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ポトチャリポラパ/コミック/2004年
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2004年/8月
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2004年/8月/29日
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「ケロロ軍曹」9巻 吉崎観音(角川書店)

・あの、2004年、ネット界最大の有名人である「電車男」がクライマックスになろうともいうのに


今日に備えてセラムンはスルーしますた(・∀・)
でもケロロは見せて下さい…_| ̄|○


・と、いい放ったくらい、アニメ版が好調の原作本9巻ですよ。

・で、アニメが調子いいと、原作の方も調子に乗りそうだよなあと思ってたら案の定、調子に乗りまくりでした。そして、実はそっちのほうがおもしろいんですよね。

・もう、正直、宇宙からやってきたカエルみたいな宇宙人がギャースカやってるギャグマンガとしてしかみてないので、それ以上でもそれ以下でもないんですけどね。だからこそ、ちょっとしたノリのよさや、にぎやかさは重要ですね。平成の「居候キャラ」の王道を行こうとする気概や覚悟をビンビン感じられます。

・だけど、ちょっと気になるところと。吉崎氏のそのキャリアはほとんど知らないんですが、たぶん、TAGRO氏なんかと同じで、ちゃぶ台ひっくり返し系の作家かと思うのですよ。
・なんつーかな、パロディ的視点を持っている人というかな。わりに複雑な構造になっていたりするんですよね。ガンプラが好きな宇宙人程度に済ませばいいのに、623なんかのキャラなど、いろいろなところにいろいろなパロディがある。各キャラそれぞれに元ネタがありそうなくらいですよね。
・いや、それはそれで全然いいんですけどね。かなり本作の魅力につながってますよ。

・ただし、このパターン、いわゆる王道をナナメにみてるってことなんで、そこいらになんだか微妙なアナが開いてきてるような気がするですよ。つまり、「泣かせる」的な王道がまだきびしいね。以前に比べればかなりよくなってきてるんだけど、まだきびしいかなって。
・んー、だから、おれは吉崎氏のマンガって、なんとなく、イニシエのバンド、すかんちを思い出される。

・パロディや引用を重ね、そのセンスで勝負!みたいなところありますよね。「ケロロ」でそうでしたが、おれの知る限り、商業誌で、浦沢直樹の「MONSTER」パロディをやったのは、早かったですもんね。

・というか、今は「パロディ」って感覚すらない人のほうが多いのかな。「材料」ってな感じで、元ネタへの愛情とかない人が多いもんね。そういった点では古かったりもするんですよね。ただ、一時期よりパロディは少なくなりましたね。そこらもアニメ化が影響あるのかしら。

・楽しませていただきました。ここまで書いてる途中、「おれは誰に対してなんに対して必死なのかな?」と思いました。

・アニメの方もみたいんですけどね。
(22:41:52)

2004年/8月/28日
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「ウチの場合は」3巻 森下裕美(毎日新聞社)

・おれが芳文社が狂ったようにだしてるビジュアル4コマが嫌いなのは、つまり、相対的なもので、一方に本作のような圧倒的力を持つ4コママンガがあるからなんだね。たとえるなら、ガンダムとハロくらいの差かな。もちろん、「ウチの場合は」がガンダムです。

・日本一カワイイ新聞4コマを売りにしてますが、現在流通してる4コマすべてでも最上級のレベルの4コママンガだと思います。
・基本はホノボノ4コマです。新聞に載るような4コマですもの、かなりの制約とかがあるでしょうね。でも、パッと読む分には、それらを軽くクリアして、なおかつ、攻めている姿勢を感じられます。つまり、ただのほのぼの4コマに終ってない。

・たとえば、新キャラとしてルーズな人が2種登場します。森下氏はキャラメイクに関しては天才ですよ。1人はいわゆる「片づけられない女」。そのくせ、収納や掃除の雑誌を出してる編集だったり。もう1人は主役の家族のお父さんの上司。ワガママで横暴だけど、抜けてるっぽいルーズさがあるために怒れないキャラ。
・こういうヨソのマンガでみないわりに現実にはそこらかしこにいそうなキャラをマンガ化させたら天才です。そして、双方、けっこうヤバイところに触れる可能性のあるキャラですけど、うまく避けてます。

・ここいらのバランスがいよいよ名人芸の域、完成形に近づいてるなと、おれは本作で感じましたよ。いうても、「JUN」とか「荒野のペンギン」といった、デビュー(実は少年ジャンプだったりする)あたりから、けっこうリアルタイムで読んでるクチとしては、感慨深いものがありますよ。そりゃ、「少年アシベ」などのアニメ化があるし、たぶん、収入のピークなどはあそこらへんだと思いますが、すべての点での頂点はやはり、ずっと「最新作」だった感じの人でして、本作ではさらにそれらが強く感じられましたよ。

・とかいって、2003年の2〜9月の夕刊掲載分だから、ヘタすると「COMAGOMA」なんかの最終巻のほうが最近描いたものかもしれないんですけどね。

・この3巻がひときわいいなと思ったのは、動物ネタが少なめってのがあるからかもしれないです。やはり、「少年アシベ」のヒット以来「かわいい動物」ってのが割合と必須条件みたいになってる森下氏です。
・本作も、「モアちゃん」というブサイクな犬がいますが、これは今回、「ののちゃん」におけるポチよりも露出が少ないくらいです。

・でもって、何度も書きますが、これが新聞に載る「ほのぼの4コマ」ということですよ。
・だから、たぶん、多くの人がヌルイとか、ユルイと、思われます。カルシウムの慢性的に不足してる平成生まれはとくにそう思うでしょう。

・だけど、そこで「ほのぼの」の奥の深さを思い知るわけですよ。どれだけでも掘り下げられるワケですよ。しかも、独自の切り口で、独自のネタで、なおかつ、新聞に掲載できるレベルまで無害にしたものが。

・とくに、小学校の高学年の娘・アサカネタには秀逸なものが多いですよ。

・めずらしくたくさん叱られるアサカ。でも、説教が終ったら、サバサバして雑誌を読んでる。でも、飼い犬が落ち込んでると思って、顔をなめてくれる。それで、つられて泣いてしまう。

・こういうのな。おれの説明が悪いですね。このホノボノでありながら、意外にありそうでないラインで、とてもいい感じです。

・あー、まー、個人的に、現在最新の4コマコミックの頂点かと。
オススメ
(18:07:26)

「Dr.リアンが診てあげる…夏」竹内元紀(角川書店)

・あっと驚き最終巻。3巻目からは、副題がつくようになったので、「…夏」は実質5巻ということですね。

・本作、終ってみると、これは壮大な実験だったのかなと思ったりする。とにかく、ネタふるのすらめんどくさいくらいにギュウギュウにつめこんだ、マンガ史を見渡しても類をみないくらいのギャグ貧乏ぶりですよ。
・そう考えると、この副題であるところの「…夏」もギャグだし、表紙からして1pのギャグになっており、なおかつ、オビを外すとちがう展開のギャグが読め、カバー見返し、表紙も裏表紙もギャグがつまってます。スキマにはすべてギャグをつめておかないと気がすまない、ちょうど、「伊東家の食卓」的な番組によく登場される収納しないと死んでしまう工夫好きの奥様くらいの密度でギャグを収納してますよ。

・まあ、その奥様の節約収納の工夫がたいていビンボくさくて「なんかイマイチ?」と思うのと同じところも似てます。

・やっぱつめこみすぎるのもいろいろと問題があるんですよねえ。

・でも、その心意気やヨシ! ものすごい同じ構図が延々と続くのも、下ネタなのも、わりにどこかできいたことのあるネタが多いのも、それでもいいからつめるって感じも、とてもいいと思います。攻めの姿勢です。ずっとパンチボタンを連打してる格ゲー初心者みたいな感じです。だから、微妙にホメてない感じがしますけど、おれは大肯定なんですよ。好きなんですよ。単行本のたびに楽しみにしてましたし。オビの折り返しにあった新連載も楽しみです。がんばれがんばれ。
(18:29:23)

「カナヤコ」小栗左多里(メディアファクトリー)

「ダーリンは外国人」の作者による少女マンガですね。
・おれは不思議なんですよね。なんで、「ダーリンは外国人」がバカ売れしてるのか。1巻は買いましたよ。「ふーん」くらいでしたよ。絵はカワイイしネタはこなれてるけど、あの当時ですらあった熱狂(本屋の店員がイチオシ!って書いたポップとか)の理由がわからないし、現在の平積みでベストセラーのコーナーにドーンとある現状はさらにわからない。

・ここいらは、はっきりいいきってしまいますが、ミゾですね。だれでもあると思いますが、自分の感覚と他人のそれが相容れない感覚。この場合、「注:笑いをこらえるのが大変なので、立ち読みにはご注意ください」と、「ダーリンは外国人」に書いてあるセンスと「そういう人」が存在するという事実。それには恣意的なのか女性が多いというのもまた事実ですね。
・んー、まあ、男女のセンス差というのを考えさせられたですよ。

