-どこにも見あたらない場合...最悪の、結果?-
筆者: | な、ない...一体どこだあーっ! どどどど(階段を下りる)あ、この階段、地下にも続いてるぞ。そうか、地下だ、地下にあるに違いない! ずどどどど、わ、うわーっ! |
どっしーん。 | |
あやめ: | いたたたた...お客さん、ここは関係者以外立入禁止ですよっ。 |
筆者: | す、すみません...あれ、あやめさん? 藤枝あやめさんですよね! 帝撃通信局の。わー、本物だ、ぼく、毎週欠かさず聞いてるんですよ! |
あやめ: | ま、まあ、そうですの、どうもありがとうございます、ほほほほ。 って、ここから先はだめですっ。一体何をそんなに慌ててらっしゃるの? |
筆者: | そ、そうだ、それどころじゃないんです、その、ト、トイレ、どこなんですかあ! |
あやめ: | トイレ? ここの? |
筆者: | そうです! |
あやめ: | ...ありません。 |
筆者: | な、ない?! |
あやめ: | ええ、ありません。この大帝国劇場はかなり昔の建築ですから。そんなに驚くようなことでもありませんわよ、仏蘭西のヴェルサイユ宮殿なども中にトイレはありませんでしょ? |
筆者: | ま、まあそう言われればそうですけど...でも、じゃ皆さんは普段どうなさってるんです? |
あやめ: | お客さん方はここに来る前に蒸気鉄道の駅などでお済ませになってるようですよ。私たちも帝劇前駅のトイレはよく使わせていただいてますけど。 |
筆者: | わざわざ用を足しに駅まで...でも、そうはいっても、火急の時なんか、間に合わないような場合はどうするんです? |
あやめ: | そ、そういう時には、各個室に備え付けられた、その、なんと言いますか、ほほほ... |
アイリス: | おまる。 |
紅蘭: | こ、こらアイリス! それをいうたら元も子もあらへんやないか! |
すみれ: | あーら、なにをお隠しになる必要があるのかしら? わたくしのは神崎家お抱えの職人たちに特別に製作させた、最高級の漆塗りにふんだんに金箔をちりばめた超ぉー高級の品ですわよ、おーほっほっほっ! |
筆者: | ..... |
紅蘭: | とはいうてもなあ、どうにかでけへんやろうか、あやめはん? いつまでもこのままっちゅうわけにもいかへんし... |
あやめ: | そうねえ、衛生上もよくないし...今年度の設備改装費があと数万円ほど残ってるけど、これで宿直室でも改装してトイレを作りましょうか... |
米田: | あやめくん、それだけ残ってるんなら、その予算で医務室の照明付け替え工事... |
あやめ: | だまらっしゃいっ!! |
米田: | ...ちぇ、あやめくんのけち。 |
私の探してみた限り、劇場の中にトイレと思われるような場所はありませんでした。まさるな蒼紫さんもご指摘のように、深川の洋館にもそれと思われる場所はありません。一体どうなってるんでしょうねえ。