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ポトチャリポラパ/コミック/2007年
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2007年/9月
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2007年/9月/30日
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「よつばと!」7巻 あずまきよひこ(メディアワークス)

・7巻かあ。長いなあ。
・しまうー登場でニヤニヤが止まらないネット界隈ですが、やはり白眉はけっこうひっぱった挙句にお隣3姉妹抜きの日帰り牧場ツアーでしょうかね。オッサン3人とよつばの牧場ツアー。超画期的。ついにここまできたかと思いました。

・思えば、今ある「萌え4コマ」の潮流を作り出した「あずまんが大王」から、「カワイイ女の子」を描かなければならない枷のようなものを引きずって描いてこられた気がするんですよ。それは「よつばと!」で少しづつ逃れようとトライされているのをみてとれました(今にして思えばというところもありますが)。
・4コマというスタイルを止め、景色を細かく描き、生活感の中の笑い、子供の思考の笑いなど、「かわいい」故の笑いの質を徐々に変質させつつも、ここぞというところで女の子の「かわいい」も押さえながら、よつばを中心に「生かして」きていったんですよ。

・そして7巻の牧場ツアーでついに結実です。たぶん、この1回のことでしょうが、ちゃんとそれを成立させたことがすばらしく画期的です。ひょっとしたら、やんだを登場させた(1巻1話から伏線はありましたが)のもこのためだった?と思えるほどです。たぶん、おれが編集だったら「ふーかとか連れて行かないんですか?」と尋ねていたところですもん。
・しかも、7巻通しても1番笑える! 超画期的!
・たぶんに、「こいわい」なんて苗字のよつばたちが牧場にいくってあたり相当気合を入れているとも思えるのですよ。表紙も、カバーめくってもそれは伺えるし。

・さて、ネット界隈では、よつばをして子供の生態をリアルに描いているという評価をみかけますが、よつばだけじゃなく人間の生態がうまく描けているんだと思うのですよ。

・その最たるものは「あずまんが大王」でもみられましたが、「三すくみ」の法則とでももうしましょうか。それを描いているところだと思うのですね。

・リアルでもそうですが、たとえば、イジメられっ子でも、世の中にいる全員にいじめられているわけではなく、たとえば、母親にはめっぽう強気ってのはあります。内弁慶ってやつですね。その母親にしても父親に強いとか、やられっぱなしの人は世の中には少ないです。
・意外にそこいらはマンガ内では描かれていないことがあります。酷い目に遭うキャラはとことん酷い目に遭ったりします。たとえば、「バンブーブレード」のサトリンとか(今読んだもので)。そのほうがシンプルだからです。マンガは誇張の世界です。だから、シンプルな図式のほうが理解を得られやすいし、いろいろと「生きる」んでしょね。

・だから、あずま作品に限らずそこいらのキャラの優劣順位がはっきりしていることを描くマンガは複雑化煩雑化しがちです。だからこそそれを描けているのがすごいことなのです。いわゆるマンガを表現することを希望されている側の人はあずま作品のそこを1番みてほしいなと思うのです。
・相関がもっとも大事です。キャラとキャラとのカンケイ。上下関係主従関係ってのはどんな間柄にもにじみでます。それを丁寧にさりげなく描くのが1番上等じゃないかと。キャラに説明させるのが愚の骨頂。

・たとえば、ふーか。彼女はよつばに振り回され、あさぎにバカにされるけど、えなには強く出ているし、親からの信頼は厚いし、よつばのとーちゃんとも1番親しい感じになっている。
・無敵のよつばも、実はふーかには強気だけど、あさぎには手玉にとられるときもあるし、えなのいうことを素直にきいたりするし、みうらにからかわれたりもする。そいで、最大のストレッサーとしてやんだもいるしね。そこいらの人物配置が絶妙だし、それをソラで説明できるあたりの上手さよ。

・ただ、毎度毎度書いているけど、実はけっこう細かいところも覚えていなければならない精緻でデリケートな設定とかもあるんですよね。今回の牧場行きの話しも、よつばが熱を出して断念。そのあとにしまうー登場編をはさんでやってますし。そういう経緯があっての牧場行きってことになってます。やんだが参加する前に、やんだも登場させてますしね。
・そうだ7巻って、そういわれてみれば3姉妹のカゲが薄いねえ。まったく登場してない回のほうが断然多い。だけど、その分、登場しているところにはオールキャスト。ここいらのバランス感覚もすごいよね。

・しかし、ふーかってキャラはすごいね。マンガではあまり見かけないうざさを兼ね備えていると思う。空気の読めない感というか、ここでこういうどうでもいいこと口はさむ女っているよなあと「微笑まし」くみてしまう。

