桜: | ずるいです、姉さん…よくもあんなデタラメな方法で… |
凛: | まだそんなこと言ってるわけ。ゼルレッチと、平行世界からの魔力の拝借はもう説明したはずよ。ま、もし平行世界でも戦ってるわたしがいたら悪いけど、それはそれ、早いモノ勝ちってこと。 |
桜: | そんなことを言っているのではありません… 姉さんは、姉さんは、なんであんなデッタラメな呪文でも勝ってしまうのか、ということを言ってるんです…! |
凛: | はあ? たしかにゼルレッチは士郎製のまがい物だけど、呪文自体は遠坂の大師父から伝わる由緒正しいものよ。アンタにとやかく言われる筋合いはないわ。 |
桜: | そんなことはわかっています… そうじゃなくて、姉さんは… はっきり言います。ドイツ語のお勉強、ちゃんとしてますかっ! |
凛: | なっ…?? |
桜: | ではきちんと教えてあげます。地下空洞での、わたしと姉さんの最終対決の場面。 |
解放、斬撃 Es läßt frei. Werkzüg Werkzeugの誤りか (訳)解放、道具! |
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声は遠くに Es erzahlt (訳)物語る |
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次、接続 Gebühr, Zweihaunder…! Zweihänderの誤りか (訳)授業料よ、両手剣! / 報酬よ、両手剣! |
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解放、一斉射撃 Es läßt frei. EileSalve Eilesalveの誤りか (訳)解放、緊急一斉射撃! |
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声は遥かに Es befiehlt (訳)指示する |
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接続、解放、大斬撃 Eine, Zwei, RandVerschwinden Eins, zweiの誤りか (訳)1、2、限界消去! |
凛: | む… なによこれ。わたしの言った呪文、どれ一つ合ってないじゃない… |
桜: | そういうことです。なのにどうして、姉さんの呪文は平気で発動しちゃうのか… こんなんじゃわたし、やりきれません。 |
凛: | ちくしょー、対する桜は全問正解ってワケね。 けど、本文に振ってあるルビは超いい加減だとして… アンタ、よくよく見てみればずいぶん恐ろしいコトを口走ってるわね。さすがはアンリマユ。 |
桜: | ね、姉さんの呪文がいきあたりばったりすぎなだけです! 授業料よっ、て何なんですか… |
凛: | むむ、ここ一番でポカをするっていうわたしの悪いくせ… もしかしてセリフをミスってたのが原因? |
桜: | でも、姉さんはそのくらいでいいんじゃないですか? あそこで呪文がきっちり合ってたら、大空洞の崩壊どころか、冬木市ごとふっ飛ばしかねない… フフ、姉さんこそアンリマユ。 |
凛: | アンタ、覚えてらっしゃい… |
6/30、type-moon様より誤字・バグ修正パッチが公開されました。さっそくパッチ適用のうえ、遠坂シスターズ呪文対決のシーンを拝見しましたところ… 凛サマの呪文がなおっている Σ(゜□゜;)
大半の誤りはきれいに直っておりました。ただ zweihaunder のみ当ページの記載と異なる修正(zを小文字にし、スペルはそのまま)がなされていましたので、もしかすると私の解釈が間違っていたのかもしれません。 ただ最後のRandVerschwinden、煩雑なのであえて記載はしなかったのですが、途中のVは小文字であるべきでしょう。この部分が直っていなかったということは、もしかしてオフィシャルもこのページを参考になさったのでしょうか…? なお、私からtype-moon様に誤字のご報告を申し上げたことはありませんし、type-moon様から本ページを参考となさる旨のご連絡もいただいたことはないことを申し添えておきます。あくまで推測ってことで。 ていうか、 せっかくのおいしいネタがァ Σ(´Д`;)