・そういった意味で、「ダーリンは外国人」の2巻は買わなくてもいいなと思ったのですが(立ち読みしたけど、少しも笑いをこらえる必要がなかったし)、「ダーリン〜」以前の少女マンガに、その理由がわかるかな?とおもって買ってみたですよ。

・ちなみにいろいろとマンガを描いておられる方なんですね。全然知らなかったんですが。

・2000年から2001年にかけて連載されていたもので、450pくらいあって読み応えはありますよ。

・あらすじは、妄想癖のあるカラに閉じこもってる主人公(女性)が、ひょんなことで刀鍛冶の弟子入りする話です。

・かなり率直にいわせてもらうと、「なんじゃこりゃ?」と。 なにを目指してるのか、どこに行くのか、まったく焦点が定まらないまま、いろいろな要素を貪欲に取り込みますが、それを口の中でモグモグさせながら、別の皿にも手をつけるといった、中途半端な要素が満載なまま、最後に「なんじゃこりゃ?」という着地点に落ちます。

・本当、いろいろな伏線的なものがありますけど、それらは、「なんかあったら生きるか?」って不発に終ってるのもあるし、アリバイ的に辻褄を合わせたものがあるし、まあ、そういった意味で中途半端な煮え切らないままストーリーが進行するってのは、実は「リアル」なんでしょうが、リアルならいいのかよ?って気がしないでもなかったりね。

・個人的に、ホストと、ホストの彼女って必要だったのか? と思う。主人公の元イジメっコって必要だったのかと思う。そして、刀鍛冶を舞台にする必要はあったのか? 別にパンを焼く話でも成立してねえか?

・ということで、「ダーリンは外国人」ヒットでの便乗を見込んだ商品かな。

・あ、そうそう。話も不安定なら絵もかなり不安定でしたね。逆に「ダーリンは〜」からファンになった人が買うとガッカリするかもしれない。レディコミのヘタなほうの作画レベルですしね。

・ちなみに奥さんも「もうひとつ」という判断でしたよ。
(21:48:37)

2004年/8月/27日
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「王様ランチ」三宅乱丈(太田出版)

・短編集ですね。
・三宅氏に関しては出世作である「ぶっせん」から、定期購読してる雑誌が「モーニング」ってこともあり、それなりに縁がある人です。でも、正直、ヨソの方の評価ほど、おれは買ってないんですよね。

「げんしけん」の名セリフ(大野さんでしたか)であるところの「ホモが嫌いな女性はいません」というのを読んだときに、おれが1番に思い出したのは、実は、三宅乱丈氏だったのです。なんでかわかりませんが、三宅氏を思い出した。

・という偏見に満ちた目でみてるから、三宅氏を正当に評価してないのかもしれませんが、そもそも正当ってなに?なんて、混ぜ返す予定なので、その質問をおれにぶつけたところでムダです。

・とにかく苦手なんですよね。でも、上手い人だなとも思います。この微妙な感覚な。

・その理由は多分、おれが男で、別にホモが好きじゃないからだと思うのです。

・三宅氏はある点から開き直ったかのように、ホモを主眼において、バリバリ作品を発表されてきた感覚があります。「ぶっせん」では、まだ猫をかぶっていた感じ。というか、メジャー出版社じゃわりと猫をかぶってる感じ。

・ということで表題作「王様ランチ」はモロそれです。食い物を手掴みでクチに入れて無理に食べさせられるって衝動にハマってるオトコの話だけど、つまりホモです。
・妄想癖のある女子が、自分が超能力者になったらと妄想する「ある日突然超能力者」。

・三宅氏が苦手だと思う2つ目は、女性が非常にリアルなこともあるかなと。もはや死語になりかかってる「女の腐ったようなの」ってのをなんだうまく表現できている「マイママ」とかね。「モーニング」でやってるエッチっぽいようでまったくそそらないエロマンガも同じです。なんだか、エロというより、女性のコアなところを見せ付けられているような気がします。

・ということで、苦手だよなあと思いながら、距離をおきながら、また読むんだろうなあと思いますよ。
(18:07:36)

「宇宙賃貸サルガッ荘」4巻 TAGRO(スクウエアエニックス)

・やっぱ、思ったとおり「長い」に突入しはじめました。

・とてもおもしろいだけに非常に複雑な気分です。

・おもしろくて長ければそれはラッキーと思われるかもしれませんが、おもしろいけど長いものは、おれの感覚だと、おもしろくてちょうどいい長さのものに負けます。というか、長いと思うものは、必ずおもしろさが欠けてきます。
・それは音楽と似てるかもしれないですね。たとえば、曲は延ばそうと思えばどれだけでも延ばすことができますが、3分のポップミュージックに負けます。何回もいいますがおれの感覚ですよ。

・けっこうまっすぐすすんでます。でも、それは本当に必要だったのかなあ?とおれの感覚だと、どうも延ばしてるワケではないと思うのですが、長いなと思うのです。

・ていうか、TAGRO氏はそのキャリアとして、「ちゃぶ台かえし」系のマンガを多く描かれてるわけで、そういうマンガを描いてる方が、正統派のメルヘン入ってるSFを4巻もつづけるのは、それが超おもしろくない限り「長い」んですよ。ものすげえぶっちゃけますと。

・で、サルガッ荘はとてもおもしろいけど、氏のキャリアを凌駕するくらいのおもしろさはないワケですよ。実際、ちゃぶ台かえし系のあとがきエッセイマンガも超強力ですしね。

・だから、メウもアサもスイもカワイイし、話はほどよいメルヘン+SF+ラブ+コメ+シリアスとブレンドの具合もいい。でも、長いんだよ。

・その違和感がとても強い4巻でした。インターバルがあくのもそう思う一因かもしれない。続けて読むとそう感じないかな。
(19:06:39)

「IDEN&TITY 32」みうらじゅん(青林工藝舎)

・田口トモロヲ氏が監督で映画化(DVD発売のしらせがオビに)までしたシリーズの最新作なんです。「アイデン&ティティ」「マリッジ」に続く第三部ですよ。

・って、ここで重要な問題として、「おれマリッジ読んだか?」という疑問が噴出します。
・でも、問題はナシです。「アイデン&ティティ」読んでいれば話はバッチリですし。

・SPEEDWAYというバンドでボーカルとギターを弾いてる主人公は所属するプロダクションの社長からGSのカバー曲を歌えといわれる。32歳、もうあとがない状態。
・そんなとき彼と腐れ縁の元ビジュアル系バンド、現タレントの岩本がガンだとマスコミに告白する。

・と、まあ、「アイデン〜」のころより大人になったみんながそれでも「ロック」とはなにかとあがき続けるマンガですよ。かなり渋くて苦いマンガになってますね。

・ひとつ思ったのは絵がすごくなったことですね。とくに女性がとても魅力的になりましたよ。

・みうら氏の大人なところと、コドモなところと、童貞なところ、青臭いところ、その一方でマンガ家としての、ロックミュージシャンとしての、タレントとしての、全てで本作を描かせたと思います。あと、ボブディランと。

・ただ、おれもマジメに受け止め、オススメはナシにします。くどいわ。いろいろと。
(22:39:32)

2004年/8月/24日
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「おキツネさまでChu」1巻 速野悠二(秋田書店)

・猫耳(ホントはキツネ耳だけど)の女の子とオッパイだけという潔い構成の表紙にホレて買ってみました。
・内容もそんな感じでした。

・なにをやってもダメダメなオトコが、学校1の美女とネンゴロになれますように、神社に願掛けたら、悪霊退治を手伝って、すべてそろえたら願いをかなえて進ぜようということになり、神のつかいと合体し、悪霊退治に勤しむ。

・悪霊は女性にとりつき、悪霊にとりつかれた女性は臀部にアザができる。ってまあ、要するにエロな設定の「どろろ/手塚治虫」ってことですね。

・で、出し惜しみしないで毎回ちがう女性が「おっぴろげ港」するわけですよ。

・こう、エロ関連は作者のポインツを探るのが楽しい年頃なんですけど、本作のポインツはその設定からもおわかりのとおり、臀部ですね。実は表紙にだまされてしまいがちですが、お尻にかなりこだわってる感じですね。生尻からパンチラまで。

・そいでもって、どことなくサッパリしてるのは、視点が、「女性の裸はステキだ」というラインに留まってるからではないかと推測されるのですよ。つまり、「オッパイがやわらかい〜」って感じで触るシーンはあまりないんですね。登場する女性は漏れなくひんむかれますが、そこで、主人公すらセクシー美女に変身してますんで、「うはー。裸がいっぱいだあ」止まりなんですよね。だって、それ以上にすすめないし。

・で、基本的にドタバタ。これがいい感じですね。うまくリファインすれば「コロコロコミック」でも載せられるかも。というか、絵的に萌え系ではあるけど、どことなく児童マンガ系のニオイがあるなあ。「エッチ」だけど「スケベ」じゃない感じ?

