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ポトチャリポラパ/コミック/2004年
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2004年/12月
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2004年/12月/26日
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「SINK」2巻 いがらしみきお(竹書房)

・完結巻。非常に長い時間をかけられて描いてまして、なおかつ、ネット公開が先だったり、変則的な形態な上に、この2巻部に相当するところは基本的に月1回連載だったのが、グジャグジャになってました。
・さぞや苦悩されているのかと思いきや、脳梗塞に甲状腺がんなどとかなり地獄のふちをのぞいてこられているんですね。で、「リハビリ」として「死ぬ前の心残り」として描かれたのがこの「SINK」だったのですね。

・あとがきにも書かれてるように、ホラー劇画を書くって完全休業されたんですよね。その実、仕事が増えすぎて収拾がつかなくなったのを整理するってもくろみもあったそうですよ。当時は、「モーニング」からエロ劇画誌にまでわたり、まるっきり延々仕事していたそうですからね。で、エロ劇画のほうだけ止めて「モーニング」ではつづけるってのは、調子がよすぎるってことでいったんすべて止めたそうです。ここいらの律儀さは性分なんでしょうね。それが延々とつづく作品ごとにちがう作風、毎回新ジャンルに挑戦、そして、死ぬほど過労状態を生み出したのかもしれません。それから以降、連載が途切れたことはないでしょう。「ぼのぼの」があるし。
・そう、「ぼのぼの」ってのは、その休業時になくなった金をかせぐためにしょうがなくはじめた感じなんですって。

・で、そのホラー劇画はうやむやになり、そのケリをつけたカタチにもなるのが「SINK」だったりするのです。
・おれも今は亡きグリーンプラザ2Fの本屋で、ダッチワイフを背負ったまさおの表紙の芳井一味(彼はどうしてるんだろう?)氏との共同総集編(たしか白泉社)を買った中2からのファンで、あしかけ20年選手ですよ。

・毎回作風やジャンルがちがってもそこに通じるところは同じだったりするのがいがらしみきおの恐ろしいところであり、土台のしっかりしたところであると思うのですよ。
・ひとことでいうと「まちがいさがし」にあるのかもしれないです。「SINK」においても「ネ暗トピア」においても「ぼのぼの」においても「BUGがでる」においても「のぼるくんたち」においても基本はまちがいさがしにあると思います。

・そこにあるはずのないものがある。そこにあったものがちがってる。そこにあるはずのものがない。そこにそれがあるのはおかしくないけどおかしい。

・そして、それまで「まちがいさがし」はおもに笑いにつながっていたのが、「SINK」では恐怖につながった。それが本作における最大の功績であり変化です。そして、ホラーというか、恐怖の本質だったりもしそうです。

・2巻では冒頭「だれかが我家に入り込んでいる」とおもったために寝室のサイドテーブルにある置時計が裏返しになってるだけで主人公がおびえるというシーンがあります。

・つまりはそれが怖いと思えばそれだけで恐怖でしかないんですね。「はしが転がっただけでおかしい年頃」なんて妙齢の女性を評しますがつまりはそういうことです。
・1巻で徐々に動いていた「まちがい」は2巻では牙をむいて最終的にはワッショイなことになります。まあ、正直、ワッショイなことにまでしないと収拾はつかないんでしょうね。ずっと、まちがいさがしだけじゃ間が持たない。

・その「どうでもいい」「だれもしらない」まちがいと同価値で人が死んだりするってのが、「SINK」全体に漂う恐怖です。見開きで描かれたリビング。1ページで描かれた街並。それらに少しづつ「まちがい」が描かれてる。そして、それを「なにかへんだな」と思う。で、その「なにかへんだな」に殺されたりする。それが恐怖。
・だから、理由は本当はわからないままのほうがいいんですけどね。じゃないと終らないし、ケリがつかないんですね。
・恐怖モノはそれが小説でも映画でもマンガでも、ケリをつけないとダメなんですね。わかりやすい言葉でいうと「オチ」な。ベタなオチをいうならば、そこは昔墓場だったとか。首吊り自殺があったとか。

・そういう落としどころがないと限りなく拡散していってしまう。まあ、その効果を逆に恐怖のミナモトとしたのが「新耳袋」なのかもしれない。投げっ放しの恐怖。

・だけど、いがらし氏はそうはしなかった。それは収拾がつかないからね。拡散しすぎるとつまらなくなるってのは、「リング」シリーズが教えてくれますね。「リング」「らせん」「ループ」どんどんクソになっていきます。

・で、ホラーですよ。そのために画風までもかなり劇画よりのリアルタッチになってます。そして、ネット連載という形態なので、紙媒体に印刷すると少し薄暗い。1巻のときは見づらいと思ってましたが、この見づらさもいい具合に恐怖につながってるなあと意見を改めました。

・10代で読んでいたら大ダメージをもらっていたろうなあ。ものすごいまちがいさがしや暗闇や雰囲気に敏感な神経質ヤロウになったかもしれない。

・だから、10代の人はおもしろいので読め。そして、一生トラウマを背負え。オススメ
(13:04:24)

「ザ・ボーラーズ」サガノヘルマー(講談社)

・サガノヘルマー氏は今度どこで描くのだろう? ということでつぶれた「アッパーズ」で描いていたマンガ2編を集めたものです。

・オナニーしたら現れる「穴」を求めて悶着するはなしが表題作。
・あと、女といたすと食われる話。「あとらくたんと」

・異次元モノ2種といった感じですか。これで、サガノヘルマー氏は「ドラえもん」の藤子F不二雄センセイのいうところの「SF」に沿った形の作品を発表されてますよね。少し・不思議・でエロだから、SFEってことですか。

・だけど、どんどんそのエロボンノウは枯渇していってますねえ。デビュー作の昆虫女とのセックスみたいに、「なんでおれはこれをみてコーフンしてるんだ?」ってなぞに思いながらも下半身がうずくようなアレがないです。まあ、これは絶対に枯渇するモンですけどね。
・だいたいの男が持ち合わせていて、ときおりある人よりかなり強い人で、なおかつ、なにか表現できる人は、他人にも自分の「それ」をシェアすることができるんですよ。それがエロボンノウです。で、有限ですね。必ずなくなります。だから、エロは難しいんでしょうねえ。
・サガノ氏はちゃんとそれを「BLACK BRAIN」(厳密にいうと初期)で表現することができたのでラッキーな方だと思いますよ。

・ということで、打ち切り臭いのも含め、かなり消化不良でした。1冊描き下ろしとか読んでみたいですねえ。
(13:44:51)

「マシュマロ通信」5巻 山本ルンルン(JIVE)

・アニメも好調で、シールブックやら、アニメ版の大百科みたいな、サブテクストもたくさん発売されてます。というか、36の男が個人的な楽しみに買う本じゃないわな。あ、でも、この本は唯一家族が4人とも読む本ですね。

・さあ、山本氏も今年だけで鬼のような点数、書籍を発表されてましたけど、どんどんよくなるってのがすごいですし、本作もまだそのジンクス(ジンクスじゃねえか)はつづいております。ノッておられる証拠でございますね。

・それぞれのキャラが立っていて、なんつーか、いい意味で児童マンガの王道になってきました。風格すら漂ってきました。もう、「あさりちゃん」と同じ年月どこかで連載されているんじゃないかと思うくらい。そこいらの国民的マンガのキャラに負けてない感じ。

・ということで、相変わらず死ぬほどカワイイ、クラウドが出ずっぱりの「クラウドのわらしべ長者」が1番ですかね。わりに描きたいことを描いてみましたって遊び心がいっぱいの「ドリームツアーへようこそ」ってのも楽しんで描いてる感じが伝わってグー。

・これで毎月刊行ペースは治まったのかしら? ホッとしたようなさびしいような。
(14:10:53)

「SOUL EATER ソウルイーター」2巻 大久保篤(スクウエアエニックス)

・ダメだよ。エロが少なくて。
・おれは0巻っておためし版を読んで、たぷたぷのおっぱい描写が気に入って買ったんだから、2巻でのエロシーン激減にはモーレツにがっかりしてるよ。エロシーンがなければよくできた平野耕太コピーに過ぎないじゃないか。糖質50%オフの「MILD」とか「LIGHT」とか「DIET」ってつきそうな感じのな。そのブレイクスルーはエロだと思う。もっといえばやわらかそうなたぷたぷしてるオッパイ描写にあると思う。そこを履き違えてるよ。作者も担当も。
・本宮ひろ志氏は、金井たつお氏の「ホールインワン」というゴルフマンガを読んだ時に「もっとパンチラを増やせ」と指示したそうですよ。そのおかげで現在でも一級のエロ絵師として活躍されてますからね。つまりそういうことですよ。

・で、殺伐としてそうで、意外にナカヨシちゃんで展開していくことがわかった2巻ですね。共闘って感じで。当初の殺伐とした感じはちょっとナリを潜めましたね。つまり、そっちでもマイルドな感じ。つまり、なんだ? 売れるマンガ方面にシフトしていったのか? ポルノグラフィティって名前のくせにちっとも色気のない歌ばかり歌うあいつらといっしょか?

・などと、ちょっと手厳しいことを書きましたが一応3巻まで買ってみます。2巻を上回らないようでしたら購読停止ということで。
(14:21:28)

「ういういdays」2巻 犬上すくね(竹書房)

・2巻もういういしてますよ。初々しいのういういです。鈴木さえ子氏の「夜のウイウイ」って曲は関係あるのか。

・ということで高校生カップルの甘酸っぱいいかんともしがたいやるせない「ういうい」を描写しておりますよ。どうせおれはこんないい思いはなかったよ!とひがむ年齢ですらなくなったのでヨカタイヨカタイと眺めることができますが、鹿児島人でもないのに鹿児島弁ってあたりにまだひっかかるものがあるのですよ。

・犬上氏といえば、女子から見た童貞を、「さわやか」に描写したら日本一の方だと思うですが、性欲ときってもきれない童貞からうまくアクとスナとザーメンを抜いてカラリと素揚げされておりますよ。そして残るのは「ういうい」味なのかって思ったりねえ。何回転かして目からウロコですよ。

・はじめて彼の肉親と逢う。遠距離恋愛で年上の人と久しぶりに逢う。バレンタインデイに憧れの先輩からチョコをもらおうとウロウロしてる。衣替えを忘れて冬服できたからスリップ抜きにしたために知らず知らずに彼氏を悩殺してる。

・とかねえ!