7/3 さらに追記 全部調べてみました。結果、 このページ(fate.html)で取り上げたもの → すべて修正(ただしローレライに修正ミスあり) その他の呪文ページ(deutsch.html)で取り上げたもの → すべて未修正 どういう基準で作業なさったんですか
type-moonさん Σ(´Д`;) |
綺礼: | 聖杯の奇跡だ。 |
士郎: | そうくると思ってたぞ。アンタ、設定が面倒だと適当に聖杯のせいにしてるだろ。 |
綺礼: | そのような事はない。神の怒りを買ったバベルの塔、それ以前の状態に人間の言語を回帰させることも聖杯の重要な役割だ。そうでなければマスターとサーヴァントの意思疎通も成り立つまい。 |
士郎: | まったく。ご都合主義もここまでくると呆れるしかないな。 |
綺礼: | ふ。そうまで言うなら、一度聖杯の機能を抑制してやろう。どのような状態に陥るか、その身で思い知るがいい。 |
士郎: | ちょっと待てよ。俺は別にそこまで… |
イリヤ: | Schiro! Hörst du auf mich!? |
小次郎: | ぬかったな剣術士の主よ。我が発言は辛うじて当世でも理解されしか。 |
ランサー: | Se duirt si liom bheith suaimhneach mar a fhasann duilliur is blath |
キャスター: | Χαραζουμε ακομα το ιδιο αστερι που ειδαμε μια φορα |
ライダー: | ΣΗΘΔΜΚ ΘΓΡΠΟΞΝΜΛ ΘΖΕΧΦΥΩ ΜΛΘΖΕΧ |
ギルガ メッシュ: | |
士郎: | ぐあーっ! 時代を遡るほどわけがわからねえーっ! いや待てよ。たしかセイバーはイギリスの王様だったんだよな。よし、英語ならなんとか… は、はろー、せいばー。 |
セイバー: | By yon bonnie banks and by yon bonnie braes, 'Twas there that we parted in yon shady glen |
士郎: | しまった! 英語は英語でも古語だったっ!! |
凛: | ふふん。お困りのようね士郎。おあいにくさま、私たちはこのままでもどーってことないのよね。 |
アーチャー: | そうだな。我々の会話には、何の問題もない。 |
士郎: | ああそうか、アーチャーはもともと日本語しゃべるわけで… ってずるいぞ遠坂ぁ! サーヴァントと会話可能なのはおまえらだけじゃないか! |
イリヤ: | Es ist kein Problem für mich, auch nicht. Schließlich er immer Brüllen!! (わたしだってべつにいいもーん。ヘラクレス、がおーってうなるだけだから。) |
士郎: | と、いうことは、俺だけが圧倒的に不利な状況ってことか−? おい言峰、もうわかったからさっさと元に戻せってんだ! |
綺礼: | 知るか。仮の封印だ、一日も経てばすっかり解ける。それまで適当にやってろ。 |
セイバー: | Shiro. Ye make dinner.(シロウ。ごはんが食べたい) |
士郎: | とほほ…やってられん。今日はもう帰ろう…。 |
綺礼: | 聖杯の奇跡だ。 |
士郎: | だからオマエはだまってろっ。ていうか遠坂の誕生日ごとに服プレゼントするなんて何考えてやがるんだこの光源氏野郎! |