・よく動いてるマンガですが、その動きはもうひとつぎこちないところもありますね。そこがちょっと気になったところかな。

・あと、カバーめくったアニパロのネタがわからなかったなあ。ギャップを感じるなあ。
(15:51:38)

「ほっぷすてっぷじゃんぷッ!」4巻 岡田和人(秋田書店)

・同じ秋田書店でも、「おキツネさま〜」に比べるとこっちはかなりエロでございますね。

・視点の問題なんでしょうね。「おキツネ〜」のパンツはお尻をつつむ布って感じで「それはそれでステキだ」という意味合いがありますが、本作の場合、女性性器を隠してる布で、それがよれて性器のカタチがくっきり浮かび上がって「たまらねえぜ!」ってなるわけですよ。
・ちょっと話題を変えますと、オヤジギャグがなんで嫌われるかというと、そういうことになるんじゃないでしょうかね。つまり、シャレ自体はあくまで言葉遊びでコトバなだけなんですけど、それをいって「おもしろいだろ?」ってニヤニヤしてるオヤジがすけてみえるからムカつくというかね。ほら、ファンだったら堂本剛クンが爆笑オンエアバトルの誰よりもおもしろいってのと逆の理論でね。

・この場合、岡田和人氏のエロ視点がスゴイしスバラシイということを強調したいわけですよもちろん。

・毒カエルにかまれてカエルの能力が身についてしまった女子高のさえない用務員と、風紀委員の美少女やその他がおりなすエッチなコメディマンガですね。女性は女性性器の形がくっきりとすけてみえるNASAが開発した特殊な服を着用してますよ。というか、岡田氏ってひょっとして、ラバーフェチ? もしくは、ゼンタイってやつ? 薄いピッチリした服で全身が包まれたりそういうのがポインツなのかもしれないですね。

・今回、カエルネタが非常に少なく、普通のエロコメとして進行してましたが、実はそっちのほうがおもしろかったかもしれませんね。まあ、この手のコメディにはよくあることですよ。途中で設定がどこかにいってしまうっての。

・で、主人公の用務員が狙ってるヒロインの親友が活躍してましたね。とくに用務員と手錠でつながれる話はよかったですね。

・個人的には今までで1番楽しめました。
(16:05:40)

「ゼロイン」2巻 いのうえ空(角川書店)

・ちょっと未来の警察。民間企業が介入して警察の補助業務をする、「民警」の話です。

・女子高生で銃の無刀ワザ「ゼロイン」を駆使するみくるさん。そいでもって、彼女とひょんなことに知り合いになり、民警になるヘタレオトコが主役ってことになるのかな。
・オドロキなことに、2巻はアクションというより、そういう殺伐とした登場人物によるラブコメになってるんですよ。正直「そっちいくか?」と思いましたね。
・あと、「エロ」っていうと、ビミョーですが、「ドキドキ」シーンが増えましたね。
・まあ、エロもアクションもエンターテインメントではあるんですけど、個人的に本作は、エロとアクションの配合を逆にしてもらいたいんだけどねえ。

・また、どっちもかなり高いレベルにいるのが痛し痒しでねえ。アクションはスピードあるし、エロはボリュームある。最近、エロの決め手は「重量感」じゃないかなと思いはじめてきましたよ。そこに女体が存在すると思われる重さですよ。

・そして、アクションも重量感が重要ですよね。マンガは紙にインクで描いてるものだから、なんでも描くことができる。だからこそ、重いものは重く、軽いものは軽く。エロいものはエロく。ってことが重要になるんですねえ。

・で、3巻はどうなるんでしょうか。普通に楽しみです。
(16:28:33)

「来福OL幸呼さん」ちば・ぢろう(少年画報社)

・ビックリですよ。カバー表紙、みかえし、本文1p、全部同じ女性なのに全部ちがってみえる。マンガは記号とはよくいったもので、頭の上の「アホ毛(fromぱにぽに)」がなければ区別がつかない。

・そいでも不思議なことにあまり欠点ではないのが本作だったりしますよ。

・エロマンガですよ。どうどうと描けますね。今日はずっとエロマンガの感想を書いてきたような気がしましたが、実は厳密にエロマンガ、セックスシーンがあるマンガは本作だけですよ。

・幸福を呼び寄せるけど、近くにより過ぎると、吸い取られてしまうので、誰も近づかないOL幸呼(さちこ)さん。会社はそういうこと大好きな社長によって、彼女を中心に円を描くように席を作ってある。

・そこに新入社員があてがわれるんですね。彼は彼女のブラックホール型の吸い込む運をうまく吐き出すホワイトホール型の運の持ち主で、以後、2人でハメハメするマンガです。
・これが最後のハッピーエンドっぷりといい、道中のほがらかエロエピソードといい、うまくまとまってます。
・ただ、1行目に書きましたが、かなりのスパンで描かれたものらしく、ミゴトなほど絵柄がちがいますね。

・あと、エロこだわりみたいのがあまり感じられなくて、「ソツ」なくこなしてる感じがするのも残念。まあ、マンガを描くのが好きな方のひとつの方向って感じもしますからねえ。

・結論:うまいですね。
(16:50:49)

2004年/8月/23日
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「銀魂」1巻 空知英秋(集英社)

・BBSでオススメされたもの。現在3巻まで出てるのかな?よくわかりませんが。

・まず、すぐにウヤムヤになってることだし、くだらない設定はいらないんじゃないかな? そのせいで、1巻の後半部まで話のノリがかなり阻害されてるような気がします。あらすじに書く気も起こらないようなくだらない設定です。
「ドラゴンボール」に設定説明がありましたか? あれはそもそも何時代の話ですか? あの世界の設定の説明がありましたか? つまり、そういうことですよ。

・ということで、ビンボートリオが織り成す、和風重視のなんでもありな世界での、コメディですね。

・とりあえず、新人らしいとっちらかったいろいろなものにピントを合わせたものになりますね。

・長所はこのトリオになってからの掛け合いのよさ。全体的なテンポのよさ。

・で、「どんどんよくなるホッケのイコ」ってのが最大の長所かもしれないね。後半ほどよくなっていく。

・もう1巻くらいためしてもいいかな。
(22:29:48)

「先生がいっぱい」2巻 安田弘之(小学館)

「生徒そっちのけ学園マンガ!!」ってのはズバリ内容をあらわしてますね。学校=職場ということで、そこで働いてる方にスポットをあてているという。

・んー。学校版「ショムニ」。

・ということで先生がたくさん登場します。生徒もそれなりにいますけどね。

・でも、1巻に比べて、ダメ教師(いろいろな教師がいろいろな意味でダメなんですが、この場合、ストレートにヘタレでダメな教師)のトカチンに焦点をあてすぎてしまってる気がしましたねえ。
・これ、「ショムニ」でいうと、ツカハラになるんだろうけど、トカチンは男だしなあ。かわいくないんだよなあ。まあ、ツカハラがカワイイってわけでもないんだけどさあ。

・基本的に、トカチンが大変な目に遭ってトホホでチャンチャンってパターンばかりで、飽きるっていうかねえ。つまらなくはないんだけど、「おお!」ってのがないです。
(22:38:11)

「ライドバック」2巻 カサハラテツロー(小学館)

・ライドバックというバイクとモビルスーツのあいのこみたいのがいる近未来の物語。
・2巻では、仕切りなおしましたね。つまり、グランドプロローグってことになるのかしら。
・1巻の後半は、抗議デモにでかけた友達を救いに、ライドバックにまたがり、大暴れする主人公が、ワンピースをはためかせ、パンチラし放題のために、ネットで英雄になりました。
・でも、死んだことになったので、リセットになったわけですよ。

・そして、2巻後半から、レースがはじまってしまいましたよ。なんかよくわからんけどライドバックに乗って憎いアンチクショウ的な主人公の相手役みたいなカゲのある男もあらわれましたしね。ほーほー。どことなく「エースをねらえ」のパロディ的な展開がおもしろい。

・そして、1番おもしろい、巻末設定資料集。本編をみてるとよくわかりますが、かなりロングにひいた絵が多いですよ。外堀を埋めて埋めて 世界を構築して構築してからドラマを盛り込むようなタイプですよ。だから、つい、意識的、無意識的に、「こんなところも作ってるんだよ」ってのを知らしめるためにロングになってしまう。その逆はアップが多いですよね。設定とかロクに調べないで、時代マンガを描く、女流マンガ家なんかに多いですね。
・そんなマンガ家ですから(勝手に決め付けてますが)、とてもおもしろいですよ。今回、近未来のケータイが良かった。あれ、欲しいわ。

・壮大になりそうなニオイがずっと漂ってますが、もし、壮大になるんなら、「それ」をもうはじめたほうがいいんじゃないかなあと思いました。
(23:34:14)

2004年/8月/21日
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「マシュマロ通信」2巻 山本ルンルン(JIVE)

・2巻もでました。アニメも好調です。こっちじゃやってないのでみてませんが、かなりアニメ版のほう心酔してる方も多いみたいです。

・ヨーロッパげな架空の街を舞台にして、シリアル会社の景品として届けられた動く羊のクラウドとサンディ、その一家とクラスメイトが織り成す、「オバケのQ太郎」げな話。

・1回が長いんだよ。絶対長いぞこれ。絶対。1エピソードをそれだけもたせるのは、これは山本ルンルン氏の力量をはるかに超えてると思うんだけどね。というか、この設定で1回約25pのマンガを毎回おもしろく描くことができるマンガ家って世界中に10人はいないんじゃないかな?
・建設的な提案として毎回2本立てにしたほうがいいんじゃないかな?と思います。

・本作の最大の魅力はオールカラーでの絵のキレイさと、クラウド(羊の人形ね)をはじめとしてのキャラのかわいさですね。とくにクラウドが萌え死ぬほどなのに、クラウド自体、カワイイ以外の特徴がなにもないんですよね。イイコだし、無邪気だし、本当にシンプルにマスコットなんですよね。だから、毎回の長いエピソードにうまくからませられないんですよね。

・そこいらを考えて、もっとクラウドのかわいさを全面に押し出して、コンパクトに切り盛りしたらどうでしょうか?

