→トップへ/→コミックインデックスへ

ポトチャリポラパ/コミック/2006年
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2006年/6月
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2006年/6月/27日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「東京トイボックス」 2巻 うめ(講談社)

・完結。完結というか、打ち切りというか。
・むずかしい題材だったんだなと思ったね。
・大手ゲーム会社の売れ線の安易な姿勢に反旗をひるがえし独立したはいいが結局会社存続のためにそこの下請けをやろうかどうしようかというところで悩むゲーム会社のコドモみたいな社長と、お目つけ役みたいなものとして出入りするようになったキャリアウーマンとの恋の話っぽいマンガ。

・もとが「弱い」ってのは多分全員がわかっていたことなんだろうね。作者も読者も編集も。「なにかを作る」というマンガにおいて、「ゲーム」ってのは基本、キーボードとモニター内だけことですからね。「事件」が起きにくいやね。

・だけど果敢にがんばってます。いやほんと最初からこの予定でしたよ?って顔をするために存在するのが打ち切りが決まった最終巻ですが、すごいそんな顔してましたよ。ミゴトなくらいのトボケ顔。

・いろいろあって大手ゲーム会社から自社唯一の作品の海外版を出すことになります。でも、納期ギリギリに重大なバグ発生。バグを回避するには、追加で足した唯一の「オリジナリティ」のあるところを削らなければならない。 そして、社長は大手会社に直談判にいく。

・最近のパターンからすると「終らない」マンガのほうが多いんですからね。うやむやで続刊がでないでほったらかしって感じで、同人誌ノリで商業誌に描いてるアカンタレが多くなったのかしら?と思うことが多くなりました。それに比べるときちんと終っているのでキャラたちもうれしそうです。


ゲームはなぁ 完成しなきゃ意味がねェんだ


・本書でのセリフです。世の中には基本的に未完成のもののほうが多いですからね。本書も完成してよかったと思いますよマジで。

・次回作。個人的にはもっとお気楽極楽なラブコメを描いてほしいと思います。どう考えても本書でももっとも輝いていたのは描き下ろしの「その後のデートマンガ」だし。

・ところどころのマニア受けするヘンな小細工、本作では逆効果のような気がしました。たとえば、カバー裏のファミコンのコントローラの2コンのボタンが四角なところとか。

・そういった意味でもお気楽なのがいいんじゃないかと。あと今度はアフタヌンかイブニングがいいんじゃないかい?
(17:46:15)amazon

「吉原のMIRAIさん」 2巻 真倉翔&真里まさとし(集英社)

・完結。完結というか、打ち切りというか。
・もともと用意していた「最終回」カードを最後にすっと差し込むタイプのある種正統的な最終回の気がする。どこまで話が展開してもこのカードを収めるとたちどころに終る。カードというより、「UNO」における「ウノ」と叫ぶようなもんかな。

・吉原のNo.1ソープ嬢が、麻薬を吸ったことでタイムスリップして江戸時代の遊郭に落ちてしまいました。そこで花魁として現代の技術を利用してのし上がっていくというストーリーです。

・昔、「SOAPのMOKOちゃん」ってマンガがあったのです。「ヤングチャンピオン」だったかな。タイトルどおり、ソープランド嬢のMOKOちゃんが主人公で悩んでるお客さんを癒してあげるってな感じ。
・で、テクニックよりも、お客さんに楽しんでいただいてもらう「まごころ」が大事ってなオチが多かったです。
・本書もまんまとそのパターン。というか、水商売系や女性が主人公のサービス業のマンガはたいてい最終的にはそこにいくんですよね。それは男はロマンチストでドリーマーだからですね。女性のぬくもりやらやさしさを求めるわけですよ。よくしまる名器じゃないんですよ(いや、そういうキャラが登場するだよ)。

・だけど、本書の場合、江戸時代の吉原において、米がゆのローションを利用してのマットプレイだの、2巻ではノーパン喫茶風の高いところにあるお銚子をとると下から丸見えなどの、ぬくもりやらやさしさとは対極なところで勝負してきてるマンガで、その、「キテレツ大百科(for アダルト)」な感じがおもしろかったのですよ。だから、わりとそれって本末転倒じゃね?って。

・構造上、長くはねえと思ってはいましたが「UNO」のための急に趣旨変えしたように感じさせたのは残念かな。
(18:10:09)amazon

「時の守護者」 2巻 岸大武郎&一ノ瀬珠緒(秋田書店)

・完結。完結というか、打ち切りというか。
・ひょんなことから時間の質屋さんで働くことになった少女が、毎回「時間」を借りに訪れる客さんのためにハッスルハッスルするマンガです。「プリンセス」連載のバリバリの少女マンガです。

・時間を扱う物語ってのはとても難しい。本書はだから難しい。いろいろと難しい要素が多い。しかも、最終回付近でさらに難しいことが目白押し。

・しかも、「デスノート」ばりに新ルールが続出です。ルールはシンプルなほうがいいとは思いますが、最近の趨勢でしょうかね? どんどん複雑にからみあったり、「実はこんなことができる」的なルールが盛りだくさんで目がまわります。

・で、謎めいたキャラの謎の真相に迫る編が繰り広げられるのです。これも最終回カードっぽい展開ではありますね。

・まあ、そういった感じで終ります。ただ、果敢に挑戦されてることはよくわかります。そこがスゴイなあと思います。いろいろと足りないものは原作にも作画にもあると思われますし、なにより、やっぱり打ち切りくさいです。でも、決められた中でできるかぎりのおもしろさを提供しようという前向きな姿勢。「倒れても笑えれば上等」と歌の文句のような明るさを感じます。なによりラストの希望に満ち満ちたエンディングがとてもいいんですよ。あのラストをみるためだけに読む価値があります。

・とくに作画の一ノ瀬氏の魂の削り具合といったらないですよ。かなりがんばっておられます。いつも150%です。というかむしろ時間の質屋に時間を借りてまで描いてそうなぐらいですよ。

・ということで、彼女はぜひガーンと1発いいものを描いていただきたいなと思います。またぜひお目にかかりたいものだなと。

・あと2巻のオマケにあった全員に当たる「小冊子」を応募しそこねたのが残念でした。
(19:18:01)amazon

2006年/6月/24日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「フルーツ」 木葉功一(小学館)

・イメージとしてはこう。
・逆光の中、男が立っている。影になっており顔などは窺い知れないが、シルエットからは筋骨隆々であることがわかる。
・男は異様な彫刻が施されたいびつなカタチの大きなハンマーを携えている。そして、おれの前でおもむろにそれを振りかぶる。

・そんな短編集。

・内容とはまったく逆なのですが、そういう全力投球っぷりを感じ取りました。

・女性=フルーツということで、6個の魅力的なフルーツを描いた静物画的短編集。ま、静かなフルーツは1個もありませんがね。

・無垢だからこそ完璧な殺し屋たれるというモト、幼女の中身の凄腕殺し屋とそれのアシスタントの「桃-tao-」
・江戸時代、幽霊の顔のあまりの恐ろしさに絵師がすべて気が狂う花魁を描こうとする「柿山昇天」
・ラスベガスのホテル王の遺産をすべて相続することになった13歳のコールガールの話「WILD-WILD DESERT CHERRY」
・フランスのヴィンテージワインコレクターのヴァンパイアに魅入られた日本人青年「ヴァンプ・ピノ・ノワール」
・胸に傷ある小学生窪田ミカンを撮りたい同級生の「love love love you・ミカンちゃん」
・声が出なくなったグラミー賞シンガーがアフリカの謎の儀式に参加する「アフリカの林檎」

・以上6編。
・全力投球で一球入魂的ですし、ハンマーがかすっただけのもかなりの風圧を感じて圧倒されたりするのです。が、それはヒットしてるわけではありません。あ、おれにとってね。どの作品も非常に完成度が高いのですが、ふと読み終わって思うのです。「登場キャラはみんなチンポ噛み切るような女ばかりだな」と。実際、13歳コールガールは噛み切るシーンがありますが。

・バリエーションがありそうで、女に振り回される男って点では一貫してる。そういわれれば、「モーニング」時から知っている木葉氏の作品のキャラってみんなこんな感じだよなと。そこいら作者のこだわりなのか、あだち充病なのかよくわからないんですがね。

・あと、その肝心の女性描画にややブレを感じる。カンタンにいうなら、小学生も13歳も子持ちも1000歳もその年齢を感じにくいというかね。

・ここからフォロータイム。それでも全力投球です。ダイナミックプロよりダイナミックな構図や描画で、ガツーンとくるのです。おれは単純に木葉描写の女性キャラじゃ萌えないだけで、グッとくる人は男性女性いらっしゃるでしょ。萌えないけど魅力は理解できるのです。その手を変え品を変えな舞台設定やストーリーも非常にいいです。
・ま、短所は長所ってね。6発ともハンマーが脳天にあたる方もいらっしゃいそうよ。

・個人的には「love love love you・ミカンちゃん」。これを推し進めて、誰も殴らない血が出ないままでこの迫力をもった作品を描くようになれればまたステージが上がるかなと思った。
(13:53:34)amazon

「ラビパパ」 1巻 安田弘之(太田出版)

・むかしの「アクション」における「クレヨンしんちゃん」みたいに、「マンガエロティクスエフ」における存在だろうなと思うのです。昔、「エロティクスエフ」買ってましたので。たぶん、いまでもエロ本のままだと思いますし。

・家族4コマです。ウサギのキグルミみたいなパパと、美人だけど怒るとコワイ無口なママ。それぞれに似た長男と長女。そういう4人家族の4コマです。

・ラビパパがどうなってるのか?というツッコミは厳禁だそうですが、基本はヘタレサラリーマンで、ヌイグルミのウサギな風貌だと思っていただければ。

・ま、みんな思うんだろうかね。奥さんがウチの奥さんに似てるとか。結婚して5年間あやまったことは一度もないとか。

・キャラの掘り下げは相変わらず上手いんですよね。「この女のいいところは男のヒキが弱いことだ…」といわしめる、巨乳で美人で、やさしい保母さんとか、「ガキはキライだ」と公言してる保母さん(でも、ガキに人気)ね。あいかわらず好きにならずにいられないくらいのキャラ愛に満ち満ちてます。

・さて、本作のサプライズは安田作品にしては「え?」ってくらいヌルいネタがあったりすることですね。これはどうみるのか?って感じです。心情としては2ちゃんねるのAAである、「釣り?」とミミズの前で悩んでるクマみたいな感じ。
・韓流にこだわったり、HGのまねをする息子をガン無視したりのヌルい時事ネタ。ラビパパがママのかわりに料理を作ろうとしたけど、材料とか器具がどこにあるかわからないのでたびたび聞きにくるから怒って「私が作る」ってオチ。ラビパパがカメをペットショップで飼ってきて「昔の恨みとかないの?」とかね。ヌルいホットチョコレートみたいなネタがたびたびあって逆にヒヤリとしたりするんですが、それは釣りなのか、ファミリー向けを模索しての習作なのか、純粋にヌルいのか、判別しにくいクマー。