綺礼: | そのようなおいしいネタを早速使い切ってよいのか衛宮士郎。何のことはない。魔術師として凛の能力は別格だ。彼女が成長し自らの力をコントロール可能になるまで、その魔力放出を常時抑制するための着衣を供給していたに過ぎん。この地に流れ来る他の魔術師との無用な争いは避けねばならないからな。 |
士郎: | うっ…。 |
アーチャー: | 残念ながらそれは嘘ではない。君のサーヴァントの普段着が凛のものだったことは知っているだろう。霊体化できないセイバーの魔力消耗を常時抑えるには、言峰神父提供の衣服が適していたのだ。 |
士郎: | ううむ、妙に筋が通っているのが悔しい…ていうかなんでオマエまで出てくるんだよ。 |
アーチャー: | 仕方なかろう。このようなデリケートな話題を凛本人に聞くわけにもいくまい。マスターの代理はサーヴァントの務めだ。 |
士郎: | 一応断っておくが、俺はこんなこと考えたことも思ったこともないぞ! 遠坂とはあくまで協力関係であってだな、こんなはしたないことを俺はだな! |
アーチャー: | やめておけ、うろたえるほどボロが出る。 そもそもマスターにとっても着衣は重要な要素なのだ。あの短い丈では腰まわりの魔力防御に問題が出る。その点、凛にも何度か進言はしたのだが… ともかく、応急処置として彼女の普段着には若干手を加えておいた。 |
士郎: | 要するに、俺が唯一使える強化の魔術を施したってことだな? |
アーチャー: | あと、洗濯ノリを倍量効かせてアイロンを掛けておいた。ひらひらしない理由があるとすればそのくらいだろう。 |
士郎: | ……あんた、サーヴァントととして何か間違えている気はしないか? |
アーチャー: | 仕方がなかろう。もともとが家事全般に異様にマメな奴だからな。英霊になろうとこの癖はなかなか抜けきらん。 |
士郎: | そう言われれば、アンタが消えたあと、遠坂のスカートがさっそくヤバめだったような気がする。(凛グッドエンドCG) |
アーチャー: | なんだ。何だかんだ言って結局見るところは見ているではないか。格好つけず素直に話せばよいのだ、青年。 |
士郎: | うるせー! これは男の性ってやつでどうしようもないもんなんだっ。オマエだって元俺なんだったらそれくらいわかってるだろーが! |
アーチャー: | さあな。私には皆目なんのことだかわからない。ついでにおまえの勝手だが、とりあえず右に避けろ。 |
士郎: | え? |
バキューン!! ===● | |
士郎: | ぐわっ!!このリアル銃弾効果音はまさかッ!! |
凛: | あんたたち人が聞いてないと思って一体何しゃべってるのよぅっ!!!もー男なんてぜっったいに信じられないんだから、このガンドガンドガンドガンド |
ばきゅんばぎゅんばびゅんー! =●=●=● | |
士郎: | どわーーーっ!!誤解だ遠坂っ俺はこんな話がしたかったんじゃないってそこのアーチャー早く俺を助けろ!! |
アーチャー: | 何を言っている、凛は私のマスターだ。ついでにガンドなど私には痒くも痛くもない。私はとりあえず今晩の言い訳でも考えておくことにしよう。やれやれ。 |
士郎: | こらーっオマエかってに話をおさめるなってにぎゃーーーっ遠坂ギブ、ギブアアプ!! |
凛: | うるさぁぁい早くお縄につけぇっガンドガンドガンドガンドーッ!!! |
ばぎゃんどぎゃんずぢゃん……… |
凛: | 前から気になってたんだけど。他のサーヴァントはともかく、アーチャーまでどうして剣と魔法の世界でーすみたいな格好してるわけ。未来人でしょ、あなた。 |
アーチャー: | 未来人とは滑稽な、せめて現代人と言ってほしいものだ。それはともかく、英霊とは人間の無意識が集って成るものであることは凛も知っているだろう。 |
凛: | ええ、そんなのあったりまえじゃない。 |
アーチャー: | なら話は簡単だ。宝具とて、英霊が存命中に愛用したとされる武具の伝承が具現化されているに過ぎない。ましてや外見や風貌については、召喚を受けた時代の人々の「無意識」による影響を大いに受けている。 |
