊そうとしたために時空のゆがみが起こって、魔術師と、首輪と、女王は、現代の日本に迷い込みました。そこでも現地の若者などが巻き込まれ丁々発止の大騒ぎとなるわけです。

・これが、指輪物語のパロディなら、洋ピンの「パイパニック」みたいなもんでしょうね。そうです、ここまでとぼけましたがエロマンガです。

・最近、エロづいてていいですね山本氏は。「イブニング」で柳田理科雄氏と組んで、非エロも描いておられますが。

・なんていうかな、山本氏のエロって微妙。エロとは思うのですが、基本的に女性が強い人ばかりなので、はかないとか、きゃしゃな女性が好きな人にはアレですね。だから、なんとなく、女闘美アクションの延長上でのエロで、SEXというよりFUCkって感じ?

・山本氏のエロといえば、とても強い女刑事が大暴れする「アモウ」シリーズがありますが、それよりも、さらにエロに特化した感じですねえ。もしくは、最初期の代表作「最終教師」(映画化もされてますね)のエロ版って感じもします。まあ、魔術師が似てるんですね。しつこいところとか。でも、最終教師読んだの20年以上前だからちがうかもしれません。

・そいでもって、メジャーデビュー直後から存じ上げている人ではあるんだけど、読むようになったのってけっこう最近だったりします。それまでは、その飽くなき、女闘美なところがちょっと苦手だったんですよね。

・で、本作は、あとがきでも描かれてますように、あくまでドタバタでエロに特化された気軽なエンターテインメントになっております。
・そいでもって、注意なのが、ファンタジー要素っぽいところはあまりないです。現代日本(の離島)が舞台で魔法合戦という図式ではありますが、そういうのを目当てにしたらやや痛い目にあいます。

・おれはエロかったしいいなあと思います。ただ、冷静に考えると、合意の上での交わりがイッコもねえんだなあ。首輪の力でしょうがなくって図式が多いし。
(17:48:39)

「Landreaall」3巻 おがきちか(スタジオDNA)

・これで、終わり? そういうアナウンスはないから、一区切りってこと?
・えーと、自信はないけど、あらすじめいたものを書きますと、「ドラゴンを倒して旅の目的を果たした」ってことでいいんでしょうか?

・会話シーンがうまいですね。会話シーンの多いマンガですよ。そのときの間の持たせ方、コマ割りによる、絶妙な、時間の進め方がうまい。「ふきだし」の重なり具合で、テンポを生み出してますね。次のコマに重なったり、次のふきだしに重なったりして、順序や時間をコントロールされてますよ。
・ただ、今回、いろいろと重要なバトルシーンがありましたが、そこでやや「なにが起こってるのか理解できない病」が見受けられましたね。あくまで「おれ基準」なんで、「そんなことはない」といわれても仕方がないところなんですがね。まあ、それまでのストーリーもインターバルのせいでけっこうあやふやになっていたからかもしれませんが。
・重要なバトルシーン、イオンとDXの本気の兄妹勝負。そして、火竜との勝負。とくに、後者は、フォローが思いつかないくらいなにがなんだかわからなかったです。イオンが泣いてることくらいしかわからんかった。そして、それはとてもよかったです。おお、うまくフォローできたな。

・つまり、「そういうこと」はあまり重要ではないんでしょうかね。おれには重要なことですが。
・でも、それ以外はとてもよかったので、トータルで5%くらいのバトルシーンのわからなさはさして重要ではないといっていいんですね。

・4巻以降はどうなるんでしょうか?
(18:12:49)

「男女」宇仁田ゆみ(白泉社)

・作品集。今回は、男雑誌(ヤングアニマル)に連載したものと、女雑誌に連載したものが収められてるから「男女」というタイトルになったそうです。

・基本はラブストーリーです。男女のカンケイを描くものです。で、基本はハッピーエンドですね。
・で、宇仁田作品のそれの特徴というと、ひねりがあることかと思うのですよ。
・今回は、職業なんですかね。平日は土木作業員で、日曜だけ戦隊ショーをやる男の話「ハレエション」と、エロマンガ家の彼氏の話「ラブライトマン」がありますね。
・あとは、トモダチのおねーさんにホレる話「ファースト」、仲良し4人組(男2女2)の均衡が破られる話「コイコイ」があります。こっちは、普通ではありますね。