・いうてねえ!

・あと、4コマ王子の小坂俊史氏と、4コマ何?の重野なおき氏がゲストページ書いてますよ。

・あと、バンカラ妖精とか、狙いすぎなのはくどくてイヤ。ここいらもまだおれが結婚して二児の親という状態でも吹っ切れてないあたり、一生モンかと思いますから描いておきますが、女性が描く童貞は必要以上に掘り下げるとドロ水しか出てこないし、それはとても苦いので気をつけましょうよ。まあ、ようするにひがみ根性ということですが。「青春ビンタ!/私屋 カヲル」なんて泥水だらけですよ。
・あるいは、女子が読むところの男に都合のいい処女なのに淫乱ではじめてなのに感じまくりの女が強姦に近い形で処女喪失されてるのにも関わらず許してくれるみたいなことですよ。「そんなのあるか!」ってね。ちなみに男はそのシチュエーションは平気ですし、好物の方もたくさんいらっしゃると思いますよ。


・まーこれからもういういしててください。
(15:00:12)

「かすとろ式」駕籠真太郎(太田出版)

・なんぼほど仕事しとんねんという話ですよ。またでた駕籠真太郎最新作品集。そして、またすごい。

「コットンコミック」(読んだことねえかな)での「駅前」シリーズをベースにあちこちのを集めましたが統一感があるのはアタリマエさね。最近は本当カッコたる「駕籠真太郎」印があり、その上で、「なにやっとんねん」ってツッコミを入れたくなるようなマンガを描いておられるんですよ。

・太田出版での前作「奇人画報」や「殺殺草子」で、かなりストーリーよりの展開をみせてましたが、今回はまた駅前シリーズの原点である、ネタの羅列パターンの作品が多かったですね。
・とくに本作での特徴はまったく意味がない動機付けの作品群と、マンガ表現について迫ったものの2種に分けられますね。

・作者自身あとがきで言及されておられますが、マンガ表現パターンは「なんぼほど時間かかっとんねん」という労作が多いです。このコマ割をはじめとしてマンガの「お約束」で遊ぶってのは、手塚治虫センセイをはじめとし、「こち亀」やとり・みき氏もけっこう描かれてますよね。

・コマがどんどん増殖していくマンガ。コマが立体的なマンションみたいなものだとして展開する話。限りなく細かくなる話などなど。不思議な感触があります。

・ただ、おれが感心したのは、前者の、まったく意味がない動機付けで展開する作品群のほうですね。「まったく意味がない」ってのはちょっと表現としてまちがってますが、意味はないですからねえ。

・目が裏側になったために内蔵をみる彼女と、すべてのものを裏返しにする彼氏が出会うマンガ。
・変なものを踏んでしまい、それがなにか足をあげて確認するのが怖いので足を切り取ってしまうマンガ。
・そして極めつけの硬く硬くて死ぬくらいのウンコを出そうと四苦八苦した挙句に死ぬ女性たちをただ描いてるマンガ。

・これらのとってつけた動機と、ちがった方向に限りなくエスカレートしていく感じ。
・駕籠作品は、その作品内に絶対のルールが存在し、それには絶対に従うというシバリのもと、死んだり、エライ目に遭ったりする人々って感じの話が「駅前」シリーズ他のパターンなんだけど、本作の、そのルールのシバリの弱さはまた格別だなあと思うのですよ。シバリが弱いので、なんで死んでいくの?ってくらいに思うのが新鮮。

・すごいよなあ。すごすぎる。軽くこれまでの諸作品のクオリティを超えてるのに、そう思わないし、思えないところがすごい。たとえば手塚治虫センセイはどう思うのだろう? とり・みき先生はどう思うのだろう?

・おれは「奇人画報」の路線のほうが好きですので、オススメはしません。すごいですけど。
(15:56:01)

「MOONLIGHT MILE」9巻 太田垣康男(小学館)

・苦いなあ。
・ハードSF。リアルな人類宇宙へ進出。

・月基地のスタッフにテロリスト。我らが主役ゴローとドキュメントを撮影してる女子といっしょに即席探偵チームを作ったはいいが、犯人に迫ったところで囚われの身になりました。そこまでが8巻のあらすじ。

・さあ、もうすでにありそうで、世界中のどこにもないモノがたくさん登場します。たぶん、まだ、月には人類は住んでいないと思うし。

・でもって、最大のウソは敵はいないことですよね。ぶっちゃけ、アメリカvs中国という図式になってます。そういった中で、いろいろとやってるのですが、中国が未来にそれだけ力を持つことができるかというと、「うーん」と思いますよ。まあ、「島耕作」での受け売りですがね。

・で、さらにぶっちゃけると、9巻は宇宙での暗黒面が全開になるわけです。無限に広がる大宇宙と、無限に広がるエゴイズムってな感じでねえ。とても苦いですよ。

・もう1巻からそれは思ってました。無限に広がる大宇宙というものへのリスペクトがないマンガだなあと。まだ、「プラネテス」のほうがおかしな方向にいきましたが、共感できるところがありました。
・でも、こう転がるんでしょうね。そういった説得力はあります。なんとなればおもしろいといいましょう。だけど、苦いんですね。

・すっかり8巻での明るいノリが台無しになりましたね。たぶん、太田垣氏はネ暗なんでしょう。
(16:40:19)

「日本の実話」河合克夫(青林工藝舎)

・今もあるのかしら。「GON!」という雑誌がありました。当初はB級ニュースやウソニュースを取り上げるユルい雑誌でしたが、徐々に「裏モノ」という、裏情報や噂などを取り上げるゴシップ雑誌としての面が強くなり、ゴシップととても仲がいいエロも混ざりはじめすっかりエロ本となりました。

・で、その裏の仕事や裏の事情のコミカライズってのは今でもあるみたいですね。たとえば、こういう非合法な仕事をした。こういう非合法だけど美味しい思いをした。こういう奇妙なデキゴトがあった等々。

・本作品は「マガジン・ウォー」というわりと純粋なエロマンガに連載されていた、河合克夫氏における「それ」です。

・一応実話ですがいろいろ混ぜたりしてるそうで、生絞りということではないですが、どっちかというとそっちのほうが断然ありがたい、河合克夫氏における実話裏ネタマンガ集ということですね。

・エロ雑誌に載ってるだけあって、エロネタが多いですね。だけど、エロネタだけど、エロくないので、数少ない非エロのネタとすべて等価で並んでます。作者自身も解説の呉智英氏もいっておられますが、これは「実用」ではないです。

・中国で日本の学生がぼったくりバーにハマった話。
・ムリに連れられたオシッコをかけられるヘルスにハマった挙句、ものすごい目やにで目が開かなくなったサラリーマンの話。
・1回いった風俗嬢につきまとわれる話(多い)
・出会い系を利用した売春クラブをやろうとして大損こく話。
・ねるとんパーティーで医者を装って紛れてることがバレたために脅迫される話。
・女とやるためにアメリカンショートヘアーを飼って、サイトを開く話。
・巨尻フェチの彼女の話。
・終電が終ったらサークルの部室に現れるサセコの話。

・などなど、こういうありそうななさそうないい話のようなトンデモのような境界線上の話がたっぷりあります。
・おれはもともと河合克夫氏の大ファンなので全肯定ですが、そうじゃない「だれ?」って方でもイケるとは思います。ただ、これを実用できるのは中高生までなんで、たんに「おもしろいマンガ」を求めるという意味でどうぞ。どっちかというと「命名/根本敬」のほうが実用できるくらいですよ。本当、「ワザとかよ?」って勘ぐりたくなるくらい、河合氏は萌えを切り取ってますよね。というか、「アレ」をすごい味気ないものとして描いてますよ。ノドがカラカラのときに甘食を食べるくらいです。口の中と頭の中に「パサパサ」しか残らないような。

・個人的には同級生がピンサロで働いていた話がベストかなあ。何回転かしてちょっと感動です。あと、ゲーセンバイトのムチャクチャなのも。どっちもわりに非エロだな。

オススメ
(17:18:45)

「命名 「千摺」と書いてたろうと読む」根本敬(青林工藝舎)

・今、同人誌じゃなくて、「こういう」マンガを書いて出版してもらえる作者って少ないだろうなああ。
・ということで、4年ぶりの根本敬氏の「本線」であるところのマンガです。

「アックス」で連載していた「黒寿司十八番」を「リミックス」したような感じですかね。「もはや別物」とサイトであったとおり、元はまったくうかがえない感じになってますよ。

・で、ぶっちゃけ、「感じる」マンガですね。テーマパーク「根本敬」の最新アトラクションといったオモムキです。しかも、成年コミックってつけてないのが不思議なくらいの成年コミックです。いろいろな意味で成年コミックです。内なるズルムケオヤジ度が高くないと持っていかれるという意味でとても成年コミックです。

・あー。ぶっちゃけ、根本敬のマンガは「生きる」と「怪人無礼講ララバイ」があればOKかと。
(18:24:07)

「刑務所の前」2巻 花輪和一(小学館)

・花輪氏はすごいなあ。根本敬氏や駕籠真太郎氏ほどストレートじゃないけど、アカラサマな狂気を定期的に供給してますよ。
・22世紀も読み継がれたい名著「刑務所の中」のサブテキストとなるのでしょうか。「刑務所の中」は刑務所に服役していた著者をスケッチしてましたが、その中で著者はどうなっていたかを描いたのが本書ではないかと。