・ということで少女よつばとそのまわりの物語です。夏からはじまった物語もようやく秋めいてまいりました。この物語は冬〜春ときて、よつばの小学入学で終わるのでしょうか。といってもこのペースだと先は長いですね。
(13:57)
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「アオバ自転車店」1巻 宮尾岳(少年画報社)

・これまでのシリーズ「並木橋通りアオバ自転車店」のタイトルだけ仕切りなおし編の1巻目です。
・このシリーズのすばらしさはすでに常識であるとは思います。タイトルどおりの街の自転車屋さんの自転車があるオムニバスヒューマンドラマです。
・一応、仕切りなおしてありますし、初見さんのために「おさらい」があります。ちゃんと「おさらい」というキャラ紹介でありながら、1本の話になっております。

・いきなり1話目が1巻の半分くらいの長編「つくば8耐」でドギモを抜きますよ。「いままで」の読者も、「これから」の読者もドギモを抜いてます。「ツカミはOK」と「あらためてよろしく」を同時にやってくれます。ここいらのチカラワザがすごい。

・昔馴染みの社長同士のケンカでサイクリングチームを作り自転車の8時間耐久レースに出場することになり、ドタバタとするサラリーマンの話です。いわゆるレースマンガのセオリーどおり、スポ根モノのセオリーどおり、きっちり感動させにきてるし、長編ならではの読み応えも十二分。これだけでも値千金。

・しかも、巻末の中篇2話連続の「時をかけるアオバ」。今度はガラリと話がかわり、時間跳躍モノです。SFですよ。主人公のアオバさん(小学生女子)が過去に跳躍して親の出会いのきっかけに立ち会う話。ベースはだから「バックトゥザフューチャー」です。展開もまんま。
・なにがいいって、マサというキャラがSFにくわしくて「みなまでいうな」って展開になっているところですよ。実はなにげにSF好きはそういう現場に居合わせたいって願望をココロの底に眠らせていると思うのよ。

・ということで、「1巻」ですし、これまで敬遠されていた方もこれをためしに買ってみるというのはどうでしょう。おもしろかったらその20倍楽しめるという、そんじょそこらにはない1巻ですしね。
(18:37)
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「地平線でダンス」2巻 柏木ハルコ(小学館)

・タイムリープ実験で失敗し、本体は黒こげになり、意識だけモルモットに入り込んだ琴理さんが、意中の人であり、実験の責任をとる形でフラフラしている先輩研究員になんとか思いを伝えようと四苦八苦するマンガの2巻目。

・苦手なところ、たとえば、SF的な考証とかを避けて、モルモットになった琴理さんがいろいろな手で意思を疎通させるというドタバタに注力してるのがうまいなと思いました。というか、そこが目的じゃない感じですよね。

・いろいろと転生しつつも、彼氏に一途なすごいストーカー女ってラブコメマンガってみるのが正解ですかね。たぶん、ネタの初っ端はそこいらな気がしますし。

・お膳立ては複雑そうですが、シンプルなストーリーかと思うのですね。だから、「この物語の行方」=「この恋の行方」ってことになるんじゃないかと思ったり。

・しかし、絵の上手な方でありますが、動物描写も上手いですね。動物モノがなにかできそうです。「これがそうなんだよ」。ああそうでしたか。
(19:36)
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2007年/9月/26日
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「スケッチブック」4巻 小箱とたん(マッグガーデン)

・祝アニメ化決定!と、別にアニメでみたいとは思わないんですけど、昨今はアニメ化していっちょまえみたいな風潮が強いですね。とくに、オタク方面に売り出しているものは。本作がそうかどうかはよくわかりませんが。

・ということで、九州の高校の美術部を舞台とした4コマです。4コマだけど通常のコミックサイズなので刊行ペースが開きがち。

・おれの定義だと、萌え4コマとは、「登場キャラのほとんどがかわいくて、各キャラに依存したオチが用意されている4コマ」です。
・本作は一応そのスタイルですが、各キャラありきというより、各ネタありきで、そのネタ用のキャラにあてはめている感じがあります。

・そしておれの責任と性能限界なんですが、各キャラを覚えきれません。それは「ぱにぽに」でも「みなみけ」でもいっしょです。というか現実でもそうです。だからマンガの表現力不足じゃなくておれのCPU不足ということです。

・アニメの情報によると主人公は梶原空という子で、彼女はほぼ半径50cmのひとりの世界で発見している感じです。
・あとは、昆虫に興味のあるクリハラ先輩やら、日本語担当のガイジンさんなどなど。その方面のネタ担当がいます。そして、基本的には「あるある」をやっております。

