「ことばのパズル もじぴったん アドバンス」GBA(ナムコ) |
・パズルゲームは、それにハマってる時間が長ければ長いほど損した気分になる。 ・RPGやAVGのようにストーリーに感動したということもない。 ・アクション、ことに格ゲーのような「おれって上手い!」って感触もあまりない。 ・でも、ハマると、時間を忘れる。その率はほかのどのジャンルのゲームよりも上だ。 ・これはパズルというジャンルがある点でのゲームのエキスそのものだからではないかと思われる。単純な目的、単純なシステムに、どれだけの謎を含ませるか。いうなればパズル=ゲームというところは確実に存在する。 ・だからこそ、逆にいうならば、「パズル」を「ゲーム」にあてはめることもできる。 「ゲームは、それにハマってる時間が長ければ長いほど損した気分になる」 ・ともすれば人生は壮大な時間つぶしと、スチャダラパーの人も歌ってる。ゲームはその中でもとりわけ非生産性が高いがゆえにハマるのではなかろうかとテキトーであいまいなオチにしておいて本作の紹介へと移る。 ・もじぴったん、ことばをパズルにする。古今東西ありますね。「クロスワード」「ナンクロ」「スクランブル」なぞ。マス目を言葉で埋めていくパズルです。それぞれゲーム化されてもいます。本作はそれらのいいとこどりな感触がありますね。 ・シンプルなルール。マス目にひらがなを置いていき、目的を果たす。これらは、上記のものとも共通してますね。 ・ただし、置くべき文字は、必ず、場にあるひらがなに隣接した場所に置き、意味が通るようにしなければならない。 ・そして、各ステージの目的を果たす。たとえば、マス目をすべて埋める。星印のマスをすべて埋める。特定の単語を決められた数作る。 ・はじめにゲーム性ありき。そのために、辞書を作って内蔵している。あくまで「作った」んだそうだ。従来の辞書を参考にしてはいるが、あくまで一からこのゲームのために作り上げたそうだ。それぞれの「意味」も内蔵している。なにげにかなりの力技だったりする。まあ、それでも、無い言葉はあるね。そういうこといったらキリないんだけど。 ・クロスワードパズルと同じように他者に協力を要請してもらえるところがおもしろいね。 「えーと、5文字で、真ん中に「か」が入る言葉」 「すいかわり」「ゆりかもめ」 とか。 ・そして、最高におもしろいのは、このシステム上、かなり多くの解法が存在すること。 「め」「い」に続けて言葉を作るという問題に対して、「めいく」「めいど」「めいふ」「めいん」「めいす」「めいず」「めいる」「めいろ」「めいつ」「めいと」など、膨大な解が存在する。 一見、簡単に思えるけど、それが、ちゃんとゲームとして成立している。考えると不思議なんだけど、これがゲームになってるんですよ。 ・このゲームの敵は「時間」。決められた時間がくるとゲームオーバー。これがつまるとおもしろいように時間が足りない。最初は「じっくりぱずる」なんてモードがあるから、時間制限はないほうがいいんじゃないかと思ったけど、それだとおもしろくもなんともねえんですね。だって、機械的に文字をあてはめていくと、いつかは解けるもんね。 ・不思議なことにつまると飛ぶように時間がなくなる。そして、すなわち、そうなるってことはハマってるってことなんだな。 ・GBA版。これがまたいいんだ。2ちゃんねるでもあったけど、「煮えたらすぐ電源を切る」「やりたくなったらすぐはじめる」これが非常に容易。しかも、どこでも持っていくことができる。根をつめる必要はあまりない。最近はハマるといっても、ココロの底からはハマってないしな。ま、もともと集中力ないし。 ・さ、ここで冒頭の話に戻るんだ。日々の生活の中で、ただ過ごさなければならない時間というものがある。たとえば、おれカンケイないけど、通勤通学。待ち合わせ。そういうときの積極的になにかするには少ないけど、無為に待つにはありすぎる時間を気持ちいいくらいつぶしてくれる。 ・しかも、「もじぴったん」は反射神経は必要なく、ひらめきがイノチであり、1ステージも短いわりには、クリアの達成感が大きい。そして、そのまま止めるも続けるのも、妙にスムーズな気がするんだよ。 ・これはPS2版にはマネできない「アドバンス」ですよ。まあ、PS2版にある対戦モードってのがとてもおもしろいらしいですけどね。 ・ふと、思い立ってバシと電源を入れる。すぐに、時間が過ぎる。楽しくもあり、虚しくもあり。ゲームに限らずすべてのものはそんなもんですよね。 ・そんなこんなも噛みしめながらオススメ (22:30:23) |