・3種類か4種類の話が同時進行してます。刑務所風景描写。刑務所に入ることになった拳銃所持の顛末(これが一応表題になるんか)。フィクションである種子島鍛冶の親子の物語。これらが誇張抜きで同時に進行してます。さびた拳銃を描いたと思ったら狐憑きになった少女の話、そして、そのページに刑務所でのデキゴトがインサートされる。
・そしてそれがまったく破綻していない。恐ろしいわ。そしてすべてから狂気がにじんできてる。狂気で煮しめたような本。ナナメにすると、タラリとたれてきそうなくらい。

・で、雑誌なんですね。花輪和一個人誌。コミックの付録として「図解 これが44マグナムだ」「図解 これが拘置所だ」「図解 ムショの天突き体操」「図解 ムショのストレッチ体操」「漫画 拳銃犬物語」と、古きよき少年雑誌を思い出すかのような、それでいて、なんだ?この精密なの?って絵。うっすらと漂うユーモア。そしてにじむ狂気。

・すげえマンガだなあ。まあ、「刑務所の中」を最低限。あと、花輪和一作品をできるだけ読んでないと、本作品のおもしろさはあまり享受できないのでそれをしてからオススメですよ。「つや子と花子」最高。
(18:50:01)

「ああ探偵事務所」7巻 関崎俊三(白泉社)

・やべ。あんなに好きだった貴方なのに気まぐれな私を許してね状態になりかかってる。
・6巻くらいから「あれ?」ってことになってきてます。

・今回は初の巻またぎがあります。そして、これがまた7巻をいっぱいいっぱい使ってるけど、正直あまりおもしろくなかったりするんですねえ。まあ、まだ終ったわけではないし、これまでとどうか?っていうと、そう悪くもない気がしたけど、なんとなく巻またぎってこともあって、もったいつけてだらだら引っ張ってる感じがしてちょっとシラけるんですよね。
・絵は6巻で荒れた気がしたのですが、また持ち直したような、気にならなかったです。

・とりあえず、もう買うのを止めようかってレベルじゃないですが、6巻7巻とがっかりしてます。
(19:34:50)

2004年/12月/23日
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「彼岸島」9巻 松本光司(講談社)

・おい、どうなってるんだ?
・今までとちがって、9巻は延々バトルでしたよ。
・どこを目指しているんだろうなあ。不思議になってきました。

・彼岸島という吸血鬼がいる島に迷い込んだ若者たちがいろいろあって戦ってます。
・主人公は友の死を乗り越えて師匠の下について修業してスーパーマンになって、バッサバッサ敵を倒してます。
・これまで、ひのきのぼうしか持ってなかった主人公がいきなり、モーニングスターあたりを持ってる感じですよ。どんなゲームバランスだよ?と思ったりねえ。ついでにいえばPSPでゲーム化決定ですけどねええ。

・んー、松本光司氏って「クーデタークラブ」のときもそう思いましたが、なんか含みが在るように思わせて、実はものすげえストレートに展開するんですよね。フェイントをかけるだけかけて正面突破で、かえってそれが変化球になってるって作風。今回もそんな感じ。

・でも、これはどこの正面だよ?って感じがしますよ。昭和50年代の少年ジャンプの正面じゃねえのか? ものすごい昔の少年マンガのノリがあるんですよねえ。へのつっぱりはいらんですよって感じか。

・で、どこに行くんだろう?なんかグダグダになりそうな予感があります。2抹くらい不安がよぎります。
(22:14:30)

「GANTZ」15巻 奥浩哉(集英社)

・コナミがゲーム化決定したそうで。アニメも好調だそうでねえ。ウソーンってくらい金かけたらしいCGシステムもさぞやモトがとれたことでしょうね。

・とはいえ、今のキャラは基本的にみんな立ってるのでいい感じ。
・でも、なぞのヴァンパイヤ軍団の「オフライン」での戦いと、仲間割れの「オンライン」と、盛りだくさんでしたよ。こっちはもう戦い戦いの明け暮れになってきました。

・フェラシーンがよかったですねえ。ってバトルじゃねえじゃん。
(22:31:11)

「サムライガン」7巻 熊谷カズヒロ(集英社)

・最終巻。
・アニメ絶賛放送中だそうです。
・よくわからないままでした。
・それはわかってました。おれはほとんどムードを楽しむために買っていたのですし、それには最後まで十分応えていただきました。
・いつごろからストーリーはワケわかめになっていたんだろう?そういうことも忘れれるくらいけっこう大河連載でしたよね。

・もう1回読み直したいなあと思ったり。ストーリーのほうもおもしろそうではあるんですけどね。
・次回作はポカーンと口が開いたままになるくらいシンプルなストーリーがいいかなあ。
(22:40:52)

「あんよ姫」森博巳(少年画報社)

・美脚フェチコミックの決定版ということです。
・ドジっこOLマンガなんですが、超美脚で、なおかつ、脚をホメられるとフェロモンがドバドバで、ホメた男もギンギンになって、めでたくプレイってことになるんですよ。

・これが2年間で連載されてたそうで、本当、最初と最後の絵柄がちがいますよ。ただ、基本的に脚フェチということで、描きづらそうでありますね。頭身が変わっても基本的に美脚でいるからねえ。その縮尺とかが難しい感じ。SD化でもキレイな脚じゃないとダメだしね。なおかつアングルも単調になりがちだからいろいろと工夫されてますし。
・基本的に段々幼い顔になって、なおかつ、頭身がリアルになっていきますね。これが興味深い。前の不自然なくらいの足の長さが「ああ、いそう」って感じになっていくのです。

・美脚フェチ用ということで、あからさますぎる脚強調のアングルとかに、脚好きはこれにグッとくるのかあ?と思ったりします。おれはちょっと脚すぎねえか?って。

・まあ、キレイなあんよの根元にあるものがいい!ってのには同意するのですがね。

・脚フェチはどうぞ。あと、かなりドジっ娘なので、ドジっ娘OLが好きな方は、むしろ、脚フェチよりズキューンとくるところがあるかもしれませんから。
(23:08:20)

2004年/12月/22日
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「NHKにようこそ」2巻 滝本竜彦&大岩ケンヂ(角川書店)

・ひきこもりが空回りながらがんばってるギャグマンガという位置付けに置いてるぼくさ。

・ひきこもりで妄想体質のわりに女性に縁があっていいですねえと思うぼくさ。

・なんか奥行きがありそうですが、ありそうにみえて実はないっていう最近の流行で、おれは勘ぐりすぎているのだとおもうことにしたのさ。

・しかし、なんだこれ?ってつかみきれない感じがぬぐえないんだよなあ。これが気持ち悪い。
・最大に気持ち悪いのはこの「NHKにようこそ」号がどこに向かってるのかまったくわからないミステリートレインに思えることだ。ギャグなのか?マジなのか?エロゲの会社を興す話なのか?主人公のひきこもりが治るまでの話か?岬ちゃん(ヒロイン)と主人公がパツイチかませばゴールか?このままだらだらとしたひきこもり日常スケッチマンガか? さらにヒートアップして大きくなる物語か? 地球の危機が起こったりするのを救ったりするのか?
・さっぱりわからない。1巻でも似たようなことを書いた記憶があるんだけど、2巻になってもまったく同じだ。まあ、岬ちゃんとは少し前進したのかしら?

・そして、そのわからなさがさらに増すのは本作がえらい人気があるみたいってことだな。「ザテレビジョン」で最高に浮いてる(おもしろくねえ)4コマも連載してますしね。この枠は「月刊少年エース」の文字通りギャグ部門のエースが描くもんじゃねえか?よくわからんけどさ。

・だから、表面的に読むことにします。そうすると女の子はかわいいし、テンション高めで、時事リンク率も高めの、オタクネタも高い、オタクギャグとして楽しむのです。そうするのです。

・しかし、岬ちゃんていいか? すげえ得たいが知れないよ。
(11:17:50)

「ビルグリム・イェーガー」4巻 沖方丁&伊藤真美(少年画報社)

・これだけの刊行ペースの遅さと、難解なストーリー展開&重厚な絵柄、中世を舞台にして、なおかつ、超常現象げな話。なかなか、おれの嫌いな要素を取り揃えてるマンガですが、まだ大丈夫です。おもしろいです。

・秋野暢子氏はアイスクリームが世の中で大嫌いなものベスト1かベスト2だそうですが、先日「知っとこ!」という情報番組に出演したときに、「普段はまったくダメだけど、これ(紹介された超高級品のアイス)は「食べられた」」とおっしゃってました。
・まあ、秋野と同じようなレトリックを使うのはプライドがやや傷つくのですが、それといっしょですよ。ビルグリム〜はおれにとって、アイスクリームみたいなもんですよ。
・だって、おれが好きなのはまったくこの逆ですからね。シンプルで簡潔なストーリー、フットワークが軽い絵柄、現代を舞台にして、なおかつ、現実をベースにした話。そして、刊行ペースは遅くとも1巻程度で区切りよくエピソードが連続してればなおいい。

・でも、本作はおもしろいのです。それは秋野が食べられたアイスと同様に、最高級のグレードだからですね。難解でもけして見失わないメリハリのついたストーリー。重厚だけど魅力的な絵柄ってね。原作も作画もこの2人だから成立したと思いますよ。ま、正直、なにが起こってるのかわからないってのは話でも絵柄でも起こってますがそれが「わかんね。もういや」とはならないのです。

・ただ、秋野もアイスクリームを1口だけ食って、あと、横にいる元力士にあげてシレっとしていたとおり、おれも積極的にいろいろ語るまではいかないのですよ。

・5巻で起こるであろう大爆発に備えてチャージしてるような4巻ですね。宇宙戦艦ヤマトの波動砲が発射される瞬間の、光が銃口に集まっていく感じですか。たとえが古いね。
(11:36:42)

「万祝」4巻 望月峯太郎(講談社)

・女子高生の海洋冒険ロマンマンガがやっと海洋冒険ロマンマンガになってきたような気がする4巻です。

・宝物を探しに夏休みを利用して男女2人づつ4人を乗せた宝進丸で向かってます。津波に襲われたり、戦艦が直立して沈没してるようなところ船の墓場的なアジトで大冒険したりと、主人公(フナコ)のムチャクチャな強さが生きるような派手な展開になってます。