・とはいえ、これまでの安田味を活かしつつも(小ネタでは「居酒屋らぴゅた」がよろしかったな)、ファミリー向けにも読むことができる内容は画期的ではありますね。

・雑誌の読者にもサービス描き下ろしテンコ盛りでいいですよ。まー、おれはオビのいがらしみきお氏ほどは大絶賛できませんが、いいマンガだよなあと思いました。2巻ではガーンといくかもしれませんね。
(14:53:50)amazon

「金田少年の痴漢簿」荒井海鑑(松文館)

・エロマンガで、タイトルからもわかるとおり、パロディものです。

・特徴は限りなくユルいことです。

・たとえば表題作「金田少年の痴漢簿」では、巨乳ゆえにイタズラされてばかりいる山田という少女がトイレで痴漢行為(というか強姦だよなこれ)に遭ったので犯人をみつけてくれと、金田少年に依頼するワケです。で、口の右下にホクロがあるという手がかりをモトに学校中のホクロがある容疑者とまぐわってみて決めるという展開。で、犯人はタイトルどおり金田少年だったと、ネタバレゴメンもいいところですが、そんなアリサマになるのです。

・このユルさと、限りなく薄いのにパロディになってる感じがとても新鮮です。

・たとえば「新世界」という作品。藤子不二雄Aの「黒いせぇるすまん」のようなのが登場して、ケロロ軍曹のような顔をした男に「この土管をくぐれば新世界にいって人生をやりなおせます」と告げます。そして、イジメを受けていたケロロ軍曹はがんばるけど、結局、クラスメイトを強姦し、それを止めようとした男子生徒を殺して、また土管をくぐり戻るけど、実は新世界なんてなかったというオチ。

「エスパー魔左臣」では、エスパーになった高畑クンが「亜美」という女子を超能力でなぶりものにしてからなぜか(本当なぜ?)フィギュアスケートの選手をおなじようになぶりものにするという展開。

「電車でGO姦」にいたっては、タイトルだけパロディかよ!と思うくらいの普通の電車内エロエロ展開と思いきやラストにだれもが考えもしなかったパロディが待ち構えてます。

・このラスト近くの超展開は、初期のプロに徹してなかったころの伊集院808氏をホーフツとさせますが、彼よりもツメや過激度が甘い。絵は上手いしエロいけどさ。

・これはなんだろうとつらつら考えると、次作の「快楽ルパン三千世」で本人が欄外の書き込みでバラしてましたが、洋物のパロディポルノなんですね。「タイタニック」を「パイパニック」とかな。予算やら、「いや、まあ、ポルノが本分なんだし。勃起させるのを最優先で」ってことで、ぞんざいな、「タイタニック」だから、舳先のあのシーンだったり、船が舞台って設定にして公民館で撮影すればOKだろ!的な乱暴な「やっつけ」がたまらなく刺激的なあれですよ。それをホーフツとさせます。

・パロディマンガは、たとえば、上野顕太郎氏やら唐沢なをき氏のようにニュアンスからなんから忠実に再現するってのがけっこうアタリマエになってきてますが、本来、もっとグダグダだったんだよなあということを思い出しましたし、そのパターンを今炸裂させてる荒井氏の手法や、ぐだぐだで投げやりのようにみせかけて、ちゃんとパロディであることを首の皮一枚で押さえてるあたりのセンスがタダモノではないなと。

・とくに本作は首の皮1枚度がスゴイなと。ま、おれにわかるネタが多かったのかもしれないですが。
(14:58:01)amazon

「快楽 ルパン三千世」荒井海鑑(松文館)

・サブタイトルに「自薦傑作パロディ集」となってます。
・それだけにパロディネタが多いです。で、自薦で傑作です。

・ということでタイトル作では、ルパンが宝石をあげるかわりに「峰子ちゃん」とやったりする話だったりします。

・荒井氏のエロマンガの特徴としては、状況をちゃんとしゃべらせるってのがありますね。
「ローションをつけるとオッパイがプルプルスベスベしてきた」とかルパンがしゃべりながら峰子ちゃんのおっぱいをもんでいるのです。

・そういった要領で、ひねったり、意図的にスカしたりのパロディネタに、「本分はエロ」とばかりにエロネタを盛り込んだ作品がテンコ盛りです。

・パロディとパチモンの間をうまく漂ってるあたりのバランス感覚を楽しむと同時にエロも楽しむと。

「未来から来た猫科動物型ロボットとメガネをかけた少年」なんてタイトルでありながら、かなりひねった展開とオチは、これまでにみたことないものだったりしますからね。なんたって主人公は、「先生」だったりするし。

「立っち」なんてのは、男女キャラの配列がいれかわり、双子の女子と3Pができてラッキーってわかりやすい展開かと思いきや、男のほうが実は6つ子でシェーと思ったら、さらに投げつけたようなオチが待ち受けてるというものだったりします。

・パロディのセンスも独特なら、エロのセンスも独特で、「猥雑」というコトバをホメコトバとして使いたい気分です。

・いやまあ存じ上げませんでしたがすごいです。感服しました。まだまだ著作は豊富なようなので遡って追いかけてみようかと思ったりもしています。
(15:19:19)amazon

2006年/6月/20日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「シンシアザミッション CYNTHIA THE MISSION」 3巻 高遠るい(一迅社)

・あら?
・このあとの評価で率直でもっともスッと出たのが「化けの皮がはがれた」でした。ただし、感情としては近いけど、正しくはない気がするんだよね。
・とにかくガッカリした3巻だった。

・ダウンタウン松本氏考案の脳年齢診断テスト、「パッといわれた映画のあらすじを5秒以内にまとめていえ」方式でいうと、「すげえ強い女性が暴力にまみれてるマンガ」です。

・3巻では主人公のシンシアちゃんが、ロシアのキックボクシングのチャンピオンと延々と戦い合ってるのと、あと、片腕義手のナニリック兄弟の兄?って女子と二重人格のボインちゃんの戦いがちょっとありました。

・この前半のシンシアの戦いを眺めてて、ふと、つまり「バキ」の女性版? と思っちゃったんですよね。

・そういや、当サイトに検索にこられた方で「シンシアザミッション パクリ?」でこられた方がいましたね。つまり、そういうことか。
・おれはこのマンガを「つまらない」と思う方の視点を3巻で垣間見ることができたんですね。

・1巻と2巻では絶賛していました。それは暴力の具合や話の悲惨なほうに転がる感じが圧倒的だったからです。その上、しっかりした画力、構成力があり、なおかつアナーキーな裏格闘をできるかぎりホンモノっぽく描いてるのにしびれたんですよ。女子もかわいいしね。

・ただ、3巻での「バキ」臭さはどうじゃ? おれはバキなんざ読みたくないんだよ。というか、バキのパチモン読むくらいならバキ読むよ。って思うほど、ロシアの彼がバキの登場キャラっぽいんだよね。それで鼻白んだワケさね。
・こういうのって「パクリじゃないニダ」とばかりに真剣にやられて、それがまたよくできてると余計にシラけるんだよね。まさにそのパターン。パクリならパクリでもっとうまく隠すか、もっとバレバレにしてほしいと思った。これまでは前者で、3巻では後者によりすぎて中途半端になったのでダメだったんじゃないかなと。ま、1巻2巻では女子のカワイさにおれが騙されていたんかな。

・ま、3巻のあとがきで「次はもっといいかげんにやります」とあったのでそれにすがろうと思いました。
(14:00:28)amazon

「ブロッケンブラッド」 塩野干支郎次(少年画報社)

・書きにくい作者名だよなと思った。書きにくいし覚えにくい作者名はそれが本名だろうとペンネームだろうとややマイナス面の感情を持ってしまいます。

・くわえて本作の内容がまたワケのわからない設定でね。入り込むのに時間を要したことを正直に書いておきます。

・ドイツ系3世の17歳男子が魔女っ子となり戦う「錬金魔女っ子バトルコメディ」です。

・でも、結局のところ、全員おかしな格好をしてるのを見て笑うというコスプレギャグマンガみたいなもんですかね。主人公のキレイな17歳男子の悪趣味丸出しの魔女っ子ルック(本人はすげえいやがってる)をみていただければその片鱗がうかがえるかな。

・で、最初は「ベトナム帰りの女子中学生型傭兵」などのアタマのおかしさだったのが、後半、テレビ局にアイドルとして潜入捜査をするシリーズになってから、その高寺彰彦氏あたりにルーツを見出すことのできる画力をムダに活用して「産婆平健」とかが珍奇なかっこうや趣味なのを笑うマンガになっていくのです。

「ぼのぼの/いがらしみきお」という大河ケモノ4コママンガに登場するヤマビーくんことヤマビーバーくんは「笑って」もらおうと絶えずヘンな顔を模索してますが、そのつどアライグマくんなどに「いまどきヘンな顔で笑うやつはいねえぞ」とツッコミをいれられてます。まあ、本作はそのヤマビーくんが大喜びしそうなマンガですよ。

・いや、そして、おれもヤマビー度が高いみたいです。とても楽しい。

・作者はどうもダークファンタジーで有名みたいですね。その反動で、こんなちがった点にダークが漏れたようなものを描いたのでしょうか。

・まともなキャラだと思っていた明日香ちゃんの鼻血+「バッチコイ」発言に不覚にも萌えました。

・そういう「安さ」を「ほうほう」と楽しむマンガだろうなと。
(14:32:20)amazon

「すもももももも」 4巻 大高忍(スクウエアエニックス)

・なんかスゴイよなあと思いながらも、その「なんか」がなにかよくわからないまま4巻まできました。
・すっかり格闘技マンガ的な展開です。団体で敵地に挑むという「らんま1/2」みてえな展開だと思いながら読みました。

・アニメ化も決定だそうで、ますます人気がでますね。

・人気が出たり、安定度がますと、それと比例して、健全度も増していきます。これがモノゴトの道理なんでしょうかね。というかそういうところも「らんま1/2」と似ているような気がします。当初はオッパイがまろびでてるのが味わいだった「らんま1/2」もすっかり硬派な格闘マンガになっていったのと似た道をたどっているような気がします。
・エロで釣っておいて、格闘アクションで引っ張る。意外と、エロは初期発射エンジンとして途中で切り落とし(健全化)ってのはよくあることです。とくにアニメなんかからむとそうなる可能性が高い。本作のアニメ化決定と4巻にしてのいわゆる「サービスカット」の大幅減ってのは関連性があるのでしょうか?

