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ポトチャリポラパ/コミック/2004年
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2004年/7月
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2004年/7月/26日
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「鋼の錬金術師」8巻 荒川弘(スクウエアエニックス)

・調子に乗ってる荒川の例のアレの最新刊ですよ。いや、まあ、当然知り合いじゃないんで、裁判に持ち込まれたらおれは一家離散になるのですみませんウソですとあやまる潔さを持ち合わせていますよ。

・8巻くらいになると、ポトチャリポラパ読んで1巻から買い揃えるやつはいないと判断しますので、バンバンネタバレで進んでいかせてもらいます。

「そういわれればそうだけど」ってのが、大総統ですよね。あいつがあの悪い子チームのメンバーにいるってのは考えてみれば「そういわれればそうだけど」ですよ。なんかちょっとした違和感。そうか、あいつも悪のチームにいるのか。そして、ラストだのグラトニーのほうが年上ってのもおかしな話。そして、なにより、4巻でのヒューズ中佐が謀殺されてからこの8巻まででまだ2ヶ月経ってないという事実。みんな「そういわれればそうだけど」なんか納得するには「んんん?」って感じがあります。

・そして、そういう細かいところは気にならないくらい普通に「おもしろい」んですよね。否定的なことが書けないくらいに。

・だから否定的なことを書いてみようかな。

・やっぱり8巻まで読んで思うのは絵に「華」がないことですかね。「色気」でもいいです。萌えない絵ですよね。丁寧で巧い絵だと思いますが、全然萌えない。

・絵がもっとも顕著かもしれませんが、非常にストイックなところが感じられます。

・なんつーかな、荒川氏に限っては、「キャラが勝手に動く」って現象は微塵もないだろうなあと思う。ものすごいガチガチになってそうであとがきマンガによると「最終回」ももうできてるそうだし。

・そういった意味でのかたさが絵にも反映されてるんじゃないかなと。そりゃ、随所に、ギャグをはさんであり、そういうことは感じにくく作ってありますが、それすらも計算づくってのがみえる感じがする。

・ええ、それはそれでたいへんけっこうなことだと思いますよ。本作品で「精緻なストーリー展開」ってのに触れるヤングがたくさんいそうですもんね。
・それはたぶん、少年誌連載において現在No.1でしょう。過去10年見渡してもこれだけガチガチのアリの子1匹入り込めないくらいの難攻不落の要塞然とした精密機械なストーリーはないと思いますよ。それもミゴトに展開していってます。

「おもしろくない」と書くことは誰にでもできますが、「なぜおもしろくない?」ということを本作で説明する場合、1巻から遡って語らないといけないようなことになってます。
・すべてのキャラクターは、すべての他キャラクターと、ストーリーにからみまくってます。だって、それが4巻のことでも、まだ物語では1ヵ月半前のことだから、エドやアルはヒューズ中佐が死んだことを知らないんですからね。

・そりゃあ、宮部みゆき氏がオビコメントを書くわけですよ。

・だけど、それはいいことばかりでもないぞと。
「四葉のマック」というあまり長続きしなかったですが、望月三起也氏の作品がありますよ。ハガレンとはあまりカンケイないですが、本作品は、大型船がそのまま少年院になってるという話です。いったん出港するとどこにも逃げ場がないという。まわりは海ですからね。それで、1巻はその過酷な船から脱走した少年を追いかける船の関係者が、少年を捕まえるところからはじまります。そして、「赤玉」というビリヤードの球みたいなもので、「戒め」をしようとしましたが、「人目がある」といって止められます。この赤玉は脱走した少年が泣いて許しを乞うくらいの拷問です。結局、少年はまた船に戻されます。
・恐ろしいことに、それ以降、赤玉はまったく登場しないまま最終回を迎えますよ。
・望月氏のみならずこういうことはマンガ界ではちょいちょいあります。手塚治虫氏の諸作品でもそういうところは多いです。
・でも、「四葉のマック」は名作です。つまりそういうことです。

・ものすごい理詰めですすむストーリーはソレはソレで魅力的ですが、そうじゃないものに負ける点もあるということですよ。
・きっちりしすぎてるが故にもろいとかね。

・まあ、それはそれとして、8巻は業が深そうなニューキャラが増えましたね。ハガレンはキャラにたくさん「仕事」をさせるので、通常のマンガよりも、ややこしくなりがちですから、ほんのちょっとだけ心配です。
(18:21:17)

「夜ニモマケズ!」1巻 マジコ!(角川書店)

・全く予備知識ナシでジャケ絵がかわいいという理由で買いましたよ。なんと「Asuka」連載ですよ。

・ビンボー兄妹が住居付きで引っ越した学校は妖怪学校だったのですね。妹が通う夜間部は妖怪がわんさか。ちなみに兄が教員ね。

・で、理事長や理事長の息子ほかが入り乱れるドタバタコメディということでひとつ。

・黒と白をはっきりさせたコントラストきつめの画面にかわいい絵柄ということでかなり好みですよ。萌え絵でありながら、ホラーマンガのそれにも通じるところがあり、非常に絵柄と内容がマッチしてるなあと思いました。そこが最大の特長ですか。

・あくまでギャグは少女マンガ誌にある程度のヌルさとほがらかさで、ほどよいラブコメ要素もいい感じ。最後のキノコの話は萌えるしなあ。

・で、それらの効果を際立たせているのが絵とのマッチングですね。そしてもっと単純なことを書かせてもらうと、絵が好みと。それに尽きるわけですよ。

・好きな絵なんだもん、仕方ねえじゃないか。
・ということで、楽しかったです。2巻が出たら買います。
(19:58:45)

2004年/7月/25日
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「でろでろ」2巻 押切蓮介(講談社)

・1巻のときに描きわすれてましたけど、本作は妹とサイトーさんに萌えるマンガですよね。
・そして、「萌え」と画力が必ずしもイコールではないということがとても効率よく説明できるマンガだと思います。おれくらいになると「ののちゃん」でも萌えることはできますが、初心者は、ぜひ、「でろでろ」で、妹萌える〜、サイトーさん超萌える〜って訓練していただきたいと思います。

・さて、本作はホラーギャグマンガです。すべてが1巻よりパワーアップしてますね。ああ、唯一残念なのは作品解説かな。「うっせーよ」って思いました。
・画力も1巻よりめきめき向上してます。妹やサイトーさんだけじゃなく、妖怪の描写もいい。
・ヤンキーライフに妖怪って視点の斬新さもまだまだ有効。
・描き下ろしであろう巻末のエッセイマンガもおもしろい。

・メイド喫茶と思いきや冥土喫茶とかなあ。
・ダダというダダをこねるようになる妖怪に憑かれてアイドルの松浦あやかとつきあうようになった先輩とか。
・テスト前に異様に部屋の片付けをしたくなるのは、片付け入道の仕業とか。

・いや、今、チラリと読み返したけど、妹かわいいよなあ。
・ちなみにサイトーさんって飼い犬です。
(18:35:52)

「COMAGOMA コマゴマ」6巻 森下裕美(集英社)

・最終巻。んまあ、どう考えてもイヤイヤっぽい感じが漂っていたので、よく6巻もガマンしたなあってのが正しいのかな。よくわからんけどさ。

・ものすげえ丁寧にかわいく展開していく、1p1本のワイド画面な4コママンガです。「ドクター秩父山」的な。

・それでいてアニメ化もされた「少年アシベ」のリメイクですか。
・なんつーか、丁寧なのも、逆になにかあるんじゃないかと勘ぐるくらい健全な内容にしたのも、みんな「仕事」って割り切ってる感が諸作品より強く感じられたのですよ。

・でも、やっぱ、キャラに好き嫌いがあるみたいで、巻ごとにお気に入りというか、微妙に活躍している人がいる。たとえば、6巻ではゆうまの母親とか、魚屋のヤンキー丸出しの息子とかな。

・どうしても、普通の枠内にいるけどちょっとはみ出しかかってるって人を書きたくなるみたいですねえ。

・あと、ハードカバーの4コマコミックってのはもうどんなのでも売れないんじゃないかな。そういった意味じゃあ、最後のハードカバー4コマコミックのシリーズだったのでしょうかね。あ、ダンナの山科けいすけ「C級サラリーマン講座」もハードカバーか。

・そして、そういうのでありながらも、そこいらの4コマを軽く凌駕するおもしろさがあるなあ。
(19:53:19)

2004年/7月/21日
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「ろまんが」1巻 新井理恵(小学館)