・なにげに、望月作品ってたいてい映像化してますが、本作やるときは大変でしょうねえ。

・理屈ぬきに楽しめるって感じですか。うやむやに終るのだけは避けてほしいですね。なにげに望月作品ってたいていグズグズで終ってますからねえ。
(20:10:17)

「ドリームゴード」3巻 中西達郎(スクウエアエニックス)

・娯楽作品ではありますが、難解ですよね。複雑に幾重にも張り巡らされた多層構造のストーリー。その100億倍くらいある(であろう)設定。

・同じエンターテインメントでも、「万祝」とはかなりアプローチも技術もちがいますよね。スチャラカ度とか、お茶目度とかの度合いは、方向がちがうけど同じくらいあると思うんですけどね。

・でもってあらすじを書くのが困難です。正直に書きますと、あらすじを書くのが困難だったりするのはつまりあらすじをきちんと把握してるか怪しい&自信がないからなんですね。

・3人目の主人公が登場する巻です。2巻でオモテの主人公が行方不明になって、裏の主人公ががんばって真の主人公を助けるって巻ですか。すげえ、抽象的だけど、本書を読んだ方には端的なあらすじだと感心されてることと思いますよ。

・ということで、話を見失いがちですが、圧倒的なアクションとエンターテインメントで引っ張られるって感じは「ビルグリム・イェーガー」にも近いものがありますかね。

・好きなんですが、なんで好きなのかわからない感じです。たしか、1巻にこれからのあらすじが書いてありましたが、これから主人公らの逆襲がはじまるんでしたっけか?
(21:27:31)

2004年/12月/21日
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「スミレステッチ」山名沢湖(エンターブレイン)

・3冊同時発売ということでね。俊英ということでね。

・3冊を読み解くキーワードは「ファンシー」。そう、ファンシー一代女ですよ。ちなみにファンシー一代男は竹本泉氏。

・さて、本作は連作短編集。といっても、そう統一されてるわけでもない。
・そして、同時発売の3作では一番ファンシー。

・ファンシーな怪現象が類発する女子高。紅茶がカップごと湧き、バレンタインデイでは校舎がチョコレートになる。
・ファンシーととても仲がよいファンタジーも登場。

・そういったファンシーな短編7編。ポイントはLOVE抜きってことかしらね。LOVEのほうは、同時発売の「白のふわふわ」に多く配合されてます。

「これが山名沢湖のブルースじゃい!」みたいな、独自の売りが見当たらないんですよね。やなせたかしにおけるアンパンマンとか、竹本泉における「うじゃじゃ」とか。でも、なんつーか、それがないのが山名沢湖風味って感じもします。「これもすてき」「あれもすてき」を集めて出したらこうなったという感じで、ものすごい考えてセレクトして研磨して出しているというのがうかがえる、ファンシーなのに血と汗と涙がたくさん流れてたりしてなあと思ったりするのです。ファンシーも楽じゃないぞということでね。

・ということで、おれは3人の生徒の進路について悩む先生の話「メルヘン逃走」が本作では好きでした。
(17:25:07)

「白のふわふわ」山名沢湖(エンターブレイン)

・3冊同時発売の恋愛を中心とした9編の短編集。

・ファンシーに恋愛という甘酸っぱさや苦さを混ぜた、大人のフレイバーになってるですよ。まあ、基本は甘いんですけどね。

・でも、これ、チョコレートがけだけど牛の子宮じゃねえの?ってな、女性心理の奥がのぞくようで興味深い。

「ハミング」では、なんでもしまってくれるポケットのついたクマのぬいぐるみと少女の話。彼氏が浮気をすることで、世界が色あせてしまう。だから、世界すべてをしまう。

・とくにそういった点で興味深かったのは「Fuwa Fuwa Rin」。自分では折り合いのつかない気持ちだから、クラスメイトの男の子に妄想をくりひろげてしまう女子。これ、ファンシー風味に仕上げてあるからこそ、逆にいろいろとみえてくるものがあっておもしろい。

・そういうスイートばかりじゃなく、倦怠期の主婦を描いたメルヘン風味もあるなあ。

・で、おれが好きなのは、「なつくさ万歩計」
・ブツが命ではあるのですが、「奥の細道」の道程を歩くという万歩計をダンナにプレゼントされる主婦の話。実在するブツだそうで、ちょっと欲しくなりました。これ、あんまり恋愛関係ない話ですけどね。
(18:03:56)

「委員長お手をどうぞ」1巻 山名沢湖(双葉社)

・で、これだけ、出版社がちがう、3冊同時発売です。ほかに、巻モノで続いてたりします。

・個人的には3冊同時発売ではこれを推していきたいです。

・前代未聞の委員長オムニバスマンガです。毎回「委員長」が主役をつとめる、学園ドラマです。

・学級委員長からはじまり、保険委員長、風紀委員長、図書委員長、体育委員長、美化委員長とな。で、どうも同じ学校なんだな。

・で、ファンシーだったり、ラブだったりするけど、エンターブレインの2作品よりは抑え目ですね。

・けっこうこの委員長シバリってはキツイかなと思いました。だって、考えてみようよ、「委員長」っていうと、イメージがあるでしょ? ミツアミでめがねで、目つき鋭く、厳しく注意ってな。それは初っ端に「委員長顔」ってことで登場してますからね。これが学園マンガの「委員長」ステロタイプとしてみんなに認識されてる分、ハバを出すのがツライ。なおかつ、毎回読みきりですしね。実際、美化委員長や図書委員長はちょっとイメージとちがいますもんね。

・でも、実際問題、委員長ってバラエティに富んでますからね。このオムニバスだと男子は1人だけですけどさ。そこをうまくついてる。単純に保険委員長は保健室で手当てをするのが好きなコだったり、図書委員長は本の虫だったりね。ここいらからうまくラブにつながったり、ファンシーになったりと、山名氏のストーリーテラーぶりをタンノウできるってスンポウですよ。

・実際、ファンシーなのもいいけど、土台のストーリーや構成力が優れてるんですよね。実はロジックの人ですしね。

・ということで、それぞれのキャラの立ち具合もいいですね。おれは図書委員のコ(昔の斉藤由貴がモデルだそうで)がいいかなあ。おれも彼女セレクトの本を借りたいわ。

「奇面組」の作者(新沢基栄)は、たしか、記憶によると中高と生徒会役員をやっており、奇面組を描かなかったら、生徒会ラブコメを描いていたそうですよ。まあ、どうでもいいウンチクなんですが。

・ということで、ファンシー&ファンタジー控え目ですっきり一口サイズで読みやすい、手まり寿司のように美味しく食べました。2巻も楽しみです。
(18:39:24)

「魔法少女猫X」1巻 おりもとみまな(角川書店)

・エロコメか。
・獣人ってのがいる世界です。いわゆるミミやシッポ以外は人間にそっくりで、愛玩されたり、労働力として使われたりしてます。つまり、猫耳メイドで、猫耳は天然って世界ですね。ちゃんと人語を解します。

・まあ、そんな基本設定はどこかにうっちゃいといて、モレなくメコスジが浮き出てるパンツを履いた美少女がウハウハやってるマンガということですね。村西とおる氏のコラムであったけど、冷静に考えるとあそこまで食い込むってことはかなり裏側がすごいことになってるパンツなんですよねえ。女子のパンツは男子のパンツより汚いところがありますからなあ。まあ、それは生身の女子の話で、このマンガに限らず2次元の女子はまったくそういうことがないんですよ。

・で、上がセーラー服で下がスクール水着だったり、鬼畜なエロご主人にグーで殴られたり、いろいろエロエロなアレで進行ですよ。エロコメオタクギャグとして王道ですかね。王道すぎておれはややヒクくらい王道。

・なぜか、番外編だけ、リミッターを外したモロエロってのはどういうことなんでしょ? そこまで寸止めだった意味がねえじゃん?って感じ。

・まあ、エロは十分です。食い込み大好きマンはもっとポイント高いでしょう。マンはダブルミーニングです。話は超能力バトルだったりそういう定番のやつです。
・で、主人公はアキハバラの雑居ビルの屋上に猫耳美少女と住んでるんですが、これはやっぱり憧れの生活なんでしょうかね?
(18:58:52)

「竜宮戦記」伯林(角川書店)

・気になっていた作者だったのですよ。「しゅ〜まっは」ってタイトルと、どう考えてもそれにあまりカンケイなさそうな内容とかね。
・で、単巻だしってんで買ったのです。

・キーが必要なマンガだなと思いました。なんか、ノリが特殊すぎて、そのノリを読み解くためのカギを持ってるか、体得してない方でないと、「ワケわからんわ」ってことになりそうなマンガですね。おれはギリギリダメな感じです。

・マタローという少年が拉致されて、戦艦のクルーにされるのです。そしてあとグズグズと、敵と戦ったりするんです。

・少女で語尾が「〜のだ」の乙姫。筋骨隆々でターミネーターな顔にサイコガンを持ってるゲイの亀。ナマコがたくさん従えたアンコウの人魚(メガネっ娘)、ジジイだけどバルキリーなの。で、エヴァライクに生きてる戦艦。

・これだけの説明でもおわかりの通り無意味で無駄で「もったいない」と思うくらいありったけつめこんであります。とても濃い設定ですが、たとえば、それは牛乳に美味いからって牛肉エキスを溶かし込んでるようなもんですよ。あと、健康にいいからってスッポンエキスも入ってます。そんな牛乳をシリアルにかけて食ってるような感じ。

・それぞれはものすごい密度でパロディも流し込んであります。それぞれ挙げるのもあれなくらい、ありとあらゆるところに仕込んであります。

・で、結論として、とっちらかった印象を受けるんですね。ぶっちゃけ、それぞれがおもしろさにつながってない。それぞれがかみ合ってない歯車が単体でものすごいイキオイで回り続けてるマンガです。それぞれモーターから煙があがるくらい一生懸命回ってます。

