カンナ: | アルタイルはたしか「ひこ星」だったよな。これは織姫とペアってわけか。 |
さくら: | でも、ラチェットさんっていうのはあまり聞いたことのない名前ですね。 |
紅蘭: | はいはい、機械のことやったらウチにまかしとき。ラチェット(爪車)ゆうたら、ストッパーがついてて一方向にしか回らんようになってる歯車のことやな。 右の絵見てみ。時計回りは歯車が爪を押し上げながらくるくる回れるけど、反対回りは爪と歯車がぶつかって動かへんようになってるやろ? |
さくら: | 前にこいだら噛み合って、後ろにこいだら空回りする、自転車のペダルと同じかしら? |
紅蘭: | ようわかっとるなさくらはん! 自転車の後輪はラチェットのええ例や。 |
カンナ: | さくらの自転車といえば、2のエンディングで土手の上からどてーっとコケてた、あの前輪のでっかいやつだな(^ー^) |
さくら: | あ、あれはあたしのじゃなくて、お芝居に使う大道具なんですっ! ついでに大神さんといっしょに転ぶための小道具なんですっ。 |
紅蘭: | そやけど、なんでラチェットはんって名前なんかいな。一方向にしか回らんっていうのとなんか関係あるんやろか。 |
すみれ: | あら、自分の思ったとおりにしか動かない高ビシャさんだからに決まってますわ。逆向きにはテコでも動きそうにないですもの。 |
カンナ: | ほほー。日本高ビシャ党首のサボテン女に言われちゃあラチェットも浮かばれねえな。 |
すみれ: | ぬぁ、ぬぁんですってえっ!! |
さくら: | まあまあ、今はラチェットさんの名前のお話ですから… 考えられるとしたら、ラチェットさんの武器じゃないですか。ほら、飛び道具がナイフですし! |
紅蘭: | ははーん、飛び爪と爪車、か。なるほどなるほど。 |
すみれ: | それにしても、結局あの方はなんでしたの。お芝居の途中でいきなりベラベラしゃべられても、観客の皆さんには絶対わかりっこないですわ。 |
カンナ: | まあアドリブ劇はあたいたちの十八番だけどよ。いくらなんでもありゃあ唐突すぎだったな。 |
さくら: | 『陸の魔王に心を売り渡しても』ということは、やっぱり…。 |
紅蘭: | まあ、あのヤフキエルっちゅう霊子甲冑造ったダグラス・スチュアート社とラチェットはんがどっかでつながってたってこっちゃな。 |
すみれ: | まったく羽を生やした使徒の大量来襲だなんて、劇場版まで新世紀エヴァンサクランにされるところでしたわ。 |
紅蘭: | TV版ではひどい目におうたからなあ。まあ、今回の霊子甲冑はほんまに中身が降魔やったっちゅうことで。 |
カンナ: | けどよぉ。ラチェットの奴、今回のサクラ4には結局全然出ずじまいだったよな。 |
さくら: | ほんとですね。ラチェットさんがいてくださったら、長安との戦いもずいぶんらくになったと思うんですけど… |
すみれ: | たしかに、劇場版だけで終わらすにはもったいないキャラであることは認めますわ。 |
紅蘭: | なー。ウチ、ラチェットはんのアイゼンクライトもちゃんと整備して待っとったんやで。ほんま、今どないしてはんねんやろ… |
その頃 太平洋横断客船『氷川丸』船上 | |
『乗客の皆さん。シアトルからの長旅、お疲れ様でした。 本船は間もなく、横浜港に入港いたします。Ladies and gentlemen...』 | |
ラチェット: | もう全部終わってるじゃないの!! リボルバーカノンなんて、巴里華撃団はずるいわ……ううううっ。 |
大神: | 彼女、首から下にぴちっとしたボディスーツを着ているようですが… |
かえで: | いらない所ばかりよく見てるわね。あれは鋼線入りのタイツよ。投げたナイフが跳ね返った時に、怪我をしないようにするためらしいわ。 |
大神: | 跳弾を避けるマリアのコートみたいなものですか。うーむ。 |
かえで: | (巴里の影響で赤色ゲージ全開ね… すみれ以上の肩の露出はサクラ倫理規定に反するからだなんて口が裂けても言えないわ) |
レニ: | 星組時代、犬を飼っていたんだ。 |
大神: | へえ、星組にも飼い犬がいたのか。 |
レニ: | その名前のことで、ラチェットとちょっと、ね。 |
大神: | …はあ。 |
レニ: | だって、犬の名前なんかドッグでいいって言い出すんだ。その方が合理的だって。隊長、信じられる? |
大神: | フントって付けるのとどう違うんだ… |
紅蘭: | あのな、最後のほうでマリアはんが、うちの作った霊力弾で敵を倒しとったやろ。 |
さくら: | 紅蘭が加山隊長に一発だけ渡したっていう弾を、使ったんじゃない? |
紅蘭: | それがや。加山はんのつこたはる銃はたしか普通のセミオートマチック。それに比べてマリアはんは、大口径に改造したリボルバーのエンフィールドや。おんなじ弾は使えへんはずなんやけどなー。 |
マリア: | ニヤリ。 |
紅蘭: | どわぁあびっくりしたぁ。聞いてたんかいなマリアはん。 |
マリア: | 補給の途絶えた戦場では、あり合わせの弾で急場をしのぐことも多いのよ。エンフィールドに合うように弾を加工するのは、そう難しいことではないわ。 |
紅蘭: | すごいなぁ。あの弾はデリケートやさかい、へたにさわるとドカーンやで…。 |
さくら: | さすがはマリアさん、ってところですね。今回はアメリカ人が相手で英語もいっぱい出てきましたけど、マリアさんが一番発音お上手でしたよ! |
マリア: | そ、そうかしら…。 |
紅蘭: | うんうん。麗さんが留学経験してはるだけあって、織姫はんのへんな英語とはえらい違いや。 |
織姫: | まーたわたしのワルクチ言ってまーすね! わたしの声優さんも今アメリカで修行してるでーす、今にみてろでーす! |
紅蘭: | どわぁああかん。ウチ、声おっきすぎるんかいなぁ。 |
織姫: | ゴーにいってはゴーにしたがえでーす。大事なのは日本語でーす。マリアさん、米田支配人に『と申されますと』て言ってましたねー。『とおっしゃいますと』の間違いでーすね! |
マリア: | は… |
さくら: | あ、あははは…… |
紅蘭: | 織姫はんに日本語直されるっちゅーんが、一番きっついな…… |
菊之丞: | ご存じありませんか? 戦艦の主砲は、海上での撃ち合いよりも、陸上への艦砲射撃でこそ最大の威力を発揮するんですよ! |
大神: | いや、そういうことを聞いてるんじゃなくて… キミ、陸軍でしょ。 |
菊之丞: | あははは、いやです〜。大神さんだって海軍なのに、今は陸軍の特殊部隊じゃないですか。 |
大神: | いや、俺は花組隊長だから、陸軍出向の身だけど… |
菊之丞: | …ほんとは海軍に伝令に行っただけですよう。戦艦の上でちょっとかっこつけたかっただけなんですよう。毎日毎日地下室ばっかし、たまにはそれくらいいいじゃないですかあ(;▽;) |
大神: | 聞いた俺がやぼだった…… |