・それは喜ぶべきなのか悲しむべきなのか微妙ですが、おれ個人としてはガッカリです。なぜなら、格闘マンガとしてはあまりおもしろいことはないからです。

・5巻ではそこいらのバランスを再考していただきたいなと。

・余談ですが、そういうエロとアクションのサジ加減だと、「狂四郎2030」「バンパイア」の徳弘正也氏の一貫した態度は本当ホレボレしますね。
(18:08:56)amazon

2006年/6月/17日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「のの美捜査中!」 3巻 重野なおき(白泉社)

・チビッコ刑事4コマも3巻目。
・オビに「この巻…ちょっとやりすぎました」とあるように、見た目チビッコの推理力バツグンののの美さんと、その正反対で足で地道に捜査するワイルドな男刑事とのラブコメ度がかなり高かったり、のの美さんに各種コスプレをやらせたり、たしかに「やりすぎ」感は高いです。

・そして、「それもいいかもな」とちょっと思ってるくらい、本作のファンになってる自分もまた発見したりするんですよ。

・ま、冷静になると、これまでの骨子である、1話6p10〜11個の4コマで、薄く話が続いて、事件をひとつ解決するというのがかなり崩壊しつつあるのは残念ではありますね。
・これがわりとトリックやら謎解きがおもしろかったのでね。

・あと、他の95%くらいの4コマ同様、キャラに笑いの比重を載せるようになったのも目立ちます。

・ここしばらくのうちに、4コママンガは、「4コマ目でオチなくてもいい」「キャラが萌えればなんでもいい」という2大革命がなされておりまして、いっときの古い日本文化のように、「守らねば」と思ってましたが、結局のところ、その2大革命がなされても、「残るのはおもしろいもの」という史上最古の不変の法則が発動してまして一安心でした。すなわち、「4コマ目でオチなくてもいい」「キャラが萌えればなんでもいい」でも、おもしろくないと残らないわけです。ものすごい萌えてもダメなんですよね。おもしろくないとダメです。

・で、本作、軸としてはブレてますが、「おもしろさ」という水準はキープしてたと思われます。ただ、4コマのオチが限りなく弱いのが多くなってきてるのが気がかりです。

・4巻では原点回帰になるか、さらなるラブコメになるかよくわかりませんが、おれは原点回帰希望です。ちゃんとオチがある4コママンガを書くことができる貴重な人ですし。

・ちなみに、前記の革命は「もえよんきらら革命」といいます。
(13:17:00)amazon

「犬ガンダム 地上編」 唐沢なをき(角川書店)

・いやおもしろい。この手のパロディ丸出しモノは、あまり好きじゃないですよね。だから、唐沢なをきという名前で買ったはいいけど、しばらく放置してたんですよ。しかも、パロディ歴30年になろうとしてる、放映されたときからパロディ化される運命にあったガンダムとなったらなあ。
・でも、おもしろかった。

・登場人物が全員犬のガンダムですね。モビルスーツは人型だったので、登場人物が犬の本作の場合、犬型。というか、ケモノ型。

・犬だから、すぐに忘れたり、あちこちにオシッコしたり、すぐにお尻をなめたりするんですよ。

・本作、すごいなと思ったのが、それでいて、ちゃんとファーストガンダムの原作に沿ってるんですよ。

・おれはリアルタイムにガンダム(厳密にいうとキー局がなかったので再放送ですが)をみていたクチですが、「そうだった」ととても記憶が蘇るのですよ。
・このストーリーを完全に消化して、なおかつ犬がらみのギャグにして(「2度も噛んだ」等)丁寧に展開してるんですよ。しかも、「ああ、そういうエピソードあった」とかなり細かいところを再現してます。えーと、映画版で省略していたような細かいところとかも。

・で、いいのは、登場犬がだれも死なないところも。ガルマ犬(チワワなんだよ)も、ランバラル犬もマチルダ犬も死なない。

・あと、エッチなんだよな。犬だから、お尻ナメたりするのがなんだかとてもエッチな感じで。マチルダ犬に肛門ナメて「いやっほう!」ってよろこんでるアムロ犬とかな。あと、ホワイトベースをマーキングしあうところで人手が足りないからってセイラ犬とかにも強制してたりな。

・いや、おれがおかしくてまちがってることは重々承知してますよ。おかしい具合でいうと、捕虜になったランバラル犬が性器をフラウ犬とかに誇示してるくらいおかしいんですがね。

・唐沢氏のマンガは最近スケベになってきたと思うんだよ。「さちことねこさま」もそうだったし。

・まあ、1番カワイイのはガルマ犬なんですけどね。ガルマ犬飼いたいわ。

・ただ、最低、「機動戦士ガンダム」を知らないといけないという高い高いハードルがありますからねえ。

・と、考えると、現在、35歳以上の人は「ガンダム」をみたかみないかでかなり人生が変わってる可能性があると思いますよ。しみじみ偉大なモノだったんですね。だって、オタクやっててガンダムを避けて通るのはかなり難しいでしょ? ガンダム抜きでバリバリオタクって、オタクの中でもかなり異端かと。
・そして、以前も以後もそういった立場の「モノ」ってあまりないでしょ?

・まあ、犬にもなるわけだよ。
(14:06:15)amazon

「ニニンがシノブ伝」 4巻 古賀亮一(メディアワークス)

・最終巻。
・ネタも絵もこなれてくるけど、そうなればなるほどおもしろみがなくなったよなあと。
・だから、文句のつけどころがよくわからないけど、なんだかコトバ少なくなってくるような、語るところがないような、それが物足りないような気分になってくるんですよね。

・とくに絵が顕著。文句をつけようのない絵なんだけど、全然萌えない。シノブなどのふっくら具合はかなりいいんだけど、以前の「ゲノム」のエルエルのオッパイみたいに「さわってみたい」感が薄い。
・それはネタもそうで、別に起承転結ストーリーをカチリと展開しなくてもひたすらギャグやいいまわしで暴走したおしていたほうがおもしろいような気がしていた。

・ということで、ちょっと古賀亮一をおれ内のランキングから下げさせていただきますよ。あの「愛のエプロン」の最後のほうみたいなランキングをイメージしていただければいいかと。

・次回作ではいい意味ではじけてほしい。
(14:24:37)amazon

「バンパイア 昭和不老不死伝説」 4巻 徳弘正也(集英社)

・まえの「狂四郎2030」のときもそうだったけど、エロシーンが少なくなる展開のときはその分アクションシーンを増量してバランスをとってますね。「心得てる」よね。つまりはSEXと暴力。ここに行き当たるという欲望をうまくコントロールしてマンガに溶かし込んでる。それをエサに読者の興味をひきながら、話に乗せていく感じ。そのどちらにも細心の注意をはらってる。つい、どっちかに一生懸命になりがちなんですよ。それも「話」を考えたり、考えようと思ったことのある人はよくおわかりでしょう?

・今回、マリアのエロシーンがない分、派手なドンパチが多かった。わかりやすいところです。

・で、まあ、本当の「敵」みたいなもんがみえてきましたよね。ここいら、黒幕倒してハッピーエンドってシンプルなおとぎ話チックな展開にならないことが「またしても」決定しているみたいです。

・実はマリアというバンパイアを横恋慕しあう男2人との三角関係マンガだったりしない?
(18:04:31)amazon

2006年/6月/12日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ユートピアズ」 うめざわしゅん(小学館)

・ああ、これはよくできた短編マンガだなあ。と、いわれるために存在してるような短編マンガ集。単行本デビュー作だそうです。

・現在をニュートラルとして、いろいろな方向に1歩踏み出した世界を描いてます。それは現実の延長だったり、パロディだったり、誇張だったり、とにかく地続きとしての現在からわりと「ありうる」感じのちがうところ、すなわち、表題とおり「ユートピアたち」を描いてるのかしらね。

・(SM)の女王様をブリーディングする少年の話「ナオミ女王様に仕えた日々」
・なんでもオソロじゃないと気がすまない彼女がとった最期は?「オソロ」
・女性専用車両にまちがえて入った男がチカン呼ばわりされてリンチにある、どこの筒井ナニ隆?ってな、「チカン列車は危険がいっぱい」。

・と、本作はどういう順番で収録されているのかよくわかりませんが、ここまでは、まあ、往年のSF作家の短編のようなオモムキ。「テレパシーとは人のココロを読み取る超能力なのだ」と解説が毎回入るような昔のやつ。

・で、4話目から少しづつ独自の味がでてくるような気がする。

「チューブ」では、ながい昏睡状態から覚めた男が目にしたのは変わり果てた未来だったって定番ですが、この世界がもっとも今と近い気がするわりにもっとも強烈な拒否反応があるなあ。そして、この物語の先にある登場人物たちのバッドエンディングぶりを思うと怖気が立つね。
・もうちょっとくわしく書いてもいい? 短編だからチョロっとあらすじ書いたつもりが全部になったりするからなあ。

・今、タバコにアホみたいな注意書きが書いてあるじゃないですか。あれが限りなく拡大した世界です。すべてのものに注意書きが書いてあるような世界。ドアは指がはさまれるから注意。クルマは排気ガスに注意。ゲームはやりすぎに注意。で、タバコそのものは法律でとっくの昔に全面禁止。
・そのユートピアで男は少しづつ追いつめられて、そして…。

・この「4」を契機にキャラを掘り下げるようになった気がするなあ。

・で、つづく「センチメンタルを振り切るスピード」ってのがまたシュールな恋バナです。

「どつきどつかれ生きるのさ」「誰が為にカメは在る」の2つあたりはもうすでに「完成」してますね。

・今、ダウンタウンの松本人志氏は映画を監督されてるそうですが、「結婚」のほかに、コンビを組む「結成」が法律で認められている、一億総漫才師の世界の「どつきどつかれ生きるのさ」は、松本氏はどう思うのだろう? というか、映画化してくれんかね? この映画をおもしろく撮影できるのは、松本氏だけだろ。つーか、この短編での「構造」自体はそう珍しくもないけど、本作での漫才のエキスの溶かし込みはスゴイと思った。スキあらばボケを挿入しながら短編(ま、唯一の前後編ですが)としてストーリーも展開していくあたりの狡猾さ。あと、BLともちがう、友情ともちがう、コンビ間の空気。ここいらは松本氏はよくラジオなどで語ってるところですしね。そこもよく現れていた。ま、ちょっとBLっぽさはあったけどさ。