・ほんわかやのんびりといったムードがただよっている、いつでもそよ風が吹いているようなマンガ内の空気です。内容としてはオーソドックスな4コマも多いのですが、読後の「ムード」はほんわかでのんびりってのがマジックですね。
・そのムードと、ひょっとして意図的に盛り込んでいる?と思えるようなヌルいネタに紛れてスパっと切れたりする「あるある」があったりもする。

・たとえば。36pの「コーヒー」。

・ストーブの上に沸騰しているやかん。
「涼ちゃんコーヒー飲むかい?」
「はいいただきます」
・コーヒーを入れているコマ
「はいできたよぉ」
涼ちゃんのほっぺたにコーヒーカップをくっつける。
「あ、熱!」「・・・」「冷たい?」
・と、アイスコーヒーを入れたカップをほっぺたにくっつけたのでした。
「涼ちゃん先入観は禁物」

・このネタ。なにげに深い。笑えないけど深いし、「あるある」だし。ちょっと哲学。ここいらの細かいところついてくる。

・防犯カメラからレーザーを撃ってこないかという、たぶん、「カリオストロの城」あたりで刷り込まれたと思しき(おれがそうだから)恐怖を感じている梶原空さん。
・ルーズリーフの紙を強引にちぎったあとのリングの内側の紙片を大事にとっておくというネタ(すごく気持ちはわかる)とかね。

・各キャラ、作者の小箱とたん氏の中にあるそれぞれのネタに特化したキャラというムキで、「小箱とたん」というフォルダを開くと、中にそれぞれキャラクタのフォルダがあり、それをクリックしたらネタがあるって感じで、萌え4コマのスタイルで、実は小箱とたん氏のあるあるエッセイコミック4コマといった2重構造なオモムキもあるんじゃないかなと思ったりする。少なくとも小箱とたん氏の家のドアノブは「ふてぶてしいペンギン」だと思うよ。少なくとも小箱氏、昆虫や植物の観察は好きだよ。

・萌えネタったら昆虫や動植物にくわしいクリハラさんが芸能人の動物クイズに「私が芸能人だったら全問正解で賞品とりまくりなのに」といって「芸能人に?」とツッコミをいれられてテレるところかなー。実は梶原空さんよりクリハラ先輩のほうが無邪気だったりするよね。

・ということでいい意味でいろいろと毛色のちがう4コマですが、アニメのように「ほんわか」「のんびり」を強調しすぎるのはちがうかなーと思ったりしました。

[スケッチブック 〜full color's〜](アニメのサイト。空さんの声がイメージとちがう)
(19:48)

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2007年/9月/17日
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「今日の早川さん」COCO(早川書房)

・さあて、最初に痛いこと書いておこうかな。

「SF好きはココロがピュアだから!」

・大人気のあのブログコミックがついに本になりましたよ商売です。

・でもそんなの関係ない!(コレを使えるのも最後かな)

[Horror & SF - coco's bloblog]

・ということで、本に魂を売り渡している5人の女性を描いた本読み4コマです。

・おれのような本を読まない、字を読むのがキライな人にもおもしろいです。SF好きな早川さん、文学好きな岩波さん、ホラー好きな帆掛さん(今、由来を調べていたよ)など5人の各ジャンル好きな本読みさんが、「読書家あるある」ネタを中心ににぎやかにやっております。

・マンガの特長としては、元がWEBコミックという形態だもんで、4コマ1ページで横の空白に解説的なものが入ってます。本来は上記リンク先で読んでいただけばおわかりのとおり、コマの下に入るわけです。
・ほとんどないのもあるし、けっこうな文章量のものもある。これがアクセントにはなっているし、人を選ぶことになるのかもしれないなあ。

・ここいらがブログコミックの持つ問題であり、魅力であるところなのかもしれない。

・たとえばコマ下の解説。4コマのあとのコメント。こういうのは、好きな人にはたまらないワケですが、一見さんにはちがった意味でたまらないことになりがちです。そういえば、本書の中にトモダチになれなれしいブログコメントを書いて失敗ってネタがありましたね。そういうの。どうしても上記の解説やコメント応酬は内輪に向かっていきます。

・でもそんなの(略)

「本読みあるある」の効果か、キャラのチカラか、はたまた根源的な「おもしろ」含有量のおかげか、「ふむふむ」と読んでいくと、自分の中にすでに早川さんが居ついていることに気がつくのです。カンタンにいうとハマるってやつです。

