凛: | とうとう帰ってきたわねこのシリーズが。呪文メタメタな遠坂凛なんてレッテルはられたまま、二度もおめおめと負けるわけにはいかないってのよ(指ぽきぽき) |
桜: | 今回のクライマックスは、サーヴァントとマスター総出演の冬木市攻防戦でした。ほんと、一時はどうなることかと思いましたけど… 無事戦いきれてよかったです、姉さん。 |
イリヤ: | まったく、あいかわらず損な役回りばっかりね、サクラ。でも、シロウのおうちを最後まで守り抜いた功績はおおいに認めてあげるわ。 |
桜: | 衛宮邸で姉さんの留守をあずかってきたのも、このわたしなんですから。今回は前半中心にたっぷり出番もらったので、先輩にもけっこうリーチかけれたかなー、なんて思ってますっ。 |
凛: | い、言うわね、桜。士郎はさっさと時計塔に幽閉…おっほん、ロンドンでの本格的な修行が必要ね。これは魔術の師としての判断なんだから、うん。 |
士郎: | まあ、遠坂がいない間、自己鍛錬もほとんどやってなかったし… 返す言葉はないっていうか。 |
桜: | せ、先輩っ! なんでここにいるんですかっ、もしかして私のせりふ聞いてました!? |
士郎: | いや、今来たばかりだけど。さっき遠坂に呼ばれたから… でもこれって遠坂ん家の呪文の話だろ。俺にもなにか関係があるのか? |
凛: | ええ大アリよ大アリ! もう、後でみっちりしぼってやるんだから。で最初は誰からよ、だれから。 |
イリヤ: | 話の流れからすると、サクラからでいいんじゃない? 前回パーフェクトだったわけだし。 |
桜: | そ、そうですか? じゃあ、ちょっとはずかしいですけど… これです。 |
声は祈りに 私の指は大地を削る Es flustert − Mein Nagel reist Hauser ab flüstert, reißt Häuserの誤りか (訳)ささやく− 私の釘は家々を破壊する |
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声は確に 私の影は剣を振るう Satz − Mein Blut widersteht Invasionen−! (訳)定理 − 私の血は侵略に抵抗する |
桜: | あ、わたしのアイコンが新しくなってます。 |
士郎: | 前回あまりにひどかったんで描きなおしました。すいません。 |
凛: | そんなことより、アンタ士郎の家まもってるんでしょ… 家、壊してどうすんのよっ!? |
桜: | あ、あれ、わたしそんなこと言ってたんですか?? あのときは必死であまり覚えてなくて… とりあえずスペルまちがえてて、よかったですね、あはは。 |
イリヤ: | でも落ち着きをとりもどして二つ目は、スペルも意味もパーフェクトね。魔術師としての熟練度はともかく、詠唱の安定性にかんしては認めるわ。 |
凛: | そりゃなんといってもわたしの妹だもの。素質はぴかいちよ、ぴかいち。 |
桜: | おほめにあずかり光栄なんですけど… 姉さん、イリヤちゃん。 |
セット Anfang− (訳)開始 |
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Los Los Los−! (訳)いけ いけ いけー |
桜: | ふたりともずるいです、勝負逃げましたねっ!! |
凛: | え? いやだってほら、ここ一番でミスするってのがウチの家系だし、へたなこと口走ってまずったらやばいかなー、なんて。あはは。 |
イリヤ: | わ、わたしも、ヘラクレスに呪文なんて必要ないからよ。いけーって言ってればティーガー戦車のごとく突進なんだから! |
士郎: | うーん、遠坂とイリヤには間違いがないとはいえ、たった一言だけだからなあ… これは桜の不戦勝ってことでいいんじゃないか? |
桜: | やったー!! せんぱい、ありがとうございますーー!! |
凛: | い、いやに桜の肩もつわね…私が留守してる間に色ボケしちゃったか。 そういう士郎!やってくれたわね、ぼんくら弟子をちょっとでも信じたわたしがバカだったっての、ええそうだっての! |
士郎: | ええっ?? 俺、なにか遠坂におこられるようなこと、したっけ。 |
凛: | うがー!! 気づいてないときた。冬木の管理者の第一弟子として、ウチの家の管理と戸締り、アンタにまかせてったというのに… |
【鍵開け】 Abzug Bedienung Mittelstand (訳)差し引き 操作 中道 |
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【鍵閉め】 Anfung Mittelstand Anfangの誤りか (訳)開始 中道 |