・個人的にはクラウド以外にはシナモンが好きです。
(10:46:58)

「並木橋通りアオバ自転車店」12巻 宮尾岳(少年画報社)

・ご存知「自転車」からはじまるオムニバス読みきりストーリー。
・作者は狙ってると思うのですが、だいたい巻でザックリとその流れみたいのがありますね。もちろん、「お約束」としていろいろなものをいれなければなりませんよね。
・まず、当然のことながら自転車が登場します。それにタイトルどおり「アオバ自転車店」がからみます。皆勤賞の小学生のアオバちゃんも登場します。それで、1話〜2話でまとまるドラマがあります。
・で、準レギュラーが登場したり、変わった自転車が登場したり、あります。

・今回は非常にオーソドックスでしたね。原点回帰といった風情があります。これまでどおり変わり自転車ネタや準レギュラーネタもありますが、すべて、オーソドックスにして、「普通」にまとめてました。
・そして、普通だからこそ、それこそ1巻や2巻の若い巻数のころ、5巻あたりのマンネリがかったところ、それらをふっきった9巻10巻あたりのころと比べての、如実な変化がみてとれるという趣向になってますよ。

・なんだか、すべてをものすごいうまく取り揃えてある12巻なんですね。これが突出していいとか、これが悪いとかじゃなくて、引き出しのすべてを広げて、さりげなく並べてある。
・上記にある求められてるものはすべてある。マンネリといわれようが好きなところはちゃんとおいてある。その上に、冒険したりもある。準レギュラーものも、そのときだけだろう名もないキャラが登場するものもある。老若男女均等にキャラがいるし。話も人生を噛みしめるようなのから、コメディタッチまで、総ざらえって感じかも。

・んー、そういった意味でいぶし銀のような12巻でした。文句のつけようのないクオリティということでね。本当いいマンガです。それを噛みしめることのできる12巻。これまでが悪くて突然12巻がよかったわけでもない。高水準を保ち続けていた。そして、それを12巻で再確認した感じ。よって12巻まで読んでこないとわからないところがあるのでオススメはナシです。途中から読んでも問題なく楽しめるんですけどね。
(11:14:00)

「二十面相の娘」3巻 小原慎司(メディアファクトリー)

・やっちまった?
・突如として、旅先に、孤島にいって殺人事件と、すっかり金田一少年なことになってしまいましたよ。どういう話だっけ? まあ、こういう大胆な横紙破りは、小原氏っぽいとは思ったりもするんですけどね。

・で、もう、本作自体がそうなんですが、さらに全体的に漂う「**っぽさ」。パロディ的というか、パスティッシュ的というかな、そういうのがさらに濃厚。好きな人にはたまらないですが、おれにはくどい。あるラインを超えた感じがする3巻です。

・二十面相に育てられた美少女の冒険物語です。上記のような展開でした。
・ものすげえつまらなかったわけではないですが、2巻のときの「みなおした」って感じがなくなり、「ああ、やっぱり」って1巻のときの感想に戻りつつあります。
(11:38:46)

「おとぎのまちのれな」6巻 はっとりみつる(講談社)

・ん? れなってまだ処女なのか? と、謎を残す6巻でした。

・これで終ってしまうべな。

・カバー見返しで「ようやく話が進んできた」などとあるようにそんな感じでした。いろいろとどうでもいい話の辻褄あわせをやってましたね。
・ぶっちゃけ、そんなのはどうでもいい方なのですからして、もっとエロにエロに話を展開していってほしいと切に切に願う次第ですよ。

・んまー、もう十分ってほどエロにエロに話は展開してるんですからしていいんですが、この話がエロを薄めてるっていうかねえ。
「話>エロ」になってるんですよ。「エロ>話」のほうがいいですよね。

・それとは別の番外編のかなり非エロなのもそれはそれでよかったなあ。

・んー、おれはつまり、この話自体があまり好きじゃないってことなんだな。作者の絵は好き。エロのセンスも好き。でも、「おとぎのまちのれな」はあまり好きじゃない。キャラももうひとつだし。ってことですね。素直にそう思えるようになりました。
・だから早く終ってほしい。
(14:01:29)

「ルサンチマン」2巻 花沢健吾(小学館)

・仮想現実世界ネタの近未来マンガです。2巻です。
・なんか、2巻にして、「話」になってきたなあと思いました。1巻では、その仮想現実世界と、ちょっと先の未来世界描写がおもしろかったんですが、その仮想現実世界が急速に発達したわけをちゃんと話本編にからめながら進行してますね。

・へんな表現になりますが、「話」すぎるなあと。思った以上に骨太で、ガッチリしたストーリー展開です。そして、それ自体はとてもおもしろいですね。この仮想現実世界のキモとなったAIキャラ。その成り立ちをきっちりと紹介してます。そして、「神」も登場します。

・シンプルに感想を書きますよ。「なんか、おおげさー」。

・なんかおおげさなんですね。作者の視点も展開もポリシーもまったくブレてないと思いますし、連載当初からの予定になっていると思います。それくらいキッチリしたストーリーや設定です。でも、なんか、おおげさな感じがするんですよね。「おおげさ」って感想もちょっとしっくりいってないんですよ。「ちぐはぐ」ってのもあるのかな。それとも「せっかち」。なんか合ってない感じがする。濃すぎるってのはあると思うけど、じゃあ、2巻のストーリーをもっと薄くしろ?ってのともちがう気がするんだよね。

・じゃあ、どうしろ?ってことなんですが、ここまでいったものは仕方ないんで、このままいってくださいって感じか。

・情報量が多すぎるのかな。そのわりにうまく整理されていないというか。1巻のときのように背景を愛でる余裕もないくらい「話」だったんですよね。

・3巻以降では意図的に「抜き」を入れてもらえることを希望したいね。
(15:00:19)

2004年/8月/20日
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「俺フェチ」3巻 桑原ひひひ(角川書店)

・なんとビックリ、「俺フェチ」はつづくのにキャラが総とっかえになるそうですよ。もしかしたらそういうギャグで、4巻からなにごともなく展開するのかもしれませんが、そこまでして「俺フェチ」というタイトルにこだわる理由がおれにはわからないです。また「俺フェチ」という思い入れがあるとは思えないタイトルだしなあ。

・猫耳で巨乳で姉フェチのたまこさんとユカイな仲間が繰り広げるヘラヘラ女子ショートギャグマンガですね。

・もうはっきりいいますが、女子マンガ家のギャグマンガって、基本的に好きか嫌いかしかないです。細かい技術論や、ギャグの質みたいのを論じてもしょうがないようなところがります。キャラクターありき。すべてはその後にかなり遅れてついてくる感じ?

・本作は好きです。たまこの巨乳が好きです。また3巻でも姑息なくらい巨乳をギャグにからめてきています。また、ここの細かいところが女性的ではありますね。また、その胸と、ほかのパーツとの折り合いのつけ方の描写に悩んでるあたりも女性的な気がします。妙に、ワキ腹に肉をつけてみようとしたりねえ。そりゃあ、巨乳=デブってのは割合真理ですからねえ。無邪気にボンキュッボンを描けないってのはよくわかりますし、桑原氏の誠意を感じますよ。

・ということで、段々こなれているんですけど、あるとき思い切りハズしたりするのが本作の妙味ではありますね。

・妙味としては、弁当がカビていたってネタで1本作ったりな。

・まあ、4巻以降も巨乳は登場させようね。
(18:26:57)

「蕗のお便り」2巻 菅原雅雪(講談社)

・4コマ大冒険マンガも2巻で堂々完結。

・本作を連載していた「モーニング」はずっと愛読してるので、当然、本作も前もって読んでるんですけど、本作ほど、雑誌の連載で読むのとコミックで読むとちがう作品もないですね。まったく別物ってくらいです。というか、毎週3pの4コマ5本で、延々とつづくストーリーを覚えていられるワケがねえんだよ。そんなにヒキが強いワケでもないしね。

