大神: | い、いきなり物騒な話題が飛び出してるみたいだけど・・・あれ、さくらくん、さくらくんは? |
紅蘭: | さくらはんなら「京極なんて嫌い!」とか言って、どっか行ってしもたみたいやで。やっぱな〜、あれだけ父親の事コケにされたんやから、気持ち分かるわ。 |
大神: | そうか・・・じゃあ今回はさくらくん抜きってことで話を始めよう。まずは張本人の京極陸軍大臣の登場だぁ〜!! |
京極: | 京極だ。 |
紅蘭: | やぁ、よう来てくれはったなぁ! ま、ここに座ってくつろいだってや。 |
京極: | うむ。 |
大神: | さてさて、京極さんはサクラ2で黒鬼会を操ったり武蔵を復活させたりと、色々やってくれちゃった訳ですが・・・ 結局何がしたかったの? |
京極: | うぐ。 |
織姫: | そうでーす。わたしもそのこと、ずぅっと疑問に思ってましたー。黒之巣会ってところには”幕府最高っ!”っていうスローガンがあったんでしょー? |
レニ: | ・・・再興だよ。 |
京極: | 再興だ。ところで私の野望は、貴様ら虫けらに理解できる様なちっぽけなモノではない! |
金剛: | ほう。 |
京極: | (な、なぜ金剛がここに!?)そ、そう。つまり具体的に言うとだな・・・ 私は帝都を一度破壊して、そこに新たなる帝都を築くつもりだったのだ。むろん! 私を指導者としてな。 |
大神: | 新たなる・・・帝都・・・。 |
京極: | くくく、大神。貴様は12話の最後でも、もう少しで落ちそうだったからな。分かるだろう、貴様には? 同じ栃木県人として!! |
カンナ: | 隊長! 試しに騙されてみろ!! |
大神: | やだ。・・・ていうか、あの時のLIPSで、俺はもっと突っ込みたかったかったんだよなぁ。その疑問をここでぶつけてみよう。京極! その”新たなる帝都”っていうのはどんなもんなんだ!? |
京極: | ふっふっふっ・・・それは人と魔が共存する世界・・・真に平等なる社会なのだ!! 力ある者が上に立ち、弱き者は糧とる・・・いわゆる弱肉強食だな。 |
マリア: | まるで志々雄真実ね。 |
京極: | ぬぐ・・・ふ、まぁいい。これで分かっただろう、大神。そして読者の諸君! この京極がいかに崇高な理想を持っていたかが!! |
アイリス: | でもアイリス達に負けちゃったんだよねぇ! |
すみれ: | アイリスと少尉の合体攻撃で消えて行くあなたの姿は・・・見事に無様でしたわ。おーっほっほっほっほっほ! |
大神: | いやぁ。 |
マリア: | 照れないで、隊長。気色悪い。でも京極、あなたが私達に負けたという事は、つまりあなたには”自分の理想とする世界”にも”自分が破壊しようとする世界”にも居場所はないということよね。弱者で、その上わがままなんだから。 |
京極: | く・・・痛いところを。しかしこれで安心するのはまだ早い。私を倒したところで何の解決にもなりはしない! いつの日か私の遺志を継ぐ者が現れ、きっと理想を実現することだろう! はーっはっはっはっはっはっは!! |
紅蘭: | ちょっと待って。もしも数年後、本当にうちらを負かすようなヤツが出てきたとして・・・。 |
織姫: | その人は今、どこかに潜んでるってことですよねー。 |
金剛: | ・・・ってことは、そいつは京極様よりも強ぇわけだな。 |
カンナ: | だったら、もし京極が天下を取ってたとしても・・・。 |
アイリス: | あっっという間に! そいつから引きずり下ろされたんだろうね〜! |
京極: | そ、そう言えば・・・。(呆然) |
すみれ: | 無様ですわねぉーっほっほっほっほっほ・・・ゲフゲホ。 |
京極: | 俺って・・・意味なし・・・? |
レニ: | ・・・そういうこと。 |
さくら: | くくく。 |
大神: | 第二巻だな、よし頭出し、頭出し…(きゅるるるる) |
すみれ: | まったく、前回は作監の方のポカミスでとんだ災難でしたわ。で、今回はどんな内容ですの、紅蘭? |
紅蘭: | ちょっとまってや。えーっと、『稽古の途中にカンナとスミレの喧嘩があり、その後の食事のあと、マリアが落ち込んでいるところにあやめさんが来るシーンがある…』 |
大神: | ケンカ、ケンカ… カンナとすみれくんのケンカ…(きゅるるるる) |
すみれ: | …なんですの、少尉。 (-- ) |
大神: | い、いえ、べつに。お、このへんだこのへんだ。この後、マリアがでてきて… |