凛: | つまり、わたしたちが持ってるセイバーやアーチャーのイメージというか、ステレオタイプみたいなものが反映されちゃうってわけ? |
アーチャー: | その通りだ。おおかたRPGゲームあたりの影響だろうが、現代人の弓兵というものに対するイメージの投影が今の私というわけだ。従って、私が存命中にこのような服を着用していたわけではない。 セイバーとて今の姿は現役の頃のものではないはずだ。あのゴン太くんの着ぐるみみたいな鎧装でまともに騎乗できるとは思えまい。 |
凛: | うっわー。武内さんが聞いたら死ぬほど悲しむわよ、それ。 |
アーチャー: | ちなみに、ライダーの衣服に関しては私もまったく理解に苦しむところだ。女性の騎乗兵はああいう格好をするのが当世の常識なのか、凛? |
凛: | そ、そんなコトわたしに聞かれても困るっての。 まあ服装はともかく、宝具についてはいちおう根拠というか、英雄本人に纏わる伝承があるわけよね。てことはアーチャー、あなたそのステキ未来素材な弓(Fate/side material参照)一本で近未来の戦いをこなしてたわけ? |
アーチャー: | 誤解してもらっては困る。私も状況に応じてマシンガンやグレネードランチャーの類は扱っていた。もっともこのカーボン弓も、ゲリラ戦に長けた武器として常に携帯していたが。 |
凛: | ゲリラ戦って、穏やかじゃないわね。でもあなたのアンリミテッドブレードワークスなんて、近代兵器の前ではどっちみち手も足も出ないでしょ。悪いけど、もう時代遅れの魔術としか思えない。 |
アーチャー: | それが逆なのだ凛。私の固有結界と剣製は、敵の先兵を迎え撃つにはむしろ絶好の技能だったのだ。変幻自在の特殊金属によって四肢を刃に変える殺戮マシン、T1000。機械の侵略から人類を護る凄絶な戦いにおいて、私が英雄たり得た理由もそこにある。 …いや、詳しくは語るまい。 |
凛: | いいわ。あなたにとってもいい思い出ではないでしょうし。ごめんなさい、イヤなこと思いださせちゃって。 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ |
凛: | ……なんだって。アーチャー、未来で大変な思いをしてきてたのよ。 大丈夫、わたしがいる限り、士郎にはアイツと同じ轍はぜっったい踏ませないわ。 |
士郎: | 変幻自在の殺戮マシンって、それターミネーター2の話だろ。遠坂、アーチャーにからかわれてただけじゃないのか、それ。 |
凛: | ……… ぶっ殺す! あん野郎、今度会ったら令呪でも何でも使って絶っっ対ぶっ殺すーーーっ!! |
凛: | うがぁーー!! どういうことよ、ここのせいで「デッタラメな呪文の遠坂凛」ってイメージがそこらじゅうに広がっちゃってるじゃないのっ! |
桜: | そんなことないです姉さん。「呪文読誦は術者自身への語りかけであって文法の正誤は関係ない」とか、「デタラメでいかにも姉さんらしい」とか、けっこう肯定的なご意見もいただいてるようですよ。 |
イリヤ: | いずれにしろリンの読誦がむちゃくちゃなのは既定路線なわけよね。ま、そーゆーキャラで売れるならそれでいいんじゃない。 |
凛: | だぁまらっしゃい! ふふんだ。あとで涙うかべてゆるしてくださ〜いなんて言っても知らないんだから。こうなりゃこっちだって黙ってらんないわよ、イヤな女といわれようと何しようときっちりオトシマエつけてやろーじゃないのっ! ぜはー、ぜはー。 |
桜: | お、落ち着いてください姉さん。おとしまえって一体何をするつもりなんですか? |
凛: | ふっふっふ。これよ、これ。(ピッ) ←紙差し出す イリヤ。あなた、士郎といっしょのときに歌ってたわよね、ローレライ。 |
イリヤ: | え? そ、そう、初めてここのおうちに向かってるときに、ちょっとだけ口ずさんでたかもしれないわ。 |