・たぶん、おれだけではないと思うんだけど、わからないパロディってそこはかとなくムカつきますよね。そういうのがつもりつもって疎外感が生まれてくるマンガですよ。

・ほんのちょっと作者は「力を抜く」ととてもおもしろいマンガになりそうです。すげえ惜しいです。
(19:56:03)

「ルサンチマン」3巻 花沢健吾(小学館)

・あれ? おもしろくねえな。

・仮想現実で、特別なAIプログラムで走ってる少女と恋に落ちるバーチャルなラブストーリー。

・ものすごい丁寧にラブストーリーをやってます。しかも、現実と仮想現実の両方を描いてます。作者はここいらのか「通いの軍隊」みたいのを描きたかったのかしらね?と思ったり。

・初体験のためのチンコケースやらボディスーツのために奔走したりする現実と、恋愛の炎が燃え上がる仮想現実ということでね。

・ぶっちゃけ、1行目ですよ。なんだろ? 非の打ちどころがないのに非です。非までいうとアレかな。どうにもピンとこないんですね。

・なんだろ? 今、いろいろと考えたけど決定打がなかった。もしかしたら、一時的に飽きがきただけで、物語が大きく進みそうな次巻ではまた印象がガラリと変わるかもしれない。

・ちょっと評価保留させてください。ただ、感動の少ない、処女&童貞喪失シーンでしたね。
(20:37:23)

2004年/12月/18日
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「鉄子の旅」1巻 横見浩彦&菊地直恵(小学館)

・おれが昔一瞬だけ購読していた(過去20年で唯一の)小学館の「IKKI」という、近頃はIKKIしやすい小型サイズになった月刊誌に連載されてるコミックだ。2004年を象徴する大流行したスタイルであるところの1、2巻同時発売。

・売れない女性マンガ家が鉄道オタクと電車で旅するルポマンガ。

・横見浩彦氏という鉄道オタクをこじらせてライターになったような方と、担当編集と、基本的に3人で旅をします。この横見氏がかなり特異なキャラでありそれが本作の全てとはいいませんが、かなりな推進力になっているのはまちがいないです。
・本作の表現でいうところの「テツ」ですよ。ガリンガリンの「テツ」です。

・で、彼の特徴は日本の全鉄道に乗るのは25歳で達成したので、今度はJRの全駅を降り、それも終ったので今度は全鉄道の全駅を降りるというのにチャレンジしてます。
・つまり、駅に行くために鉄道に乗りますが、駅に降りてなにをするのかというと駅を眺めるのですね。それでオシマイです。駅周辺を軽く歩いたりはありますが、それだけです。

・最初は「そんなことしてどうすんの!?」みたいなしごくアタリマエのツッコミをしていた作者ですが、直にその状況になれるんですね。そして気がつきます。これはこの旅自体がおもしろいんじゃなくて横見氏がおもしろいんだって。

・テツに限らず、なにかに熱中しすぎてまわりがみえない人はウォッチしていておもしろいんですが、作者もそのワナに落ちていきます。

・いや、横見氏に負けず劣らず、菊地氏もマメで神経質で熱中するとまわりがみえなくなる感じがありますし、かなり細かい人だと思います。描写がコマメです。すごい背景を書き込んでます。だけど、徐々にそれが薄れます。

・なんでもそうですが、人間を描いていればだいたい成立するものですね。エッセイマンガでもそうですよね。西原理恵子氏や倉田真由美氏のマンガで背景0なんてザラでしょうよ。けど、本作はそれだとマズイこともあるんですよね。その問題は2巻でかなりロコツになっていきます。

・まあ、なにげに「レールクイーン」とかいって女性も参加してますし、1巻では目玉として眞鍋かをり氏が参加されてますしね(IKKI月刊化記念だそうで)。意外に華やかだったりします。たしかに女性が描くべきマンガですよね。まちがってもテツが描いてはいけません。そういった意味では「鉄オタvs.女性漫画家!!!!」というオビのコピーはなるほど企画の勝利ってところもあるんだなあと思います。
(19:43:40)

「鉄子の旅」2巻 横見浩彦&菊地直恵(小学館)

・1,2巻同時発売の2巻目。相変わらずハイテンション&律儀な描写で珍道中が続いてます。おれは旅行自体はあまりすきじゃないですが、珍道中を読むのが好きなんだなあと噛みしめているでございますよ。しかも、今、現在、珍道中が起こってるかと思うととてもいいですよね。現在進行形の珍道中モノですからね。毎回よくもまあ「珍」になるもんだわ。

・で、2巻では横見氏がツッコミを入れてましたが、実際問題、かなりハイブロウな列車の旅ではないかと思うのですよ。「へー」ってのが必ずありますしね。でも、マンガ担当のキクチ先生にはそれよりも(多少の「変わった」はなれますしね)、いつまでもおもしろい横見氏を観察するほうが「おもしろい」ということになってます。実際、おもしろい人なんですよね。

・個人的には「変わった」駅舎や、「変わった」場所などの風景描写も、それは楽しみのひとつではあるので、がんばってほしいところです。実際にいきたいワケではないのですが、それだからこそ、「こういうところ」ってのは大事じゃないかなあって。まあ、手を抜いておられるわけではないんですが(たぶん、キクチ先生は性分として作画の手を抜くってできないとみた)、ここいら構成とかいろいろな問題があるんでしょうな。

・トータルでとてもおもしろいのでオススメよ。きなこさんはカワイイのだろうか? それが気になる。あと、キクチ先生も。
(21:57:31)

「超大魔法峠」大和田秀樹(角川書店)

・いやあ、前作にあたる「大魔法峠」はつまらなかったんだよ。ああ、大和田先生は女を主人公にしたものは描けない、男だらけのマンガ家なんだなあと思ったもんでしたよ。

・だけど、「警死庁24時」の途中あたりから、めきめきと「萌え」のスキルを体得されてねえ。目を見張る萌え具合ですよ。萌えに燃えでモエモエですよ。

・で、まあ、極悪非道だけど、魔女っ子のぷにえちゃんの活躍を描く本作も前作よりはおもしろくなっていました。
・ただ、ひとつわかったとても重要なこととして、大和田マンガに必須なのは「ヴァカ」ですね。天然モノがいいですね。あと主人公でないとね。だから、狡猾な女性主人公である本作は、「HEAVEN11」や「警死庁24時」、「たのしい甲子園」にはかなってません。

・あと、本作、前半と後半ではちょっと毛色がちがってまして、後半のパロディめいた展開はちょっとおもしろかったです。とくに新格闘技「まんが道」ってのが。

・ああ、おれ、格闘技とかあまり興味ないのも、関節ワザを極めてるグラップラーな魔女っ子ってネタが笑えない要因かもしれないな。
(22:16:08)

「ビーチできゅ〜」大和田秀樹(少年画報社)

・おお、これはなぜか検索が多かったなあ。

・そして、「超大魔法峠」と同様な、大和田秀樹女性主人公マンガです。単巻で完結してます。

・とても簡単に内容を紹介するならば、ビーチバレーの「エースをねらえ」ってことですか。

・そして、こっちのほうは、主人公が女性ですが、「ヴァカ」です。ヴァカな「超大魔法峠」よりおもしろかったです。ものすごいシンプルですが、大和田マンガにヴァカは必須というのはこれで確定ですよね。

・つーか、相変わらず大げさに展開していくところといい、主人公が天井知らずに強くなるところといい、セルフパロディをやってる感じもありますねえ。

・あと、弱点として上手ではありますがエロとは無縁の女性ばかりですよね。そういうマンガじゃないから問題ないんですが。
(22:26:06)

「メカ沢くん」1巻 野中英次+ダイナミック太郎(講談社)

・野中氏はキャラクターだけで、あと、ほとんどタッチしてないんじゃないかな?
「コミックボンボン」という「コロコロ」がねたましい講談社が対抗策としてだした児童雑誌で連載されてます。

・本作は非常に興味深い。「魁!!クロマティ高校」をベースに児童マンガ向けにリメイクするとどうなるか?ってことになってます。それを逆算するならば、「メカ沢くん」から「魁!!クロマティ高校」をひくと、「児童マンガ」のエッセンスそのものが残るのではないかと。ハウスバーモンドカレーからリンゴとハチミツを抽出するようなもんですがね。

・ギャグの質や間が「クロ高」のそれでありながらも、わかりやすいツッコミやりアクションを取る人を用意してる。でもって、「クロ高」でもっともキャッチーなキャラであるメカ沢ですしね。

・ということで、メカ沢があきらかにメカなのに、まわりのみんながおかしいと思ってないって例のネタで、舞台は小学校になって、あとは「クロ高」といっしょだったりします。

・だからおもしろいんですよ。

・ただ、残念なことに、おれは「クロ高」で一番好きなキャラはゴリラだし、次はフレディだし。そういうことで並べていくと、メカ沢はずいぶんと下のほうですよ。前田の母親より下ですよ。

・だから、メカ沢が好きな人にはもっと評価が高いんじゃないかな。
(22:37:31)

「オリオン街」4巻 山本ルンルン(JIVE)

・なんだかどうなってんの?ってくらい毎月毎月発売されてますが、これが毎回ちゃんとおもしろいのがすごい。
・とくにオリオン街は「マシュマロ通信」より、なんだか作者の思いいれが強いような気がするのです。

・作者の小学生時代、ひいては日本女性の小学生時代のエピソードをオリオン街の住人たちに演じてもらってる感じがします。
・とっても女性的な感じを受けるんですよね。それが、おれにはやたら新鮮であり、小学生のガキがいるものとして身近だったりと、とても面白いことになってるんですよね。

・もう、個々のキャラは「そういうもの」ということで説明を加えず、ゲストキャラで話にアクセントを加えてる感じですね。そして、オドロキなのは、おれもカッチリと個々のキャラを把握してることですね。正直だれがいいとかないんですけどね。小学生だし。「ラブやん」のカズフサじゃあるまいし。

・いやあ、楽しそうでいいなあと眺めてる感じ。
(22:50:32)

2004年/12月/17日
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「おとぎのまちのれな」7巻 はっとりみつる(講談社)