すみれ: | あやめさんですわね。ずいぶんと懐かしい方の登場ですわ。 |
紅蘭: | んで、『そのシーンで窓にうつったアヤメさんの髪をみると左から右に向かっている…』 |
大神: | うん、左から右だ。あやめさんはいつもこの髪型だったはずだけど。 |
紅蘭: | そのはずなんやけど… 『しかしその後マリアがアヤメさんの方を見たときも左から右に向かっている。つまり、窓に写っているのに髪型が変わってないのである。』 |
大神: | ……… |
すみれ: | …た、確かにおっしゃる通りですわ。 |
紅蘭: | こ、こりゃどうなっとるんや?? 窓に映っても左右がひっくりかえらへんやなんて、物理の法則にカンペキ反しとるっ。 |
すみれ: | マリアさんが振り返るあいだに、あやめさんが髪を解きなおした、とか… |
大神: | …いや、そんなことする理由がないよな。第一、あのガチガチに固めまくった髪型をセットしなおすとなるとずいぶん手間だぞ。 |
紅蘭: | うわー、まいったなー。これはずいぶんと難問やで… |
(ボロロ〜ン) | |
加山: | いよぉ〜大神ぃ、秋はいいなあ。 |
大神: | またか加山っ! どうでもいいからはやく窓から入ってこいっ。 |
加山: | 両手に花の歓談中すまないな。では失礼するぞ。とおっ!! |
大神: | どうでもいいけど、おまえそのボロロ〜ンっていうコードしか弾けないんじゃないか、実は。 |
加山: | ぐ、いい質問だ大神ぃ。こんど一緒に飲もうじゃないか、おれのおごりだ。 |
紅蘭: | …ほんで、きょうは何の用事で来はったん、加山はん。 |
加山: | いや、藤枝あやめ女史の髪型が話題になっているのを小耳に挟んだのでね。月組として真実を伝えに登場したわけさ。 |
すみれ: | ということは、この謎の答え… ご存じですの? |
加山: | もちろん。藤枝旧副指令は花組の作戦指揮のみならず、諜報活動など帝撃の陰の面にも長けたお方だった。我々月組の活動も、彼女の立案指揮が礎となって現在に至っているのだ。 |
紅蘭: | ほおほお。 |
加山: | そして俺の現在の情報活動は、藤枝旧副指令から継承した技術をもとに展開されている。当然、時と場所を選ばず窓から登場するこのスタイルも… |
大神: | ちょっと待て。じゃ、おまえがしょっちゅう窓の外からおれに声かけてくるように、あやめさんも窓の外からマリアに声かけたって言いたいのか? |
加山: | その通りだ大神ぃ。副指令は窓に映っているのではなく、実際に窓の外にいたのだ。そして『とおっ!』と部屋の中に… |
大神: | そんなわけないっ! 第一あやめさんの声に気づいたマリアは、ちゃんと部屋の中に顔向けてるじゃないかっ。 |
加山: | はははっ。気丈なマリア君は自分の苦悩する姿を副指令に見られたくなかった、だから窓から顔を背けて応えたのだ。 |
すみれ: | お待ちになって。それにしては、窓の外のあやめさんの姿が、外の夜景に透けてましてよ。これはどうご説明なさるおつもり? |
加山: | ははははっ、なんといっても副指令は聖ミカエルだ。女神さまだったら体くらい透けたって不思議じゃないだろう。 |
すみれ: | なるほど、そこまで筋が通っているなら納得いたしましてよ。少尉、あやめさんはやはり窓の外にいたのですわ。 |
紅蘭: | そういうこっちゃな。さすがは月組の隊長はん、質問の答え方もスマートや! |
大神: | へ? ちょっとまってくれふたりともっ、こんなのを本気にするつもりかっ? |
すみれ: | 少尉、負けは潔く認めたほうがよろしくってよ。今回は加山さんの勝利ですわ。 |
紅蘭: | そやそや、大神はん、同期生のゆうことは信じなはれ! |
大神: | う… うーん、そこまで言われると、たしかにそんな気もしてきたなあ。ということは、長い一日でさんざん苦労したあやめさんの帝撃クイズって、やっぱり加山みたく情報収集して作ってたのか。道理で妙にくわしいと思ったんだ、うーむ… |
後日。 | |
紅蘭: | くくく、うまいこといったな。 |
すみれ: | ええ、少尉ったら「たしかにそんな気もしてきたなあ〜」だなんて… ひぃーおかしい、おーっほっほっほ! |
加山: | 分かったかな? これが「三人成虎(さんにんせいこ)」だ。誤った話も、多くが言えば真実と同じ力を持ってしまうのだ。自分の必殺技の故事成句にまんまと引っかかるとは、あわれな奴よ大神ぃ。 |
すみれ: | くっくっく。 |
紅蘭: | くっくっく。 |