・そいで、「誰が為にカメは在る」での青春ストーリー。だから、この2つの方向が作者の最大の武器だろうなあと。

・そう、本作の最高の長所は、最高の短所たりうるのです。

・もう完成しきってるわ。ノビシロが伺えないくらいに非の打ちどころがない。なまじ1冊の中でモーレツに進化してるんだもん、余計にタチが悪いわ。

・絵もこれがまたどんどんよくなっていくしね。もっとも最初からよくできてる。ま、悪くいえば特徴がない絵でもあるんだけどね。

・作者、この先があるのか?と、まったくもっていらん心配をしてしまうくらいさね。もうかなり上だしね。

・そう、もうひとつ独自がほしいんですね。完成度が高いけど、絵を筆頭にもう1発強烈なパンチがほしいというかね。1本のよくできた話よりも、1人の萌えキャラです。それがマンガなんですよね、悲しいことに。それも最後の2つには伺えるですよね。

・でも、短編マンガは大好きです。長編原理主義がハバを効かせる中、ド真ん中重めのキツイやつにはただただ「ありがとう」と感謝したい気持ちのみです。
・そして、「その先」を今後みせていただけたらさらに感謝です。

オススメ
(14:33:32)amazon

2006年/6月/10日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「デトロイト・メタル・シティ」 1巻 若杉公徳(白泉社)

・本当はカヒミカリイとかの渋谷系やらネオアコをやりたくて大分から上京してきたのになぜかデスメタルのボーカル。で、本人の意図しないところでレジェンドが作られていくという、「史上初デスメタルギャグ」です。

「メタルの中の人は意外にいい人」という「あるある」ネタをビニールの手袋をふくらませる電撃ネットワークのネタのように破裂させるまでふくらませてるマンガですね。誇張はギャグの基本です。あやふやな話は3倍にして話すのがコツとみうらじゅん氏がおっしゃってました。

・本作の最大のポイントはそのふくらませた手袋を破裂させてないところです。異様にバランスが取れてる。それこそ、逆に、デスメタルの人も、カヒミカリイの人も、中指を立ててるような「イメージ」のみを完全にふくらませ展開してるのは、逆に作者を完全にみえなくしてる感じがあります。そこいらも含めて、スキのないつくりであるなと思います。

・デスメタルギャグは史上初かもしれませんが、ヘヴィメタルギャグなら、泉昌之氏の「ジジメタルジャケット」という名作がありますし、ほかにもなんかロック雑誌周辺にゴロゴロありそうな気がします。「ミュージックライフ」連載とかで。そして、それらのメタルラブ、ロックラブというのが微塵もないところが本作の最大に清々しい画期的なところですね。

・漠然ともつ「デスメタル」のイメージ、「渋谷系」のイメージ。それにほぼ固有名詞をからませないあたり。そいでもって「グリとグラ」とかどうして?ってところからのネタをからませるあたりの、最大公約数の取り方がバツグンに上手い。まあ、実は非お笑いのロックマンガ「Beck」も同じですけどね。ついでにいえばオビコメントはBeckの作者ハロルド作石氏ですけどね。

・でもって、笑えるネタをデスメタルのメイクをしてるときと、素のときとのギャップをメインにして展開してるところですね。つーか、ギャグはその一点だわな。

・ところが、そこいらのサジ加減が上手いので、そうみえない。また、実はキャラで掘り下げて描いてるの主人公だけですが、その細かいところも上手かったりする。実は農業の達人だったりとかね。

・と、こういうのにマジレスカコワルイなんですが、なんでこいつデスメタルやってんの? そこいらの経緯はまだないんですよね。ほかのメンバーもどう考えてもデスメタル好きじゃないし。とりあえず、素養がないとできないような気がするんだけどね。

・すんげー細かいこといえば、コーネリアスやらピチカートVにもパロディとしてのメタルっぽい曲はありますから、その流れなのかもしれないけど。
・細かいついでにいえば歯でギター弾くのはデスメタルじゃねえんじゃないか? ハードロックとか? 知らんけど。おれはどっちかというと、主人公の本来好きな方面のほうが好きですし。「焼いてたさぁーん」

・と、でも、楽しかったです。最初は「へっ」って感じでみてましたけどね。どうしても、この手の一発ギャグ一点突破モノは評点が辛くなるんですよ。「天体戦士サンレッド」とかもそうだし(ちなみに両者共通のファンって多そう)。

・ベタは強いです。何度も何度もリサイクルできますからね。10年前、20年前にもみたような気がするマンガです。。

・そして、最大の謎は作者はなにもの?ってことです。 どこかでみたような絵なんだけどねえ。望月峯太郎氏っぽいような、それでいて、どこかでみたような。

・あと、作者の本当の音楽趣味は? ネオアコとかマジでくわしい気がする。じゃないとあの半バカにした歌詞は出てこないと思うんだけどね。

・もうひとつ思うのは、オタクはホントにメタルが好きな。なんで?
(15:16:25)amazon

「まるごと杏樹学園」 1巻 天津冴(角川書店)

・すごいアタマの悪いマンガだ。読むたびに、金魚鉢のボコボコの空気みたいなイキオイで脳細胞が死んでいく。ボコボコプチプチ。

・男だけど、女ということで妖怪ばかりの学園に入学しました。あと、ボコボコプチプチ。

・ナリは美少女のアレなので、つまり、フタナリってことで、あと猫娘やら狐娘やら座敷わらしとか、ちょっと個性的な女性ばかりのハーレムマンガってことですね。

・とりあえず、覚悟はできてますとばかりに、エロシーンと裸のオンパレードです。乳首は解禁です。下はボンヤリですが。

・つめこめるだけのエロシーンとエロシチュエーション。普通に立ってる学校の制服からパンツがみえてるからな。

・この振り切れてるエロっぷりが逆におかしくなってくる。「わきゅーん」の展開は最高に脳細胞が死にました。なんだそりゃ?って。
・絵自体はカワイイ感じでそうダイレクトにエロを喚起するワケじゃないんだけどね。

・キャラも基本的なのは一揃いいますね。体型はスリムな感じが多いです。

・ツンデレ(デレが多めですが)の巴様が好きです。あとあまり感想はないです。お体に気をつけてますますのご繁栄をお祈り申し上げてあいさつに代えさせていただきます。
(15:40:35)amazon

「美女で野獣」 8巻 イダタツヒコ(小学館)

・最終巻。結局のところ4巻にオチがついたのを、残りの4巻で豪華版にリメイクした感じですかね。
・強い強い女の子たちがひたすら殴り合ってるマンガというのを貫きましたね。
・ラストの巻でいきなり「北斗の拳」ばりのリセットがかかった世界篇になるのも、「まあ、悪ふざけ」ってことで許されそうなすちゃらかなマンガでした。

・ま、その「悪ふざけ」な感じが良くも悪くも「そこまで」な感じがして、もうひとつ突き抜けることはなかったですけどね。

・でも、さわやかな読後でした。4巻までならオススメですかね。
(15:49:48)amazon

「ゼロイン」 5巻 いのうえ空(角川書店)

・んんんん? この作者はこのマンガでなにを描きたいのだろう? わからなくなったな。

・刑事モノ(もっと詳しくいろいろあるんだけど省略)です。主人公のさえない新米刑事の男とできる女刑事2人が取り合うような三角関係がありました。でも、3巻で、その1人が撃ち殺されました。で、5巻でカタキが討たれました。この構成なに?

・と、4巻でもったいつけていた犯人は、5巻いっぱいかかりましたがお縄になったのですよ。ここはもうちょっと延ばして、なおかつ、もっと敵を悪辣なやつにすべきだとは思いました。なぜ、このタイミングで敵討ち遂行にしたんだろう? ぶっちゃけ、最後の最後まで引っ張ってもよかったんじゃないか? んー、主要キャラの死の代償としてのカタキってのはかなり重要だと思うのですけどね。キャラは弱いわ、お膳立てが悪いわ、アクションシーンもあまり迫力なかったわで、えらい中途半端な印象でしたね。
・ま、敵がしょぼい。そんな敵でも銃を持てば人は殺せるってなメッセージがあるのかもしれませんけど、それにしてもおもしろくねえな。消化不良だわ。

・あと、5巻で気になったところは、ヒロインをはじめとし、女性がいつも具沢山描写だったのに、今回控え目なところですね。「肉感」が薄れました。存在感がとてもあったのが暑苦しくもエロかったりでよかったのに、それが少しスッキリした印象がありますね。これは惜しいかな。

・ほかはおもしろかったです。相変わらず硬軟自在ですし、女性はカワイイしね。6巻からの新展開に期待です。敵討ちパターンはもう使えませんよ?
(17:08:06)amazon

2006年/6月/7日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ジョバレ」 1巻 白井三二朗(講談社)

「Dear西遊記」で知った作者でした。で、実は本作も発売されたとき「どーしよーかなー」と考えて止めておいた記憶があります。
・ところが「Dear西遊記」がおもしろくておもしろくてしょうがない。2巻まで出てますがまったく2巻ともおもしろい。

・じゃあ、その「Dear西遊記」にもCMしてある以前の作品である「ジョバレ」はどうかしら?ってね。
・以前のときスルーした理由は、よくある、「いれもの」替えただけのハーレムエロコメかな?と勘ぐっていたのですね。
・こういうときカワイイ絵だと却ってソンです。いかにもなカワイイ女子が描いてある表紙。あとビニールで包んであり中身を伺えない。一応、カバー裏には「可愛いけどかなり熱いバレーボール漫画」などとありますがどうせブラフだよ。などとね。

・いや、すみません。全2巻、息つく間もなくノンストップでアタマから最後までキッチリ美味しくいただきました。ごちそうさまでしたよ。

・ツバメという小さい子がいました。好きな人が男子バレーボール部という理由で、部員3人の女子バレーボール部に籍は置きつつ、日々ストーカーに勤しんでました。ところが…。

・ということで、1話目からネタバレゴメンになってしまうドバドバな展開。で、その後も一気呵成に押し進みます。6人メンバーそろえるところまで1巻です。

・そう、実に熱血スポ根マンガです。萌えとかとんでもなくて、どっちかというと、「アタックNo.1」とか「エースをねらえ」とかと同列に語られる女子バレーマンガだったりします。

・といいながらも、本作も「Dear西遊記」同様、いい意味でユルくて、「萌え」も「ギャグ」もいろいろと内包してる幕の内弁当な内容になっております。「理屈ぬきエンターテインメント」ですよ。おれが大好物なやつですね。

・カバーみかえし、作者の写真入りのあいさつ文があります。こういうところに写真を入れるマンガ家は「のるかそるか」の率が高いです。ものすげえ人か、逆の意味でものすげえ人。たとえば、荒木飛呂彦氏、しのざき嶺氏、「CYNTHIA THE MISSION 」の高遠るい氏。これらがおれがパッと思い浮かぶ前者の人。

