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レニとの潜水訓練にて。 | |
大神: | この標的をとって・・・と。 |
レニ: | 障害物増加。 |
大神: | げげっ!? もうこんなに機雷が・・・
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レニ: | 息、つづくの? |
大神: | ・・・へっ? そういえば、おれは一度も水面に出ていないような・・・ 確かもう三分くらいはたつぞ・・・(機雷に一度も当たっていない)
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レニ: | 隊長、そんなによそ見していたら・・・・
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大神: | えっ・・・・って、わぁぁぁぁぁっっっ!!! |
機雷: | どかーーーーーーんっっっ!!!
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レニ: | 隊長、ほんとによく息が続くね。 |
大神: | はははっ。レニ、俺は海軍の出身なんだぞ。船乗りにとっては泳ぎも潜りもお手のものさ。 |
レニ: | 泳げない水兵だっている、泳力と海軍はさほど関係ない。さらにボクの記録では、隊長はまったく浮上しないで延々と潜水行動を続けることもある。人間の酸素蓄積能力から考えて、このような現象はありえない。 |
大神: | あはは、やっぱりバレちゃうよな。 …実は、この『おさかなくん』を使っていたんだ。 |
レニ: | おさかなくん? |
大神: | うん、これだよ。(ひょいっ)これを口にくわえておけば水中でもずーっと息ができるのさ。紅蘭いわく「水の中から酸素をとりだす仕組みや」って言ってたから、たぶん魚のエラ呼吸みたいに、プールの中にとけ込んだ酸素をとりだしてくれる機械なんじゃないかな。 |
レニ: | ちょっと見せて。 …へええ…… 隊長。これはエラ呼吸なんていうなま易しいもんじゃないよ。 |
大神: | へ? |
レニ: | 超小型の霊子変換ユニットと、電極… この仕組みはおそらく、電気分解だね。 |
大神: | で、電気分解? |
レニ: | うん。水はH2O、つまり水素と酸素が結合してできている。だから、これを電気分解すると… |
大神: | あ、思い出したぞ、おれも高等学校の化学実験でやったよ。たしか… +極から酸素、−極から水素が出てくるんだよな。 |
レニ: | そう。どうやらこの機械は、隊長の霊子力を電力に変換して、電気分解で得られた酸素を供給する仕組みのようだね。 |
大神: | へええ、小さいのにすごいんだなあこの機械! よし、もうひと泳ぎ! ざぶーん! ぶくぶくぶく… (ということは、こうしてプールの中で出してる泡は、余分の水素と、おれが吐いた息の二酸化炭素が混じってるのか… なかなか面白いや) |
レニ: | 違うよ。人間の肺は酸素を100パーセント吸収できないから、吐いた息の中にもかなりの酸素が残ってる。よってこの泡は水素と酸素の混合気、だから…しゅぼっ。←マッチ |
大神: | (・・・・・・!?) |
レニ: | 着火。 |
どっかーーーーん!! |
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大神: | あーあ・・・さっきの機雷はすごかった・・・ 俺がよそ見してたって説もあるけど・・・・(と言いつつ、標的をとってる)
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レニ: | 障害物増加。 |
大神: | げげっ!? はやすぎないか!? 第一、少しふれただけで爆発する機雷なんて・・・・・ んっ? ちょっと待てよ・・・ 少しふれただけで爆発する機雷を、レニはどうやって投下してるんだ!? |
レニ: | 隊長、よそ見していたらまた・・・
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大神: | えっ・・・・って、わぁぁぁぁぁっっっ!? また機雷がぁぁぁっ!? |
レニ: | 隊長、そんなによそ見していたら・・・・
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大神: | えっ・・・・って、わぁぁぁぁぁっっっ!? また機雷がぁぁぁっ!?
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機雷: | どかーーーーーーーんっっっっっ!!!