「ゼルダの伝説 風のタクト」GC(任天堂) |
・おもしろかった。本当に。たったいま終わったイキオイでかかれております。 ・話がよかった。おれはあえてこの線で語ろうかなと。 ・たしかに、整合はとれてなかった。ガタガタなところもあった。ゼルダシリーズの伝統に則った、スーパーワンパターンな展開。囚われのゼルダ姫、 ・そいでもってうっとおしいだけの海。イチバン非難轟々のところですね。 ・でもさ、これ、最後の戦いですべてチャラになるな。 ・ぶっちゃけますと、ガノンがそれらの謎について、つじつまを合わせてくれるんだわ。いやー、今回ガノンかっこええんだわ。あと、最後の戦いも。そのあとも。 ・それらのドラマがきちんとみられる。 ・実に、ここが最高に新しいところなんじゃないかね。 ・これまで、ポリゴンの大根芝居とかいわれてましたよ。それ以外でも、たとえば、止め絵に流れる会話で、「感動」したりしてたワケなんですね。もしくはムービーね。 ・そういうんじゃない、その場その場の場面が、アニメクオリティで、ドラマも戦いも冒険も航海もすべてシームレス。世界中でダレもやってないことですよね。 ・これがすごくなくてなにがスゴイんだ?とおれは思う。 ・今回のゼルダ、というか、ハイラルは、これまでにない劣悪な環境だ。魚も獲れない(あのオッサン魚は食えないんだろうな)魔物ばかりが住まう広大な海。それに申し訳程度に点在する島々。 ・実際問題、これ以上、海が狭いと、ロードが間に合わないって裏事情もあったかもしれないよ。 ・でも、設定上はそういうことになってるんだよ。そして、それだからこそ、最後のガノンのセリフ、そのあとのゼルダ姫のセリフ、ラストにおれは感動したんだ。 ・ラスト、おれは感動した。この感動の種を探ると、それはこれまでのゲームとはちがうということに思い当たる。それは陳腐であるが、普通に名作アニメをみての感動と同等のものだわな。 ・ここまでゲームが辿り着いてしまったなと、そのことでもシミジミと感動してしまう。 ・そして、このゲームが売れてないということにちがった点でシミジミしてしまったりするんですね。 ・まだ、止め絵のテキストや、ムービーや、ポリゴンの大根芝居でいいんだねえと思ったり。 ・個人的にはぜひ、このつづきをみたい。このグラフィックでシステムで、ストーリーがつながってるゼルダのつづき。もうちょっとちゃんとストーリーにも金かけてさ。 ・オススメします。ハードごとってやつですよ。 ・おれ内ではここ3年くらいで1番のキラータイトルです。2ちゃんねるで「妊娠」っていわれてもいいくらい。いや、こんな絶賛するつもりはなかったんですけどね。もっと、クールで理知的で、「おれってゲーム知ってるぜ、でも、冷静に語るぜ。はは〜ん」って線でキメようなかと思ったんだけど、とにかく、ラストの盛り上がりでやられました。ってか、草原を走りたいとか、海うぜーってやつは、最後の流れをみてないのかしらね?おれは燃えたけどねえ。 ・実際、不満の数々はわかるっちゃ、わかるんだわ。でも、それをおしてでもおれはキラーといいきりたいと。 ・ゲームキューブは、このあとも、アメリカで評論家によるゲームイヤーに輝いた「メトロイド」がでて、宮本茂氏がゲームキューブでやりたかった「マリオ」がでて(マリオサンシャインはデラックスな「マリオ64」という位置付けらしいです)、カプコンが買収の噂が出るくらい気合の入ったゲームがいくつかでますし。セガが「F-ZERO」、ナムコが「スターフォックス」を制作すると、3年前にいったら精神病院行きと思われるような「ワンダー」が起こってますし。 ・ま、もうちょっと売れてほしいのにねえ。と、けっこう不振なんで、今なら安いですよ。それでもいいから買ってみてください。ハードこみで2万そこそこですし。 (23:21:33) |