・もちろん、白井氏も前者にいれても問題なしです。

オススメ
(17:35:46)amazon

「ジョバレ」 2巻 白井三二朗(講談社)

・完結。実に全2巻というのは連載誌であるところの「アッパーズ」が休刊になったことによるものですよ。こうやって考えると「ピアノの森」やら「シュガー」やら「羊のうた」やら名作が多かった雑誌ですね。

・2巻はおもに試合。そして、最近の定番の展開である、「試合の最中に成長」っての。これは長丁場の試合シーンがつづくスポーツマンガにおいてとても理に適ったパターンですね。ま、おれはあまり好きじゃないですけど。だって、それは感動するし盛り上がるに決まってるもん。本作も、コーチも選手も強豪で、なおかつ、確実に狡猾に攻めてくる中、少しづつ、活路を見出し、それぞれバラバラだった急ごしらえのメンバーが一致団結していくという、そらあんた感動せざるをえないわなあという王道です。

・リーダーであることにプレッシャーを感じてる部長。レディースの総長だけどバレー好き。総長を追って入部の斬りこみ隊長。バリバリの体育会系少女だったけど高校デビューでギャル化、でも、染み付いたバレーラブはぬぐえない子(おれはこの子が好きだなあ)。

・ちゃんとメンバーそれぞれにバッチリいい見せ場を用意してるんですよ。ま、バレー6人だしね。ここいらのバランス感覚の上手さはミゴト以外のコトバがない。そう結局は「バレーラブ」になるのがまたすばらしすぎ。

・しかも、全2巻10話で終わりでしたが、2巻目には描き下ろしで「新キャラ」登場の30ページ番外編があったり。しかも、その番外編がまた「今後」をものすごい期待させるじれったい感じがあったり。

・あー、「Dear西遊記」でも感じてたのですが、いわゆる美少女マンガの体型ですよね。しかも、ちょっと昔の。ロリな寸法なのに出るところは出てるっての。だから巨乳って設定のキャプテンにはちょっと違和感が。

・おもしろかったですよ。全2巻。楽な気持ちでどうぞ。あと「Dear西遊記」もどうぞ。
オススメ
(18:05:00)amazon

「マルサの女神」 1巻 倉成柊一郎&阿宮美亜(芳文社)

「マル秘女捜査官・凍子」ってどうしたんだっけ?と思っていたら、いつの間にか新しいマンガを連載して1巻が出ました。阿宮美亜氏のプロ仕事篇ですね。

・えーと「マルサの女」って映画がありますよね。国税局査察部の活躍を描いたものです。そのマルサの女の1人のが活躍するんですよ。で、武器に「スケ番刑事」よろしくヨーヨーを持ってるの。中にはカタカナで「サ」って描いてあるの。で、相棒の男(パワーがあって純情でちょっとマヌケ)が毎回、マルサの活躍でパンティーがみえたりするのを「ウヒョヒョ」と眺めたりするの。

・で、取り扱う事件も、ソープ嬢になってソープランドに潜入捜査したり、男のほうが汚職や八百長疑惑のために相撲部屋に潜入したりするの。女将さんが男遊びがすごいの。

・まあ、安いよね。どうしてこうもVシネマ臭さが満点なんだろう。しかも、正直、PC導入したのか、随所にそれっぽい処理が見受けられるけど、反比例して地の絵が下手になってるね。主人公の顔の不安定なこと。

・でも、こういう安さになんともいえない落ち着きを感じたりもする年頃でもあるので、余裕でOKだったりします。
・Vシネマくさいと書きましたが、このいろいろなサジ加減から、真剣にそのラインを狙ってそうですね。オッサン向けの「スケ番刑事」的な。
(18:33:47)amazon

「ラブぽっ」 1巻 森見明日(少年画報社)

「渾身の正統派ラブコメディ」だそうだ。

・あー、とてもキレイな絵でした。とても残らないマンガでした。

・大昔の短編集を読んだきりで、縁がない作家でした。なんか手が出なかったんですよね。その短編集「 わずかにとしがい(少年甲斐) 森見明日傑作集」はわりと好印象だった記憶がありましたから、印象に残り続けてたんだろうね。
・そんなこんなでこのタイミングで「渾身の正統派ラブコメディ」が出たので買ったと。

・ラブホテルに住む少年。その美術部の先輩で、ラブラブのコ、トモダチ、そこに通ってる美人家庭教師。と、ドキドキなエロエロなれど寸止めなラブコメが展開されるわけです。

・そういうわけで1行目の感想に戻る。派手な展開と丁寧な作画とパンティやエロに気をとられがちで、読み終わった瞬間、「スパイ大作戦」の指令テープのように記憶が消滅してしまう。

・展開は派手なわりにそのエピソードそれぞれがまったく「ラブぽっ」という1本の物語としては食い込んでいないからです。

・だから、今も、かたわらに本を置いて眺めているのになんだか残らないんだよねえ。あと、パンツや!胸や!と思いますけど、基本の絵がキレイすぎてエロ度もあまり感じないかなあ。

・ということで、読んで「あーおもしろかった(エロかった)」でスッパリ消去って感じで楽しむにはむいてるんじゃないかなあ。
・そういった点では、「マルサの女神」と共通点があるかもしれない。むこうはオヤジ向けで、こっちは高校生向け。
(19:17:27)amazon

2006年/6月/5日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「涼宮ハルヒの憂鬱」 1巻 谷川流&ツガノガク(角川書店)

・アホほど話題になってるライトノベル&アニメのコミカライズですよ。おれ内の見解では、ライトノベルって字の多いマンガですけどね。だから、そのコミカライズで何度手間?って気がしないでもないです。

・高校生初日、涼宮ハルヒは自己紹介で「宇宙人、未来人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい」といいました。そしてはじまるストーリー。

・ハルヒに出会った主人公で読者の「眼」役が「巻き込まれ」SOS団(世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団)を作りました。で、ゾクゾク人が集まります。そういう学園ドラマ。

・例によって原作は知りませんが、設定が異常な普通の学園ストーリーってところなんでしょうか。次々集まるメンバーやキャラが抱える設定が常軌を逸してるわけです。だけど、常軌を逸してる人物が集まったところでもそう常軌を逸してるストーリーが展開するわけでもないってことですね。そこが新鮮であり、なんとなはしのリアルを感じたりします。地獄のごみためみたいなところでも他愛もない話してゲラゲラ笑ったりするんですよね。そういうリアルさ。
・1巻において、おかしな設定がどんどん広がりますが、その実、美人だけど不思議ちゃんなハルヒ他の美人キャラとドタバタやってる学園ハーレムもののセオリーに則って展開してるし、あるいは、この先もずっとそういう感じなのかなと思ったりします。でも、このおおまかな「器」はなかなかおもしろいなと。

・そう、マンガにおいてもっとも重要なのはキャラと小池一夫氏の劇画村塾でも教わるとおりで、つまり、キャラそれぞれと、それらを動かす「器」(舞台、目的、方向)がバッチリ決まればそれであとはオールOKなんですね。

・で、とくに重要なのはキャラ。ハイ問題です。
問1:「ルパン三世」の登場人物を解説しなさい(5点)
問2:印象的なエピソードを3つ取り上げなさい(15点)

・問2のほうが圧倒的に難しいでしょ? それを「ちびまる子ちゃん」にしても同じコトっすよ。

・本作「涼宮ハルヒの憂鬱」は正直なところ、キャラは弱いですね。それぞれ、おれ、名前を覚えてないし。ハルヒだって、これを書くまで鈴宮だと思ってたくらいで。

「なんだよ、ボケ老人が。こんなキャラが立ってるのに覚えられないって寝たきりで脳年齢150歳かよ!」

・こう思われても仕方がないんですが、最近、名前まで込みでキャラを覚えてるマンガってナッシングですからね。そら、読めば思い出しますがね。
・本作、原作が原因か作画の人が原因かはわかりませんが、それぞれの見分けは100%ついてます。ただ、みくるさんのバニーガール姿最高だし、ハルヒに巨乳を揉みしだかれて「あうう」となってるSDキャラ絵なんかは最高ですが、「みくる」という名前は今読み返したらわかった感じです。

・そいでもって最近の「物語」全般にありがちな、なにか「大きな」流れを匂わせつつ、矮小なエピソードが重なり、気がついたら終わり「アレってなんだったの?」的な感じにはなってますね。まんまと。

・ツガノガク氏だから、おれ的には決め手でした。「時をかける少女」のコミカライズが新鮮だったんですよね。だから、キャラの名前は覚えてなかったけど作画者の名前を覚えていたのです。
・本作においても、天然ながらも、どこかdenpaな、ハルヒを伺えるような凛としながらも澄みすぎてイッちゃってるようにもみえるる眼描写。朝倉と長門のバトルでの価値を確信した朝倉の笑顔から伺える邪悪を表現するための「歯」。みくるの胸を揉んだときの指と指のすきまからあふれる肉など、すばらしい描写が繰り出されますです。

・正直つづきを知らなくてもいいマンガではあります。ただ、この「器」は知っておくべきだとは思いましたよ。「ガンダム」「エヴァ」「あずまんが大王」などの、オタク間の共通言語としてまで成長するかはわかりませんが、「ハレ晴れユカイ」のEDでのみくるちゃんパートから入るダンスはやはりイカスとかそういう話が分かりますからね。あ、別にアニメのほうや原作がよくてもいいです。興味ないですから。あ、歌は興味あるか。平野綾氏は好きかも。
(14:39:52)amazon

「天体戦士サンレッド」1巻 くぼたまこと(スクウエアエニックス)

・なんとなくタイトルにピンときたことを覚えてます。
・そして、長い間放置していてすみませんでした。すでに2巻も出たのに。

・川崎市を舞台とした、かなり所帯じみた正義の味方と悪の組織の馴れ合い的な戦いを描くものです。

・んまあ、マンガ読み風に語らせてもらえば、泉昌之氏の「かっこいいスキヤキ」の修正前のバージョンに、1人暮らしで共同トイレで大をするときにウルトラマンが背中のファスナーを下ろして、ほぼ全裸で用を足してるなんて、「正義の味方」+「リアリティ生活」ってなパターンです。ギャグの図式としては手垢にまみれたおもしろくないもんですね。

・ところが、「ザ・ぼんち」の「おさむちゃんでーす」やこだまひびきの「チッチキチー」のように、力の限りいきむことによって、ヘンなおかしさを生み出す。それに似たような感じね。