・米をもとめて、神の国から人間の国にきてしまったフキの精のコルコニとフキノトウの精のマカヨの冒険物語。ロケ地は北海道か。
・2巻では人間ともわかれて、様々な登場人物があらわれてさらに混迷の度合いを深めつつも、無事に大団円を迎えると。
・まあ、正直、連載中は完全にワケがわからないで、今2巻で読んで「こんな話だったのか」と思ったくらいでね。
・というか、読んでみても、あらすじを話せるかどうか自信がないくらいグジャグジャしてはいますね。そして、実はとてもスケールが大きい話だったりするのですよ。地球が破滅の危機を迎えたりするしな。

「うまく」とはいいませんが、2巻にまとまってますし、なにより、登場キャラがすべて愛らしいものばかりなので(個人的には影が取り付いたクマが好き)、意外に広い範囲で楽しく読んでいただくことができるかなと。
(19:26:11)

「ぼのぼの」25巻 いがらしみきお(竹書房)

・オビコメントがパペットマペットですって。んー?来年、さ来年あたりはもう「こいつ誰?」ってことになりそうなところですよね。まあ、それも手なのかもしれませんがね。最近、オビをみてると、出版社は読者をバカにしてるなあと思うし、実際、バカが多いんだろうなあと思ったりしますよ。少なくとも、「ぼのぼの」のオビがパペットマペットでうれしくはないですねえ、おれは。だから買わないってワケじゃないですしね。そもそも、25巻も続いてるようなコミックに新規読者とかつくのはマレなんだから、オビとかいらないんじゃないのかしら? ってワケにもいかないんだろうなあ。

・ということで25巻ですよ。4コマで25巻。その重みをシミジミとね。

・そいでまたネタがなにげに重くなっていってるんですよね。25巻のテーマは「老い」ですよ。ほのぼの動物4コマでここの境地にたどり着いた4コマって早々ないですよね。というか、ある時期からのいがらし氏はすべて前人未到の作品を書いてますね。

・クズリくんのおとうさんが老いた自分に悩んでますよ。そんな動物4コマ読んだことねえよなあ。意外に、タブーの領域ですからね。死なない、時間の動かない4コマ世界においての、「老い」ですからねえ。たとえば、サザエさんにおけるナミヘイのように老いキャラとしての存在はそういうものだとしてありますが、クズリのおとうさんは、当初そんなキャラじゃなかったですからね。

・あとはビミョーな人間関係を描いてますよね。ビミョーな人間関係を描くマンガでも描かれたことのないビミョーな人間関係というかな。これまたクズリのおとうさんとクズリの関係とかビミョーですよね。あと、ぼのぼのとお父さんの関係とか。

・年齢を重ね、子だったのが親になり、環境が変わると、またちがった感じを受けると思いますよ。だから、大事にとっておいて、また読み直すといいかもしれない。10代、20代、30代ではまたちがいます。
(20:09:42)

「ちいちゃんのおしながき」1巻 大井昌和(竹書房)

「ひまわり幼稚園物語 あいこでしょ!」の人ですね。この作品、買いそびれたってことで覚えてるんですよね。マンガってのも一期一会でございますですよ。ということで、その作者ということで、本作をさらりと購入してみたんです。

・10歳の小学生・ちいちゃんがぐーたらなお母さんとともに居酒屋を切り盛りする4コマ。ちいちゃんが料理全般を担当。一応給仕がお母さんだけど、お客といっしょに飲んだりねえ。

・という「ビジュアル4コマ」です。「ビジュアル4コマ」にしてはなかなかおもしろいと思います。「ビジュアル」を抜かすとかなり辛口批評になりそうです。だから、抜かさないで甘口でいきます。

・まず、絵が丁寧ですね。とても丁寧です。4コマだからって手を抜くという思想はまったくないです。入り口からちがうって感じですね。まあ、実際、入り口からちがうんでしょうけどね。

・小学生だてらに切り盛りしてるネタ。ぐーたら飲兵衛母親ネタ。の2本柱で展開していきます。だから、本作のキャラであるところのちいちゃんかママが気に入れば、かなりポイントが高くなると思いますね。個人的にはキャラの環境設定はともかく、性格設定がベタすぎてもうひとつ入っていけなかった。

・1番のネタは、コミックスのカバーめくった表紙ネタかな。

・あー、ぶっちゃけ、描き下ろしっぽい、非4コマのショートコミックの体裁でやったほうがいいんじゃないかい? こっちのほうがしっくりきてる感じがするわ。

・あ−、もうイッコぶっちゃけ。作者は「つまり4コマって同じに帰結するオチを切り口を変えて繰り返すことだろ?」って思ってる風ではないか? ある点では真理である。「ビジュアル4コマ」だとかなり。でも、おれ個人としては了承できないな。

・つまり、結論ぶっちゃけとしては、おれ的にはマーマーと。

・でも、いい「ビジュアル4コマ」だと思いますよ。さすが竹書房。さすが大井昌和。
(20:34:14)

2004年/8月/18日
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「挑戦者たち」みなもと太郎(少年画報社)

・やっぱり、おれが思っているより、「風雲児たち」って売れたんだなと思う。ここんところ、そういう歴史にからめたみなもと太郎氏の書籍が目立つ。

・本作は、「斬鬼」という、たぶん、時代劇(歴史)関連のマンガ雑誌(これもいまや完全にジャンルのひとつとして定着しましたね。ホラーマンガ誌みたいなもんか)に連載されていた、あまり時代や歴史とも関係ないエッセイマンガ集を中心に、歴史モノを2編収録したものです。その「挑戦者たち」からはじまるエッセイマンガものも、編集側からすればなんとか歴史モノにしたくてしょうがないところを、みなもと氏がエッセイコミックとしてるって感じがある。

・そして、本作はとてもおもしろかったりする。

・京都の太秦映画村にエキストラのバイトとして日参していたころ。
・オランダ人が勉強しにやってきた話。
・宅配貸し本業のバイトの話。

・基本的にこんなことがあった的な作者の思い出話がつづくわけですが、これらがいちいちS級のクオリティがあるのみならず、宅配貸し本業などという商売があったこと。京都、大阪、東京の味のちがい。触覚だけが覚えてる歴史とか。それぞれウンチクや勉強としてのネタも切り口といい、調理法といい、「ホー!」と感心することしきりだったりするんですよ。

・で、「風雲児たち 外伝」としての「日本任侠史」「日本剣客伝」のクオリティはいうことナシではありますね。こういった、テーマでとらえた歴史マンガもとてもおもしろいなと。そうか、おれの今の商売は任侠の末裔にあるんだなあと思ったりね。実際、東京に居たときヤンチャしていた祖父が存命だったころ、おれの店の前で仁義をきった、露天商の方(ああ、この場合こそ香具師ってのが正しいんだけどね)がいたそうですけどね。

・このエッセイマンガ群でよくわかりましたが、みなもとマンガの特徴は、登場キャラがみんな明るいんですね。「今回はおもしろくない話をする」なんて書いた回もとてもおもしろいんですよ。だから気づいたんです。
・基本的に明るくてわかりやすく、なおかつ、識別しやすいし、把握しやすいんですよね、それぞれのキャラが。
・だから、「風雲児たち」や「レミゼラブル」などの、鬼のように登場するキャラクターを見失うということがビタイチないわけなんですね。

・ま、ともかく。「おもしろいマンガ」を読みたい方。どんぞ。オススメ
(19:59:41)

「風雲児たち 幕末編」5巻 みなもと太郎(リイド社)

・で、こっちが大本命。手塚治虫文化賞特別賞受賞ですって。手塚氏自体あまり賞とは縁のなさそうな人だったような記憶があるんですけどねええ。

・ジョン万次郎が江川太郎左衛門の下につき、村田蔵六が宇和島で日本最初の教科書を作ってたり、ペリーはすでに日本にきていろいろとたくらんでるし、シーボルトの娘イネは産婦人科医の道を進み、吉田松陰は密入国しようとしてるんですよ。

・前作での「風雲児たち」のしてきたことが日本を救ってる。日本を救ったのが1冊の本だったってのもステキな話でございますよ。そして、このときから、もう、日本はアメリカの属国として延々狙われつづけていたという事実ですよ。それが結局第二次世界大戦どころか、現在までも尾をひいてるってことですよ。

・は、歴史ったらドラマティックなことでござあますね。この年齢になるまでわからんかったあでござあますよ。

・ということに最近糸井重里氏も気がついたみたいで、イトイ新聞で書いたと思ったらもう5巻のオビではコメントを書いてますよ。有名人はいいですね。
(20:21:31)

2004年/8月/14日
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「赤灯えれじい」1巻 きらたかし(講談社)

・なんの予備知識もないんですが、不意にいいところもらったって感じ。
・大阪舞台にして、ヘタレなプー太郎と、金髪ヤンキーのガツガツ女とのラブコメですよ。タイトルのワケは、2人が出会ったのは、道路の交通整理のバイト。あの、赤い懐中電灯振って、片側交互通行のアレ。そこからきてるんでしょうかね。まあ、ベタなキャッチつけるとすれば、「ガテンからはじまるラブストーリー」ってか。