「きらら」とかの「萌え」とはちがった入り方をする感じです。

・とにかく、早川さんの本読みゆえのナンギな性格がたまらない。それは自分にもあるものだしなあ。本読みが持つ読まない人への優越感というか、見下し感。それは実は本を読まない人にはあまり問題じゃなくて、むしろ、本読み同士、さらには好きなジャンルが被っているときこそ強く感じるところなんですよね。そこがさらにナンギ。
・そういった点で、まったくジャンルのかみ合ってない面々とつるんでいるのは逆にいいのかなと思ったりします。とくに描き下ろしのそれは興味深いところですね。

・描き下ろしもそうですけど、けっこう内容にも手が加えられているところで、おれがとくに注目していた岩波さんの胸部あたりのカゲのつきかたがWEBと本ではちがいますよ。おれは胸部を担当したからみんなはほかのところにも注目してみよう。たぶん、ほかもちがうような気がするよ。

・ただ、個人的に好きなキャラはやはり早川さんなんだけどね。彼女の持つ本読みバンカラが発するオーラやエレジーはすごく魅力的。ま、ちょっと自分にも刺さるって点でもなお魅力的。ホラー好きな帆掛さんのちゃっかり具合はなんかすごくわかる気もする。

[Amazon.co.jp: EDISON 片手でらくらく!人気のブックスタンド! ほんたった 赤 EH-4: ホーム&キッチン]

・しかし、本好きが注目しているだけあってamazonでいっしょに買ったのがブックスタンドだってさ。

・好きな人には意外かもしれないけどクセはあるよね。おれも読みはじめしばらくは思った。でも、今はSF好きな女の子っているんだ!と希望に満ち溢れてます(まちがっている気もするが)。

・あと、ミステリー好きがいないのはやはり「あちこちにいるから」ってことなのかしら。ま、「読書」のさす意味の7割くらいがミステリーを読むことって気がしないでもないですしね。

・あと、好きな人に朗報。amazonに描き下ろし(?)の4コマあるよ(下の「はい」にリンクしてます)。
(17:31)

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「レモネードBOOKS」3巻 山名沢湖(竹書房)

・本好き彼氏との恋愛ショートは3巻にて終了。

・やさしいけど本読みの彼氏は本のことになると無我夢中になります。で、主人公の彼女は「もう!」となりながらも「やっぱり好き!」となる甘酸っぱいやつです。それこそレモネードのようになああ!

・ということで、ファンシー好きなボクと、「今日の早川さん/COCO」で、かわいいけど本読み女性のいろいろな幻想を打ち砕かれた身にはこのやさしい感じが身に沁みていくわけです。

・ただ、レモネードとはよくつけたもんで、酸味と甘味の奥にあるレモンの苦さも描かれているところがファンシーバカ一代の山名沢湖さんの面目躍如なのですよ。

・本書ではあくまで「読書」という趣味について言及してまして、どう考えても好きで、その方面に立ち入りたいだろう、個別の本ネタは丁寧に避けてます。読書をする人、本にまつわる人間ドラマ、本そのもののネタなどで構成されています。そういうところはサブタイトルとか、画面のハシッコになにげなく織り交ぜてます。

・たとえば24話「片付けない作家と西の天狗」。本棚を買う話です。読書好きの彼は本棚を買う金で本を買う男で、おれのCDに対する姿勢とすごく似たものを感じます。そして、整理ができなくて買った本をまた買ったりしてダブるところも。
・で、いざ、本棚を買うときに、カタログをいろいろと買い込み、その本棚の見本に写っている本を検分したりしてね。こういう細かいところをほじらせると右に出る人がいませんよ。

・33話「重力が衰えるとき」では、彼は編集者の仕事に就こうとしますが、これほど本が好きな自分が本の仕事についてちゃんとできるだろうか?と悩み、28話「賢者の贈り物」では、彼氏が好きすぎて逆にできない小説を彼女は軽々と書いてしまったりします。

・ここいらの苦味。本が好きで本を読むって立場にいるると書いたり想像したりがしにくくなるってことです。これは案外と真理のようですよね。評論家タイプの人がたいした創作がないのと同じというか。

・糖衣錠といいますかね。ちゃんとクスリになってますよ。ファンシーショートの甘味に紛れての苦味を味わい忘れないよう。
(18:54)

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2007年/9月/11日
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「くすりゆびハニー」井ノ本リカ子(マックス)

・その昔、すごくこだわっていて、あるとき突然恥ずかしくなり、また、あるとき平気になるコトバっていうと 「リアリティ」じゃないかなと。

・本作、すごくリアリティを感じました。エロマンガの「リアリティ」ってのはつまりエロいということかもしれません。紙にペン(あるいはCG)で描かれた2次元のマンガの絵にエロを感じるわけです。それはすごいリアリティです。

・マンガの優れているところは、技術や才能がもちろん必要ではありますが、作者の持っている「エロ」をわりと劣化することなくダイレクトに読者に伝えることが可能だったりすることです。