・すなわち、かなり精密で細密なリアリティ描写オンリーでもおかしかったりするんですよね。それは「男おいどん」だったり、「どくだみ荘」的なね。

・たとえば、カップ麺をとったとらないで怪人同士がモメたり。サンレッドは同棲に「ヒモ」とののしられたり。誘拐ビデオを撮るのに、「あるある大辞典」の上に重ねて録画したりね。となりのテレビの深夜番組の音のうるささにイライラしつつも文句いえない怪人とか。
・極めつけはサンレッドの引越しに、悪の組織を手伝わせるんですよ。で、同棲女に悪の組織絶賛よ。

・この手の地味な1人暮らしの男ネタをたっぷり重ねていくわけです。そいで、悪の味方視点。

・いや、おもしろいし、すげえ各キャラに愛着がわいたりするけど、「それはちがうんじゃないか?」って思ったりもするのです。それは前提としてのギャグがおもしろくないからです。「チッチキチー」だけで乗り切ろうとしてる?って思ったりするからです。

・2巻になっておもしろくなったか?と想像するに、1巻の延長上だろうなあと。それこそがこのマンガの骨子ですしね。そして、それに金を出す価値があるかと考えるのです。ビミョーです。
(18:21:55)amazon

「ピューと吹く! ジャガー」11巻 うすた京介(集英社)

「ジャガー」を読むたびに、ギャグマンガってなんだろう? 笑いってなんだろう?と自問自答するようになったのだ。

・もう、いくつかのギャグのまわし打ちというスタイルになって久しい本作。もはや、マンネリという非難も、ワンパターンという蔑みにも擁護しきれない。「そうですね」と、力なく微笑むのが関の山だ。

・でも、多摩蘭川ヘーゼルナッツのデコピンで笑い、その後のライブでへたるほど笑い、ハミーとハマーの戦いで笑いと、やっぱりなぜか現在流通してるマンガで1番笑ってしまうのです。なんとなれば爆笑してます。クリスマスプレゼントもよかった。

・まあ、でも、逆に「マス太郎」のような予定調和逸脱なのは真剣に「止めろ」といいたくなったりもします。普通なのに「止めろ」っておもしろくないのもあります。CCDのやつとか。

・それでいてすでにあらすじをいうことも無意味だし、本作ではじめて「ジャガー」に触れた人にはもう全然ワケがわからないくらいの排他性も兼ね備えてしまってます。

・でも、それも込みでやっぱり好きだし、笑えるなあと。

・なんかしまりがなくてしょうがないんですが、そう考えると、実は、うすた京介の笑いってのは吉本新喜劇の各人のベタな持ちギャグ披露に近いものがあるんかな?と思ったりします。「ごめんくさい。これまたくさい」

・やはり、高菜さんやビューティー田村の女性陣がたまらなくラブリーなので12巻では活躍させてください。ズンヌプ。
(19:26:07)amazon

2006年/6月/3日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「仮面のメイドガイ」 3巻 赤衣丸歩郎(角川書店)

・1巻ではすげえマンガをみつけたと思った。2巻ではますますすげえと思った。で、3巻は調子に乗ってるなと思った。いい意味でも悪い意味でも。

・メイド服を着込んだ仮面のメイドガイと奉仕される姉弟のドタバタギャグマンガです。

・すごいがんばっておられます。1巻からアクセル踏みっぱなしです。ただ、その「がんばり」が過多という点でオーバーフロウしはじめてきてるように感じた3巻です。

・わかりやすいところで「がんばり」を「濃い」で表現しようとしたんですね。3巻はまた一段と濃い内容になりましたよ。ま、もっとカンタンに書くと、「文字が多くなった」。つまり、「がんばり」=「濃い」=「文字量増加」で表したわけです。「ゴー宣か!」とツッコミをいれておきます。それくらい1コマでの文字数が多い。そして、「多い」とわかってしまう。

・はがゆいのはその文字量はムダではないんですよ。読めば「おもしろ」が含まれてますし。ただ、カルシウムの足りないこの星とおれにはちょっとかったるいときがあるんですよ。
・ギトギトのトンコツスープのラーメンに勝てないときもあるじゃないですか。そう思ってみると本作の「濃い」という弱点がパーっと浮かび上がってくるのです。

・とくに昭和の特撮ヒーローモノや、「魁!男塾」の民明書房引用、あるいは、梶原一騎原作のような「解説」がかったるい。

・いやまあ依然として楽しいと思うのですが、もったいないと思ったりもするんですよね。独特のクセでひかれる人がいるんじゃないか?ってふとひいきゆえに考えてしまったり。

・なにげに3巻では巨乳のご主人サマより、メイドガイといっしょにきたドジっ娘メイドのフブキさんが大変な目に遭うことが多かったですが、それは大正解だ。彼女の「イヤイヤ」の顔は絶品。

・エピソード的にはスイーツの回ですかね。エロもエロ抜きのギャグも大豊作でした。

・ということで、とっつきが悪いかもしれないなと思いましたが、ハマったらコロリとなりますのでお試しアレ。
(17:55:54)amazon

「ニコイチ」 1巻 金田一蓮十郎(スクウエアエニックス)

・血のつながってない息子のために家では「母親」として生活して、会社では男として仕事をするという2重生活コメディというところですね。描くは代表作「ハレグゥ」の巨匠、金田一蓮十郎先生。

・アラやアナってのはどんな作品にもあります。未来の世界の猫型ロボットなんかいねえよ。土管のある空き地ってどこにあるんだよとかね。問題はそれが気になるかならないかです。

・本作はなります。いや、なんだ、この設定ムリがありすぎ。ってところからはじまります。そしてビックリすることに読み終わったら、このマンガムリありすぎとなるのです。

・彼自体は女装しますけど、嗜好も思考も指向も極めてノーマル(ただ、異様にコスメやエステなんかに詳しいけど)な男で、性欲なんかも普通にある感じで、そんな彼にひょんなことで女性の知り合いができます。ただし、彼女は女性としていた彼に恋をしてしまうというまあお約束の展開。
・で、デートしたりお泊りしたりのドキドキハラハライベントがあるわけです。ただ、「ドキドキ」のほうが問題なんですね。ハラハラはわかりますよね。女性として好きな女性の家に泊まるのがバレたらどうしよう?ってね。じゃあ、ドキドキはどういうことかというと、泊まった女性が無防備な寝姿をさらしたり、風呂上りにバスタオル一枚でドーンとかですよ。まあ、ここいらはセット販売ですからね。

・ここがエロくないのが最大の問題点ですよ。いや、このシーンで「ドキドキ」できないのはもったいないというかどう考えてもおかしいだろ? そこが1番ムリのあるところですよ。気になりますよ。エロい女を描けないマンガ家が取り上げる題材じゃないよ。宮下あきらがメイド喫茶マンガを描くようなもんですよ。大友克洋が「涼宮ハルヒの憂鬱」のコミカライズするようなもんですよ。

・キャラ的には単純なエロ要因ではないんで、かなりいろいろ仕込んであるんですよ。複雑な性格でありながら読者にもいやがられないあたりも美味いですし、物語展開において今のところ最重要キャラです。でも、それが巨乳で天然系の色気があるって設定なのに、それを股間で実感できないのは画竜点睛を欠くってもんじゃござあせんか? そこがしみじみ惜しい。

・ま、その理屈でいうと、主人公はもっともっと「男」なところをクローズアップしたほうがオモシロが増すと思うのだけどね。ま、それは上記のエロ問題に比べたら些細。超些細。

「ハレグゥ」のときのような団体プレイでだれがなにやらさっぱりわからんわってことがないのはとても好感。

・2巻は買ってみます。エロ問題の向上、あるいは、それすら気にならないくらいの圧倒的なおもしろさを期待しております。
(18:46:46)amazon

「ブスの瞳に恋してる」 1巻 鈴木おさむ&漫*画太郎(秋田書店)

・いまやすっかり秋田書店の顔ですよね、漫*画太郎氏。
・しかしそれにつけてもだれがこの企画を考えたのだろう。すごいよ。

・ドラマ化もされてるエッセイをコミカライズ。お笑い芸人の森三中の大島美幸氏と電撃結婚した放送作家の爆笑の日々。

・これがかなり心配していたのですね。原作は知りません。森三中の大島氏はテレビなどで存じ上げてます。そいで、作画の漫*画太郎センセイはコミックを全部もってます。で、想像してたかぎりじゃ全速力でバナナの皮ですべるようなマンガになるんだろうなと思ってました。それは寒いし辟易じゃないですか。

・しかし、いい意味で裏切られました。いや、この表現まちがい。原作が「ちゃんと」すごかった。

・強力で型破りなそれぞれの原作のエピソードがちゃんと強力で型破りな漫*画太郎氏の作画に見合っていたんですよ。

・美幸さんの家にあいさつにいったとき運転役の若手芸人が宴会で裸踊りをしたら家族が「なっとらん」とばかり、全員で裸踊りがはじまる。
・初夜で痛くて叫んだ美幸さん。あまりにすごい叫び声でトナリの住人が「レイプ?」と警察に電話。駆けつけた警官は美幸さんに手錠をかけて彼女はブタ箱へ。
・好きになった女性にオナラをしてみる作者。で、美幸さんにしてみたら、逆に屁の反撃をくらい、その衝撃でアパートの窓を突き破り下に落ちてしまう。

・そういうエピソードです。漫*画太郎氏の誇張があまり度が過ぎてないように思えるほどすげえですね。

・で、これまでの作品でもっとも「普通」に読むことができるかもしれない。漫*画太郎氏オトクイのサンプリング手法も控え目に「普通」に書いてるところが多いですしね。

・そういった点で、逆に漫*画太郎ファンに物足りなさを感じるかもしれませんね。
(20:07:38)amazon

2006年/6月/2日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「超無気力戦隊ジャパファイブ」 1巻 佐藤まさき(小学館)

・ヤンマガで同じようなコンセプトの戦隊パロディマンガっぽいのやってたよなあ。「オタッキー」だっけ。あの作家なにやってんだろ?と思い出しながら、そういう戦隊ギャグマンガだろうなと思って読みはじめるとまったくそのとおりだから驚きだったりするのです。織田裕二の映画での織田裕二の役どころくらい鉄板の予想通りさ。

・内容は古谷実の「稲中卓球部」あたりのセンスで戦隊ギャグマンガを描いたら?と、ドリフターズのもしもシリーズ的な感じです。

・あざとくもエロくカワイイ女性描写。童貞丸出し電波垂れ流しの主人公ほかの登場人物やギャグですね。戦隊パロディ的なものはかなり少なめです。

・カワイイヒロイン、エロエロな主人公、さらにエロエロな主人公のトモダチ。ヤンキーの女(巨乳&クール)と、エロエロなヒロインの父で隊長といった面々がとくに悪と戦うでなし、「パンツの穴」みたいな感じでやってます。