「うまんが」というマンガ内の登場人物によるパワーバランスが崩れたというか、崩したので、タイトルを変えて仕切りなおしたわけですね。

・ということで、11歳で使用人として金持ちに拾われた美少年コンチキチさんをメインに据えて、あと、新井理恵的なツッコミもボケも長い長いギャグマンガですよ。
・もともと、金持ちの娘さんが主要キャラの同級生の1人で、そこにからんでいくうちの大抜擢ですね。うーん、「雨に唄えば」という名画を思い出す話ですよ。

・とはいえ、前作2巻も後半になると、すでに主役級の存在感を醸し出してましたからね。

・と、全体的にそのクローズアップぶりがやや鼻についたりもありますね。ほら、耽美要素とか、少女マンガ特有のポエミイな独白とかなあ。そういうの平気ではあるんだけど、好きではないわけですよ。潔癖症女性のフェラみたいなものですかね。してしてってうるさいからやるけど本当はしたくないって感じさ。こういうことは別に解説しなくてもいいですね。

・それもそれなんですけどね。別に耐えられないほどじゃないし。

・なにげーにあらゆるところで見え隠れしてる「ぶっちゃけ」が新井理恵氏の作風なのかなあと。だから、あとがきとかが1番おもしろかったりするんですよね。
・それによると、次回作が取材拒否だったので打ち切られるまでは本作がつづくそうですよ。
(10:59:58)

「UNLOCK」オオシマヒロユキ&猪原大介(大都社)

・おれ的にはこの2人の長編「学園ノイズ」がイヤだったのでかなり見限っていたのですが、単巻だし、川島よしお先生が推薦オビを書かれてる(オマケ4コマも)し、なにより、少年画報社から発売されていた作品集「下町狂い咲きキネマ」は大好きだったんだ。

・ということで、長編。雑誌がまたがって終了+描き下ろしということにもなってます。

・泥棒一家。姉妹3人といっしょに泥棒をする男・ワッパチ。カギを見ると開けたくてしょうがなくなるけど、基本的におとなしい。
・彼らが織り成すドタバタギャグ。

・と、思っていたけど、最終的にワッパチ少年の成長物語になるのな。
・これ、「学園ノイズ」でも思ったけど、この2人はかなりストレートのマンガを描きたいみたいですねえ。でも、オオシマ氏の作画はそれとちがうんですよねえ。ここいらのギャップがねえ。たとえるなら、コンニャク粒を利用した麺を使用したラーメンのような違和感というかなあ。
・なんかシックリこないんですよねえ。
・それが、ネタとしてならおもしろかったんですけど、どうもマジみたいのがな。それが「学園ノイズ」を嫌った理由だなあと、本作を読むと逆に思い知るなあ。

・本作は川島よしお氏のオマケ4コマも含めて、全体的にチャラい雰囲気があるところがまだ救いになっているような気がします。

・もっと、オオシマ氏の特異な絵を活かす話はあると思うので、さらに猪原氏は血反吐を吐きながら話を練ってほしいなあと思います。(11:47:07)

「ユキポンのお仕事」8巻 東和広(講談社)

・安定した人気あるんだなあ。8巻目ですよ。

・オビに「総天然色8ページ付き」ってありましたけど、ねえのが最大に気になります。多分、巻頭のカラーマンガがそうだと思いますけど、これ2色じゃん? まあ、いいんですけど。

・ということで、ホレっぽいダメ人間のご主人アケミさんの食い扶持も含めて、連日働いてるユキポンというマンガですね。

・毎巻思いますけど、作者はカッコたる世界を持ち合わせてる方であるのはもちろんですけど、かなり、多趣味って気がしますねえ。

・アパートの住人すべてが鉄ちゃんで、部屋中にOゲージ他が敷き詰められてる話なんか、かなりそのスジじゃないとわからない細かい記述があると思われるんですけどね。もちろんおれはキハとかいわれてもわからないからなんともいえないんですけどね。

・あとは小5の有志で行う町内自転車レースのマニアックっぽい描写も、ひとかたならぬ思い入れが見受けられますよ。

・というマニアックさと、精緻な描写(トーンレス)、どことなく漂うビンボーくささ。まあ、そこいらが渾然一体となり安定した人気につながってるけど、アニメ化とかブレイクにはつながってないのかなーって。
(12:24:49)

「魁!!クロマティ高校」10巻 野中英次(講談社)

・10巻目は「四面楚歌編」。それはともかく。

・映画版・大長編クロまてぃ「はやし太の地底猿帝国」が白眉ってことになるんですかね。テキトーにはじめたけど、テキトーにつながって大長編になってしまったなという感じで、クロマティ高校の林田が地底の猿の国にいってしまってさあたいへんという、クレヨンしんちゃん他の映画版のパターンですね。
・この思いつきから思いつきで展開していくのは、「なにを描いてもクロ高」という自信のあらわれの頂点ともいえますよね。登場キャラはメカ沢と林田以外は猿だしなあ。メカ沢は9割バッテリー切れになってるし。

・こう、なにやってもOK状態ってのはいいですね。21世紀の「天才バカボン」ですよね。同じマガジン連載ですからね。
・ただ、これを本当に映画館でやったらスゴイよなあ。
(13:08:13)

「焼きたて!!ジャぱん」13巻 橋口たかし(小学館)

・描き下ろし4コマでいろいろな「この先」をネタにされておられます。こんな大バカマンガに「この先」とかあるんでしょうかねえ。まあ、それ自体が大掛かりなネタにもなってますけどね。

・くわえて、前巻から、小学館漫画賞受賞ネタを多用されてますよ。

・話のムリっぷりは頂点かな。もう、ついていけないとかそういうレベルじゃないし、それ自体が、上記の描き下ろし4コマにもつながってますね。審査員がシャレのために自ら死にかけ、そのネタが延々つづくってのはかなりどうだろう?と思ったり。
・そいで、そもそも、なんのためのパン勝負がつづいているんだっけ?ってストーリーの見失いっぷりも頂点ですね。このマンガはほとんど「仕切りなおし」がないまま、永遠に転がり続けてますからね。

・まあ、そろそろ、「なにか」必要だと思います。ずっと思っていたけど、個人的にも超必要。
(15:55:47)

「GANTZ」14巻 奥浩哉(集英社)

・ははーん、奥浩哉ってあまりモノ考えてないな。と思わせるような14巻でしたね。
・こう書くとすげえ悪口を書いてそうですが、実はわりにホメコトバです。

・恐竜編が終わり、また、現実がはじまりましたが、今度は現実でもかなり剣呑な事態です。前は新宿で大虐殺。今度は渋谷で殺し合いですか。おれがSQUEEZEのライブをみたところでチャンバラかよ。

・ちょっとした東京観光ですよね。ガイドブックを作ったらおもしろいと思うよ。これは「ここ!」とか。サイトでもいいか。
・このマンガは精緻なら精緻なほどおもしろいタイプですからね。

・でもって、後付け後付けで設定を付け足してる感じ。クロノに弟? そんなんいたか? ヴァンパイヤ?なにそれ?って感じ。
・大きく「GANTZ」という1本の作品でみるとメチャクチャですよね。構成とか。あっちいったりこっちいったり。そもそもの設定もどこまで考えてるのかもよくわからないし。
・ただ、「それはそれ」ということで、単純にスゲーと眺めてればいいんじゃないかなと。ハリウッドのCGバリバリ映画といっしょですわな。このマンガ自体もCGバリバリだし。

・さ、こないだ、ナインティナインのトーク番組で、宮地真緒さんが「マンガが好き」で、この「GANTZ」を紹介してましたよ。
・なんだか、妙にナットクしたというかな。非オタクの一般女性が「おもしろい」と読むマンガって考えるとおもしろいなあと。いや、宮地さん、実はけっこうオタクなのかもしれないし、自分のグラビアが載ったって理由でヤンジャンを読んでいるのかもしれないですけどね。

・今度は東京のどこで、どんな怪物がどんな凄惨なことをするのか?って興味だけでひっぱれますね。あとはどうでもいいし、細かく追求するほどの奥行きはないような気がしますしね。
(16:30:14)

2004年/7月/20日
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「ワイルドマウンテン」1巻 本秀康(小学館)

・中野区ファンタジーということで、「ハイチュウ」で浜崎あゆみ氏と共演されてる、本氏の最新長編(というか初の本格長編じゃないか?)は、ド・ファンタジーですよ。

・地球防衛軍の隊長だったスガ隊長。地球に衝突する隕石を撃ち損じてしまい、東京の中野区が山になってしまった。それがワイルドマウンテン町。スガ隊長は責任をとって、軍を辞めて、そこの町長になる。そいではじまる本編。