桜: | わたしも知ってます、古いドイツの民謡ですよね。かわいい顔して船をことごとく難破させる恐るべき魔性の少女。イリヤちゃんの隠れた本性を匂わせるにぴったりの歌詞ですよね。 |
凛: | アンリマユのアンタに言われたくはないけど。とりあえず最初のパラグラフ、見てみましょ。 |
「♪〜Die Luft ist kühl und es dunkelt, (訳)♪〜大気は冷たく、黄昏れて Und ruhig fliesst der Rhein. fließtの誤り (訳)穏やかに流れるライン川 Der Gipfel des Berges funkelt (訳)山の頂上はきらきらと輝く Im Abendsonnenschein〜♪」 (訳)暮れゆく陽の光の中で〜♪ |
|
桜: | あれ? どうしてでしょう、一か所へんなところがあるみたい。イリヤちゃんはドイツで育ったんだから、歌を間違えるなんてことはないと思いますけど… |
イリヤ: | こ、こんなの別に間違いなんかじゃないわ。ßとssは意味も発音も同じだもの。ßがないタイプライターではssと打ってもいいことになってるんだから。 |
凛: | ふっふっ、言いわけしてられるのも今のうちよ。じゃあ次のパラグラフ、いってみましょ。 |
「♪〜Die schÖnste Jungfrä sitzet schönste Jungfrauの誤り (訳)♪〜とびきりかわいい少女が座ってる Dort oben Wunderber. wunderbarの誤り (訳)あそこの、すごい上に(?) Ihr goldues Geschmeide blitzet, goldnesの誤り (訳)金色の髪飾りが輝いて Sie kämmt ihr goldenes Haar〜♪」 (訳)彼女は金の髪をすいている〜♪ |
桜: | あ、あ…れれれ? イリヤちゃん、どうしちゃったんですか、ずいぶん赤字がはいっちゃってるみたいですけど… |
イリヤ: | う…ううう。どういうことこれ…。 |
凛: | ふっふっふ、だんだん余裕がなくなってきたみたいね。容赦なくトドメの一発、のこり全部どばーんといっちゃいましょー! |
「♪〜Den Schiffer im Kleinen Schiffe kleinenの誤り (訳)♪〜小さな船の船員さんは Ergreift es mit wildem Weh. (訳)情熱的なうめきに捕われて Er schät nicht die Felsenriffe schautの誤り (訳)岩礁を見ずに Er schät nur hinäf in HÖh〜♪」 schaut nur hinauf in die Höhの誤り (訳)ただ上の高みだけを見つめてる〜♪ |
||
「♪〜Ich gläbe die Wellen verschlingen glaube, の誤り (訳)♪〜私が思うに、波が飲み込む Am Ende Schiffer und Kahn (訳)船員さんと小舟のおわり Und das hat mit ihrem Singen (訳)そしてこれは彼女の歌のせい Die Lorelei getan〜♪」 (訳)ローレライのやったこと〜♪ |
凛: | きたきたきたーっ。屈辱の印、がんばりましょうマークの三連チャン! ドイツ語だからって何でも点々付けりゃいいってもんじゃないっての。äとauじゃ意味も発音もぜんぜん違うでしょ。 |
イリヤ: | あのねっ、リン、わかってるっ!? わたしは日本人とホムンクルスのあいだに生まれた子供なんだから。だから少しくらい発音おかしくても当然って思わないっ? |
桜: | あ、そういえばイリヤちゃんは、生粋のドイツ人さんじゃなかったんですよね。それじゃあ、少しくらい間違っちゃうのもしかたないと思います、姉さん。 |
凛: | こちとら100%国産だっての! なのになんでわたしだけバカにされなきゃならないわけ。不公平よ不公平! |
イリヤ: | うううー。鼻歌まちがえるのと、呪文まちがえるのは魔術師として重みがちがうと思うっ。 |