・個人的には「ロクイチ」がよかった。短大の服飾科の彼女と、4年制大学の彼氏の話。彼氏がしつこくて、タダでさえ、課題とか多い短大の彼女がブチっとくる話。こういうのはありますよね。自分が会いたいときにいつでも恋人が会いたいワケじゃないですからね。しかも、立場とかちがうと余計にそうなりますよね。
・一応、ハッピーエンド的ではありましたけど、こういう負担になったり、負担になられたりってけっこうありますよねえ。経験あります。しかも、嫌いではないのに負担だったりってジレンマはありますよね。もう、恋愛経験豊富なものとしてはね、まあ、こういうところにさらっと書くとギャグに取られなかったりするのが不安ではあるんですけどね。

・あとは、「ハレエション」ですかね。男雑誌に載ってるだけあって、謎が多い女性として描いてます。「こういうの好きなんでしょ?」ってたずねられてるみたいです。そして「そうです」っていうしかないんですねえ。
・同じ職場で働いてるんですね。土建会社ですか。で、妙につんけんしたクールな彼女なのに、ヒーローショーでは、はつらつのおねえさんなんですよね。そのギャップにイカれる主人公ってことなんですよ。

・ということで、相変わらず水準高し。まあ、純ラブストーリーってあんまり免疫ないんでそう思うのかもしれませんがね。
(19:04:54)

「ポグリ」中川いさみ(角川書店)

・1p1本の中川いさみの例のやつです。
・でも、これは、かなり毛色がちがいますね。
・いつものやつのようで、かなり、なんていうかな、メルヘン入ってるというか、自分探しとか、そういうオシャレな本を買う人がいるじゃないですか、そういう人にもアレするようなものです。なにせ、「週刊東京ウォーカー」に連載していたものですよ。
・ポグリという少年の独白で、あとユカイな中川マンガといったオモムキ。このポグリというキャラはどうも、同じ角川書店で発売されてる中川いさみの絵本(未読です。高いから)のキャラみたいですね。

・つまり、スカしてるんですね。しかも、オチはあまり気にしてない感じで。だから、ギャグマンガというより、ポエムマンガですかね。こういうのは、案外と古くから脈々と受け継がれている手法ではありますね。
・中川氏の巧みな絵と、独自の世界からすれば、今までなかったのがおかしいくらいハマってます。

・たとえば、木に実ががなってます。木を揺さぶれば落ちて、その実が食べれそうですが、その下で猫が狙ってます。だから、ネズミの絵を木の幹に描けば、猫がそれにぶつかって木の実が落ちると考え、描いてみようとするんですが、うまく描けなくてヒステリーをおこしてその木を蹴ると、木の実は猫のもとに落ちてくる。

・こういうの。おかしくないでしょ? もっとシュールな感じのネタが多いです。テンポとかノリは最初期の「ぼのぼの」を思い出したりもしますね。

・おれは中川いさみ信者だからして、まったくベリーOKなんですけど、マンガとして読むと、ちょっと物足りませんね。スタミナが少ない感じ。読むというより眺める感じ。
・逆にいうと、そういうのが好きな人にはいい感じですよ。これをもとに中川いさみの世界に入っていってください。

・カンですが、どうも中川いさみマンガには、女性ファンが多い気がします。女性にはけっこう本作を支持する人が多い気がします。でも、それで、この手のばかり描くようになったらイヤだなあとも思いました。個人的にはやはり下ネタもまじってこそ、現代的なだらしなさ(大人袋とかな)もまじってこその中川いさみですからねえ。
(19:33:57)

2004年/3月/2日
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「団地ともお」1巻 小田扉(小学館)