・ノンビリムードのワイルドマウンテンの暮らしと、回想、その他モロモロの要素が有機的にからんできてて、これまでの本作品にない多彩なキャラが登場してますよ。オビで書いた「最高ケッ作になりそうです!!」ってのもダテじゃない感じですよ。で、意外にSFの人なので微妙にその要素も混ざってきてますしね。設定からして思い切りSFだし(東京23区に山のある町があるんだからね)、隕石で出来た山の町ってことは、なにが起こってもおかしくないってことですしねえ。

・あとは、本秀康キャラの特徴である、童貞臭。これも、本作の主人公は最高ですね。ここまでコッテコテの童貞ははじめてじゃないかと思うくらいです。思考法から行動パターンまで、すべてが童貞です。町長なのに、その町で新築の家を作ったパーティーのおみやげに北村聡一郎の顔に似ている石ころをプレゼントだもんなあ。

・期待大ですが、まだ、「サイコー」まで届いてない感じです。
(19:10:51)

「猿ロック」3巻 芹沢直樹(講談社)

・ああ、連載誌のヤンマガのカラーにずっぷり染まってきたなあ。

・渋谷のカギ屋の2代目の猿くんの活躍を描いたマンガなんですけど、猿くんってば、抗争に巻き込まれていってますよ。渋谷のチーマーと、ホスト集団がモメてるんですね。それに関わっていくと。

・非常に伝統ですよね。団体戦のトラブルに巻き込まれるヘタレの主人公は王道ですよ。
・カギ屋の技術を活かしたヘタレ男の奮戦記みたいのがこの王道になっていく。それは悲しくもあるけど、必然でもありますわなあ。

・そいでもってそれにスイッチしてから人気が出てきたみたいね。それはいいことだと思う。ただ、おれが読む理由も希薄になるかもしれないなあ。
(21:37:19)

「コス★プレイガール岩川さん タヌプリちゃん#2」そうま竜也(茜新社)

・これはこれで苦肉の策だったのかしらねえ?
・タヌプリちゃんの続刊でありながら、キャラが代わっていくからなあ。でも、タヌキのチエさんは登場するし。

・ということで、話は「タヌプリちゃん」の最後で妖怪がやりたい放題やってるかと思ったけど、タヌキはちゃんと撃退したですよ。
・山にも平和が戻ったと思ったら、今度はタイトルどおり岩川さんのマンガになっていくのですね。

・コスプレ願望がすごい岩川さん。だけど、田舎なのでみせる人もいないし、みせるのは恥ずかしい。と、難しい女の子なんですね。

・で、いつもファミレスの店員みたいな格好をしてるタヌキのチエさんになついていくんですね。

・そのうち、男子生徒とつきあうことになったりねえ。

・と、こう、あらすじだけ書いてるとどうじゃ? ものすごいほのぼのしたラブコメじゃないか。

・ただ、そうま竜也エロマンガワールドのキャラなんでねえ。やっぱり、レイプされるんですよ。ほのぼのレイプなんですねえ。

・そう、この岩川さんってば、タヌキのチエさんに輪をかけて「いやらしい身体」なんですねえ。ただ、岩川さん自身はでかい乳輪ほか、いろいろとコンプレックスをもってらっしゃる。
・でもって、この重量感を描くのにかなりイノチをかけておられるんですよ。

・後半の同級生とのレイプなんかは、掛け合いも含めて、ほのぼのの極致なんですが、その一方でノドがからからになるくらいのエロシーンが続くわけですよ。

・なんたって、男子のほうはつきあってると思うので、愛の行為としての、コスプレ撮影(カメラが趣味の男なのです)とセックスであるが、岩川さんは天然なので、コスプレ写真をネタに強請られて、レイプされてると思ってるんですよ。

・たまらないですよ。ほんと。ありとあらゆる点でたまらない。まあ、オヤジギャグいわせてもらうと、ちがうところがたまるけどねえ。

・このピースフルでエッチな世界は、なんていうか、勧善懲悪だからなのかな。たいていの女性はレイプされてますが、レイプした男は因果応報的にエライ目に遭ってます。この男子は両思いになるからセーフなんですね。

・あと、女性は基本的に受身の世界ではありますね。フェラシーンはないですよ。イラマチオならありますけど。

・すごいなあ、エロいなあ、おもしろいなあ。と、オススメ
(00:19:57)

2004年/7月/16日
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「CHERRY SEASON チェリーシーズン」稲葉COZY(ワニブックス)

・すごい不思議なマンガなんですよ。
・学校を舞台としたオムニバスエロコメですか。かなり寸止めげです。

「萌え」な絵で、「BOYS BE…」な内容なんですよ。これがとても不思議なハーモニーを醸し出している。
・だから、このマンガは誰もがある懐かしい学校の思い出のようでいて、本書を読むような人とはまったく無縁というちょっとひねくれた構造になっているんですよねえ。たとえば、「BOYS BE…」なら掲載誌や絵のあたりで、「おれもこんなことあったなあ」的な展開があったかもしれないですけど、本作はありえないだろう。

・定番、血のつながってない妹の果敢なアタックに必死で耐えてるおにいちゃんな「CHERRY SEASON」
・好きなコと修学旅行の委員になり、休みの日に、家に「仕事」をしにやってくる「study! strange! strawberry!」
・昼休みの放送委員の女の子の声に恋をする男の話「メロン記念日」

・などなど。

・違和感アリなのに、「これはこれでアリだなあ」と思ってしまう感覚は、大昔「ブリッコ」でのみなみゆうこ氏のマンガくらいの衝撃がありますよ。

・なーんかね、萌え絵なのに、下ネタが多いのが、その違和感の理由なのかもしれないなあ。この感覚ってのも説明しづらいんですけどね。パンツがみえたり、巨乳の同級生を背負って保健室とかね、この絵でやるなよって感じがするんですよ。きゃしゃな少女なのに、そのネタが肉感的なエロネタってのがなあ。

・作者あとがきによると、タイトルどおりの童貞の季節なボンノウマンガの王道ということですが、その絵がかなりの変化球にしてしまった感じがありますよ。

・で、それがまたヘンな萌え方をするっていうかなあ。エロはかなり寸止めなんですし、おれもご多分に漏れず、こんないい思いはしてないんですけど、へんなところを刺激するんですよねえ。まあ、ちょっとロリにもなるからかな。

・ぶっちゃけ表現。勃起するでなし、キューンとするでなし。そのハザマをついた感じ。

・だから、不思議なマンガ。

・そのスジの人にはオススメしておきますよ。
(18:01:53)

「Go West!」3巻 矢上裕(メディアワークス)

・すちゃらかウエスタンも3巻で話のキモがちょっとみえてきましたね。

・こう、目的地を目指すって話がいいのは、話が進行するたびにそこにむかっているというところにあるのかもしれませんねえ。
・行方不明の両親がいるところである「西の果て」に、西にまっすぐむかう馬にのって旅をする少女って話ですからね。

・もう、小林まことバリの大ゴマ大ゴマのギャグマンガですが、それがイチイチ決まってるし、絵もバッチリなのでOKなのですよ。

・この微妙にウエスタンな世界観が好きです。リアル一辺倒じゃないし、かといって荒唐無稽でもない、意外に今となっては珍しいラインですかね。もっとなんでもアリになるか、もっと史実に忠実みたいなのになるか。

・ただ、大ゴマが続きすぎるのは好きじゃないので、総合では「まあまあ」です。
(20:07:27)

「機工魔術士」5巻 河内和泉(スクウエアエニックス)

・人気あるみたいですねえ。

・おれが好きだったのはエロいからです。でも、巻がすすむにつれてエロ以外は充実してきてるんですが、エロはもうひとつなんですよねえ。いや、エロいのもエロなんですが、おれ的に飽きたってのが正直なところかな。

・それが、巻がすすむたびに強くなってくるんですよねえ。うーむ、だからどうしたもんかなと。

・これが話も着実に進んでるんですけどね。もうひとつノらないんだよなあ。なんか、ガーン!ってのがあればいいんだけどねええ。そのままだと、そろそろおれはフェイドアウトしそうだなあ。
(20:21:33)

2004年/7月/15日
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「こぐまレンサ」2巻 ロクニシコージ(講談社)

・完結巻。
・2004年度No.1ですね。
・No.1の惜しいマンガ。

・こぐまという少女をめぐる話は、急速にまとまり、収縮し、「れんさ」して終ったわけですよ。

・全ての点で惜しい。とくに惜しいのは絵ですね。
・この絵に合う話。この話に合う絵。少なくともこの話と絵は合ってなかった。ノリとしては、ものすごいハイレベルのインディーズ映画という感じでしょうか。スタッフやキャストがプロだったら、すごいことになっていたんじゃないか?って。
・個人的に、ロクニシ氏はこのままずっとマンガを描いてて、いつか、本作をセルフカバーしてほしい。そのときに、本作は傑作や名作になると思う。
・それくらい惜しいものがあるんですよねえ。

・もうひとつ別の点でいうと、原作者になるって手もあるぞ? 小畑健作画の「こぐまレンサ」って非常に興味ある。

・しかし、前作である「すべてに射矢ガール」でもそう思ったけど、いろいろな点で生き急いでるなあロクニシコージ。早死にするつもりなのかしら?