凛: | 鍵、閉まってないじゃない! これだから魔術協会の女なんかにドア蹴破られちゃったのよ! あー腹立つ! |
士郎: | う… ご、ごめん。でもほら、おかげで新鮮な牛乳トラップも試せたし、よかったよかったってことで… |
凛: | よかなーいっ! はあぁ、やっぱり系譜の違う呪文使わせるのは無理だったか…。 |
士郎: | そういう遠坂だって、あのときのアレは、どうだったんだ? アレ。 |
凛: | なによ。アレって何よ。 |
士郎: | ほら、あの時のアレ。 |
デア シュピーゲルフォルム ヴィルト フェアティッヒ ツム トランスポルト Der Spiegelform wird fertig zum Transport−! Die(ディ)の誤りか (たぶん訳)鏡の姿は運送準備オッケー |
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ヤー マイネ マイステリン Ja, meine Meisterin...! (訳)はい わたしのマスターさま! |
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エフヌング デス カレイドスコープス ガッター Offnunug des Kaleidoskopsgatter−! Öffnungの誤りか (訳)万華鏡の柵 オープン |
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【ふた開け】 Sesam, offne dich! öffneの誤りか (訳)ひらけ ゴマ |
ぐわんっ! | |
士郎: | 星が!星が見えたスター! |
桜: | い、いまの何だったんですか? なんだかすごい絵が見えたような… |
イリヤ: | しかも「がんばりましょう」ばっかりだったような… |
凛: | うがー!! 忘れろ、焼却、クリーンアップ! |
士郎: | いてて… でも、今回の呪文の間違いは、俺たちのせいではないのも多いかもしれないぞ。 |
桜: | え、それってどういうことですか、先輩? |
士郎: | ほら、今回はドイツ文字がひとつも出なくて、ふつうの英文字に入れ替わってるのが多かっただろ? 適当にコピー&ペーストするとよく起きる現象なんだ。打ち込み担当の人がうっかりしてただけかもしれないな。 |
凛: | コピー機とストロベリーペーストが、どうしたのよ。 |
士郎: | 遠坂には100回説明しても無理だから聞き流してくれ。要するにコンピュータ処理のミスかも、ってことだ。 |
凛: | ふん、これだからコンピュータってやつは信用ならないのよ。じゃあ、そのミスがなかったら全員よくできました、ってわけね。 |
士郎: | いや、完璧なのは桜だけだ。遠坂はどっちにしろ間違ってるから。あと、俺も…。 |
・・・・・・・。 | |
凛: | 時計塔で勉強がんばろっか、士郎… |
士郎: | そう、だな… |
桜: | お、おふたりとも、がんばって… ってだめですわたしもいきます時計塔っ! |
士郎: | 遠坂、雰囲気壊すようで申し訳ないけど… にはは笑いは全国の観鈴ちんファンを敵に回すからやめたほうがいいと思う。あと |
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軽量 Es ist gros−! großの誤りか (訳)それは 大きい |
士郎: | ひそかに巨大化して押しつぶそうとしてたんだろ、遠坂。 |
ぐしゃり | |
士郎: | ぜ、ゼルレッチ突き刺さってますゼルレッチ! |
凛: | うがーー!! わたしのバカバカバカ。こんなヤツ二度と相手してやんないっ!! |
凛: | たのもー!! カレンー、いるなら返事しなさいってのー! しっかしまあ、派手にやってるわよねえ、これ。 |
桜: | はい、これだけ大掛かりな改装だと、お部屋に住めなくなっちゃうのもわかる気がします。 |
士郎: | しかし遠坂、なんでわざわざ教会まで来なきゃならないのさ。カレンなら、夜はウチに泊まってるわけだし。 |
凛: | べつに、定期報告の場所が決まってるわけじゃないけど。相手が相手だから。衛宮家の客間でガンドが飛び交ってもいいわけ? |
士郎: | それは勘弁してください。あれ? 遠坂さ、あんなパイプオルガン、前からこの教会にあったっけ。何だか見覚えがあるような、そうでないような。 |
凛: | カレンが新しく造らせたんでしょ。ふーん、2段鍵盤でざっと20ストップ、パイプは1000本台…ってとこか。地方の教会にしてはそこそこ頑張ったグレードね。 |
桜: | えっ。オルガンのパイプって、そんなに数があるんですか、姉さん? |
