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ポトチャリポラパ/ミュージック/2002年/9月
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ミュージック/2002年/9月
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2002年/9月/18日
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「あずまんが大王 オリジナルサウンドトラック vol.1」ost.(LACA-5111)

・あずまんが大王のアニメを見たことのある人向け。

・あのすっとぼけた音楽がいっぱいつまってるサントラです。オープニング「空耳ケーキ」とエンディング「Raspberry heaven」もTVサイズで収録。
・あのアニメにおける音楽が及ぼす役割というのは非常に大きい。話題になった「空耳ケーキ」なんかももちろん(なんか、オープニングが優れていたって賞もらったとか)そうだが、いわゆるBGM集である本作は、アニメ自体にコクを生み出しているということが、このサントラを聞くことにより逆説的に浮かび上がっているような気がするのですよ。
・本サントラは、栗原正巳氏率いる栗コーダーカルテット、って、本作では助っ人2人を加えた栗コーダーポップスオーケストラ名義になっている。このクレジットを読むとよくわかるのだが、生音主体なんですね。だから、あのすっとぼけた中にもどこか暖かいニュアンスを感じ取れるってスンポウなんすよ。そしてそれが「あずまんが大王」の世界にジャストマッチなんすよ。わかるかよ、テヤンデーチクショーメ。

・声優さんの声はビタイチ入ってないんで、そういうのを望むムキは、それぞれ出てる声優さんのマキシシングルを買ってもらえばいいんだ。でも、これのほうが「あずまんが大王」だぜ?
*

・あずまんが大王ってなに?って人向け。

・本作はアニメのサントラでありますが、そんなことは考えなくていいんです。恥ずかしい、声優のおしゃべりみたいのはなにも入ってませんし。
・2曲、主題歌とエンディングテーマの唄が入ってますが、ラッキーなことにこの2曲も名曲です。TVサイズで1分30秒づつのエディットバージョンですが。これ、フルバージョンでも名曲なんで買うにやぶさかでないです。

・そのあとはインスト曲です。サントラな分、「部品」みたいな曲も多いですが、これが栗コーダーカルテットというリコーダー4人で合奏するなんてヘンテコなグループです。彼等に助っ人2人を加えて栗コーダーポップスオーケストラ名義になります。
・リーダーの栗原正巳氏をはじめとして芸達者揃いで、CMや、「みんなのうた」なんかでも、ちょいちょいと彼等の手による曲が流れてますので、記憶はないでしょうが、1回や2回は聞いているはずです。
・で、本作は、栗コーダーカルテットの作品より、にぎやかになっていますが、その分、非常に汎用性が高いものとなりました。
・しかも、生音主体なので、その耳触りは非常にやわらか。リピートリピートで何回でも聞けます。もちろん、リコーダーはバリバリ活躍してます。ほかにもヤマのように楽器を使ってます。ライナーノーツによると3日でエイヤっとばかりに収録したので、ダレたり冗長だったりしません。そうなのです。個々に聞くとその完成度の高さや数多くの楽器を使っているのにテンポがよく非常にサッパリと聞くことができるのです。

良い演奏を、そのままシンプルにテープに記録して、シンプルにミキシングする。

・栗原氏自身非常にノッて最高の環境で制作されたことを物語っております。

・構成としては、にぎやかな前半にしっとりの後半とわかりやすいことになってます。
・もちろん、曲自体もいいものが多く、「さぁ、始めよう」という心が沸き立つような曲からはじまり、「この空のように」のせつなくなってしまう曲で終ります。その間に「新学期」などという曲はアレンジをテックスメックス、ミュゼット、ハワイアンなど、様々に姿を変えて登場します。

・とにかくあって重宝するサントラとなっておるのです。38曲も入ってます(1曲1分以内の曲が多いですがね)。でも、
・なんていうか、平和な気分。ピースフォー。和みます。癒されませんが。いや、場合によったら癒されるかもしれません。とにかく、アニメと切り離しても十二分に作品として成立してます。これがいいたかったのです。

・ジャケットがモロアニメ絵なので買うのに抵抗があるかもしれませんが、なに、通販で買えばいいのです。おれもそうでした。そして、同時期にいろいろ買ったのをゼンゼン聞かずにこればかりヘヴィローテーションです。それくらい気に入ってます。オススメ

・10月にvol.2も出ます。これもまちがいなくいいでしょう。(2002/09/18・0:30)

2002年/9月/15日
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「青天の霹靂 ライブ・アット・ペンギンハウス+7」ジンタ(EHE019-020)

