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ポトチャリポラパ/ミュージック/2003年
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ミュージック/2003年/6月
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2002年/6月/26日
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「上野茂都唄草子 其の四 「布団が俺を呼んでいる」上野茂都(OFF NOTE NON-8)

・「無人島レコード」という本があります。無人島に持っていく1枚のレコードを取り上げ、その理由を書くというエッセイ集で、その中で、「雲/つれれこ社中」を知りました。これはたいそうすばらしいアルバムでかなり愛聴してます。現在進行形です。「肉屋」など、今でも無性に聞きたくなるときがあります。

・その中心人物である、上野茂都氏のソロです。4枚目ですね。

・さて、それとは別に5月は、ゲルニカに大ハマリでした。リンク先を読んでもらえればおわかりのとおり、おれは、ゲルニカ=戸川純ではなく、上野耕路派です。

・そして、本作は、「上野耕路の入魂サウンドコンクリート」によるものですよ。おれは、上野耕路に飢えていたんですよ。まだ、ゲルニカショックの余波の真っ只中だったのです。

・本作、全17曲入りで、上野耕路バッキングは最初の9曲。残りはスタジオライブですね。これが、ライナーノーツによると、上野氏の自宅6畳間による完全宅録だったそうですが、完璧ですよ。
・なるほど、21世紀になるとゲルニカを宅録したらこんな感じだったんだなあと、いろいろと想像が広がる。打ち込みしてる人には聴いて欲しいもんだなあ。
・しかも、後で理由がわかったのですが、かなり、リラックスムードで、随所にお笑い箇所を挿入されておられる。たとえば、「取り得の私」って曲のイントロは、バカラックのオマージュだったりしますよ。そのほかにニヤリとする箇所がいろいろと。YENレーベル通もニヤリとできるかもしれんね。

・基本的に上野茂都氏のほうは三味線弾き語りで、そういうのも聴きたいなあと思ったころには、バッチリ後半のライブがその欲求に応えてくれる。

・三味線のゆらぎのある音が、やっぱり本分なんですよね、茂都さんの場合。

・で、カッキリしてる耕路サウンドだと、ちょっとヒカシューみたいに聞こえたりして。そういえば、耕路さんはヒカシューのボーカル巻上公一氏と組んだことも多いね。「さいざんすマンボ」のカバーなんか、心底シビレましたよ。

・これ、帯がおかしいんですよね。「東京洒落男・上野茂都」。彼の場合、オシャレの洒落じゃなくて、ダジャレのほうなんですよね。そう、彼の作詞も相変わらずスバラシイの一語ですよ。


君と別れて めがへるつ とってもめがへるつ
目方が減るからめがへるつ やっぱりはらへるつ
(めがへるつ)

・とかねー。
・そいでもって題材がわりと身近なものが多いんですよね。生活に根ざしていながら、どこか生活から隔絶してる不思議な位置です。四畳半フォークの貧乏くささとはまた一線をひいたところに存在します。


徹夜自慢のあん畜生に 教えてやりたい布団の心
布団は何にも言わないけれど 布団の気持ちは良く解る
寂しい時でも 嬉しい時でも 布団はおいらの友達さ
布団よ今夜も有り難う 有り難う
(布団が俺を呼んでいる)

・とりあえず、ダジャレキライな人は向いてないね。これだけは忠告しておきますよ。

・こういうのが、シャレっ気たっぷりの(このシャレはまたちがうシャレですね)上野耕路サウンドに乗ったり、三味線の音に合わせて、朗々と歌われるんですよね。

・ああ、すばらしいすばらしい。救われますよ。

・そして、上野茂都氏のサイトでわかった驚愕の事実。上野耕路氏と上野茂都氏は実の兄弟なんですね。ああ、驚いた。まったく音楽の接点がないんだもんなあ。まあ、本来、上野茂都氏のほうは、絵本描いたり、焼き物やったりしてるんですよね(前記リンクで作品をみることができます)。だから、芸術家兄弟と。
・つのだたかし(タブラトゥーラ)氏と、つのだ☆ひろ氏みたいな感じですかね。

オススメ
(19:18:41)


sukekyo@violet.plala.or.jpケージバン