・たとえば、小説なら文章の読解力が必要。それはマンガを読むよりハードルが高い。たとえば、映画やドラマならキャスティング(ありていにいって女優のクオリティなど)が監督の持っている100%のイメージに沿っている可能性は低い。そして俳優が100%の演技をする可能性も同じく低い。

・さらにマンガだと、「リアリティ」を描写し視覚化することができる。ここが最大のポイント。

・たとえば、「濡れる」「勃起する」などと興奮を示すエロ動作。これらは実は「画」にすると弱いです。とくに前者。それはAVなどで男優がことさらに「すごい」などと煽らないとわかりづらかったりするくらいです。ま、逆にいうとエロマンガレベルが毎回起こっていたら、毎日布団を買い換えないともたないし、畳も毎月交換でしょ。

・そう、マンガには「誇張」という、人類発祥からあるだろう、由緒正しい表現が、もっともすぐれたカタチで継承されているのですよね。そんな大げさなもんじゃないかもしれないけどさ。「大きい」「多い」「すごい」などは表現しやすいわけですよ。

・そして、本作。

・親が海外赴任。となりクラスの婚約者の家に居候になれといわれて転がり込む。地味で無口なメガネっ子。会話も弾まない。ところが夜、ドアをノック。「婚約者には全てをささげろと本にあったので抱いてください」と。で、延々ジャンジャンバリバリと。それが表題作の連作。ほか5編。

・これが「エロ」と井ノ本氏が提示されたエロがすごく新鮮でエロいんですね。女性描写がその全てなんですが。

・愛撫されていると身体の中から湧き上がってくる快感に表面が溶けはじめてきてるかのような描写といいますかね。性器や乳首はとろとろになっているし、顔は正気を保っていない。それでいて身体中「やわらかい」ということをアピールしている。電子レンジであたためているモチのよう。

・女性雑誌に載っているようなかっこいい、りりしいヌードってのの対極にあるような、ひょっとしたらだらしないってくらいのねえ。毛のそり残しとか、だんだんの腹とか、そういうリアリティはなくあくまでなめらかでやわらかな女体ですが、逆に嫌悪を覚える方がいるかもしれないくらいなめらかでやわらか。

・とりわけ、あえぎ声です。すべて書き文字で、段階を踏んでかなり細かくさまざまなバリエーションであえいでます。末尾にあるハートマークがまたいいアクセントでね。
・とくに「フー」ってのがいいですね。これに格別のリアリティを感じました。感じてることを抑えようと思う気持ちが「フー」ってあえぎ声になるんですよね。ストレートに感じていることをあらわすのが恥ずかしい。でも、この快楽に抗えないってふと漏れるあえぎ声が「フー」です。だって、口をあけて「フー」とはいえませんし。「フーン」だと鼻息だし。

・と、最近のCG駆使している美麗で美麗で死ぬって絵に比べるとシンプルでありますが、その分、エロがすごくつまってるなあと思ったのでした。おれ感覚だと、CGで美麗を目指しすぎると「みんないっしょ」現象が起こるので、最近はあえてマンガ寄りにシフトしていってる気がします。非リアリティ。

・表題作の女性みたいに地味でおとなしいけど美形でエロ方面オール受け入れOKってのは、抗えない魅力があります。残念ながらそう思います。まあ、勝気な女性がそのときにすごくおとなしくなるってのもそうです。なんでもいいんじゃん。

・ま、本作にリアリティを感じてるのは相当2次元にやられているからなんだろうなあと、ここにきて冷静に考えてみたり。

・でも、鮮烈なショックはありましたし、しばらく尾をひきました。
(16:24)

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「READ ME!」ひねもすのたり(茜新社)

・2年ぶり3作目とのことですが、はじめてです。

・12作品中8作がふたなりモノということで、ふたなり好きにはたまらない作品になっております。

・考えてみれば、ふたなりというジャンルはマンガが他のメディアと比べても独走してますよね。人体的にありえない、いわゆるフリークスでありながらも、見た目は女性で、いろいろなバリエーションがあります。男性性器も女性性器も持ち合わせており、とってもベンリですし。
・どうも、そういう専門誌というかアンソロジー「ふたなりっ娘LOVE」なんて作品に掲載されたものも収録ということでね。根強いファンがいることにおれは驚きはしません。

・美男子が女装って、普通のAVにもあるシーメールってやつから、もともと生えてるのや、手術で生やしたのや、目覚めたら生えてたり、悪霊に憑依されたり、ランプの精だったりと本作においてもバリエーション豊かです。表面上はだから美少女ばかりです。おっさんやむさくるしい男はいません。