・これが意外に展開が早くて、1巻の終わりにはカップル成立オメデトー状態になっているんですよ。

・こう、最近、シミジミ思うのですよ。ピッタリだからおもしろいって。本作はものすごい大げさなところから語る「名作」とか「問題作」じゃないと思うのですよ。新しい恋愛のカタチがここに!とか、すごい大阪を描いてる!とか、そういうんじゃないんですよね。あと、ものすごい勉強になる!ってのもちがいます。
・本当に、丁寧にジミに、大阪のあまりいい暮らしをしてない2人を描いてますよ。かたや実家が団地のプー太郎だし、かたやダンナに逃げられて、母と子と2人で切り盛りする零細工場の娘だし。高卒に中卒だし。2人ともあまりカッコいいこともないですし。そこいらを写実的に描いてますしね。
・だけど、それがとてもいいんですね。キャラもそれぞれいいし、絵もいいし、話もいい。無理をしてないっていったらアレだけど、世の中に是非を問う!とか、そういうんじゃないんですよね。
・たとえば、ミュージシャンの良さをどこで判断するか?ってことに似てるのかもしれない。世の中に衝撃を与えるメッセージソングを歌うのがすごいミュージシャンなのか? あるいは、ものすごい音域が出ること? 癒される声の人?
・まあ、いろいろな答えはあると思うが、「ぴったり」ってのもアリだと思うのですよね。ありふれた歌詞を、ありふれたメロディに載せて、ありふれた演奏と歌声で歌う。でも、それがすごい胸にしみることがある。「ぴったり」ってそういうことです。「ありふれた」って悪口じゃないんですね、だから。

・後半の怒涛とはつけられない盛り上がりも、実はありふれたことなんですよね。でも、ありふれていても感動する。それは有名なところでたとえると「電車男」とかね。

・作者は後半のエッセイコミック風を見る限りだと、バイク乗りで、情報誌に連載を持つほどの方みたいです。
・で、たぶんですが、1ページ目をめくったら現れる、制服を着て、小さい身体で、一生懸命赤色灯を振る、金髪の女性。このビジュアルありきで展開したんだと思うんですよ。たまにかわいい女性いますよねえ。

・ということで2巻ではどうなっていくのかわかりませんが(個人的には「1巻ほどではなかった」って2巻の感想を書きそうな気がするのです)、1巻ではとても新鮮だったしよかったです。
オススメ
(18:48:54)

2004年/8月/13日
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「墨戯王 べいふつ」佐々木泉(小学館)

・中国は宋の時代、三大書家の1人である、「べいふつ」を描いた話ですね。

・んー、ぶっちゃけ、書の「ギャラリーフェイク」および「美味しんぼ」な感じの小学館オトクイのウンチクマンガの亜流です。

・筆の腕もたつが、それ以上にコレクターとしての業が深い「べいふつ」(漢字があるけど難しいんですよ)がコレクションのためにいろいろと大活躍するんですね。ときには贋作を作り、ときには詐欺まがいのことをしたりね。

・近いのは、「公家侍秘録/高瀬理恵」ですけど、残念ながらかなりいろいろと及んでません。べいふつや、その弟子、仲のいい陛下なんかのキャラ、全体の「ミステリー」、当然のことながら精緻な絵や書、背景など、かなりレベルは高いのですけど、上記の作品群には及んでないってところです。

・もともとかなり不利である地味な題材を選んでいるのだから、もうちょっとどこかで頭ひとつ飛び出て欲しかったといったところでしょうかね。
(16:38:57)

「壁ぎわ税務官」17巻 佐藤智一(小学館)

・税務官マンガも17巻目ですよ。ぶっちぎりで代表作になりましたね。

・税金を滞納してる人がいる。大まかにわけて2種類いて、事情があって払えない人と、払わないようにしてる人。事情がある人にはその事情を解決してあげて、払わないようにしてる人には、なんとかそのトリックや悪知恵を暴いて払わせると。

・17巻では、めずらしく事情があって払えない人ってのが多かったなあ。たいていは、詐欺的に払わないで脱税しようとしてるやつのウソを暴くってパターンが多いんだけど。

・それでも、いろいろと「おみやげ」を用意するんだよね。たとえば、猫屋敷のババアから税金を取るためにどうしたか? 保育所の脱税法から、全国の保育所が不足してる問題につなげていったりねえ。

・このおみやげっぷりは、脚本担当の「コミックブレーン推進委員会」の力も大きいだろう。とても個人で集められるネタではないからなあ。でも、このほがらかな位置に落ち着かせる技量はまちがいなく佐藤智一氏によるものですわな。

・そう考えると本作ってのはかなり重要な実験作であり、その成功例でもあるんですよね。この手のウンチクマンガを、非ウンチクな方が書くための1パターンですよね。
・たとえば、「ギャラリーフェイク」だと、細野氏が自前のブレーンを持ってる気がするし、「美味しんぼ」みたいに、完全に原作者とマンガ家みたいな距離感の方もある。本作はその中間点に位置しますよね。

・つまり、小学館はこの手のマンガをたくさん擁したいワケですよ。おれもたくさん小学館のこの手のウンチクマンガ読んでますしねえ。(18:20:06)

「アフター0 Neo」1巻 岡崎二郎(小学館)

・あの「アフター0」が装いも新たにまた小学館で。

・SFショートコミックですね。
・もう、このクオリティはなにも心配することがない方です。圧倒的な「最新」科学知識を下敷きに、大胆な仮説の元に展開される、「SF」な物語ですよ。
・最近はとんとSF小説からは遠ざかってるんですけど、本作に匹敵するようなのってあるんだろうか?

・人類が初の月面着陸に成功したときにあった2分間の沈黙。その間になにがあったのか?「月世界旅行」
・ネット上にあらわれた魔人。大暴れをするが…「魔人をさがせ」
・人間の遺伝子操作は犯罪だが、サルを人間ソックリに遺伝子操作するのは合法ということで、作った猿を飼う話。「永遠の天使ピオ」

・その他に14編の短編を収録。

・個人的にみどころは、多分、初に近い、ベッドシーンのある「顔」。多分、おれも参加するだろうあな「魔人をさがせ」。なんとなく希望がみえる「黄昏の達人」なんかがよかったかな。

・岡崎氏のこの一連の小学館的なウンチク付き掌編が、多数の人に支持されているのは、その知識の偏りにあるんじゃないかなあと思ったり。ここいらは、「壁ぎわ税務官」の脚本であるコミックブレーン推進委員会では出せない味だよね。
(20:04:11)

2004年/8月/11日
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「レヴォリューションナンバースリー」3巻 金城一紀&秋重学(小学館)

・最終巻。ほんの少しだけど「打ち切り感」の漂う寂しい最終巻だった感じがする。せめてあと1巻、いろいろあるととてもいい具合に終ることができたと思う。それが残念だ。

・金城一紀のデヴュー作であり、半自伝的な作品のコミカライズです。バカ男子校の有志が御嬢様女子高に乱入してナンパしまくる話です。

・と、3巻ではついに学園祭乱入です。それはバッチリです。もう、戦いがはじまってからは、毎回「おおおお」ってシーンが目白押しですが、それを膨らませるための枝葉がもうちょっと充実するには、コミックにしてあと1巻分必要だったのかも?と思ったりね。
・最後のヒロシの墓参りにしてもね、原作はもっと「イキ」だったもんなあ。

・オマケが異様に充実してまして。まあ、アナザーストーリーを描き下ろしでってのにはページ数が足りなかったのかしらね、原作者へのインタビューや解説、描き下ろし4コマなど、いろいろありましたよ。

・ほんのもうすこしで万人にオススメできるものになったので残念だなあと。
(09:42:47)

「のらみみ」2巻 原一雄(小学館)

・居候キャラがいる世界のマンガです。
・小学生の間、居候キャラを同居させることですばらしい小学生ライフを繰り広げるというカタチでね。
・それを斡旋する紹介所(結婚相談所的なノリかな)とずっと居候先が決まらない「のらみみ」を主役に据えていろいろと展開するというものです。

・これ1巻はとてもおもしろかったです。その斬新な設定ゆえにおもしろいところが多かったです。だから、2巻は心配だったのですよ。もうネタが切れやしないかと。

・もとからの予定だったのかよくわかりませんが、その「世界」的な大きいところをザックリといかないで、個別のキャラに注目するようになってきましたね。それが目立った2巻です。

・たとえば、別れたキャラと会う話。中学校になるときに居候キャラと別れる。そこに焦点をあてた話。自分の居候キャラが嫌いになる話。などなど。

・そりゃあ、それぞれにドラマはできるわけで、それを丁寧にすくいあげる手腕は確かだし、おもしろい。
・ただ、1巻のときほどの新鮮味はなくなったなあ。
(10:18:42)

2004年/8月/9日
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「ONE PEACE」34巻 尾田栄一郎(集英社)

・おお。水の都編に突入しましたが、これはちょっと期待できますね。なにせ、まだ戦ってないのにおもしろい。久しぶりだな、こんな感じ。
・まあ、その前の青キジとの戦いでの構成の不味さやとってつけたような伏線の張り方は相変わらず全体をみる視野のない方によるものだなあと思いましたが、青キジの圧倒的な強さはそれ自体にインパクトがあったので、この先たいへんだぞという最大の伏線を張ることには成功したのでまあヨシですか。

・で、水の都編ですよ。とりあえず、キャラ見失いがない。なおかつ、今のメンバーの誰かが今度、船大工としてルフィの一行に加わるという緊張感もある。そいでもって、一筋縄でいかなそうであるし、今のところ、空島編でのマイナス面がまるで感じられないところに好感。

・ぶっちゃけた話、カクが新たな仲間になるの?
(11:23:36)

「金色のガッシュ!!」17巻 雷句誠(小学館)

・千年前との魔物戦は終わりましたね。意外なほど後半はすっきりと終ったような。まあ、変にゴテゴテつけくわえるのもアレですし、過不足はない、泣かせとバトルをうまく組み合わせて、ブラゴとシェリーコンビの因縁をちゃんと描いてましたものね。

・で、キッチリとリセットしましたね。それぞれがまたそれぞれの生活に戻りましたね。こういうのは珍しいかも。
・最近の流れだと、こう、敵は倒れます。そして、元の生活に戻るけど、やっぱりちょっとちがうって感じ? その敵との戦いが「普段の生活」にも影響してるというかね。たとえば「GANTZ」とかそうでしょ?