桜: | まあまあ、姉さんもイリヤちゃんもおちついて。だけど、これでだいたいの大筋がつかめてきたように思えませんか、姉さん。 |
凛: | えっ。何、どういうコトよ。 |
桜: | わたしたちの呪文の背景が、です。おそらく、こういう経緯でできてきたような気がします。 |
(1) | 凛と黒桜の呪文の翻訳を、専門家に依頼。 この時点でシナリオは完成しておらず、イメージに合う日本語を適当に並べた。 その際、「凛の呪文は、おおざっぱな感じを出してほしい」と翻訳者に注文をつけた。 |
桜: | 姉さんの呪文にみょうに軍事系の単語が多いのは、ドイツ軍とかティーガー戦車とかが大好きそうなシナリオさんの趣味じゃないかと思うんです。 |
凛: | 後からシナリオに合わせてルビを振るから、とりあえずは何でもオッケー、ってことか。適当ね…。 |
イリヤ: | サクラのきれいな構文と比べると、リンの読誦は文にすらなってないのが多いけど。気合いと勢いでGO!みたいなリンの性格にあわせた演出と考えれば自然よね。 |
(2) | 翻訳された呪文を、シナリオの完成にあわせてテキスト入力。 しかしこの時、少なからずタイプミスが生じた。 |
桜: | 演出上、姉さんの呪文にわざと誤植を加えたということもありえます。でも、イリヤちゃんの歌をわざわざ間違えさせる理由はないでしょうし、やはり一定の割合で入力ミスが起きたというのが自然な気がします。 |
(3) | 呪文の部分は校正作業の対象とならず、そのままマスターアップした。 |
イリヤ: | まったく失礼しちゃうわよね。ローレライの歌詞くらいもう一度チェックしてほしかったわ。 |
凛: | で、何よ。結局わたしの呪文がメタメタなのは、当初からの演出+誤植のオンパレードだったってのがファイナルアンサー? |
桜: | ざ、ざんねんながら、そういうことになっちゃいますね…ははは。 |
イリヤ: | いいんじゃない。それもリンの個性なんだから。ファンの人たちにもウケがいいみたいだし。 |
凛: | ふんだ。どーせわたしはそーゆー役回りなんでしょうよ。 じゃ、ひとつその、メタメタで誤植つきの呪文を唱えてお別れにしましょかね。前回の呪文対決でラストに出てくるのをひとつ、取り上げ忘れてたらしいから。では、すぅ〜〜 |
事象、崩壊 (訳)世界 終わり |
がらがらがらがらっ!!! | |
桜: | きゃあああ! な、何するんですか姉さんっ。こっこれじゃ、このお話だけじゃなくてこの冬木市ごと終わっちゃいますっ!! |
イリヤ: | しかも今回にかぎってたいへんよくできてるわっ!! |
士郎: | (がらがらがら)おーい! みんな大丈夫かっ。何が起こったんだ、地震か、サーヴァントの奇襲かっ!? |
桜: | い、いえ、そうじゃなくて、姉さんが… |
凛: | ふっふっふー。みんな、みんな消えてしまえー。うっははーのはー。 |
士郎: | こ、こりゃだめだっ。何があったのか知らないが遠坂の頭のネジがはずれてるっ。桜、イリヤ、今すぐこの家から逃げるんだっ!! |
イリヤ: | ひっ、ひぇぇぇぇ〜〜〜っ!!! |
ずっし〜〜〜〜んっ。 ←衛宮家、崩壊。 |
イリヤ: | ちわっす師しょー! あれ。なんだか今日はいつもと雰囲気が違うっす。 |
藤ねぇ: | はああ、なんとかバルハラ温泉から戻ってこれたよぉ… というわけで今回はタイガー道場特別編、われら二人がフェイトなお悩みずばっと解決という趣向なのである。 |
イリヤ: | おおー、何だかよくわからないけどとりあえず気合いいれるっす。して、今回のお悩みとは何でありますか! |
藤ねぇ: | うむ。「冬木市って、どこにあるの?」 これなり。 |
イリヤ: | がく。それってすでに、Fate.mapさんがすばらしい調査結果を掲載してらっしゃるであります。 |