・とりあえず、絵をもうちょっとがんばってほしい。それがすべての「惜しい」につながる根本だし。
(19:45:56)

「彼岸島」7巻 松本光司(講談社)

・あー。毎巻気持ち悪いのを用意するのはたいしたものですねえ。

・吸血鬼がいる島のサバイバルゲームなんですが、7巻では「亡者」ってのが登場ですよ。で、主人公のトモダチがその亡者になってましたよ。なにがなんだかもうわかりませんね。

・本作はどういったラインを目指しているのでしょうか? 最初はリアルな怖さみたいのがあったんですよね。人間よりも身体能力が勝る吸血鬼ばかりのいる島にいくという話から、ボスがものすげえ人間離れしていて、なおかつ、邪鬼って、普通に化け物まで登場しましてねえ。かなりありえないことになっていきましてねえ。あげくに亡者ですよ。

・うーむ。ここいらのサジ加減はどうなんだろうねえ。あまり大きくしすぎると荒唐無稽になるし、リアルを重視しすぎると地味な展開になりますからねえ。
・と、書きながらフト思いついたけど、このサジ加減って「バイオハザード」か? バイオハザードよりやや荒唐無稽ですけどね。

・もう、怖さはないですね。一大スペクタクルといったオモムキですか。それが何周かしてちょっと新鮮って感じになりつつある。
(21:39:50)

2004年/7月/13日
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「ハルコビヨリ」1巻 小坂俊史(竹書房)

・4コマ王子の最新刊ですよ。
・毎度毎度、律儀な「シバリ」を用意されてる王子におかれまして、新作は、同棲でしたよ。バーン。
・ハルコさんとヤスシさんの同棲物語ですね。王子のえらいところは、きっちり、同棲と、新婚を分けているところですね。愛し合っての同棲というラインをちょっとすぎて、ルームメイト的にもなっているし、2人間のルールも厳密に決まっていたりする。仕事のわりふりやお金のわりふりとかね。

・たぶん、この2人は結婚してもその延長の暮らしをしてそうな気がしますが、同棲ならではの、浮ついた、なおかつ所帯じみた、感じというのはとても上手に表現されており、さすが王子だなあと感心するばかりですよ。

・でもって、ハルコさんの性格が非常に男らしいんですよね。むしろ「漢」ですよ。それがとても端的に現れているのが、カバーめくったあとにあるハルコさんの特別レシピだったりしますよ。でも、意外に美味そうだったりな。

・だから、いわゆる、同棲に伴うアヘアヘげなことはカケラもないですし、それを王子に求めるのはちがいますよね。それはまだ世の中には登場していない、「ドキ☆ビジュ4コマ王子」ってのに期待しましょうや。

・これが、結婚したら、新婚4コマ、ガキができたら育児4コマと、なんだか前途が洋々ですね。と、王子は、同棲経験がないことを繰り返し書かれていますがね。

・おもしろいですよ。ハルコさんの男らしさにホレそうですよ。おれは「ひがわり娘」のマミさんのほうが好きですけどね。
(19:01:21)

「せんせいになれません」3巻 小坂俊史(竹書房)

・一応、4コマ王子の代表作ってことになるのかしら? タイトルどおり先生4コマ。小学生の担任2人と保健室医と家庭科の2人の4人のダラダラ教師がダラダラやってる学校4コマ。
・昨今のキンキンしてる小学校事情に比較するとおおらかではありますね。

・夏休み徹夜明けでラジオ体操の当番をして、ハンコがないからイーピン(麻雀牌ですね)で押そうとしたり。
・冬休み明けの生徒は正月ボケやなんかで財布のヒモがゆるくなってるからって、教室にガチャガチャ置いたり。
・保健室に新しいベッドが着たからって早速寝てみようとおもったらすでに保健室医と家庭科センセが寝ていたり。
・毎週生徒から没収して読むのを楽しみにしてる週刊マンガ誌が合併号の週は目が死んでいたり。

・と相変わらずですね。「サザエさん」方式というか、関西での「じゃりん子チエ」方式を採用してるというか。いつの間にか年が変わってますが、生徒も先生もそのまんま。だから、卒業式&入学式ネタが使えないのが痛いんですけど、そこいらは、ちょっとマゾの王子ですからね。それくらいの「シバリ」はなんでもないんですよ。

・ちなみに2クラス分の生徒は全員名前があります。3巻の付録では人間関係分布がありましたね。チャランポランな先生でもつとまるバランスのいい配分なのですねえ。
・相変わらずおれは6年1組の大塚しおりさんが好みですね。同じラーメン屋ということでもありますし。

・おれは4コママンガが好きなんだなあと小坂俊史氏の4コマを読んだときに1番強く思う。だって、ここしばらくまともな4コマ読んでないしね。

・ちなみに今年はもう小坂氏のコミック発売はないそうですから、4コママンガのおもしろいのは2004年はもうオシマイかもしれないなあ。
(20:01:46)

2004年/7月/12日
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「ハイリスクみらくる」1巻 吉谷やしよ(芳文社)

・おれがいえることは少ない。
・芳文社の4コマは、「おもしろい」「笑える」とは無縁ということだ。あ、もうちょっとやわらかく書いておこうか。少なくともおれはな。これだけハズレをつかまされば十分いえるだろう。


ドキ☆ビジュ4コマ誌の中で暴力・流血シーンの圧倒数を誇り、萌えとは遥か彼方を突っ走るハイパーギャグ、ついにコミック化!!!

・だそうですよ。実はね、このオビの文章ウソはないんですよ。
・ただ、残念ですが、「だからおもしろい」ということではないと。
・まんまとおれは釣られたなと。しかも、疑似餌で。

・一応、価値観の相違ということで、とてもおもしろく思われる方もいらっしゃるでしょうし、あらすじとかも書いておきますよ。

・魔法使いに憧れる少女が生きてる魔法のスティックを拾いましたよ。で、そのスティックは有料で魔法が使えるというものでしたよ。あとは、テキストサイトやオタクっぽいネタをたっぷりかけて召し上がれといったオモムキですね。

・そのイチイチのアレンジは上手いですよ。クオリティが高いといえますよ。それが笑えないってだけでさ。あ、おれが笑えないだけで、ものすごいツボの人もいるかもしれませんよ。おれはダンディ坂野に爆笑できますが、青木さやかには苦笑も浮かびません。その逆の人も世の中にはいますからね。

・芳文社の「ドキ☆ビジュ4コマ誌」のタチが悪いところはみかけは美味そうなことですね。実は生クリームじゃなくてシェービングクリームのケーキばかりなんですけどね。

・とりあえず、おれが見た限り、「4コマでおもしろいものを描きたい」って人はいないと思います。「おもしろいものが描きたい」って方はいます。たまたまそれが4コマだったって感じですか。
・それでもおもしろければいいじゃん?と思いますが、おもしろくねえからな。
・それは本作に限ったことではないんですけよ。全体的(といいきろう)な傾向です。

・本作で気がついたことは、芳文社のドキ☆ビジュのおれが買ったものの中じゃあ、作画レベルが最低です。普通にヘタですね。なんのフォローも浮かばないくらい。
・いや、それでも面白ければいいんですよ。いがらしみきお氏のデビュー作なんてすごかったですからね。
・もしかしたら2巻以降はおもしろくなるかもしれません。それが確認できないのが残念なところです。

・だから、本作に期待しすぎた分、余計にダメージがデカイのですよ。

・もう芳文社もドキ☆ビジュもコリゴリです。許してください。
(20:23:34)

2004年/7月/10日
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「時をかける少女」2巻 筒井康隆&ツガノガク(角川書店)