・小田扉初の長編連載作品ではないか?と、思ったけど「マル被警察24時」がありましたね。

・団地を舞台に繰り広げられる、勇者ともおが引き起こすマターリとした日常ドラマですね。

・この後、同じ2月に発売された「男ロワイヤル」もとりあげますが、小田作品は「夏」ですよね。
・本作でも1話目から6話目まで夏休みですしね。それでもって、意外にも「夏」が非常に合ってる。ちょっとしたTUBEですよ。

・メジャー誌ということで、「ちゃんと」描いてますね。それは「男ロワイヤル」や、描き下ろしの話と話の間のカットなどと比べてもらうとよくわかります。それが、小田作品の魅力のひとつである脱力方面にちょっと阻害してる感じがありますが、それでも、独特の世界は健在ではあります。

・基本的にずっと遊んでるともおです。かといって安易に昔に設定してないです。あくまで現代です。でも、意外にイマドキのガキは外で遊んでいたりするんだよねえ。とくに団地だと、同級生とかもそばにいるから遊びやすいのかもしれないしね。

・そして、非ストーリーなことになってます。ともおの家は父親が単身赴任でいなく、姉と母と3人で暮らしてます。それと、まわりのトモダチがメイン登場人物で、あと、純粋な日常です。ドラマティックな展開はありません。

・たとえば、夏休みの予定表を書く。運動会の借り物競争の練習をする。ラジオ体操皆勤賞。秘密基地を作る。

・そして、この非ストーリー度が高いほどおれにはおもしろかったです。これは、小田扉氏の作る話がつまらないというよりは、資質の問題であるかと思うのです。こういうだら〜んとした「話」ともいえない「話」がその真価を100%発揮できるのではないかと。
・しかも、最初のほうにあるギャグ的なくすぐりみたいのは、後半抜けていき、それがさらにいい具合になってきている。
・ほとんど環境音楽ならぬ環境マンガともいえるような世界ですが、たとえば、「ちびまる子ちゃん」や「ぼのぼの」みたいなのがそれに近いかもしれない。あれもキャラがわいわい楽しくやってるだけで幸せじゃないですか。それと同じコト。

・そいでもって、そういう世界がもっとも魅力的に作用するのは、夏なんですよね。冬とか春とかより夏ですよ。ともおも1日中遊べますしね。まあ、運動会とかあるから、時間軸は動いていて、もしかして冬でもステキな小田ワールドなのかもしれませんがね。

・個人的にはともおの姉がともおを朝起す時、島田さんがらみの話。カナブンの話が好きです。

・いいです。アニメ化希望!オススメ
(16:17:30)

「男ロワイヤル」小田扉(太田出版)

・こっちの小田作品は短編集。まあ、実は本線だったり。ずっと短編集だし。
・なぜか、「モーニング」で連載されていた次号予告にクレジットされない、読者のページでひっそり連載されていたルポマンガを表題作にもってくるのか謎だが(だから、おれ、全部読んでるし買うのいいかな?と一瞬思ったほど)、そういう謎は小田扉作品っぽくていいかも。

・第一章が「女ロワイヤル」として、「そっと好かれる」からの野木おやびんシリーズを中心とした創作集で、第2章が「男ロワイヤル」として、担当編集とあちこちいってあちこちみていくというやつです。

・野木おやびんシリーズ(そんなタイトルではないですが)は本当にいいです。野木さんというOLさんおよび、住んでるアパートの住人を描いた、非ストーリーな日常。

・野木さんが働いてる上司にヴァレンタインチョコを作ったり、姉がダンナとケンカしておしかけたり、同じアパートの女子高生古野さんに弁当作ったりね。

・読みきりモノもよかったですね。家出しておじさんの家に泊まる「私のおじさん含み笑い」。朝早く起きて神社まで散歩する話「新学期」などね。

・こう、おれは思い込みたいだけなのかもしれませんが、中にはネタ的な展開の「エレクトロねえちゃん」というのもあります。でも、これは、野木おやびんシリーズや、男ロワイヤルに比べると落ちると思うのです。これはこれでおもしろいのもまちがいないですが、小田作品の真価は野木おやびんシリーズとか「団地ともお」などの、あくまで現実の日常における、ありふれたことを描いてることじゃないかと。まあ、「エレクトロねえちゃん」にしても、キャラに特徴があるのが多いだけで(猫型のパソコンとか)、日常をメインに描いてます。