・けっこう「アッパーズ」の休刊だか廃刊ってのはインパクトのあったことなんでしょうかね。
・生き残ったり、終了したり、明暗もきっかり分かれてますが、おれの買っていた「アッパーズ」連載のコミックはほとんど終了ですよ。で、買ってない「SUGAR」だの「餓狼伝」は移籍なんでしょ? 「餓狼伝」は「イブニング」ですよ。

・そして、本作も終了です。
・これはどうみるといいんだろう? 作者はちょっと足りなかったとあとがきで述べておられましたが、おれはもうちょっとシェイプアップもできたような気がしますし、それなりに「ちゃんと」終っているような気がします。「謎が残った」なんてありましたけど、れなのおっぱいが気になる人のほうが圧倒的に多かっただろうしいいんじゃないかなと。

・スケールも大きかったし、感動っぽい展開もありました。

・でも、次回作(アフタヌーンとかあやしい)はもっとシンプルでただバカなやつにしてほしいなあ。理屈ぬきで楽しめるってやつ。今回、ストーリーにしばられて窮屈だったイメージが。あと、エロが全体的にパワーダウンだったな。
(22:11:34)

「魔女っ娘 つくねちゃん」2巻 まがりひろあき(講談社)

・これも2巻で一応終ってら。
・しかも、もともと薄いコミックなのに、尺が足りないってんで、25%描き下ろしですよ。すごいですね。
・しかも、2巻で終っておきながらアニメ化決定ですよ。どっちかというとはっとりみつる作品をアニメ化しろよ。まあ、個人的にはうれしいんだけどね。なんたって音楽:インスタントシトロンだしねえ。
・ま、それはともかく。

・それにつけても1巻は衝撃的だった。あまりスジはカンケイなく、下ネタがない榎本俊二氏みたいな感じで、バーンバーンと人が死んでいきながらも非常にドライメッシュで夜でも安心なギャグマンガでしたよ。

・2巻でもその延長上にあります。ぶっちゃけ、新鮮味がないんだけどね。それがかなり大きいです。2巻の恐怖ってのはこれですよね。
・ロックなんかモロにこのパターンですよ。「衝撃のデビューアルバム」に勝る「セカンドアルバム」ですよね。多くのバンドがセカンドアルバムを作ることができずに失速していくわけですよ。その最大の理由が、デビューアルバムの衝撃にあるわけで、おもしろければおもしろいほど、新鮮なら新鮮なほど、後が続きにくくなるわけですよ。
・ま、まさに本作がそれということでね。

・クオリティは1巻と同じです。新機軸っぽいのもいろいろと打ち出してます。でも、インパクトは確実に薄いです。つまり、そういうことです。

・とはいえ、笑えますしおもしろいですよ。次回作も期待ですよ。意外に「ボンボン」とかでもまれてくるといいんじゃないか?
(23:04:27)

2004年/12月/13日
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「女神の赤い舌」5巻 ウヒョ助(小学館)

・最終巻。

・まったくうなぎの寝床みたいなマンガでしたよ。当初は大道芸人がタイを舞台に恋人を取り戻すなんて、B級や、ややもするとZ級とかいわれるホラー映画のテイストではじまったと思ったら、あれよあれよとスケールがバカみたいにデカクなり、5巻では、地球征服ってなことになってますよ。
・まあ、B級ホラーでも地球の危機ってのは語られるワケですが、本作がすごいのは、それをちゃんと「描いて」ることにあるわけですよ。

・チンギスハーンが現代に蘇り、元の時代のまま肉弾戦で、世界を席巻しつつあるところに、肉弾戦で対抗するんですよ。それをちゃんと描いてるすごさ。

・ジュチ(チンギスハーンの長男の生まれ変わり)軍5万に、その10倍のハーン軍。そして、ハーン軍伝説の武将たちの生まれ変わりもまた参加してるという、少年誌ならここらへんで10巻くらい持たせられる展開ですよ。月刊少年マガジンだったら30巻くらいになりますよ。まあ、本作でもあと2巻分くらいあってもよかったのかなあ? でも、ここでグジャグジャしすぎるのも問題あるしなあ。と、ちょっと「もったいないおばけ」が出てくるくらい贅沢な仕様になっておりますよ。

・そして、大団円ですよ。B級かと思ったらハリウッドの超大作だったってオチか。でもってS級のエンターテインメントだったと。だって、実際、ハリウッドの映画でこれに匹敵するスケールの映画ってないでしょ?

・全5巻、1冊505円+税で5冊。まあ、最近のハリウッド映画のDVDの値段ってそれくらいかな。まったくタメ張れます。1本映画をガマンしても買う価値ありですよ。プレイヤーやホームシアターがなくても総天然色のドルビーサラウンドの息もつかせぬハイパーアクションがいつでもページを開くだけで読むことができます。それこそがマンガの最大の利点ですわな。想像力を補助する最高のブースターでありますからね。おれには映画といっしょですよ。本作はそういうのでもひときわ映画っぽい。

オススメ
(17:23:52)

「赤灯えれじい」2巻 きらたかし(講談社)

・金髪ヤンキー娘と、ヘタレ男のナニワの恋の物語2巻目でっせ。おお、自分のコピーのベタさ加減に感激さね。

・そういった意味では2巻表紙が非常に秀逸。とりあえず起きて、とりあえずタバコをふかしてるチーコ。パチモンのプレイボーイのトレーナーに足をいれたままヤンキー座り。ああ、こんなカッコしそうってのがとてもいいです。

・で、2巻目ですよ。1巻目でけっこう完結してたんですよね。まあ、短気でケンカっ早い金髪のチーコとヘタレなサトシが両思いになりましたよ。で、朝焼けの中にブチューでしたよ。それが1巻のクライマックスで、ちゃんと1巻で完結してる風だったんですよ。
・だから、2巻でどうなった?ってのがやや心配だったのです。だって、タイトルの「赤灯えれじい」もなにもチーコはその仕事を辞めましたからねえ。

・2巻では、1巻からの進行形でしたね。イマドキのナニワカップルですね。サトシは家を出て1人暮らしをはじめたり、チーコはいろいろなところでバイトしたり、そいでもって2人の中も縮まってくると。まあ、行き着くところまでいきそうでいかないという展開でしたよ。
・ポイントをセックスにおいてしまいましたね。そらまあ両思いになったらキスだし、その次はそれになってしまいますからね。でもって「おお」って展開はチョロチョロあるんですけど、一線が超えられないんですよねえ。
・そうなんですよ。現実だとその先にもいろいろとあるけど、マンガだと、セックスはかなりなクライマックスですからね。とくに男向けのラブストーリーだとSEX=最終回ってな展開ですからね。

・1人暮らしはじめたサトシの部屋で2人で風呂に入るなんてシーンはよかったでやんすね。

・あと、ポイントは2コマ続いたりする背景描写ですかね。かなり綿密な背景描写がありますよ。それが独特の間を生み出してますね。また、その選ぶ背景が味わいですよ。生きた背景があると、中のキャラも血が通うってもんですよね。

・ということで、チーコはかわいいですね。やっぱ女性はテレてナンボですね。

・2人ともケンカできるくらいの仲になったってことですね。それを見守っていきましょうと。
(18:19:46)

「並木橋通りアオバ自転車店」13巻 宮尾岳(少年画報社)

・なにげに長寿大河連載になってる自転車屋オムニバスハートフルマンガ。
・準レギュラー入りの新キャラ登場ですね。
・もう磐石の度合いじゃチタンくらいのもんだから、やや波風要因なんですかね。それにしちゃあぶっ飛んだ設定ですけどね。隣にできたコロッケ屋の娘でありながら、謎の小学生シンガーだもんなあ。

・最後の犬ネタがベストですかね。

・すみません。ぶっちゃけ磐石過ぎると書くことねえんですよ。正直、トラブルメーカー要員だった風の小学生シンガーもなんか馴染んでるし。
・それに文句などあろうはずもなく。ちょっと頑なな心閉ざす系でいいなあと思うし。
(18:22:30)

「ダブルフェイス」5巻 細野不二彦(小学館)

・これは根付いたのかしら?

・金融+マジック+仕事人+時事+人情なマンガ。普段はサラリーローンの冴えないサラリーマンで、趣味のヘタクソマジックを社員に披露するのが楽しみの男だが、実はそこのオーナーであり、なおかつ、世の中の悪人をマジックで退治する。

・これがすべての要素で情報やウンチクがたっぷりなんですよ。
・たとえば、鬼のようなサラ金の取立人は実は会社に不当にサインさせられたために会社から借金を背負うハメになってるってこととか(金融)、天井に張り付くトランプのタネ(マジック)、廃校になった学校敷地を買い取って産業廃棄物置き場にする悪徳業者(時事)、それらに人情話をからませるという、「ギャラリーフェイク」でも定評の細野センセの手腕が炸裂ですよ。

・最後のコンソリの赤坂ネタがよかったですね。主人公が復讐しない金融ネタの話ですけどね。
・金融ネタでいうと、信用金庫ネタで「太郎」ってボクシングマンガもかつてありましたね。

・ちなみに「ギャラリーフェイク」アニメ化ですね。でも、今なら本作のほうがおもしろいと思います。
(18:53:47)

「ぬめり草」辛酸なめ子(ぶんか社)

・オビにあります。「TV番組「爆笑問題のバク天!」でおなじみ!」なんて。
・こないだ、それみましたよ。インパルスの板倉と鎌倉でデートしてましたよ。かかと落としとかされてました。

・同じパターンで、蛭子能収大先生がいらっしゃいます。でも、エビス先生は売れるとすぐにマンガはボロボロになっていきました。本当「なんじゃそりゃ」ってくらいです。ある点では変わってないような気もしますが、あきらかに手抜きのマンガになりました。

・なめ子先生はそこいらどうなんでしょう? 相変わらず高密度なマンガは本書では展開されてますが、これが「バク天」前か後なのかよくわかりませんね。密度ってことでいえば、やや薄くなりましたか。