・最終巻。おもったより早かったなあ。

・ものすごい絵にブレがあったような気がする。1巻は忘れましたが、2巻では毎話ブレてましたね。画材レベルでブレているような気がしないでもないです。毎回ちがった表現(作画的に)に挑んでいたのでしょうかね。それほど毎回ちがっていた気がします。あと、ときおりデッサンが不安定。ああ、初連載作だなあと思ったりねえ。

・原作者でおわかりの通り、あの「時かけ」のコミカライズですね。
・オビのとり・みき氏がスバラシイ。


現在進行形の「ハラハラドキドキ」

「時かけ」の本質がそこにあり、本作はそれが受け継がれているというところがよいと。まあ、オビには良いとかすばらしいってヒトコトも書いてないのがまたすばらしいですよね。正直者だ、とりセンセは。

・でも、たしかにそうです。こう、本質をちゃんと押さえていたという点では本作、よくやった!とは思います。マンガ的技術はあとからいくらでもついてくるし、大事なのはこういうところですよね。センスですか。
・ま、センスだけでもダメでしょうけどね。

・実は、これ1巻はそう思わなかったけど、2巻はちょっとよかったですね。ちょっと打ち切り感がありましたけどさ。
・でも、よかったですよ。ちゃんと1本の作品として「アリ」じゃないかなーって。それが「時かけ」のリメイクとなるといろいろと不満に思う人がいるかもしれませんね。これがリメイクモノの弱点かーそうかー。
・まあ、おれは原作も映画もあとTVドラマもかけらも思い入れがないからですね。

・思い入れといえば、映画版になみなみならぬ思い入れを持っているとり・みき氏&ゆうきまさみ氏。彼らのやっていたことが案外と、現在の2次創作とかのモトになっていたりねえ。少なくとも、「こういう世界がある」ってのをサブカル関連に知らしめたのはなかなか功績だったんじゃないかなあと思ったり。
(22:49:53)

「ロボこみ」1巻 やぎさわ景一(秋田書店)

・味わいがありますねえ。ギャグというよりシチュエーションコメディですよね。
・転校生の男。やっとクラスにもなれてきました。だけど、みんなが女の子だと思ってるあのコはどうみてもロボットだよなあ?というネタですね。

・顔は女の子だけど、歩くと「どみゅん」というし、肩がパカンと開いてミサイルが出るし、手も足も針金だし。

・で、そのロボはなぜか転校生を好いてる感じなんですよね。

・ぶっちゃけ「クロマティ高校」のメカ沢的ではありますね。

・その後、幽霊だけど(以下同文)と、黒猫が化けてるんだけど(以下同文)となりますね。

・つまり、いろいろと問題がある女性が登場するハーレムラブコメ的にもなっていくんですよね。

・で、唯一なにもない女性がいいんですよね。「委員長」ってあだ名で、いわゆる「お嬢さん」顔してるんだけど、実はビンボーで、親が共働きで苦労してるってパターン。これがとてもいいんですよ。

・ま、そんなこんなで大爆笑はできない(ギャグじゃねーし)けど、味わいがあってねえ。いい感じ。
(23:36:55)

「マゴロボ」トミイマサコ(講談社)

・なんかよくわかんなかったなあ。
・未来だけど昭和な世界で、ジジイとマゴのロボット。マゴのタマヤの毎月の税金を払うために、ジジイとタマヤで日夜奮闘する話ですね。

・こういう、「なんちゃってSF」な話って多いですよね。これに比べると「ロボこみ」のほうがSFな感じがします。
・これはなんだろ?「ヨコハマ買出し紀行」あたりがアレなのかな? SFな設定で非SFな日常を描くみたいなの。

・いや、ムダな要素はないです。ロボットである意味があるし、ジジイである意味もあるし、未来である意味もあります。だから、「なんちゃって」ではないんですけど、でも、おれにはなんとなく「SFをナメてる」と思ったりするんですよね。

・まあ、そういうどうしようもないガンコジジイなところを抜きに感じると、ほのぼので、懐かしいノリではあるんですよね。
・作者が好きなモノを抜き出して、それが同居できる世界を作っていったらこうなったって感じですかね。かなり趣味の世界な気がします。作者が住みたい世界ですよね。

・次回作は読者の多くの人が住みたいと思う世界を描けるといいですね。というか、素直に「昭和」描けよ。
(00:16:05)

2004年/7月/9日
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「武装錬金」3巻 和月伸宏(集英社)

・2巻までで、ひとつの話がケリをつけてあり、そのままやろうと思えば全2巻でもアリなグランドプロローグが終わり、3巻がはじまるという感じ。「これから本番よ」的。

・主人公も強くなるし、キャラもいろいろと加わる。王道といえば王道な展開です。
・なにより、ギャグがとてもいいです。「黙れエロス」ってのがなにげにツボです。女子のキャラ造形がそれぞれちょっと古風なのもいいですね。まあ、そんなこといえばすべてそうか。20世紀で昭和な感じがします。

・あと、とてもおもしろいのがコミックス書き下ろしだろう「ライナーノーツ」な。作者のセルフ解説だけど、これがいろいろな意味でおもしろい。ヘタすると本編よりおもしろい。作者は苦労性で神経質なんだなあとビンビン伝わってきます。でも、マンガ家はだいたいこんなところがあるんかな?

・とりあえず3巻は、「これから長いよ」宣言ではあるわけで、どうなるかなあ?と。今のところ普通に楽しみにしています。
(18:28:05)

「DEATH NOTE デスノート」2巻 大場つぐみ&小畑健(集英社)

・んー? これはどうなりたいんだろう?
・書き込むと人が死ぬノートをもった少年と、それを追う、警察さんのトム&ジェリーな物語ですね。

・これが、トム&ジェリー2人が追いかけあうって現状はわかるんだけど、なぜ?って考えるとよくわからなくなる。
・いや、そういうことを書くと誤解されてしまうけど。ちゃんと、その理由はものすごい順序だてて書いてあったと記憶してる。
・でも、なぜ、彼らは追いかけっこをしてるのか?ってのがわからない。納得できないというか、忘れてしまうほど弱いというか。

・1巻より思っていたことですが、2巻にしてさらに強く思った。

・それ以外のやりとりとかは、サスペンスやのおと。感心するデキなんですけどね。非常に細かくデリケートに話は展開していきますよ。しかも、少年漫画誌に載っているという「わかりやすさ」もありますしね。
・一見、ダークネスなマンガですし、「あー、おれもデスノート欲しい」って思いそうですけど、けっこうめんどくさそうですよね。そういうヨコシマな気持ちが介入できないくらい精緻ですね。また、次から次へと「ルール」みたいのがでてきますしね。

・おれは誰にも感情移入ができないなあ。これは読者の方は誰に感情移入してるんだろう?ピカ?L?

・あいつはなんであんなに殺したがってて、あいつはなんであんなに捕まえたがってるのだろう?
(23:09:32)

2004年/7月/7日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「SOUL EATER ソウルイーター」1巻 大久保篤(スクウエアエニックス)

・書店店頭に「0巻」があったんですよね。10pくらいのリーフレットね。それ読んだらエッチそうなので買ってみましたよ。男ってヤーネ。

・「武器」と「職人」の「2人」がパートナーを組んで、99人の人間と1人の魔女をやっつけて魂を食らうことにより、死神の武器になるという「栄誉」(なのかな?)を受けるという。

・いきなり冒頭3話がコロコロ、登場キャラが変わるんですよね。職人=女+武器=カマ=男のコンビから、職人=男+武器=鎖鎌=女ってコンビになり、職人=男+武器=二丁拳銃=姉妹とね。

・ははあ、オムニバスなのかしら?と思ったら、4話目があっとおどろき。彼らは学校の生徒で同級生(まあ、二丁拳銃のほうはちょっとちがうのですが)ってことになり、団体戦になるんですよ。
・いやまあ、オビの裏にも書いてあるんですけど、読んでなかったこともあり虚をつかれましたよ。

・アクションが派手で上手いですね。クライマックスでの見開きの間がとてもいい感じです。その一瞬の静止画がバシっと決まってます。まあ、歌舞伎の見得を切った瞬間といいますか。
・そこまでもギャグ交えてテンポよく進んでますしね。

・で、オッパイですよ。ここがポイントですよ。
・少年誌では未だに乳首描写がNGなんでしょうか。そのNGと最前線で戦ってる方ですね。ありとあらゆる表現で乳首を「描いてる」んですよね。トーンワークとか泡で隠れるとか、かなり命をかけてますよ。

・全体的に平野耕太味でしょうかね。でも、そこからいろいろな点でハミ出ようという強い意欲が感じられる。全体的に「強い」ですよ。まあ、80年代の女性ロッカー風に表現するなら「イキがいい」と。ちょっとちがうか。