・前も上連雀三平氏の「コミック」で書きましたが、こういうときやっぱりチンポに感情移入して読むのが正解なんでしょうかね。

・好みのさっぱりした絵(ぶっちゃけそれが買った理由。kashmir氏に似てない?)で、話もすっきりしたものが多く、もうちょっとギャグとか「コメ」でアクセントがつくとより好みですが、それはそれということでいい感じでした。

・個人的には非ふたなりモノですが、双子がお互いの性欲を感じてしまう双子特有のアレで、もてあまして、「いっそのこと」って感じでいたしてしまう「ジェミニ」がよろしかったかな。あ、そうか。これもふたなりモノになるのか。フェラしながら、されてる感触も同時に味わうってことになるからな。

・ま、変化球キライのヒトにはどうかと思いますが、エロマンガ読んでいてふたなりを嫌うってのは、漁村に住んでいて魚が嫌いってのと同じでつらいことだなあと同情してみたりして。
(16:53)

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2007年/9月/8日
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「ONE PEACE」47巻 尾田栄一郎(集英社)

・大きくなってきたなあと、47巻にして改めて思う。
・この「大きい」ってのは、ホメコトバにもそうじゃない意味にもとってください。

・スリラーバークでルフィ一行の冒険は続いています。どうも新しい仲間ができる布石が生まれています。そしてすごく懐かしいところの伏線をイマサラながらつないでみてます。

・戦う物語が長期化するにつれ、敵が「大きく」なるというインフレに陥るのは必然です。最初の敵より強い敵が現れるわけですね。
・それが続くと、中学生の番長同士の争いなのに、鎖でつながれて地下に50年幽閉されている番長とか登場するわけですよ。

・実際問題、全ての「器」からあふれています。少なくともおれはもう把握しきれていません。これはもう尾田先生が内から出る有り余る情熱をありったけ「ONE PEACE」に注ぎ込んでいるからです。全ての水道管から水が全開になっている家を想像してもらうといいです。しかも、排水口は小さい。

・もうなにがなんだかよくわからん状況で進行です。おれ的には、かなり読み解くのがしんどいです。

・それなのに、七武会だの、仲間候補だの、重要なコトガラも織り交ぜてきて、とにかく過多です。

・相変わらず全ての能力と比較すると構成が下手。ここのところ飛躍的に情報量が増えている本作において、うまくとりしきるには相当なレベルの構成力が必要とされてますが、足りてません。それが余計にカオス状態をかもし出してます。

・今回、また、いろいろ新登場のキャラが、それぞれ「立ってるな」とは思うけど、さっぱり記憶に残らない。それはキャラの個性をうまく生かす構成をしてないからです。
・それよりもさらに、すごくたくさんのシカケが盛り込まれている、舞台がまったくワケわかってません。どう考えてもいっぱい盛り込みすぎ。

・たとえば、比較に出すのはおこがましいですが、鳥山明氏の「ドラゴンボール」。いまや、それよりも巻数を重ねてますし、大昔に終わった作品ですが、鳥山明氏の作品のほうが1000倍は舞台を覚えてますよ。
・天下一武道会の闘技場。亀仙人の亀ハウス。ブルマの家。界王星などなどね。

・韓国の料理みたいですね。メインをたのんだら小皿がアホほどついてくるって感じ。しかもメインもドッサリ。ハラペコキッズにはいいんだけど、飽食の時代だからねえ。そうハラペコばかりもいないと。おれも、わりに満腹でして。

・と、構成におけるわかりやすい弱点は、「盛り込みすぎ」ってことです。だから、今後、積極的に「抜いて」いかれることを希望します。それこそ、富樫を目指すイキオイで抜いていけ。サッパリした内容と画面と構成を目指したほうがよかろうと。それでも、凡百のマンガよりは「濃い」ものになりそうだし。

・えーと個人的に「海賊王」になるところをみなくてもいいかなって気持ちが強くなってきてます。
(14:58)

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「ユウタイノヴァ」1巻 押見修造(講談社)

・街で偶然みかけた元彼女。会いたいけど、ひどい別れをしたから会えない。その思いが強くなったら幽体離脱をしてしまいました。そして、同じ幽体離脱の少女と出会いました。

「コミックビーム」において幽体離脱マンガってありましたよね。もう完結していて、雑誌購読時は読んでいたけど最後のころは購読を止めていたのでどうなったかわからないんですが。

[Amazon.co.jp: 月の光 (4巻) (Beam comix): 本: marginal,竹谷 州史]

・押見氏の作品は前作のインキュバスという性魔の話「デビルエクスタシー」でもそうですが、ルール設定の妙味が第1特長であると思います。

・本作では、幽体離脱状態を液体のように表現し描写したのがとにもかくにも金星ですね。ちょうど、「ターミネーター2」の敵というべきか、幽体離脱時はそういう半液体が固まって人間のカタチになっている。