・2002年の一番の出会いは藤本和也氏だ。マンガ家ですね。彼のマンガとの出会いはいろいろな意味で新鮮だった。ちなみにここから買ってください。

・その藤本和也氏がイラストを手がけ、って、今知りましたが上記のリンク先がアートワーク手がけてらっしゃるのですね。それが本作だ。

・とはいえ、藤本和也氏目当てということでもなく(おれはあくまで藤本和也氏のマンガが好きだからな)、ジンタのホームページで、いくつか曲を聞いて気に入ったので購入に踏み切ったのですけどね。

・曇り空の音楽。こんなフレーズがアタマに浮かびました。曇りを晴れと雨の間としか思えない人にはわからない。抜けるような青空の明るさもないし、雨の日のわかりやすすぎるジメジメさもない。曇り空を見上げ雲の濃淡がみせる色彩豊かなサマを味わえる人。明るくもなく暗くもなく。そして、同じ「色」はない。太陽のある薄いところ、今にも降りそうな厚さ。そういうものの滋味深さ、せつなさ。漢字で表現すると「地味渋」。つまりはそういうことをいいたいのですね。

・具体的に紹介。
・これは解散盤であり、ライブ盤であり、おまけのミニアルバム(最後のスタジオ録音)付の2枚組アルバムでございます。

・メンバーは4人。ギター、ベース、ドラム、キーボードで全員がボーカルを取ります。

・そして、解説に「平成のザ・バンド」とあるように、4人の紡ぎ出す「ロックの奇跡」なアンサンブルで、歌謡風味が濃厚なメロディに乗せ、あがた森魚やはちみつぱい〜はっぴいえんどなどの、非4畳半フォークな世界に地続きでつながっているような歌詞世界。

・とにかく、4人が出す「音」が非常に濃厚。上記ホームページで聞かれるカセットテープの音がトゥーマッチに感じるほどだが、それが貧弱ではない。それぞれが主張したり、譲り合ったり、肩を並べたり、変幻自在で、真摯に楽しく紡がれ出でる「ジンタ」の音であふれている。それは、無理や気負いもなく、さりげなく、そして深く耳の奥にまで届く。

・昔、バンドをやっていたのですが、もし、現在もケイゾクしていたら、こうなりたかったなあという憧れもあるな。ミュージシャンズミュージシャンなんてコトバがあり、それがあてはまるのかわからないけど、バンド内のメンバーと「いいよねえ」と言い合えるような気がする。


シャボンの色した夢の覚めた後に残るは
手の中に燃え止し一つ(遅い新曲)


オススメ(2002/09/15・0:30)

2002年/9月/10日
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「505 five oh! five」CARNATION(GJCD-0001)

・現時点でのカーネーションの最新作。
・メンバー5人での最後の作品
・ライブ録音盤。

・とはいえ、かなり古い音源で、1996年7月18日、NHK-FMの公開録音番組「アコースティックライブ」で行われたものをCD化したもの。タイトルはその録音スタジオ・505スタジオからだろう。
・アルバムでいえば、「ガールフレンドアーミー」発売直前のころ。だから、カーネーション・ソウル期のど真ん中でもあるわけだな。

・楽曲はバランスがよく、いきなり「からまわる世界」「ハイウェイソング」「My Little World」の3連ノンストップでたたみかけ、「愛のさざなみ」→「夜の煙突」という、「サティスファクション」「ジャンピンジャックフラッシュ」、もしくは「トランジスタラジオ」「雨上がりの夜空に」な、定番で締める、コンパクトにまとまりながらもキッチリとツボを押さえた構成になっている。

・そして、聞けば聞くほど、キーボードの棚谷氏とギターの鳥羽氏の脱退は痛いなあと。意外にメンバーチェンジを繰り返しているカーネーションにおいて「天国と地獄」で確立した「運命の5人」だったなあと。
・このライブ、ジャスト5人によって紡ぎ出されており、ホーンズのない「体温と汗」、シンセストリングのみの「Garden City Life」などは、やはり、ちょいとショボく聞こえる。しかし、「無敵感(by「Beck/ハロルド作石」)は格別だ。
・「からまわる世界」での初っ端のノイズ→ドラムの流れ、「愛のさざなみ」のギターバトル、「市民プール」の大胆なアレンジ(フォーキーになってる)、「夜の煙突」でのなににも替え難い高揚。この5人でしか出せない音だな。バンドのケミストリーってかおい。

・現在、カーネーションは3人でライブを精力的に行なってるそうで。早くニューアルバムが聞きたいなと。(2002/09/10・16:03)

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sukekyo@violet.plala.or.jpケージバン