・とにかくこのテンションは素直にワクワクしますね。
(11:05:22)

「ぽすたるWORK」衣澄れい(角川書店)

・単巻だから買ってみました。まったく予備知識はありません。オビ裏をみると「.hack」とか書いてますが、知りません。

・村にある郵便局で1人で働く女の子を中心として、にぎやかな面々(と、眺めてみるとキャラはほとんど女性だな)がおりなすほのぼのドラマですかね。

・ああ、こういう感じでほのぼほのぼのと続いていくのねと読んでいたら、後半にふいに挿入されていた幼少編が不覚にもグッときてしまう。というか、ひょっとしてこれを逆算して作ったキャラなのかと思うくらいガシッとハマっていたなあ。

・と、後はそう特筆すべきところもないんですけどね。丁寧な絵で、国籍も時代も場所もよくわからないところでのホノボノファンタジーですよ。
・あ、ほんのちょっとだけ、ものすごいほんのちょっとだけ、逆にこんな少ないのははじめてくらいに、ややモヤモヤするエロさがあるなあ。なんだろう?
(15:41:29)

2004年/7月/6日
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「はやてxブレード」1巻 林家志弦(メディアワークス)

・あまり期待しないで買いましたよ。「たしか、ゲーム批評でむかしマンガ描いていたっけか?」くらいな感じで。

・ところがとてもおもしろく読ませていただきましたよ。あくまで「おれにとって」ってことですが、「思わぬひろいもの」といった感じで、非常にトクした気分になりました。

・ジャンルは「特殊学園モノ」とでもなるんでしょうか。今、ひねり出した造語なんですが。
・舞台は女生徒ばかりの天地学園。剣技特待生制度というのがあります。ある決まった時間に「果し合い」をすることで、星を取り合い、自分のランクを上げていくというものです。

・主人公「はやて」は双子の姉の身代わり入学(まだ、姉は登場してない)で、剣技特待生コース。とりあえず姉がくるまでおとなしくしていようと思ったが、ひょんなコトで金が必要となり、報奨金が出るという星取りに参加することにした。それには「刃友」というパートナーが必要。で、メガネっ娘で、剣の達人だけど、1人でいるアヤナに目をつける。

・ま、その後、アヤナとタッグを組んで闘うってことですね。

・まず弱点として、「剣劇コメディ」なんてオビにありますけど、本当に剣劇シーンが少ないですね。まるで、平安時代を舞台にしてるくせにまったくそれが活きてない、某マンガ家の短編くらい。
・あとはムダに謎が多すぎ。すべてのキャラにそれぞれなにか「謎」が用意されてますね。まあ、話をおもしろくする最高のフレーヴァーではありますが、たいていの場合、たいしたことはないんであるから、そんなに出し惜しみしたり、謎にする必要はないんじゃないかと思いますよ。

・あとはいいですね。元気のいい絵。キャラもイキイキしてます。くわえてギャグをうまくはさみこんだハイテンポな展開。まったくタイトルどおり「はやて」のように駆け抜けていきます。思わず笑わせられるといった感じでねえ。
・オープニング1pで、2p目が表紙兼オチになってるのも、かるま龍狼氏を思わせていい。ファミマ仮面はトートツすぎてつい笑ってしまいました。あと、マスコットつけるクダリもよかったですね。そうなんだよ、後半ほどどんどんおもしろくなっていくんだわ。

・ということで2巻では剣劇シーンの増加と、テキトーに謎を減らしていただけると安心して楽しめるなあと思いました。

オススメ
(19:56:57)

「山田シリーズ」2巻 吉田戦車(小学館)

・最終巻。
・カワウソの山田の苦難の旅は続きますよ。
・で、本作、2巻からはとくに、吉田キャラオールスター総ざらえということで、懐かしいキャラ、モノなどこれでもかと登場しますねえ。
・カワウソメイドの和歌子さん、顔のないクマの子供、マフラーをまいてるシイタケ、カブトムシの斎藤、なんだかよくわからん山崎先生などなど、まあ、小学館キャラか。それが過去の作品からどんどん出演されており、ちょっとしたお祭り騒ぎになってますよ。
・そういうのをマニアは楽しむといいし、初心者はユカイなキャラクターがたくさんいるなあとウットリしながら眺めるといいと思った。

・それに、「殴るぞ」の5巻と山田シリーズの1巻か2巻を買うと「カワウソの皮風」のブックカバーがもらえるからもらえばいいと思った。

・あと、そう思ってみると、吉田戦車氏は各キャラをうまくいろいろなところに使ってると思った。どうせだから、スコラキャラもいろいろとオールスターすればいいのにって書こうと思ったけど、とっくの昔に描いてますからね。

・あと、クマがカワイイのでヌイグルミにしたら売れるのにって書こうとも思ったが、とっくの昔にヌイグルミ化されてそうな気もしたな。

・シミジミ、吉田戦車氏はいいところにつけてるなあと思わす最終巻でした。
(17:01:17)

「マリアナ伝説」2巻 ゆうきまさみ&田丸浩史(角川書店)

・2巻ですよ。ゆうき&田丸版、「WATER BOYS」げな男子シンクロな話。

・これ、1巻のとき、田丸色が強いなんて書いたけど、その理由が2巻で判明しましたね。どういう制作方法かというと、ゆうき氏がザックリしたラフを書いて、それを元に細部を田丸氏がつめるという方式をとっておられるのですね。ゆうき氏のラフが巻末付録として載ってました。なるほど、細部のギャグやセンスに田丸色が強いわりに、厳密にストーリーが展開してる謎が解けました。
・んー、たとえるなら、材料と調理手順はゆうき氏が指定して、実際の調理と盛り付けなどはすべて田丸氏がおこなっているという感じですかね。
・この2人での共作ならばベストともいえるかもしれませんね。

・水球部でありながら、主人公の暴走で、部員全員がなし崩し的に男子シンクロになったって話ですね。
・2巻では、紅一点のメガネ&巨乳と主人公の恋人関係成立(ラブシーンはないけど)や、男子のマスコットが漂流など、イベントも盛りだくさんでしたね。

・ここいらの強引なようでけっこう理詰めな展開、随所にそうとは思わせないギャグや筋肉、田丸氏だけならずらしてくるか、真正面すぎてちょっとズレてしまう、ラブシーンとか、いろいろとみどころが多かったです。

・ただ、まあ、どちらのファンにもやっぱり「薄い」かなと思ったりね。そりゃあ、「アルプス伝説」や「究極超人あ〜る」の大名作に比べればってことですけどね。
・逆に、いないとは思いますが、「マリアナ伝説」でゆうき&田丸を知った口には楽しみがあるってこともいえるかなあって。

・2巻では水っ球さんの活躍がなかったのでちょっと残念です。
(18:02:21)

「新・土曜ワイド殺人事件 京都藁人形殺人事件」とり・みき&ゆうきまさみ(角川書店)

・こっちもゆうき氏のコラボレですね。年季が入ったコラボレですけどね。このシリーズはじまって10年以上ですってよ。しかも、「京都〜」も何誌にも渡り描き継がれ、ついに書き下ろし完結編がついたといういわく因縁バリバリのものらしいですよ。

・おれもほんのちょっとだけ、「再刊モノ?」って危惧したほどです(再刊もでてますね。角川書店から)。でも、バリバリの新作ですね。

・これだけでも楽しめる仕様にはなってます。おれは徳間社版を読んでますね。

・タイトルどおり、2時間ドラマの体裁をいただいてムチャクチャやるという話で、ムチャクチャ度はシリーズ最高ですね。古都京都を舞台として、藁人形のとおりに起こる連続殺人の謎と、京都の老舗藁人形屋に勤める家政婦さん(主人公です)やのが登場してのドタバタギャグですよ。

・この作品、本当の意味での細かい共作で、ほとんど遺伝子レベルで、2人のエキスが混ざっており、結果、どこにもない作品となったものだと思うのですよ。絵からしてそうだもんね。下書きはゆうき氏だけど、ペン入れはとり氏だったりね。だから、どっちの絵でもない味があるんだよ。

・で、巻末対談でシミジミ語っておられましたが、「古いタイプのギャグマンガ」なんですよね。ドタバタしてて、コマ内にありったけのギャグを仕込んだり、ベタネタを連発したり、セルフパロディがあったりね(藁人形のパトレイバーなんてでてきますよ)。