・カッコとした見本がある現実から、どれだけ「微妙」を描けるかってのキモではないかなと思うのです。

・そのために、川で釣りをしたり、弁当を作ってもらったり、1人で電車で遠くまでいったり、朝早く起きて街を散歩したりの行動がとてもステキなものにみえます。こういう日常のなにげない行動がステキに描けるのもそれが「日常」だからかと思うのですよ。なにいってるのか我ながらよくわかりませんが。
・それは、ルポマンガである「男ロワイヤル」でも、ああ、こういうところに目をつけてるのかという発見につながるのですね。ステキ要素を拾い上げる原点をみる思いですよ。

・そのステキさの秘密として、ふきだし以外の書き文字があるんじゃないかと思うのです。小田扉作品においてけっこう大事な要素じゃないかと思いますよ。かなり効果大です。

・姉が婚約指輪を海に投げた瞬間「ズバーン」と服を脱いで飛び込んで、次のコマで「パーン」とハラを打つ野木さんとか。家出したのり子が外に出ようとして、ドアの角に「ガコーン」と頭をぶつけたり、電車が「ゴト〜ン」と音を立てて進んだり。エレクトロねえちゃんが骨付きの肉を食うときの「ガブー」などの擬音系。
・魚型コンピューターをみたときの「生ぐせー」。朝の公園の鳥が集まって「グルポー」。男ロワイヤルでチャンピオンが女にちょっかいかけたときの「バカー」などのセリフ系。

・こうやって書くとおもしろくもなんともないし、案外とその音自体はありきたりではありますけど、小田マンガの中では非常に効果的な味わいを生み出してるんですよ。
・小田氏のサイトによると、バンドをやってるそうで、なるほど、それらの書き文字が独特のグルーヴとなっているのは音楽をやってるタマモノなのかもしれませんね。と、そこまで書くとかえってイヤミになりますかね。でも、それほど印象には残りますよ。

・日常はすばらしい。そういうことを改めて認識させてもらえる本作(あと、「団地ともお」も)はすばらしいということで、謹んでオススメと。
(17:10:40)

「修羅雪姫 因果応報編」小池一夫&上村一夫(小池書院)

・同時にでていた1巻2巻ですが、個人的に2巻を買うの遅れましたので、今ごろになりますが、これで完結なのですね。だから、その点では非常にめずらしいかも。小池一夫氏の作品は長いのばかりだもんね。

・冤罪で無期懲役をくらった女性が復讐を果たすために、刑務所に出入りする男とかたっぱしからカンケイを持ち、子供を産んで、その子供に復讐を託す(その出産のショックで女性は死亡)。それが修羅雪姫と。
・時代は激動の明治時代。あらゆる点での西洋と日本とのぶつかり合いの中、なんでもやる女として、暗躍しながらも、復讐相手の情報を得ようとする。

・とりあえず、終り方がトートツだったので、なんかあったんかなと思いますが、そこいらはプロの両名、きっちり終らせてます。
・1巻で3人の復讐相手の1人をきっちりカタにハメた(破産させて無期懲役刑にした)のだけど、残り2名が、情報にかけてはプロの乞食グループ(いや、本当はもっとあるんだけどね)に協力を要請してもダメだからと、かの有名な、宮原骸骨(宮武骸骨のことですよね)を探し出して、自分の半生を描いた新聞小説を連載させて、敵を動かすという荒業に出るんですよ。すごいすごい。

・本作、そのエピソード以外にも、これでもかというくらい歴史風俗を盛り込んでまして読み応えバツグンなのは、いつもの小池一夫風味であります。
・そいでもって裏稼業であり、美貌の修羅雪姫。当然のコトながらエロシーンもありますけど、もしかして、修羅雪姫は処女なんじゃないかい?まあ、いろいろとあるんですけどね。でも、一線を超えてないんじゃないかなと。