藤ねぇ: | そうなのよねぇ。このネタやろうと思いついたときには、まさか実在する場所が背景に使われてるとは知らなかったんだよぉ… という文句はおいといて、皆さまの調査の努力と熱意にはお姉さんほんと脱帽です、うん。 |
イリヤ: | ちなみにこれ書いてる筆者は、会社の知り合いの案内で新都のビルに入ったことがあるそうです。ガラス張りの超キレイなエクステリアに目を見張り、赤錆の浮く自社ビルとのあまりの落差に涙したとか。 |
藤ねぇ: | そのかわり賃料すごく高いけど…って下世話なことはおいといてだ。ひとまずFate.mapさんの結果を参考に、背景のモデルがある場所を日本地図に書いてみました。 |
イリヤ: | あとは、冬木市の場所の参考になりそうな情報ね。「冬は長いが比較的暖かく」て… |
藤ねぇ: | よくわからない表現ですが、可能性はふたつ。北国だけど、海流と日照の関係でちょっとは暖かい東北の太平洋側。もしくは、瀬戸内系で冬温暖なんだけど、六甲おろしなど局地的な気候で寒さがちょい厳しいってケースかな。 |
イリヤ: | 初回版のおまけ資料集に、地図が載っているわ。これによると海岸線は北側なのね。 で、この飛行機マークは何なんですか師しょー。 |
藤ねぇ: | 遠坂さんがさいごにイギリスから戻ってきたとき、空港からそれほど時間かからずに着いてた風だったでしょ。だから、冬木市は国際線の飛んでる場所からほど近い、と読んだわけ。 |
イリヤ: | それはわかるっすけど、この(横風滑走路なし)って。 |
藤ねぇ: | やすい飛行機乗ったせいで、着陸のときしこたま頭打ったとかぼやいてたけど、あれは金欠少女のひがみね、ひがみ。傾いたままドスンとくるのは、強い横風のなかでも確実に降りるための、安全な操縦なのです。 |
イリヤ: | はぁ… |
藤ねぇ: | よって、強い横風を避けられる専用の滑走路がある空港は除外しました。といっても日本には羽田空港くらいしか設置されてないんですが。しょぼいわよねえ、日本の空港って。 |
イリヤ: | と、とにかく、まとまった地図を見てみるっす。 |
イリヤ: | し、師しょー… |
藤ねぇ: | んん? 何かな、言ってみたまえ弟子一号。 |
イリヤ: | …どれも、見事に重なってないっす。 |
藤ねぇ: | だぁーっはっは! よくわかったな明智君。ここまでくると、もはやtype-moonさんがあえて架空のバラバラ設定を用意したとしか思えねぇ。 |
イリヤ: | でもよーく見てみると、神戸市あたりの×印の重なりが尋常じゃないっす。背景むちゃくちゃ出てきてるっす。 |
藤ねぇ: | けど、海岸線が北側じゃないのが致命的かな。背景モデルを無視すれば、いちおう四国北岸から大分にかけての地域が、設定条件としてはかぶってるのよねぇ。 |
イリヤ: | 地図なんて目じゃないっす。六甲おろしで冬は寒くて、関西空港なら一時間ちょいっす。ここは神戸説に賭けるっす! |
藤ねぇ: | ほんとかなぁ〜? いいだろう。ここは読者サマの選択にゆだねることにしようではないか〜! |
凛: | ちょっと、こんなとこで油売ってる場合じゃないっての! こんどの新作に出なきゃいけないんだからっ! |
桜: | けど姉さん、パッケージを開けると最初に出てくる「サーヴァントカード特典」のケースに、ふしぎな呪文が刻まれているらしいんです。見た感じ、姉さんっぽい呪文とのことなので… |
凛: | そ、そんなのわたしかどうかもわかんないじゃない! 濡れ衣よ濡れ衣ー! |
イリヤ: | あら、自信なさそうねリン。もしかして、何かやましいところでもあるんじゃない? |
士郎: | いや、俺は遠坂の頑張りを信じるぞ。がんばれ、遠坂。ゆけゆけ、遠坂。 |
凛: | ぎにゃーーっ! やめてーっ!! |
凛: | ……… |
士郎: | ……… |
桜: | ……… |
イリヤ: | ぷ、ぷぷぷ……… |
| |
士郎: | ………さ、出番だ。行こうか。 |
桜: | はい…… |
凛: | ぶっ殺すー! 写植屋も印刷屋も装丁屋もぜんぶぶっ殺すーーーっ!! |