・そうだそれだ。戦隊モノなのに、敵の印象より、そういうヒロインのパンチラを拝むとかに焦点が合いすぎてるんだな。戦隊モノにしたのは、女性が変身するときに裸になることのみかもしれないなあと思えるほど。

・まあ、古谷氏は稲中での資産をわりと放棄気味であるので、それを有効活用という点では本作はアリかと思われます。多分、今、古谷氏、同じものを描けっていっても描けないでしょうしね。

・ちょっと見、うまそうで、その実、もうちょっと精進の必要のある絵は2巻(もうすぐでる)では改善されてるといいですね。
・あと、小学館っぽくねえし、かといって古谷実風でもヤンマガっぽくもねえと思ったら、秋田書店の方なのですね。アマゾンでリンクをチェックしててわかりました。なるほど、なんかナットク。
(10:40:58)amazon

「怪物王女」 2巻 光永康則(講談社)

・すごくおもしろい2巻。
・全体的なあらすじとしては、となりの屋敷に王女が住むことになりました。王女は交通事故で死んだはずの少年を自らの血を与えることで半不死身のシモベとしました。あと、人造人間の少女、狼女、敵味方があいまいな吸血少女などが登場して、王位継承権のために兄弟姉妹からさしむけられる刺客と毎回戦うという図式です。

・キャラの性別でいうと男主人公のヒロ以外は全て女性のハーレムパターンです。これ最近増えましたよね。それでいてそれぞれの配置が藤子不二雄の「怪物くん」と。じゃあ、「シリウス」は「怪物くん」と「モジャ公=ロボとうさ吉」があるってことになりますよ。彼は「怪物くん」においてはヒロシだったんだな。怪物くんの屋敷のトナリに住む少年だったね。そういやお姉さんと2人暮らしだったか。お姉さんもメイドとしていますしね。

・そう、「怪物くん」でいうなら、ザマスザマスのドラキュラがいねえなあと思ったら2巻で鮮やかに登場です。セーラーのエリを翻して飛び回って黒のレースのパンティ丸見えですよ。とてもいいじゃないですか。

・と、2巻も血みどろの戦いと、エッチなところと、サービス満点でした。とりあえず、その2点で出し惜しみはしないし、逆に「出しすぎない」という姿勢がうれしい。

・特製ソースが名物のお好み焼き屋でも、ドンブリ1杯のソースにお好み焼が浮かんでいたら美味いとは思えないのと同じで、この手のエスカレーションは際限なく積み重ねていくことができるのですね。本作の場合、エロとグロですか。で、最終的に収拾がつかなくなる。学園番長紛争が最終的にテロリストとのゲリラ戦になったり対恐竜だったりするのと同じです。

・グロはともかくエロのブレーキの効かせ具合がとてもいい感じ。

・1巻から引き続いてる王女からの血を飲むヒロ。狼少女の肉球。吸血鬼にかまれる(定番ですね)。吸血少女に杭を打つときなどなど。寸止めの美学と、退廃的なアレと、SMなアレと、ゴシックでロリータで、フェチで、血でね。

・永井豪氏が全盛期のころ、少年たちのココロにSやMを目覚めさせたのと同じように、本作で、フラグが立つヤングメンは多いんじゃないかと。それはアッサリ目だからこそ余計に奥深く食い込むんだよ。

・ま、グロのほうは省略ですが、これもどれだけでもエグくできるところ、必要な分の血の量を用いてます。

・このサジ加減の絶妙さにたいそう楽しませていただきました。

オススメ
(11:42:20)amazon

「派遣社員お銀」 神尾龍&落合尚之(小学館)

・派遣社員の蜂矢銀子こと通称お銀さんが繰り広げる1話完結の痛快マンガ。
・お銀さんは経歴不詳ですが、メガネでナイスバディで全てに万能。弱点といえばホれっぽいところか。

・基本はコメディっぽいけど、毎回、舞台といい話といい、練りに練った凝りに凝った話が全6話。連載誌がつぶれての終了というカタチだそうですが、本来、もっともっと続けられるポテンシャルは余裕であります。

1話目。旅客機の設計ミスで事故が発生。闇から闇へと真相を葬る常務と、それと戦う社員。それに巻き込まれるお銀。
2話目。小さな町工場。亡き父のあとを継いだ娘が切り盛りするところにお銀さんが派遣される。お銀さんの腕もありうまくいきかけたが産業スパイがいて…。

・お色気とアクションとコンゲームにギャグと盛りだくさん。たとえるなら、「トリック」とか「時効警察」なんかのテレ朝系深夜ドラマ枠のすげえよくできたもののような。というか、ドラマ化すべきじゃねえこれ?

・秋重学(ダディ、フライ、ダディほか)氏とともに「若手」の職人さんではありますよね、落合氏。また、前作(になるのかどうかわからんけど)の「鉄人」とはガラリと変わったものですが、「鉄人」でかなり完成した、デフォルメも含めての絵のクオリティはさらにアップしてますね。とくにお銀さんを含め、各キャラの表情がよろしいね。とくに4話5話。

・もう少し、お銀さんの活躍をみたかったので全1巻は残念。4話5話のノリをもっともっとみたかった。

オススメ
(13:35:11)amazon

「ウチら陽気なシンデレラ」 4巻 真田ぽーりん(少年画報社)

・たぶん、世界初の清掃スタッフ4コマも最終巻。

・読後とても不思議な気分になりました。というのも、1巻を買ったときの印象とはガラリと変わってましたから。
・とりあえず、本作は最初、「誤解」して買ったのですね。コミックは通常ビニール包装して中を確認することができなくなってます。で、このタイトルに女性が4人ということで、なぜかおれは「社会人バレー」とかそういうのを想像したんですね。また、制服がそれっぽいし(今みるとそんなことないんだけどさ)。

・で、中を開いたら女性4人とボス(男)1人の清掃会社の清掃4コマでした。その題材のものめずらしさもそうだけど、作者自身のかなり特殊なセンスも印象深かったのです。
・もうちょっと具体的にいうと「笑い」のツボがかなりちがうのです。「笑える」「笑えない」でいうと後者です。ただ、そこいらはかなり微妙だし読者側の感性もモノをいいますからね。ともかく、笑えはしないけど、それをネタとしてもってきたりそういうオチを用意するというセンスにかなり惹かれたのです。

・そして4巻。「普通におもしろかった」んですね。この4巻の間に作者、売れっ子になってますからね。4コマコミックの2大巨頭である、竹書房と芳文社からコミック出してますからね。あと、もうひとつはぶんか社か。

・4巻では、いわゆるストーリー4コマの中身もこめて、ボスが定年退職をするということを軸に展開していって、感動的に終るのです。これが、普通の4コマネタも含めて、とてもスムーズでおもしろいんだ。また書きますが「普通におもしろかった」。

・なんでイヤミくさくカッコとじしてるのかというと、やはりちょっと残念だからなのかもしれません。

・これが普通になってつまらないんじゃないのがなんとも歯がゆいんです。つまり、独特のセンスは残しつつもさらになめらかに読者の共感を得られるようにネタを加工する能力が身についてるから、スムーズだし感動できるし、それでいて「真田ぽーりん」なのだと思うのです。もう、堂々たるブランドとしてそこにあるとは思うのです。

・アイドル時代から知ってる人がいつの間にかNHKの大河ドラマの主人公やってて、「それってどんな仲間由紀恵?」って思うのに似てますかね。しみじみベタなたとえでもうしわけないんですが。

・そいで、アケミさんって4人娘の中のお色気担当が、どんどん健全になるのがおもしろかった。当初はけっこうエロネタがあったことを思い出すな。朝帰りでホテルからそのまま仕事にきたとか。そういうところもメジャー化の弊害か。「ハレンチ学園」や「トイレット博士」は「週刊少年ジャンプ」連載だったんだしな。

・4巻通して最大の謎は、優というキャラクターだったか。「チビ」「お色気」「男まさり」と、他キャラはいろいろあるけど、優の場合、「鳥好き」になるんだよね。それはそのまま「ほかは普通」ということで押し通した感じだね。ソレは普通に作者が鳥好きでそれを反映した結果なんだろうけどね。

・あと、作画の点でも各キャラはどんどんかわいくなっていったね。

・ということで、いい4コママンガとして気持ちよく終りました。
(14:46:03)amazon

「必殺白木矢高校剣道部」 1巻 真田ぽーりん(竹書房)

・日本のマンガは「少年ジャンプ」をベースに展開してますが、4コママンガは竹書房をベースに展開してるような気がする。竹書房で活躍できたら4コママンガ界じゃ1人前。そんな気がする。ま、もちろん例外アリですが。あと、竹書房、かなり貪欲に、「あれはやる」って噂が立った4コママンガ家は取り揃えているよな。

・ということで、真田ぽーりん氏ですよ。もう一流4コママンガ家の仲間入りですね!

・暑いしくさいってことでジャージでやってるグータラ剣道部4コマです。

・で、この「1巻」読んでわかりましたが、真田ぽーりん氏ってもしかしたらスロースターターなのかしらね? けっこう最初はギクシャクされてるのよ。
・どうもキャラをうまくさばききれないのがその要因のひとつみたいですね。
・当初は元気な主人公女の桜を中心に、剣道部ネタで繰り広げられてまして、それにこだわりのヘンネタが入ったりね。たとえば、コンタクトレンズを入れるときに目玉にさわるってネタとか。
・で、それが徐々にキャラネタにシフトしていくんですね。

・本作、後半、部員たちで海に行くとき、主人公のトモダチワキ役の1人が、メガネ+地味+チビってキャラが、巨乳で、メガネとると美人ってすげえベタな展開から、以後そのネタも挿入とかなりわかりやすいことになってます。

・あと、鳥好きらしく、鳥も登場するしな。

・と、キャラと、それぞれの行動パターンが固まると安定するんですね。本作の1巻はその典型みたい。
・2巻以降どうなるんでしょうか。もう連載は終ったらしい「なんちゃってアーティスト」はイマイチでしたが、本作は2巻も期待してます。
(15:28:17)amazon

2006年/6月/1日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「軍バリ!」1巻 イ・ユジュン&イ・ヒュンソク(講談社)

・講談社と韓国とのカンケイっての深いのかしらね。モーニングアフタヌーンとかにも一時期やたらに韓国製のマンガが取り上げられてましたね。あとコミックビームもそうだ。コミックバンチのは台湾だっけ?