凛: | あたりまえでしょ、ひとつのキーにパイプ一本ってわけじゃないんだから。 で、どのパイプに空気を吹き込むかを選ぶのがストップ。演奏中に切り替えれば、音色と和音がいろいろ変化するってワケ。 |
士郎: | へええ。しかし、遠坂がオルガンに詳しいってのにもちょっとびっくりした。 |
凛: | 昔の言峰教会にも小さいのがひとつあったのよ。基礎体力の鍛錬とかいってよくふいご漕がされたもんだわ。あれってどう考えてもただ働きよね、ちくしょー。 |
桜: | ひ、弾かせてもらえてたんじゃないんですね… |
士郎: | でも俺、こういうのけっこう好きだな。教会のパイプオルガンって、なんだか荘厳というか。 |
凛: | 士郎にしては珍しいコトいうじゃない。まあ、たしかにこういうのも悪くはないわね。 あ、上のほうにエンブレムが見えるじゃない。ええっと、C・M… って、聞いたことないメーカーだけど。何のイニシャルかしら。 |
桜: | コマーシャル・メッセージ? |
士郎: | ひねりが足りないな。カレン・マクレミッツ。 |
桜: | わたしも負けません、コミック・マーケット! |
凛: | …あんたら、二人揃ってぶっ飛ばすわよ。 |
士郎: | まて遠坂、横のほうにも何か書いてあるぞ。ええと、…NICAN、MOTIFMA… |
凛: | (眼鏡すちゃ)ほんとだ。さすがアーチャーのたまご、眼だけはいいわね。まって、cで始まってnicanで終わる単語と、motifはいわゆるモチーフよね… COPERNICAN MOTIFMAKER コペルニクス的旋律を生み出すもの COPERNICAN MOTIFMATE コペルニクス的旋律の友 あたりかしら。 |
桜: | うわぁ、姉さんすごいです、さすが洋行帰り! |
士郎: | それにしても、コペルニクス的旋律ってどういう意味だ? |
凛: | そんなの知らないわよ、カレンにでも聞いてみなさいよ。たぶん、革新的なメロディくらいの感じじゃないかと思うけど。 |
カレン: | …人の家の中で何を勝手な話しているのですか、貴方たちは。 |
桜: | あ、か、カレンさん、いらっしゃったんですか。 |
カレン: | 普段は賛美歌の演奏がメインですが。近代的メロディがお好みなら、このオルガンと私の腕で幅広くカヴァーしてみせます。(ぶんちゃかぶんちゃか)貫かれてもー♪ |
士郎: | 好きな人ー♪ …しまった、ラストの癖で思わずハモってしまったっ! |
桜: | ていうか、昭和54年の歌がわかるわたしたちって、いったい何歳の設定なんでしょうか… |
凛: | どーでもいいけどカレン。さっきから気になってるんだけど、あのエンブレムの上の胸像。 あれ、まさかアンタじゃないわよね。 |
士郎: | むむ、言われてみれば、髪型あたりがよく似てる気がするけど… いくらカレンとはいえ、自分の胸像をすえつけるというのはさすがにないだろ。 |
桜: | で、ですよね。こんなカレンさんですけどまさか…あはは。 |
カレン: | 何故ですか? このオルガンの旋律は私の技巧をもって一体をなすのですから、演奏者の彫像をエンブレムに刻むのもごく自然かと。 |
凛: | で、出たわねこの真性ナルシー女。もうどーしてここの教会に来る司祭はこんなんばっかしなのよ… もういいわ、さっさと仕事済まして帰るわよ。カレン、これ今月の報告書。あと口頭での申告事項がいくつか。 |
カレン: | 持参での提出とは殊勝な心がけです。では奥の執務室へ。改装中で散らかっていますが気にしないでください。 |
凛: | 桜と士郎はここで待ってて、すぐ済ましてくるから。じゃあまた。 |
【10分後】 | |
カレン: | ノ、ノリ・メ・タンゲレ━━━!! |
凛: | 十年早いわ!! ガンドガンドガンドガンド!! |
ずがあぁぁん!! | |
(がちゃ)←ドア開く | |
凛: | ぜはー、ぜはー。まったく、このわたしと魔術でやり合おうなんて百年早いってのよ。 さ、あのスットコドッコイがくたばってる間にとっとと帰るわよ。あーもう疲れた… |
士郎: | き、教会への定例報告って、いつもこの調子なのか、桜… |
桜: | ま、まあ、報告するほうもされるほうも、アレですから…あはは。 |
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ノリ・メ・タンゲレ Noli me tangere (訳)私に 触れるな |
凛: | おのれに頂いた主のお言葉でいけしゃあしゃあと攻撃する聖職者ってのも、頭のネジ何本かぶっ飛んでないとできない相談よ。 |
桜: | でもこの世界って、第七聖典を杭打ち機にしちゃうカレー好きさんとかもいますから…あはは。 |