・ただ、絵がすっきりかわいくなってきましたね。巻頭描き下ろしオールカラーマンガで、「萌えマンガを描いてウハウハ」みたいなのがありましたけど、そこでの萌えマンガ(のパロディっぽいの)もかわいく描けてますし、その他の地の絵でもあきらかに自分の線が確立してますもんねえ。やわらかくなった感じ。

・高密度による圧縮感があまりなくなったのと絵がすっきりしたために、話のキレがすごくなりました。「渋谷デビュー」や「情報霊」のオチはよくできたショートショートですよ。

・毒なのかギャグなのか天然なのかの判断があいまいな辛酸なめ子ワールドの本領を発揮してるルポマンガもいいですね。さらっとひどいことを描きながらもセーフって感じがして。しかも、反戦集会とか新宿ゴールデン街やベルファーレ(スーパーフリーでおなじみ)などヤバ目のところにもずいずいといってます。

・あとは最近がんばってる人物評(文章+マンガ)なんかもあり、「バク天」でおなじみのおかしな女性の作品集としてとてもよくまとまっているのではないかと思いますよ。

・どうせテレビに出てるんだしとばかりになめ子氏自身の露出も多いのでグーですわよ。

・ここまで描いて気づきましたが、山咲トオル氏も同じパターンで売れましたね。彼のマンガはどう変わったのでしょうか? 売れる前は知ってましたが売れてから興味がなくなったのでとんとわからないんですが。
(19:41:12)

2004年/12月/8日
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「育ちざかり」きのした順市(蒼竜社)

・まあエロマンガなワケだが。
・昨今は絵がうまいのはアタリマエで、どれだけ「こだわり」があるのかってのがポイントな気がするおれだ。まあ本作は復刻本だから昨今とはいえちょい古めなのかもしれないが。
・こういうときにマンガという表現媒体が生きるのです。自分の思っていたことを画力にもよりますが思ったように描くことができる。そして、実はエロはそれが意外と重要です。
・いうたらなんですが、自分の「ポインツ」を思う様に追求できる。「女優」をどんな目に遭わせてもいいしね。たとえば、フラスコ入れて中で割ったりね(ちなみに山本直樹氏のマンガね)。

・ただ、問題として、そのポインツが多ければ多いほど読者を狭める結果になるわけですよね。それは現実もいっしょでしょ?

・そして、本作はめちゃくちゃポインツがあるマンガですね。おれは表紙のチャーシューみたいな女性が気に入りました。

・ポインツを挙げていきますと、まず「ぷに」です。ふくよかな女性が多いですね。アバラ骨が浮き出てるような女性は1人もいないです。かといってふくよかすぎるのもいませんけど(それはマニア向けということで同人誌展開されてるみたいです)。
・最初の連作「死神パラダイス」に登場する死神の体型はとくに画期的でしたねえ。幼児体型のまま大人になったような。「ああ、こういう人いるなあ」って。おっぱいがデカイでなし、ウエストがくびれてるじゃなし太ってるじゃなし。でも、キレイでエロい。
・身体に関する細かいポインツはそのほかにも山のようにありますねえ。
・次に「おもらし」ですね。感じてる=シッコシャーシャーですよ。女性は漏れなくシッコシャーシャーです。しかも、とても「聖なるもの」とか「きれいなもの」な扱いですね。ここはかなり人を選ぶポインツですね。まあ、マンガですから、過剰表現ですから、基本的に体液もすべて多いですしねえ。
・で、シッコといえばトイレですよね。だから、トイレが舞台ってのも多いです。

・で、話はたいしたこだわりがなく、良くも悪くもエロのそれですね。ただ、セリフまわしが残りますね。「はにゃ〜っ 来たぁ来たぁ」とかな。

・いや、個人的にはかなりインパクトがありましたねえ。
(11:51:25)

「アキれちゃダメですぅ」矢野健太郎(ぶんか社)

・何十年ぶりだろう、矢野健太郎。デビュー作である、「ネコじゃないモン!」以来かもしれない。
・で、かなりストレートなエロマンガですね。ネコ〜もそういう要素は重要でしたけど。集英社でエロ描いていた人はしぶといね。じゃあ、ほかにだれ?ってきかれるとパッと答えられないけど。

・アキって淫乱でナイスバディな女の子が毎回いろいろな職場で大暴れして男食いまくるドタバタエロコメですね。

・で、実はポインツがあるってところに非常に矢野健太郎氏の業の深さを感じますね。騎上位がけっこうポインツみたいです。まあ、キャラの性格付けとしてのポインツかもしれませんがね。淫乱=積極的=騎上位って感じでねえ。

・しかも、ちゃんと話がつながったり、うまくキャラが増えたりと、そういうところは本当ベテランの味付けですね。

・感じてるアキの表情の理性が飛んでるところもポインツかなあ。あとバカっ娘萌え要素も多分にあるかも。「〜〜ですぅ」口調です。あとヨダレもポインツか。

・よくできてますよ。万人向けのそれにアクセントとしていろいろなしかけがあります。うまいね。
(12:25:01)

「りっぷさーびす・もんすたー」水島空彦(蒼竜社)

・微笑の女性がたくさん登場しますね。この微笑がポインツのエロマンガですか。

・あとりんかくも特徴ありますかね。 で、「話」の人を目指してるんかな。

・ものすげえ大きく分けるとエロマンガは「絵」にいくか「話」にいくか。割合というかね。それだと本作は「話」に向かってますよね。ただ、方向はそうですが、失敗してるのもあるなあと。

・たとえば表題作である、「りっぷさーびす・もんすたー」。女教師が伝説の娼婦だったので生徒たちが陵辱しまくり。そういう骨子に不登校児のエピソードとかいろいろと混ぜてるんですが、つめこみすぎて、「ありゃ、終っちゃった?」って感じの。途中で漏らしてるよな。暴発的なラストがちょっと気になるかな。

・でも、様々なシチュエーションやキャラを描こうという意欲が感じられます。それが「つめこみすぎ」ってカタチで現れるんですけど。みんな慈しむような微笑を持ち合わせてる女神チックな女性キャラが多いですけどね。

「パンパンしてくんなきゃ やだっ」

・とかグッとくるセリフですねえ。

・多分に女性作家のニオイが漂ってますが、デカイところはデカイって感じですが、たとえば、「育ちざかり」とは、ポインツがちがうなあというのがわかりますね。そこいらがおもしろいですねエロマンガは。その人の女性観や、翻って、読者のエロ観までわかりますからねえ。
(12:56:38)

「ぺたんこナース」1巻 みずきひとし(実業之日本社)

「巨乳家族」の人が今度は「ぺたんこ」てのが気に入りましたので。ちなみに「巨乳家族」は総集編とかで読んでましたよ。

・で、本作。

・AAカップの主人公が貧乳の精に「巨乳にしてやる」と騙されて、ぺたんこナースにされちゃったのですね。
・ナース服を着ると、チンポがついてくるんですね。それで、巨乳の女性といたすと、イクときにその女性のおっぱいを吸い取るわけです。そして、自分が巨乳になります。だけど、もう1回するとまた吸い取られるわけです。

・すごい設定ですよね。それでドタバタエロコメです。なるほど、女性はパットつけてるってごまかし方ができますから、オッパイがふくらんだりしぼんだりしても不自然ではないんですね。

・で、主人公やトモダチの巨乳はオッパイがでかくなったりしぼんだりしまくるわけですよ。

・ちゃんとエロいし、ちゃんと話になってるあたり、うまいですね。これが前作もそうでしたし、おっぱいにはなみなみならぬこだわりがあるようで、その描写はすごいですね。ナイのもアルのも自在に描いてますよ。

・今後は、貧乳の精とぺたんこナースと、巨乳の精との戦いって図式でスチャラカに展開していくんですかね。
(13:13:27)

2004年/12月/6日
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「よつばと!」3巻 あずまきよひこ(メディアワークス)

「あずまんが大王」で1発当てた男が送るセカンドアルバム的な「よつばと!」なんですが、3巻目にして、「あずまんが大王」の影がだいぶ薄れてきたような気がします。

・緑色の髪の毛の6歳児(学校は?)のよつばが織り成す「クレヨンしんちゃん」げな話です。

・花火大会の日。みんなから離れないようにあれほど父親から注意されていたよつばですが、露店をみたとたんにみんなを振り切って駆け寄りました。
・そこで怒った父親は、みんなといっしょに隠れて様子をみることにしました。すぐに、だれもいないことを知るよつばです。そして、「はぐれたら2度と会うことができない」と脅かされたことを思い出して怖くなってきます。
・そして、「こいわいよつばです」と泣きながら人ごみの中、自己紹介してます。

・おれはこれをみて思い出しましたね。父性というかなあ。母性本能かなあ。これは「萌え」じゃないと思うんですよね。

・もともと、萌えじゃないですよね。ただ、なんつーかな、そういう「ニオイ」があったような気がするですよ。あの、隣の3姉妹なんかはそのときの名残でもありますし、保険でもあるような気がします。
・だけど、今回、より、主人公は「よつば」ってのが強調されているような気がするんですよね。つーか、単純によつばを思い切り描いてますよね。作者もよつばを描くのが楽しいのだろうと。

・そして、そうなった以上、よつばを好きな人じゃないと楽しめない仕様になりましたよ。「うっとおしいガキだ」と思ってる人は読めないし、読むことないでしょう。
・そもそも、10代や20代はなんのためにこのマンガを読んでいるの? って気がしないでもない。ロリコンはもっと読むものあるだろうよ。「苺マシマロ」とか。

・よつばはかわいいね。手前味噌ですが、おれのところの下のガキを思い出します。というか、同い年(6歳)。そう考えるとすげえよつばは幼いです。

オススメ
(17:42:43)

「新・中学生日記」4巻 Q.B.B.(青林工藝舎)

・4巻ですよ4巻。ちょっとビックリ。
・コンセプトは未だに健在。人生で一番恥ずかしい時期「中学生」。ということで、その真摯なマヌケっぷりを笑おうという趣旨です。「新〜〜」になってから女子も参入してますし、女子も3巻からこなれてきてますよ。