・そういった全体的な流れは、とりみき氏の「DAIHONYA」で、登場するキャラやセリフ回しがどことなくゆうきまさみチックで、そのくせ、どっちにも登場しないようなキャラ(大ウナギなんてそうじゃないかな?)も登場するというにぎやかなものになってますね。しかも、クライマックスは一大スペクタクルになってますし。

・いや、正直、たしかに古いなって。おれもその時代に大笑いしてきた記憶はたしかにあるんだけど、今はおかしいというより「なつかしいな」というのがありますね。赤塚不二夫氏の長編読みきりに似たニオイがあったよなあとか。どことなく漂うお祭りっぽさとか。

・よくできてますよ。
(18:39:16)

「フードル」たけやまたけを(集英社)

・風俗嬢の話ですね。2部構成で、2人の風俗嬢を追ってます。

・パーティーコンパニオンをしてたけど、会社がつぶれ、ローンを返すためにデリヘル嬢になった「みく」の話。彼氏にはナイショだったけど、ひょんなことでバレてしまい、さあ大変な目に遭います。

・彼氏が死んで、生前行きたがっていた南の島への旅費を貯めるはずが、お客さんとアレなことになってしまう「そら」の話。

・ということで、ラストはちょっといい話風に落とし込んでいるフィクションものです。

・あんまり実録風なニオイがありません。取材などはきちんとやってまして、かなり細部ネタに「ああ、リアル」ってのがありますけど、キャラや話は作ってる感がありますね。
・で、もっともリアルなのは、「そのシーン」かもしれない。非常に寒々としてる。そらまあ、女性視点による「仕事」描写だから寒々としてるのは仕方ないし、それが狙いなんだろうけど、「本気」のシーンもわりに寒々としてますね。だから、そういう点ではかなりアレです。

・話自体もヌルイラブストーリーってことで、「ああ、ヤンジャン(連載はビージャンだけど)が新人に読みきりシリーズをやらせた感じだなあ」というノリですね。

・よどみがなさすぎるのが弱点です。テンポがいいというとホメ言葉ですが、通り過ぎた1冊の間に残るものがありませんね。逆に絵が下手とかあるといいんですが、そういうのもない。登場人物だれにも感情移入できない。

・ドリアン助川風にいうと「おれのココロに響かないんだよ!」
(19:45:52)

「フォトガラ屋 彦馬」2巻 北野睦&三山のぼる(リイド社)

・最終巻。
・幕末の日本を銀板に焼き付けてきた日本最初のプロカメラマン・彦馬の回顧録。
・2巻では本当に回顧録になっちゃったなあ。

・幕末の有名人が総登場しますね。でも、時間軸もエピソードもグダグダ。1巻ではもっと「流れ」があったような気がするんだけどねえ。

・年老いた彦馬が「あの人はスゴイ人だった」的な有名人の隠れたエピソードを。
・たとえば、高杉晋作が日本初のフルチン写真を撮るって話とか。
・坂本龍馬暗殺後のおりょうさんの自暴自棄っぷりとか。
・写真嫌いの西郷隆盛を隠し撮りしようとしたり。

・そういうのがいろいろと。
・それぞれの話のデキはいいですし、1巻で感じてた、絵の劣化を感じませんでしたし(おれは昔の三山画の女性のほうが美しいと思うけどね)、ベテランの仕事だと思いますが、ピリっとこなかったね。
(19:54:24)

「グレイトフルデッド」2巻 久正人(講談社)

・おお2巻。たしか、1巻は単巻扱いだった記憶があるんだけどね。ともあれ、続刊は素直にめでたいなと。

・清朝末期の上海を舞台に、女ゾンビハンターがキョンシーをバッサバッサと斬り捨てるアクション娯楽作品ですよ。

・2巻ではさらに派手になりましたね。アクションも派手、シカケも派手、それでいて雑さはないし、毎回趣向をこらしてる。独特のトーンワークによる陰影がクッキリしてる作画もますます冴え渡り、本当、類がないものになってますよ。

・主人公の相方のジジイらもいい味だしてるわ。

・でもって、2巻のクライマックス、上海を襲う竜のキョンシーを退治するシーンなんて鳥肌が立ちましたね。そうか!この手があったか!ってヒザを打ちましたし。

・とてもいいです。オススメ
(20:05:19)

2004年/7月/4日
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「NHKにようこそ」1巻 滝本竜彦&大岩ケンヂ(角川書店)

「ザテレビジョン」って雑誌を買ってます。それは角川書店が発光しているテレビ番組ガイドですが、テレビ番組表のわきには角川書店の発行雑誌のCMがあります。で、本作が連載されている「少年エース」の発売日には、4コマが載ってます。
・おれが気づいたのは「たのしい甲子園/大和田秀樹」からで、その後、「Dr.リアンが診てあげる/竹内 元紀」になり、今は「NHKにようこそ」になってます。
・ま、読んでみて、オマケ4コマが載っていたことで気がついたのですがね。

・オタクモノです。すっかりジャンルとして定着しました。たぶん、「げんしけん」が頂点でしょうね。

・ひきこもりの主人公が、「プロジェクトに参加しない」という謎の美少女からの誘いを断るために、イキオイで隣人のオタク後輩とエロゲー制作会社を興すというゲラゲラマンガですが、どうもそう思ってると足元をすくわれそうな気がしますから、1巻の暫定あらすじということで。

・主人公がやや電波な人で(ドラッグもやるし)、追いつめられると悪いほうにぶち切れるという特性が、売りなんでしょうかね。

・タイトルは、ドラッグ決めて、ラリラリパッパなときに、テレビが、主人公がひきこもりなのは、NHKの陰謀といったからですね。NHK=日本ひきこもり協会と。

・で、隣人が輪をかけたオタクで、さらにずぶずぶと深みにハマるというものですね。

・さ、読み終わったあと、いくつかクエスチョンマークがでました。これはどこに向かっていくマンガか、自分の中で位置付けが難しかったです。このまま、ドタバタコメディとするのか? 美少女のプロジェクトが関係するのか? エロゲー会社創設秘話ってことになるのか? どう転んでもアリな気がします、どこにも転ばないという選択肢もアリな気がするところがタチ悪い。

・だから、1巻ではなにも結論付けられませんね。様子をみます。女の子はカワイイです。
(16:08:27)

「団地ともお」2巻 小田扉(小学館)

・ともおサイコー!
・ということでおれ的にはキラータイトルである、ともおの2巻目です。
・団地に住む、ちょっとバカな小4ともおの日常スケッチです。

・今回ともおの季節は冬なのに、真逆の表紙がまず味ですね。おれもともおみたいな格好でプールいったことあります。途中からさすがに恥ずかしくなって吉本みたいになりました。

・これほど「小4」を描いてる作品はないですね。ガキオンリーでもないし、分別のつく大人でももちろんない。いわゆる「大人の事情」というやつが見え隠れする時期ですよ。

・それが端的に表れるのがクリスマスの話「サンタさんと心理戦だともお」。
・ともおはサンタが親ということを知ってるけど、親はともおがサンタを信じてると思ってる。そして、ともおはそれを知っているけど「サンタなんかいねーよ」といえないでいる。この微妙な感覚。まあ、ここで、ともおのサンタさんにお願いしたプレゼントもまたともお内の葛藤の末と思うと味わいがある。
・そいでもって、2巻全般で着てるジャンパーのガラがまたサイコーですね。着たいとは思わないけどとても欲しいですね。アレですよ、プレゼントとして「スポーツ大佐」(マンガ内でともおらが夢中になってるアニメ)の画鋲をプレゼントしてますが、あのジャンパーのミニサイズプレゼントのほうがよかったんじゃないかな。

・あと、2巻では、ともお以外のキャラもおいしかったですね。ケリ子の憧れの人の話とか、島田さんが持ってるライターに固執するネタとかもありました。

・ただ、おれは小田扉氏の「コミック」書くときに何度も書いているとおり、非ストーリーこそが真骨頂だと思うので、2巻のベストは「天体観測」の話ですね。

・だからこそ、各エピソードの終わりなんだか続いてるのかよくわからない感じもサイコーに好きなんですね。ともおにしてみれば日常の1エピソードだし、それが終ったところでなにがあるわけでもないからね。

・ときたまちがうタイプの話も入ります。それを否定する気はないんですが、やっぱちょっとイマイチかなあと思ったりね。たとえば、前パン屋だった店がフトン屋になったりうどん屋になったりする話とかさ。あ、ともおの姉の話は非常によかったですけどね。