・しかし、巻末のなぞなぞ博士他の、「いい大人」は、なにを考えているのだろう? おまえらいい大人なのに。
(13:11:31)

「バトル・ロワイアル」13巻 高見広春&田口雅之(秋田書店)

・いろいろあっても続いてるし、刊行される、例の「バトルロワイアル」のコミカライズ。だって、売れるからなっ!

・あと、もうちょっとで終りそうなんですよね。

・何回も書いてますが、おれは原作を読んでません。このコミカライズが終了してから読もうと思ってます。そう思って何年経ってるのかって長期連載になってます。けっこう人気あるみたいですしね。実はこのマンガ版を基にしたアニメ版(OAVか)が進行してたりしそうですよね。

・そいで、映画版、深作監督の最後のアダ花みたいになったやつはみたのです。

・だいたいは、映画版は原作にそって進行してましたが、メインキャストでは、13巻で死んだ相馬光子の描かれ方が全然ちがうのですよ。クラスの不良女性で、身体を武器に、のし上がっていくタイプ。たしかに映画で実写で描くにはなかなか難しいわな。映画版では、ポンズダブルホワイト・コウさんが熱演してました。
・13巻では、その相馬光子と、桐山和雄の戦いがメインでしたか。ずいぶんと映画版とはちがうんです。映画のほうだと廃工場で派手にドンパチして「大往生〜」とばかり倒れるんですけど、マンガ版は裸になり、色仕掛けした挙句に無残に撃ち殺されてますね。
・たぶん、原作にまた、田口センセがコッテリジューシーな背脂的盛り付けをしてそうですけどね。どんな場面もトンコツ風味ってか。「マジカル・トゥルー」の場面とかそれっぽい。

・で、この場面から、ずいぶん、映画版からの乖離がみられるんですよね。いうても、これまでは、原作に沿ってる映画版に沿ってマンガ版も進行してる感じがありますけど、この先、ビートたけしが先生ってワケでもないから、あのヘタクソなラクガキを描いてるシーンとかもなさそうじゃない?

・あと、後半にはカワダのこともコッテリと。

・ということで、実は、今、「おもしろいな」と思いはじめてます。この先は「知らない」展開ですしね。
(14:17:40)

2004年/8月/8日
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「ダルマチックス DARUMATICS」Pierre Namedaruman (ワイズ出版)

・風俗ライターとして知る人には神様のようなお方の4コママンガ集ですね。

・まず、この本、装丁がワザありなんですね。
・たぶん、「ドーナッツブックス/いしいひさいち」が最初だと思いますが、新書サイズに1ページ1本で4コマを載せたのは大発明であったことですよ。これはその新書サイズの余白をさらにつめててのひらサイズになっている。
・まあ、変わり装丁が欲しい方にはとてもいいですよ。ただ、やや読みづらいですけどね。やっぱ新書サイズのほうがいいね。

・で、中身ですがこれがまたいいんですよ。まあ、島本舐達磨親方のペーソスあふれる日常生活風味のエッセイ4コマになられてます。
・おれの持論としてマンガ家はすべからく女性を魅力的に描けなければならないというのがありますし、女性の描き方でそのマンガ家ってのは非常によくわかります。とくに男性のそれはよくわかります。
・で、親方はというと、とてもシズル感あふれる女性描写であると思うのですよ。女性はきれいだしかわいいし気持ちいいってのがあふれてくるようです。

・でもって御歳50を過ぎられてなお盛んでございますよ。ワビサビも加えつつお盛んなエロオヤジとして君臨してる感じ。同じ風俗系マンガ家でいわれると、「フーゾク魂」の平口広美大先生がおわしますが、平口センセとの対比がまた味わい深いですね。ガッポシフンゴマラといった風情でしょうか。
・ともかくファンのおれとしてはタマランチ会長ですよ。

・念のため、こういう絵ですので、あまり多くを期待しないでください。
(19:29:23)

2004年/8月/5日
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「野蛮の園」2巻 西川魯介(白泉社)

・ドンワリ ビーハッピ(応援歌より)ってことで、世にも珍しい高専を舞台としたギャグマンガ。かなりアレ風味の2巻目です。

・メガネ娘率と、オタク率、マッドサイエンティスト率、ショタ率と、かなり高濃度で配合されており、表紙にもなっているニューキャラもキッチリメガネっ娘とホレボレするくらいの正面突破っぷりです。

・しかも、レースの賞品がロールケーキ等の作者の体験が、物語世界にイヤなリアリティを与えており、これぞ高専マンガの決定版?と錯覚させられる仕組みになってます。たぶん、実際の高専学校には、モノンクル着用でモビルスーツに乗りながら授業をする超天才の5歳少女先生も、20代でセーラー服着用のバイトの図書委員も、1年生女子にメイド服を着せて、ムリヤリ官能小説を朗読させるセンパイもいないんだろうなあとは思うのですけど、存在してもおかしくないのか?とね。

・ということで、現実にいない度はかなり高い女子と、現実にいそうでイヤな男子が縦横無尽に活躍するギャグマンガは2巻でも好調でしたね。
・ネコミミシッポ茸(女子に寄生するネコミミ&シッポのカタチをした茸)ってのはやっぱりウソなんだよなあ。
(18:35:04)

「ホムンクルス」3巻 山本英夫(小学館)

・1巻から2巻が出るときに比べれば、「電撃的」と表現できる速さでの3巻目ですね。まあ、大麻疑惑とかなければ3巻はもっと早かったんですけどね。

・3巻で大きいのはタイトルである「ホムンクルス」の意味が明らかになったことですかね。
・ホムンクルス=人々の心のゆがみ=生霊ということでね。なるほどね、いわゆる精神の世界のマンガであるってのがかなり表面化してきましたね。というか全面的になったのか。

・そいでもって妖怪マンガって見方もありか。一種の「ゴーストバスターズ」的に、ココロのゆがみがみせる「妖怪」を退治しているストーリー展開です。

・ビジュアル面のインパクトもさることながら、無意識下における化け物を描写するってそれ自体のアイディアがまたいいですね。その説明もわかりやすくてよかった。
・人間はお互いに無意識下の自分を読み合ってるってのもなんだかいろいろなことを考えさせられたなあ。まあ、その理屈でいうと、それぞれがそれぞれのホムンクルスをみてるってことになるんですかね? まあ、わかるようなわからないような。

・なるほど、人気あるのはわかるなあ。すげえ影響受けてる人がいそう。
(20:32:45)

2004年/8月/4日
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「Landreaall」4巻 おがきちか(スタジオDNA)

・とてもおもしろかった。正直1〜3巻を軽くしのぐくらいおもしろかった。
・一応、3巻までで1エピソードだったのですね。大きなくくりみたいなものが終わり、主要キャラが学校に入るって展開が4巻からなんですよ。アカデミー編ですか。

・3巻までで傷心のDX、その妹、護衛兵のロッコーらは、寮制の学校に入ることになったのですね。

・キャラの増やし方の見本みたいな丁寧な展開で、着実に新キャラが頭に入っていく。学園マンガを描こうと思ってる方は最高の教科書になるんじゃないかな。
・ムダのないイベントで、着実に新キャラを印象づけて、話煮からませつつ、増やしていく。しかも、スムーズに。ここいらは天才かと思うくらいです。スムーズの天才です。高いローションくらい。全然ホメてませんね。

・見た目、セリフ、行動、と、マンガキャラは、実際に声を出せないし、すごい動きを動いて表わすことができません。だからこそ、うまく、そのキャラを読者に記憶してもらうためになにが必要かというと、「全部」なんですね。ここを忘れる人が多い。目立つ容姿だからOKじゃないんですね。目立つ容姿に、目立つセリフに、それに見合った行動ですよ。

・そして、覚えてもらった後は、忘れられないようにしなければならない。キャラを「生かす」ってのはそういうことです。その難しさと楽しさが4巻にはギューッとつまってます。

・なるほど、本領発揮といった感じもしますね。実際問題、背景画、アクション、と、人間以外の魅力は薄いですからね。人間ドラマそのものである学園ドラマこそがおがきちか氏の魅力を100%引き出すことができるんじゃないかと思います。

オススメ。4巻の楽しさを知るために1〜3巻を読む必要がありますが、安心してください1〜3巻もおもしろいですから。
(10:58:10)

「ああ探偵事務所」6巻 関崎俊三(白泉社)

・んー? 大好きなシリーズなんだけど、6巻でちょっと絵が雑になってねえかな? 気のせいかな。

・たぶん、CG処理だと思うんですよ。ちゃんとペンで描いてるけど、仕上げやらをCGにするってパターンかな、その仕上げが汚いような気がするんですよ。前まではあまり気にならなかったんで6巻からの現象かな。もしくは、5巻までは非CG仕上げだったのかしら?