・ということで、ぶっちゃけ、絶好調4巻。

・3巻から引きずってる、クラスの番長が、好きなクラスメイトに片想いしてるってエピソードも、ついに進展がありましたよ。

・ただ、進展がある話ってこれくらいで、あとは、学校のトイレでウンコしてるやつに上から水かけたり、母親の屁にマジで怒ったり、ウンコとシッコ両方だして、なおかつ鼻をかんだり、ストリートミュージシャンに憧れて自分もストリートデビューしようとしたけど、恥ずかしくて結局河原の草むらの中でギター弾いたりねえ。

・いかにも、久住氏のネタと思しき、立ち食いソバで、天玉ソバの大盛りにコロッケ2ケの「ぜいたくソバ」を食う話とかねえ。

・以前のもう粘るようなリアリティや恥ずかしさは薄れ、各々のキャラクターに寄り添うようになりましたね。基本はいっしょですけど。

・で、いいのは、現代の設定なんですよね。これがとてもいい。だから、ケータイが出てくるし、コンビニでカップ麺買ったりするんですよ。あと、魚肉ソーセージを知らないってのが新鮮だったり、話題に「ロード・オブ・ザ・リング」が登場したりね(好きなタイプがゴラムだって)。

・今回好きなエピソードは、カネヤンとターチャンとクラスでもあまり目立たないエロコンビが、「変わらなければ!」というわけのわからん焦燥感から(いや、実はよくわかります)、海にナンパにいく話が好きです。結局、軍資金がまったくないことに気がついて、遊びモードになるんですよ。
・4巻だしなあ。オススメはしませんが、新潮文庫で、「中学生日記」は発売されてるし、文庫だから立ち読みしやすいので、1度お試しくださいよ。
(17:58:43)

「団地ともお」3巻 小田扉(小学館)

・小田扉がこんな定期的に読むことができるってのは考えてみるととても幸せなことでありますよねえの3巻。

・団地に住んでる、ちょっとおバカな心優しき少年、ともおの愛と青春と鼻水の日々です。

・もう、小田扉氏にしか作れないネタとして、前半にある、フォークダンスでともおの手がべったりしてるのに業を煮やした女子が、なんとか、ともおの手をさらさらにしようとするプロジェクトが天才的におもしろい。過去どこにもないタイプの話だと思う。

・ただ、個人的にはベタな話である、青戸さんと坂上さんの女子高生の友情エピソードで、青戸さんの顔(美人なのに)に、サッカーボールをあてるともおたちに大爆笑なんですけどね。天才的におもしろいものは天才的に爆笑できるわけではないと。

・あと、自分の授業に自信のない担任が入院してる恩師に、なんかあるたびに相談にいく話もベタだけど爆笑ポインツがありました。

「ともお」の枠から離れてる話が多いのが4巻の特徴かもしれない。
・プロ野球選手の話。前記の女子高生の友情話や担任の話。あと、双子のジジイの話など、ともおが完全にバイプレイヤーとして、傍らで遊び呆けてるって話が目立ちました。短編読みきり書きたい欲が高まってるのでしょうか?

・まあ、がんばって平成の「三丁目の夕日/西岸良平」を目指してください。

・オビのコメントはなぜか秋月りす氏だ。最近の小学館コミックの非小学館な有名マンガ家のコメントが目立つのはいったいどうしたことでしょうか?
(18:24:36)

「最強伝説黒沢」5巻 福本伸行(小学館)

・2ヶ月連続発売で4巻につづいて5巻なんですが。んーーーー? どうみるべきなんだろう?
・中学生との戦いは決着がつきました。そして、これから「伝説」へとコマを進めることになるんでしょうか。
・なんか、妙にそれ以降の展開がおもしろくないような気がしました。

・ただ、一見ギャグみたいに描かれてる個々のキャラのふと感じるリアルさは怖いものがあります。ふと、すりむいたヒザ小僧の傷口に触ったときのような電気が走りますよ。すぐに土下座する男。くだらないことに異様なライバル心を燃やす男。ちょっとつつかれるだけでボロボロになる中学生。

・だからこそ、黒沢を連れたタラコ唇の中学生が「?」ってことにもなるんですけどね。あと、女性もそうか。

・というか、ひょっとして、片山まさゆき先生と同じ?疑惑が。 えーと、ギャンブルマンガ以外はダメかも?って。

・もちろん、6巻から圧倒的におもしろくはなりそうなんですけどね。うんうん。あの、バット投げつけた女子中学生はどうしたんだ?
(19:30:05)

「サムライダー」5巻 すぎむらしんいち(講談社)

・不思議。「ちゃんと」終ってる。
・連載誌が不幸なことになっての最終巻、すなわち打ち切り感、尻切れトンボ感が濃厚なのかと思っていたらそんなことはなかったんですよねこれが。
・もしかして、あらかじめ5巻で終る予定だったのかしら?それくらいきっちり描ききってる感じがしますね。

・結局、最後は「戦争だ!」って終り方なんですね。最終的にはアメリカにもケンカを売ってましたし。こんないいぐさはなんですが、わりあいとおさまるところにおさまったかなと。予定調和的というか。

・カタがついたのでしょうか? それとも欲求不満が残ったのでしょうか? なにはともあれ次回作に期待。「スタア学園」の最終巻で描かれていたように少年誌に挑戦してほしいなあ。「月刊少年マガジン」とか。めざせ「BECK」ですよ。
・あるいは、超エロいのもいいかな。
(19:44:36)

「ピューと吹く!ジャガー」8巻 うすた京介(集英社)

・んーなんだろ? ここしばらくで1番笑いました。
・チムリーのサイト作りくらいから火が入って、サバのみそ煮を恐喝の道具に使ってるジャガーさん、宇津久島ネタあたり。ピヨ彦とハマーの争い。「セイ!!」などなど、爆笑してますよ。ええ、爆笑ですよ。ちゃんと声を出してゲラゲラゲラと。奥さんに「大丈夫?」っていわれるくらいのテンションで。

・で、たてぶえマンね。死ぬかと思ったYO!

・いや、こういうのいちいち書き出してみるとものすげえよくわかるけど、理由とかはないよね。単に、センスが一致したとか、タイミングがよかったとかそういう感じで。
・自嘲的に書いてますが、連載中はメロメロだった時期みたいんですね。「ウラBUBKA」のマンガ家特集によると、うすた氏も「友人」に金を騙し取られた過去があるみたいですしねえ。ギャグマンガ家のくせに笑えないプライベートの持ち主みたいですからねえ!
・でも、プライベートが大変でも作品がおもしろければOKですからねえ!

・なんだか、わりに門外漢のおれにも、「大変そうだな」と思わせる8巻でしたね。とくにコミック描き下ろしのおまけページのギスギス感がいいですよ。
(20:05:38)

2004年/12月/2日
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「金色のガッシュ!!」18巻 雷句誠(小学館)

・永い戦いが終って、日常、そして、次の戦いと、つなぎの巻ですね。
・マンガを描く側にとってみれば、戦いのことだけに集中できる、バトルシーンのほうが楽なのかしら? そこいらはそれぞれだとも思いますが、こういうつなぎを描くことで、巧いかどうかってのはわかるんじゃないかな。

・って、ほど、今回多くもないんですけどね。

・でも、カバーの裏見返しで、ずっとおなじみであるにも関わらず、ずっと本編ではお見限りだった(海外遠征中だったし)すずめちゃんがけっこう登場していてよかったです。彼女は萌えとは縁遠いんだけど、いい味だしてますよね。すずめをエロに使う同人ヤロウはかなり鬼畜だと思いますよ。大海恵とレズったりな。まあ、おれなら、大海と清麿がからんでるのをみて、バルカン300で1人慰めるすずめって話にするかな。おお、おれ才能あるかも?

・それはそれと、ニューキャラのテッドもいいし、巧く、話をつなげてますね。なんか、わりに飽きてきてますけどね。
(22:08:15)

「魁!!クロマティ高校」11巻 野中英次(講談社)

・あすなろ編です。もうそういうのにツッコミを入れるのも飽きてきました。「あーそう、よかったねえ」って。

・そうなんですよね。おれにとってはクロ高、ムラあるわあ。おもしろいときはへたるくらい笑うんだけど、そうじゃないときはケッ!ってなります。
・これが、最近ダメになったってことはなくて、3巻くらいから「もういいかな」的なシラけはありましたものね。

・で、まあ、11巻はつまらなかったよな。

・個人的に動きがなさすぎたのが敗因かな。最近の流れとして喋りで延々ってパターンが多くてね。これだと、絵柄じゃなくて作風の影響元である中崎タツヤ氏には負けるんですよね。野中氏、下ネタは使わないからね。

・あと、おれ、実は、あまりメカ沢ってあまり好きじゃないんだよね。今回、カタチが変わるメカ沢ってネタを引っ張りたおしていたけど、「フーン、それで」的なノリ。

・だからって、見限ることはしないんですよ。だって、おもしろいときはおもしろいクロ高ですから。ただ、絵本は立ち読みしたけどまったくおもしろくないですよ。
(22:33:55)

「ハレウゥ」3巻 金田一蓮十郎(スクウエアエニックス)

・作者のワガママでタイトル変えて、仕切りなおしで、3巻なんですが、なーんか、タイトル変わってから一段とおもしろくなったのは、おれだけかしらねえ? もともと巧いんだけど、仕切りなおしたことでなんかわかりやすくなったのかしらね?

・まあ、タイトルになくなったことだし、ジャングルを舞台にしなくていいってシバリがなくなった分、楽になったのかしら。

・だけど、せめて、ハレとグゥは出そうや。最後のダマの紅茶の話はまったくおもしろくなかったし、描き下ろしっぽい、4コマも基本的につまらないなあ。

・それと、作者は好きで、もしかしたら支持者も多いみたいな、少女マンガパロディネタはおれにはあまり。

・そして、それ以外はOK状態です。とくに、ハレのツッコミと、グゥの投げっぱなしのボケのキレは段々よくなりますね。
(22:59:20)


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