・小田扉氏の話には朴訥キャラが必要不可欠なんだなと思いましたよ。

・でもって、「団地ともお」は「サザエさん」パターンを踏襲して、ずっと小4のともおのままでいってほしいな。ともおと野木おやびんシリーズで描き足りない思いは、短編で描けばいいと思った。
(16:26:17)

「つゆダク」8巻 朔ユキ蔵(小学館)

・好調なのですかね。
・エロコメも8巻ですよ。

・テレビ局を舞台にして、タレントが誰かを軽く連想させ、そのエピソードを微妙にからめるってのが売りになると思うのですが、今回、ラストのビリーズ事務所ネタ以外がわからなかったなあ。男性キャラはわかるんですよね。でも、女性のほうが、わかりそうでわからない。
・っていうか、ビリーズ事務所って元ネタは男じゃん!なんでもありかよ!まあそういうところも非常にらしくていいなあと思うのですが。

・あー、なんとなく、最近、朔ユキ蔵氏の以前に描いていた電波な女性が登場するマンガを読みたいなあと思ったり。あのときの「せつなさ」感は今ないからなあ。
(16:36:55)

「PS羅生門」6巻 矢島正雄&中山昌亮(小学館)

・安定してます。職人の作るデキのいい「既製品」みたいな感じ。いっておくけどホメ言葉ですからね。

・犯罪者と刑事の織り成す1話完結の人間ドラマです。

・今回も、1話1話ズシンと低めに決まり、軽く余韻を残すとても高水準の話ばかりです。1話1話についてそれぞれ感想を書いたり、おもうことを述べたくなるほどです。

・だけど、2つだけ。

・1つ。1回、このマンガ内で派手なアクションがみたいと書きました。それがありました。派手なカーアクション「進むか曲がるか。」

・もう1つ。「不安の種」でも書きましたが、本当に中山氏の絵が上手い。

「タイミング。」
・ミスばかり続く。ひったくりは駆けつけるのが遅すぎるし、夫婦喧嘩でくるなと追い返される。で、そんな中、久しぶりの休みで、主人公である女性(旦那に先立たれ、息子を1人で育て上げてる)が息子とファミレスに行く。そしたら、その不祥事をみていたヤンキーに聞こえよがしなイヤミをいわれる。不安そうな顔をする息子。そこで、気力を振り絞り笑顔で息子に接しようとする主人公。そして笑顔で返す息子。

・この笑顔ですよ。

・いや、つくづく、表情だよなと思いました。よく、こういう場面、髪の毛で表情をみえないようにしたり、後姿で処理したりするじゃん? それは効果的なこともありますが、基本的に「逃げ」でありますよね。ぶっちゃけたところ、どういう表情を描いたらいいのかわからないからってのが多く見受けられます。

・中山氏は原作の意図を飲み、いろいろな表情を描きます。それは、人間だけに留まりません。「愛された部屋。」では、部屋の風景描写で泣かせます。そう、背景も表情がありますよ。

・すごいなあとシミジミ。
(17:17:09)

「電脳炎」5巻 唐沢なをき(小学館)

・PCがらみ(主にOA)の4コマ。
・これ、唐沢氏にしちゃあ、おとなしめと思っていたけど、「ビックコミックオリジナル」で連載してるんですね。そう思うとかなりすごいなあ。

・今回はエロネタ大好きの山本エロ子さん。今日も隠しカメラで女性更衣室を隠し撮りして、ネットに流す。
・ダンボールに入ってじゃないと人とコミュニケーションできない男がダンボール被ってくる矢戸狩くん。4つんばいになって上からダンボールをかぶってるんですね。

・この2人の活躍が目立ちましたかね。あとは、PCにうとい課長、OA仮面、2000年問題君(2002年問題とかいって登場する)、などの面々が例によって活躍してます。

・多分、唐沢マニアにはたいしてウケがよくないと思いますが、地道に長期連載中ですね。地道におもしろいし。最近の唐沢連載はどれも安定してますね。
(17:45:38)

「さちことねこさま」2巻 唐沢なをき(エンターブレイン)

・異色なのが異色という異色作家・唐沢なをき初のシチュエーションコメディである本作も長期安定政権になってきました。

・でも、2巻からはところどころ破けてきましたね。それこそベタですが、ネコかぶっていたのがはがれてきたとか。

・ねこさまという業の深いものにあらわれる「アタマノサキニアルモノ」がいる薄幸のメガネ美少女のさちこさまと、彼のボーイフレンドあおのりくんのうれしはずかし学園コメディですよ。

・4段ぶちぬきでさちこさまが登場したりしますよ。でも、下ネタ全開になってきてますよ。

・いやまあおもしろいからいいんだけどねえ。もうちょっとガマンできなかったんかな? いや、今のほうがおもしろいのはまちがいないんですけどねえ。「唐沢こればっか」っていわれるんじゃないかなあって。まあ、それでも支持があるから問題ないのか。ま、「ビーム」に連載だしなあ。でも、「ビーム」に連載してるのにソフトってのがギャグになってておもしろいのかと思っていたんだよなあ。
・いや、いいんですけどねホント。

・個人的には山本御嬢様(って名前の御嬢様)があおのりくんに萌えてキューンってなる顔に萌えます。
(18:24:36)

「くじごじ」川島よしお(白泉社)

・へー白泉社で描いていたのですね。知りませんでした。秋田書店っ子かと思ってましたよてっきり。

・ということで、4コマ作家川島よしお氏の最新作はOLものだった! しかも、少年誌じゃないので、ビーチク解禁だった! 女性がかわいいがビジュアル4コマじゃない!そしてネタがワンパターンだけど飽きない! というか大好きだ!

・実はオッサンだけど、OLに変身できる、OL課長と、あと夜にキャバ嬢やってるOL、いろいろと謎の多いOL、途中から、受付嬢や、10歳の坊ちゃんについてる大きな態度のメイドやら、OLってシバリがユルユルになってくるあたりは川島マジック!

・とりあえず、1番多いのがビーチク解禁ですね。それ以上のネタは抑えてるみたいですが、これはかなり大きい一歩だったし、これまでガマンしていたビーチクネタが爆発してましたね。ベタなところでは(それいうとけっこうベタが多いんですが)、カクテルの「チチ」でチチからカクテルが出てるのを想像したりなっ!
・あと、男の8割はビーチクにさわるとき、「ポチっとな」というとかなっ!

・キャバ嬢のコスプレネタもよかったなあ。他の面々がレースクィーンとかナースとかなのに、ババシャツ1枚なんだよ。そら、人気出るわなあ。

・それでいやらしさがないところがスゴイよなあ。だから、基本的に「どうしていいの?」って気分になる。そこがいいんだ。

・なーんか、端々に香る、童貞フレイヴァーがミソなんですかね。

・2巻とかあるんでしょうか?
(19:46:39)

2004年/7月/1日
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「情炎の点滴」村野守美(久保書店)

・エロマンガです。
・村野氏ほど作風が幅広い人も珍しいですね。児童文学絵本からエロまで。と、これはエロのほうですがね。

・時代エロということに絞っておられます。おれも詳しくは知りませんが、以前に青林堂での「秘戯御法(ひぎぎょほう)」というハードカバーは持っております。それとはほとんどダブってないんで、復刻だと思いますが(東京三世社からの秘薬淫薬と同じ表紙ですね)、それはラッキーかなと。

・風情があるんですよね。エロさとかは昨今のそれにはまったくかないませんが、風景描写や、「空気描写」がすばらしいんですよ。

・薬がらみのネタが多いですね。江戸時代の「アダルトショップ」で、今でいうところのバイアグラみたいのを巡っての話が多いです。

・殿様に「ひいき」してもらうために、あのときにつける。でも、それで腑抜けになった殿様は逆に遠ざけるようになる。「大奥未練花」

・兄の嫁にホレるけど、思いを遂げられそうもないから、毒だろうと「それ」を飲む次男。なかなか死ねないばかりかギンギンムラムラになって…「次男、部屋住み」

・番頭がカタブツだから、ワイロを受け付けない。弱みを握って脅してやれということで、番頭の水がめに薬を忍ばせて、女をあてがう「鬼瓦の文吉」

・まあ、そこいら成年コミックとは一線を画してますね。かといって、エロ劇画でもない。オンリーワンなところが古びなく、エロく、なおかつ格調高く、いつまでたっても魅力的なのかもしれませんね。

・これを書く前に上記の「秘戯御法(ひぎぎょほう)」も読み返しましたが、同じでしたね。20年前に最初に読んだのと同じようにドキドキし、エロいなあと思いましたよ。
・ただ、正直、当時も今も「実用」には、格調が高いかなあとも。
(16:41:24)


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