・そして、現実のモノには触れることができない。そのかわりすべてすり抜けられる。

・これまでよくあったのは空気というか霧のようなイメージがあったような気がしますね。それを液体的に描写した最大の利点はエロいことですね。

・記憶があやふやでもうしわけないですが、山本直樹(たぶん、塔山森名義)氏にも幽体離脱でエロというネタがありましたね。


知ってるか? この体でするセックスって すっ…ごい気持ちいいってこと


・と、幽体離脱時にあった少女は抱きついてきてそういうわけです。しかも、おたがいが混じり合ってきてるわけですよ。液体が混じるように。これがエロくて気持ちよさそうなわけです。

「身もココロもひとつになる」なんて表現をこういうふうに描写したわけですね。

・と、前作でのインキュバスが男からザームという魂のモトのようなものを採集する手段もエロかったけど、今回もバッチリでしたよ。それだけで、前記の幽体離脱モノよりおれとしてはイイ!ってことです。

・まだ、押見氏が用意した幽体離脱のルールがいくつかあるようです。こういうルールを一通り説明して終わりってことにならないで欲しいなとは思いました。こういう特殊ルールなマンガには往々にしてそういうことがありますからね。

・2巻も期待してます。
(15:23)

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「賭博墜天録カイジ」11巻 福本伸行(講談社)

・おそろしいマンガだよなあ。
・徹頭徹尾計算されつくしている。だいたいシリーズは10巻前後でカタがつくようにできてるのかしらね。だから、いよいよクライマックスに向けて走り出しているわけです。ただ、今回いつもは複数あるギャンブルが1個だけだけどね。

・で、11巻のあらすじはというと、「2人麻雀のラスト2枚をお互いに捨てて流局になりました」だけですからね。

・白眉はカイジが戦っているカジノのオーナーですね。この男の心理描写がすごすぎる。「勝てば官軍」でそのためには手段を選ばずに、自分の「得」だけをひたすら考えて生きてきた男です。実際これまでずっとイカサマで勝ってきて、10巻でイカサマがバレたのに11巻で再びイカサマをしてます。

・そのイカサマのやり方を思い浮かんだときに「神」に感謝してます。その描写に驚愕しました。イカサマのアイディアを神様からの啓示と受け取るんですよ。実際そのあとイカサマを成功させてますし。
・そして、それも、それ以前のイカサマも、カイジと戦う以前のイカサマすべても全部「努力」としているんですよ。
・いや、たしかに、小悪党の心理ってそうなんでしょうね。これがすごく説得力があるんですよね。

・こういう人間の中を、ここまでがっちり描いたのは、マンガに限らず、あらゆる創作物でみたことねえなあと感心してるんですよ。
・あえていえば、毎日しのぎを削ってるビンボーな主婦の意地悪いこすからい日常を「私は必死」って描いた西岸良平氏の「三丁目の夕日」(このマンガは実はかなりシビア)か。

・つーか、11巻はほぼこの店長がおもしろすぎた巻でした。今後、この店長が主人公のマンガを描いてほしいくらいです。全然感情移入できませんが。
(15:40)

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2007年/9月/2日
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「となりのカワンチャさん」月見里中(芳文社)

・オビ裏のコピーに惹かれましたので、勝手に苦手意識をもって避けているKRコミックですが試してみました。


萌え四コマの皮を被った玄人四コマ漫画、こっそり単行本化!


・だいたいにおいて、萌え4コマも玄人4コマも意味がよくわからない(とくに玄人4コマ)し、萌え四コマの前段階に位置するであろう「ストーリー四コマ」もあまりスキじゃない、1本1話の旧タイプの4コマが好きなものにとってはこれを読むと、皮を被っている萌え4コマのほうも、本性の玄人4コマのほうも謎が解けるのではないかと思ったのですよ。

・ネパールの妖怪・カワンチャさん。みかけは少女で、呪った相手に腹痛を起こす能力を持っている。で、1人暮らしの貧乳を絶えず気にしている女子高生といっしょに暮らすことになります。

・あとからキャラが増えるのも約束です。

・さて、突然ですが「萌え4コマ」「萌えマンガ」とはなんでしょう。すぐに結論です。萌えは契約と思うのです。

・マンガ内の登場人物が「わたしかわいいでしょ?」との問いかけに「うん」といったら契約成立です。萌え発現です。

・よって、契約を結んでいないものにはなんのこっちゃわからないし、埼玉の鷺宮神社で「らき☆すた」のイラストがある絵馬をみた地元の二十代女性は「キモイ」というわけです。彼女は契約してないですから。