・なかでも、「女意和戸開き」ってネタがすごかったね。コレ自体は山上たつひこ氏の作品で読んだことあるし、実際にあったってことも知ってるんですがね。
・見世物の一種ですよ。修羅雪がつかまってやらされそうになるんですね。
・えーと、ググったけどないようなので説明しようかな。女性が舞台の上で下半身を出すわけですよ。そこを竹筒で吹いて、ご開帳するってやつだそうです。山上たつひこネタは吹かなければならないのに、どうしても吸ってしまうって感じでしたかね。

・ということで、コンビニとかでお気軽に手に入るし、2巻で終るのでいいですよ。オススメ
(17:57:19)

「私立彩陵高校 超能力部」2巻 石田あきら(ぺんぎん書房)

・高いのがネックなんですよねえやっぱり。950円だもんよ。だからか、知らないが、ものすごいスピードでぺんぎん書房の本が書店から消えていってるような気がする。がんばってほしいと思う。とくに値段の面で。

・うーん、結論から書いてしまった。

・超能力が「ある」世界での、高校の超能力部でのノホホンコメディ。と、思っていたけど、2巻では、ストリートで悪さをする超能力3人組と対決する話で1冊でしたね。ま、基本はノホホンコメディですから、全体的にはユルく仕上がってるんですけどね。

・で、また、3/4を覆うようなオビがついてまして、それを取るとイヤ〜ンな絵が登場です。

・まあ、楽しいですけど、高いのがネックですねえ。650円くらいなら納得できるんですがね。
(18:27:12)

「HOSOUDE」1巻 千葉秀作(ワニブックス)

・旅館エロコメですね。ひょんなことから3人姉妹が経営するつぶれかけた旅館で仕事することになった主人公ってやつですよ。

・で、主人公は単なるヘタレと思っていたけど、思わぬ頑張りでみんなポッとなったり「やるじゃん…」になるわけです。

・こういうのは無心で読むか、ボンノウたっぷりで「エロいなあ」と思って読むのがキチですね。
・そして、そういう用途にはきちんと応じてくれます。心配ご無用。

・さて、以後、ちょっと思うことを。
・本作のように、主人公の男に女が山盛りって、ハーレムエロコメなマンガは数多くありますよね。で、特色を出すために、いろいろなシチュエーションにコりますよ。おれが購読してるのでは、未来の警察を舞台にした「なななな」、アキハバラのPCショップである「てんちょおのワタナベさん」なんてのもそうかな。

・まあ、今は、シチュエーションは味付け程度であって、たとえば、制服〜とか、和服〜って用途のためのシチュエーションって気がしてしょうがないんですよね。イメクラですよ。コスプレですよ。
・でも、せっかくマンガなんだし、もっといろいろと要素を盛り込んだほうがいいんじゃないかなっと思ったりするんですよね。まったく捕物がない「なななな」とか、本作も、1巻8話あって、客が1人だけだぜ? そんなんで旅館が成立するのか?と思ったりね。
・イメクラならイメクラでいいんだけどさ、もうちょっとそういった点でもそそるようにしてもらえないと、シラけるんだよねえ。

・ぶっちゃけ、旅館が舞台の意味ないじゃん?ってのは、どうにもこうにも資源とシチュエーションの無駄遣いな気がしてしょうがないんですよね。なまじ、そういった要素以外のデキがいいとなおさらそう思うワケですよ。
・もちろん、そういうのが目当てで買ってるので、なにいわんやということなんですけど、たとえば、「メガネっ子なのに、その上巨乳!」って思うとトクじゃないですか。実際の女性にいったらセクハラですけど、マンガならトクですよ。だからといって、旅館ネタをグイグイいれてあとがおざなりになるのも困るんですけどね。

・と、ココまで書いて、まあ、野球拳、温泉を掘る、って、一応それなりにネタはあるとは思いましたけど、これは、虎縞ビキニに角つけて、「〜だっちゃ」でラムってのと同レベルですよ。もうちょっとね。
(19:04:28)


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