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大神: | げっほげっほ。ひどいよレニ、いきなり火つけるなんてぇ… |
レニ: | 水素と酸素の混合気かどうかは、火をつけてみると一目瞭然… というか、お笑いコントはオチでバクハツするのがお約束だって、紅蘭に聞いたから。でも隊長、髪の毛がコゲコゲになってないね。 |
大神: | プールの中だからね…ってそんなにお約束通り頭がコゲるかっ! さてさて、次のご質問は? |
レニ: | ボクたち戦闘員にとっては、随分当たり前の質問だね。 |
大神: | ああほんとだ、たしかに。ご説明しましょう、ええと、たとえば手榴弾でも直前にピンを抜いてから、相手に投げますよね。このように爆弾というものは、起爆剤となる信管を作動させない限り爆発しないようになっています。 |
レニ: | でないと、弾薬が輸送できないよね。 |
大神: | レニが機雷を投下するときにも、直前に信管を作動させてから、投げ入れてます。 ん? でも不思議だな。どうして機雷が、人間が触れたくらいで爆発するんだろう? |
レニ: | するどいね隊長。地雷と違って機雷は潜水艦とか軍艦を沈めるために使うから、船体の磁気を感知して爆発する磁気信管、あるいは船のエンジン音を感知して爆発する音響信管… |
大神: | いずれも、人が触れたくらいでは爆発しないはずなんだけどなあ。もしかしたら帝撃の潜水訓練専用に、人間が触れただけで爆発する信管を特別に使ってるとか…? |
レニ: | 予算不足だもん、そんな余裕ないよ。使ってるのはふつうの機雷と同じ、磁気感知式の信管。 |
大神: | ほへ? そんなもんじゃ爆発しないじゃないか。 |
レニ: | 隊長の体で磁気信管が反応するように、一か月前くらいから隊長の食事には、粉末の鉄を少しづつ入れておいたんだって。それが隊長の体の中に徐々に蓄積して磁気を帯びて… |
大神: | ち、ちょっとまてぇっ!! 道理でここのところご飯が鉄サビくさいと思った… ってそういう問題じゃないっ! だれなんだーそんなひどいことを思いついたのは… |
レニ: | 米田長官。 …いいじゃない隊長。鉄分がたくさん摂れて健康にいいよ。 |
大神: | んなわけあるかーーっ!! |
レニ: | そういえば、隊長の持ってる電気式の防水腕時計、何時? |
大神: | 時間かい? さっき合わせたばっかりなんだけど。ええと… 4時5分前だ。 |
レニ: | やっぱり、10分も遅れてる。隊長の体、時計が狂うくらいに磁力がたまってきてる。 |
大神: | とほほ…(;;) |
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大神: | ぶはぁっ! さ、さすがにつらくなってきたぞ。すこし浮かんだまま息を整えよう・・・
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レニ: | 障害物増加。 |
大神: | レニーー! かんべんしてくれー(涙)
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レニ: | 息、つづくの? |
大神: | ほへ? だから今こうやって息してるところ・・・・(レニを見る) あっ!? レニが寝てる!? |
レニ: | (寝ながら)息、つづくの? |
大神: | レニ――っ!? しっかりしてくれーーっ!! |
レニ: | (いきなり目を覚ます)あ、隊長、またよそ見なんかしていたら・・・・ |
大神: | えっ・・・・・・・って、うわぁぁぁぁぁっっ!? またまた機雷がぁぁぁぁっっ!? |
機雷: | どかーーーーーーーーーーんっっっ!!!! |
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大神: | なんか変だなーとは思ってたんだが、レニ、やっぱりうたた寝してたのか。 |
レニ: | ち、違うよ。隊長が浮上したまま全然動かなくてヒマだから、次にどこに機雷を落とせば効果的か、目を閉じて考えてたんだ。 |
大神: | いいや、寝てたっ! 鼻から「ZZZ...」って出てたの見たぞ。なのにうたた寝しながら俺に「息、つづくの?」ってしゃべってくるし、一体どうなってるんだ? |
レニ: | 鼻から、ZZZって、なに・・・?(手で鼻をおさえる) でも、もうばれちゃしかたないね。…これを使ってたんだ。紅蘭の『だいやくくん』。 |
大神: | 代役くんか。舞台でもし声が枯れてしまったときでも口パクで何とかなるようにって、紅蘭が作ったやつだな。 |
レニ: | そう。でも、この機械はあらかじめインプットされたせりふを繰り返すことしかできない。 |
大神: | それで「息、つづくの?」ばっかりだったのか。こまるよレニ、潜水中は危険防止のために見張り役をつけなきゃいけない規則なんだからさあ… |
レニ: | た、隊長が潜ってるあいだはちゃんと起きて見てたよ、ほんとだよ。 隊長だって帝劇フリー移動のときに、動かさずにおいたら立ったままよく寝てたじゃない。 |
大神: | ぐ。お、お互い寝不足だからなあ、このところ… |
レニ: | 歌が好きなのはいいことだけど… 米田長官の浪曲、夜に練習するのはどうにかしてよ。 |
大神: | だ、だって、もしやめてくださいなんて言いにいったりしたら、そのまま引きずり込まれて聴衆にさせられるのが関の山… |
レニ: | はあ・・・・・ |
大神: | はあ・・・・・ |