・これまでは隠してあった契約書を、目利きの鋭い人がみつけて契約してしまうというもので、たとえば、少女マンガだったり、幼年向けのアニメにも、「萌え契約」してしまう人とかいました。

・だけど、宿題の代行業がある今のご時世、「はい萌えて」と、それ専用の雑誌とかたくさん登場するようになりました。契約もネットでカンタンです。もちろん、旧態の萌え探しも多いですが、もう、雑誌の表紙からして契約書みたいなのがいっぱいあるので、プロの方は契約書のハンコを押すのに1日かかってしまう有様です。

・さて、そこにあって、「萌え四コマ」を標榜する「まんがタイムきらら」に連載されていたものだから、そりゃあ萌え4コマでないはずがない本作なんですね。

・女の子を中心として、1人ブタ(じゃないけど)くらいがオスというキャラ配置。1つのテーマで、4コマ1エピソードで進行。4コマ1ターンって感じで延々と続く「組曲」みたいなストーリー4コマではないタイプ。まあ、だから、「容器」としてはオーソドックスな形ではあると思われます。

・ネタ的には、カワンチャさんが食べられなくて呪う。ブタが余計なこといって殴られる。カワンチャさんのお目付け役の1人暮らし哀歌。主人公の貧乳ってオチが多いかしら。
・そういったキャラに依存したオチをところどころにちりばめるのもセオリーでオーソドックスだとは思います。

・くわえてかわいい絵。漫☆画太郎氏みたいのでも西島大介氏みたいなのでもないですね。貧乳ネタが多い反動なのか、とってつけたような巨乳描写がどうよ?とは思いましたが。

・よくわかりませんが、これって萌え四コマの皮を被った萌え四コマじゃね? まあ、「良質の」ってつけてもボクはかまいません。

・いや、オビを書いた編集の悪フザケであることは重々承知の上でいじわるを延々と書いてもうしわけありません。オビはもうちょっとちゃんと書け。とはいえ、ミゴトに釣られたボクですけどね。

・本作は、ちょっとKRコミックを見直したくらい気に入りました。紙面が明るくまぶしい感じがしました。サニーサイドな萌え四コマ。もちろん「契約書」にはサインしました。

・ただ、KRコミックの最大の悪事は四コマコミックの単価を上げたことかもしれんのお。950円は高いよな。
(20:24)

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2007年/9月/1日
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「MOON LIGHT MILE」15巻 太田垣康夫(小学館)

・アニメ化してるのね。

・近未来宇宙マンガですか。1巻から着実に歴史を積み上げています。もはやこれが史実ってくらいの大ボラが展開されておりまして、15巻では、アメリカと中国で月面上でヒソカにドンパチやらかしてますよ。

・そいでいて、月の子ども(月で出産したってことね)をめぐり、主人公のゴローとロストマンも登場し、タイトルにつながるテーマを語ったりと、かなりポイントになる巻になってます。

・地に足着いている風なので、逆にものすごいスケールを感じさせる描写が圧巻の宇宙戦争シーンなどみどころは相変わらず盛りだくさん。
・ただし、ちょっと、その弊害か、それとも宿命というか、必然なのか、人物の描写がベタになってきたような気がするんですよね。
・もともと、巻がすすむにつれて人物全体、デフォルメが効いてきたような、わかりやすくギラギラした感じになってきたような気がしていたんですよね。それでいて、それぞれのキャラの言動や思考がかなりベタになっている。
・いや、複雑な政治的バランスに、宇宙描写や、専門用語があちこちにちらばったりと、かなり複雑なことになっている上に、人物それぞれの心理描写とか細かく掘り下げたらキリがないのはよくわかりますけど、それでも、妙に「愛憎」だったり、妙に「説明」だったりと、ちょっとベタが多いかしらって気にはなりました。瑣末ったらそうだけど、気にはなるレベルだよなとも思いました。

・とくに、ISAの長官(アメリカの月面基地のえらい人)はどうじゃ? 心臓病を抱えた娘のために地位を利用しなくてはならない。だから、ロストマンを暗殺ってのはな。「ファックユー」ってシーンはかなりシラけました。人前でこんなにワレを忘れて激昂する人がエライ立場でいられるものかなあと。

・まあ、そういう方々が微妙に軽率行動を起こさないと話が進まないってのもわかった上での重箱のスミなのは、それだけ、逆に本作が「みてきたような」ウソだからですよ。

・そして、現状の中国をみていると、敵として展開するのも分が悪いんだろうなと思ったりもします。むしろ、ジオン公国のほうがリアリティがあったりしてなあ。
(17:19)

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・[ケージバン]