・でも、どれもこれもおもしろさがわからない。えーと、ありがたがる気持ちがわからない。1番穏便な表現で、日本人の描くつまらないマンガよりややマシレベル。もちろん、おれが読んだ限りはね。とりあえず日本のマンガは世界一ってのはまったくおれは揺るがないし、日本人に生まれてとてもよかったと思うことの1つだし、日本人全体の教育水準にもかなり貢献してると思うよ。教科書をひらいたことのない学生も、マンガ本を開いたことがないってのはありえないだろうしね。

・だから、ぶっちゃけ、粗悪品をわざわざ輸入して楽しもうって感覚がわからんのよ。そんなヒマがあるなら、コミケで有望な新人探したり、新人育成に金をかけたほうがいいんじゃないかって。

・まあ、でも、そんな中で1番おもしろかったのは、「モーニング」で不定期連載されていた[Amazon.co.jp:李さんちの物語 1 (1)モーニングKC: 本]だった。

・普通の韓国の家庭ドラマでした。絵もギャグやセンスも1970年代でしたが、それでもイキイキと韓国の普通の人々が動いてるのはおもしろかったです。

・とくにおもしろかったのが、韓国にある徴兵制。兵役の話ですね。この兵役ってのがなにげにいろいろなドラマに関わってるものみたいです。

・で、本作はその兵役の内容を書いたものですね。えーと、連載された同じヤンマガに[Amazon.co.jp:右向け左 1 (1)ヤングマガジンコミックス: 本]って自衛隊マンガはありましたよね。こっちのほうは読んでないんで比較はできませんが参考までに。

・チャラチャラ大学生だった主人公に兵役がきてそいで大変という内容です。実際に兵役にいた人ならではの、エピソードをさらにマンガ用にふくらませて展開してる感じです。

・たとえば射撃場での「指導」としての殴打は正式に認められているとか、手榴弾投擲訓練でのクーデター。兵役生活でもっとも忘れられない5分間の訓練(読んでの楽しみってことで)。親にとって息子が兵役にいるって実感するとき。なかなか体験しないとわからないことを描かれてます。

・本作、最大の特長は絵だね。上でボロクソ書いてますが、外国のマンガのおもしろいところは、日本にないものをマンガに注入してくるところです。

・まあ、その後、難しい言葉を駆使していろいろと書くこともできますが、かなり省略して、女の子がかわいいと。これが特長ですよ。

・女性を美しく描くというのがマンガの作画のほうのスキルでもっとも重要視されるところです。例外はボーイズラブですが、これんしても「女役」ってのを美しく描くという点でいっしょです。チンポついてるかついてないかのちがいのみです。
・本作、マンガにおける「女性」という記号の捉え方が日本のそれとちょっとちがうのがおもしろい。
・とくに「目」描写。マンガにおける女性と男性のちがいをあらわす最大のポイントは目です。もっと端的にいうとまつ毛の有無でしょうかね。
・本作の目は、音楽用語のフェルマータみたいな目です。丸いドーム状のアーチの中に黒点がポツンとある。それで目。これが男女ともいっしょなんですね。アップだと女性はややまつ毛があるんだけどさ。

・だけど、目が同じ形なのに、なぜか女性と男性の区別がつく。女性にたいしてカワイイという感情がわく。これが不思議でありながらもおもしろい。

・ただ、特長でありながら疑問でもあるんですね。そう、軍隊マンガに女性キャラ。
・本作では韓国に4150人いるという自ら志願して入った女性軍人がヒロインだったりします。1話目でちゃらちゃら学生の主人公が電車男よろしく、チンピラにからまれていたヒロインを助けようとして逆にボコボコにされて、そのヒロインがチンピラをボコって助けるというシーンからはじまって、1巻の最後には、兵役訓練から配属されたときにまた出会ってます。

・うーむ。この原作のムダな誇張や、構成がガチャガチャしてるところは純粋に弱点ですね。宮台真司(原作者は教え子だったりする)と対談したりしてたり、くだらないイデオロギーを主張(戦争反対的な)してるヒマがあったらストーリーや展開をもうちょっと練ればいいんじゃないかと思うのです。

・誇張というのは基本的なテクニックでしょうが、この手の特殊な世界を描いてるのは、「まんま」でもおもしろいんですよね。事実がベースだろうなと思えるだけに逆にシラけるんですよね。

・これから軍隊内恋愛物語になるんでしょうかね?
(13:50:25)amazon

「圏外です」1巻 いちば仔牛(講談社)

・ケータイから出てきたケータイの精が登場する萌え系の4コマ。
・黒のワンピースで、日本刀を持って、語尾が「〜ござル」の女の子。
・スーツにネクタイに2丁拳銃(オート)の秘密チョーホー部員の女の子。

・ま、ケータイからでてくるくらいでフィギュアサイズでドタバタやってるわけですよ。あー萌え萌えと。

・後半、食い物ネタとコスプレネタに特化していってからいいペースになっていきますね。

・おれ内では萌え系では標準かな?と。女子がカワイくてキャラがボチボチ立っていて、それなりに4コマ目でオチてればいいんじゃないかなと。それにどれだけプラスアルファが加味できるかと。本作は加味分はナイです。そんかわり目だったマイナス分もナイと。だから標準。

・今、こういうマンガを描いてる方って日本に何人くらいいて、その中で1番売れてるのはだれ?とか思ったり。あと、4コマコミックの版型はやっぱり大きい方がいいですよ。この普通の青年コミックサイズなのはページ数稼げない4コママンガだとコミックペースが落ちてキツイんじゃないかなと。
(14:09:38)amazon

「ファミリーペットSUNちゃん」2巻 岡崎二郎(小学館)

・久しぶりすぎて1巻の内容をすっかり忘れてました。
・1000年ペットやってる大サンショウウオのサンちゃんが登場するペットギャグですね。

・相変わらず、自然動物ウンチクをからめつつキレのいいショートショートは健在であり、オンリーワンです。

・このサンちゃんがいい意味でマンガのキャラでね。藤子不二雄先生の異生物居候ギャグをホーフツとさせるドタバタぶりがあり、いい狂言回しになってます。

・2巻では、遺伝子を残すことができない生物の存在、すなわち避妊手術をしたり老いた生物の存在理由、ペットとしての存在意義という話があり、先日、犬の避妊手術をしてなんとはなしに罪の意識を感じていたものとしては救われた気分になりました。

・話としては「サンちゃんの肖像」という悲恋話がすばらしい。「サンちゃんと長〜い恋の物語」もよかったな。

・自然賛歌動物賛歌がひいては人間賛歌につながるんですね。ええマンガや。
(14:22:18)amazon

「昭和の中坊」1巻 末田雄一郎&吉本浩二(双葉社)

・タイトルのとおりですね。
・昭和52年くらいに中学生だった筆者の実体験をベースとした、中学生男子童貞のおもにエロ方面の奮戦を描いたものです。
・買う前になんとなく思い描いていた内容と、実際に読んだ内容とのシンクロ率がハンパない状態でしたことに最高に驚きました。

・エロ自販機でエロ本を買うために早朝でかける。
・公園のむこうにある団地で窓を開けて母乳をあげてる若妻の乳をみるために懸垂にはじめて成功。
・鶴光のオールナイトニッポンを聞いて「包茎はモテない」ということにビビり、包皮をムリやりむいたら、次の日保健室に同じ患者続出。
・ラペ。

・などなど、そういうバカ中学生を笑いながらも懐かしむというアレです。おれは昭和52年にはまだ中学生じゃないんですが、すべてのことが「そうそうそうそうそう」とわかります。

・内容もそうですが、作画自体も意図したものか、素なのかはよくわかりませんが、かなりその内容にマッチしておりまして、暑苦しくもむさくるしい男子中学生をイキイキと描いております。よくみると細かいタッチや仕上げのトーンワークなんかは「今」の技術なんですが、そうとはみえないのが逆にすごいです。

・ただ、最大の謎は、今、なんでコレなんだろう?ということですかね。連載してる「漫画アクション」の購買層にビッタリ合致はしてますけど、なぜ、今、このエロ「三丁目の夕日」なのか?って。

・あと、ついでに、なんで、おれは本作を買う気になったのか、アマゾンのレビュー読んで思い出しました。QBBの名作「中学生日記」との差異を確かめようとしたんですね。ま、比べるものではないと思いますが、「中学時代」という漠とし、なおかつみなが知ってる空気をうまく最大公約数で漂わせることに成功したのが「中学生日記」で、それをやりたいサカリの男子童貞中学生に特化したのが本作です。最小公倍数。
・女性はダメ。中学時代に童貞を捨てた人もダメ。中学時代にネット環境にあった方もダメ。同性愛者もダメ。そういうたくさんの条件をクリアした人だけが楽しむことができるマンガじゃないかと思われます。おれクリアしてる。

・オッパイをみるためにどれだけ労苦を厭わなかったか。その度合いが高い人ほど楽しいマンガです。
(14:48:36)amazon

「極道一直線」5巻 三上龍哉(小学館)

・いい意味でも悪い意味でも最グダグダなギャグマンガですね。本作に比べるとまだ「クロマティ高校」はちゃんとしてるような気がします。いや、ウソです。どっちもどっちとちがうかな。

・ああ、ちゃんとボケようと一生懸命なのが「極道〜」かも。当初は一生懸命ボケるのが「大変そうだよなあ」と思ってましたが、本作はちがった意味で「大変そうだよなあ」と思ったりします。「心配」って意味での「大変そう」です。

・そういうことで5巻になり、悪い意味でパロディネタが増えましたね。それもハゲの組長(主人公。念のためいっておくとヤクザギャグマンガ)。

「ハクション大魔王」「エースをねらえ」「コブラ」。このベタさ加減がいいですね。

・しかし、この作者のCG処理はちょっとみにくい。
(17:12:42)amazon

「怪物王女」1巻 光永康則(講談社)

・つまり藤子不二雄の「怪物くん」なんですね。怪物くんが少女で、フランケンが少女で、狼男が狼女で、主人公はなんになるんだろう? ま、ゾンビ少年といったところですか。

・交通事故で死んだ主人公が王女の血によって半不死身になっていろいろと戦いに巻き込まれるのですね。狼男や透明人間と戦うです。

・この王女に血を与えられる感じはエロくてよろしいです。

・で、毎回スプラッタな戦いが繰り広げられます。王女は特殊な能力はなく、チェンソーなどを振り回して戦うわけです。きゃしゃな少女がチェンソーをふりまわして血まみれになるのでとてもいい感じです。ゴスロリスプラッタってか。

・2巻もでましたね。もう買ってますが。まだ読んでません。血まみれバトルマンガって感じでしょうかね。

・ま、血まみれ血まみれ書きましたが、あっさり描写なので別にエグくはないんでご安心を。
(17:15:42)amazon


・[ケージバン]