・あとは、サジ加減ね。2エピソード収録されてます。
・探偵さんの話なんですがね。事務所がナメクジに襲われる話と、過去、いじめられた中学生を助けた話。6巻は仕事してませんね、探偵さん。

・どっちも、ギャグのほうに傾きすぎているような気がします。ここいら、サジ加減がちょっとって感じ?

・まあ、おもしろいんですけど、たぶん、この点が、もうひとつブレイクしてない理由なんだろうなあと思いました。このギャグめかしてるところ、おれはかなり許せるタイプなんですけど、気に入らない方は多いんだろうなと。この6巻で、そういう方の気持ちがちょっとわかった感じ。

・かくもサジ加減ってのは難しいなあと。人生はサジ加減ひとつですね。
(11:29:53)

「マシュマロ通信」1巻 山本ルンルン(JIVE)

・アニメ化もしてるそうですよ。朝日小学生新聞で連載してるそうです。朝日小学生新聞って小学生だったころ読んでいた記憶があるなあ。

・と、おれが手に取ったのは、HALCALIの「エレクトリック先生」のPVに彼女らをキャラにし、アニメにしたのが山本ルンルン氏で、その絵にホレていたからです。

・マシュマロ通信は、小学生の新聞のタイトルですね。その編集部長のサンディがシリアルの商品に当たった人形が生きていて大騒ぎといった感じの「居候キャラ」モノです。

・オールカラーで570円って100p程度。かなりリーズナブルですよね。

・最大の特徴は、アクとおどろおどろしさの抜けた水野純子氏のようなかわいさですね。萌え死にます。少女のサンディ、動く人形(羊の擬人化って感じかな)のクラウドを中心としてもうカワイイカワイイ。
・1回20pほどもあり、ちょっと中だるみするような気がしないでもないけど、このかわいさとオールカラーの絵の美しさで十分にカバーしてますよ。
・そうなんですよね、すごい精緻なイラストレイテッドな絵なのに、あくまでマンガとして展開してるんですよね。ここいらが微妙。
・たぶん、イラストの人だと思うんですよね。だから、長いマンガが「長い」と思えてしまう。構成にやや難アリなんですよね。

・でも、「ドッペルゲンガー」ネタなんて出てくる。へえって視点もあります。

・日本臭さがあるのに背景のヨーロピアン&アメリカンな、多分日本独特のバタ臭さは、一時のさべあのま氏にも通じるものがありますね(マンガとしてのデキは比べるまでもないんですけど)。

・まー、そんなことしのごのいうより、萌え死にしたい方用です。ま、この「萌え」はチンポに直結してないタイプの萌えなのですけどね。でも、キューンとします。
(12:22:53)

2004年/8月/3日
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「東京赤ずきん」1巻 玉置勉強(幻冬舎)

・実は、個人的にはあまり買ってない人なんですよね。玉置勉強氏って。
・ものすげえわかりやすいところで、本作にしても、カプコンのヴァンパイアセイバーのバレッタという存在ありきなんじゃないの?ってことですよ。

・成年コミックのころからものすげえ巧い人だなと思っていた。思い切りがいいし、エロもエロいし、エロだけに留まってないし。でも、なんか、「ひっかからない」んですよね。狙いすぎて逆に通り過ぎてしまうというか。

・赤ずきんがいます。オオカミに食べられるのが夢の赤ずきんは夜な夜な男を引っ張り込んでます。オオカミに食べてもらうためですが、いつもちがうので殺します。そして当局から追いかけられたりします。

・エロでグロでダークネスな童話チックな物語です。非常によくできてます。
・ただ、それは非常によくできているといわれる枠の中にきれいにおさまっている感じがします。もちろん、それが悪いワケでもないんですが、なんか、それぞれにほんの少しづつの物足りなさを感じてしまうんですよね。そしてそれを具体的に説明できないもどかしさ。

・だから、推測になりますが、つまり、上記のヴァンパイアセイバーのバレッタがネタじゃん?ってあたりにあるんじゃないかなと。ここいらは世代論的になりますが、たとえば、ジャズの世代の方(5〜70代)がロックに影響を受けた世代をみて「なんじゃそりゃ?」と思うようなノリは、たぶん、オタクという枠内にもありえるんで、たとえば、アニメに影響を受けるのはアリだけど、ゲームのキャラ?って感じはあるんじゃないかな。おれもそうなのかも。まあ、それはそれでいいんですけど。

・ただ、そのコマゴマとした引用は「なにかものたりない」ってのの呪縛をいつでも呼び起こす。作者自身それを重々承知してて、あくまでその位置のままで、すべてのクオリティを上げることでブレイクスルーをはかっているという感じ。いや、わかりませんけどね。

・とりあえず、以前に読んだ成年コミックのものよりエッチになったとは思いました。インキュバスを手玉に取るシーンはエッチだなあと思いました。
(18:36:25)

「くるりくる」1巻 花田十輝&ひよひよ(ワニブックス)

・水没した世界。
・なぜか知らないけど、おれはこの設定にしびれるようにできている。普通に考えればルーツは「未来少年コナン」の残され島あたりだと思われるが、もっと前があるような気がしないでもない。

・ということで、そういう設定を全面に押し出された以上、買ってしまうのは仕方のないところですよ。

・妹を死なせたために、「もう住んではいけない」ところに1人で住んでいる男。そこに現れる謎の少女。そして、それを追う謎の組織。でも、ハートウォーミングストーリー。

・仕方ないのかもしれない。でも、思った。これは、「萌え」に特化しすぎてはダメな作品じゃないかなと。
・んー、というか、もうちょっとはっきり書こうかなー。作画の人の絵が下手。女の子はかわいいけど、たぶん、細かい指定がありそうな背景描写がてんでなっていないんですよね。
・このマンガはセリフでそう表すよりも、絵で、彼らはこういうところに住んでるって提示することがとても大事だと思うし、そうすることにより、さらに、物語全体に深みを与えると思うんですよ。

・たしかに、謎の少女・くるりちゃんをはじめとした女性はカワイイ。だけど、それだけじゃダメだと思うんですよね。

・だから、まあ、ぶっちゃけ、くるりちゃんは人魚みたいなもんで、そこいらのからみで後半がぐわあと盛り上がるんだけど、その盛り上がりに決定的な説得力を欠いてるような気がするんですよね。

・惜しいでする。この「〜でする」ってくるりちゃんの言葉は徐々にムカついてきますね。そういう時点でおれはこのマンガを読むには向いてないのかもしれないなあ。
(19:34:33)

「ぽろりズム」山田タヒチ(ワニマガジン社)

・いや、そのインパクトのある、訴えられそうなペンネームで、なぜか印象があったんですよね。で、このワニマガジンの小さいサイズのエロコミックになったので買ってみたですよ。

・ああなるほどパッと読むとオッパイの人なんだなあと思います。ただ、このコミックからは、そうフェチ的なものや、オッパイ自体のこだわりみたいなものはあまりみえてきませんでしたね。「大きいのウケるし」程度かなあと。
・でも、ふと、みると、下着シーンが多いんですよね。下着をつけたまま最後までいたすってのも多いし。というよりもむしろ全裸の女性が非常に少ないし、下着のファッションショーを見開きでやったりと、どっちかといえば下着フェチなんだなあと思いましたよ。
・そうなると「ぽろりズム」というタイトルは、ポロリとなる中の具じゃなくて、皮のほうへのコダワリということがわかりますね。
・だから、この作品集、キモなのは、ラストに収録されている「チラッと美奈子ちゃん」かと。パンツをみせずにいられないドジっ娘OLと上司との恋です。これでもかってくらいパンチラが拝めます。

・いや、まあ、実際問題、こういう「こだわり」がある人って強いですよ。ホントに。

・ということで、思い切りのいいディフォルメと肉感的な重量を感じるオッパイその他の女体描写、あくまで刺し身のツマであるストーリー。そして、具が見え隠れする「皮」描写ね。

・こういうの読むと、自分がよくわかりますね。おれは別に下着フェチじゃねえなあって。でも、おもしろかったです。軽い感じと、いい意味で現実的じゃない女性描写とか。
(20:00:44)


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